トヨタ自動車株式会社 toyota safety...

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トヨタ自動車株式会社 Toyota Safety Sense C 通称名 カローラ 1 概要 車両型式 DBA -NRE16# DBA -NZE16# 1) トヨタ・セーフティ・センス エンジン型式 1NR -FE 2NR-FKE 1NZ -FE 適用時期 2015.03 出典資料 解説書 NM20QO]NM31NO] 修理書 RM20QO]RM31NO] 取扱書 M12]17 ドライパの安全な運転を補助する以下の三つの運転支援システムを,予防安全パッケージ iToyota' Safety . Sense .C J として設定した 。 (i) 衝突回避支援:プリクラッシュ・セーフテイ・システム(PCS) (i) 車線逸脱防止支援:レーン・デイパーチャ・アラート (LDA) (i) 夜間視界支援 :オートマチ ック・ハイビ ーム (AHB) (1) 概要 ① プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,単眼カメラとレーザ・レーダの双方の情報をもとに,先行車や 障害物の検知を行う 。 ②検知された先行車との衝突の危険性が高いと判断した場合は警報作動を行い, さらに衝突の回避が難しい状 況と判断した場合は,万一の衝突に備え,衝撃を回避又は軽減するためにプリクラッシュ・ブレーキ・アシ スト制御やプリクラッシュ・ブレーキ制御を実施する 。 ③ プリクラッシュ・ブレーキ及びプリクラッシュ・ブレーキ・アシストの優れた減速性能により,衝突回避又 は衝突被害を軽減する 。プリクラッシュ・ブレーキでは約 30km/h ※の減速を可能に した。 ヨ空白 ※ :道路状況や天候など使用環境によって十分な減速性能が得られない場合がある。 ④トヨタ・セーフテイ・センスは衝突回避支援に加え,信号待ちなどで先行車が発進した後, 自車が発進しな い場合にブザー音とメータ表示にてドライバに知らせる,先行車発進告知機能を制御している 。 (イ) 注意事項(図 -1 2) ① プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,手放し運転,脇見運転などの前方不注意を補助するものではな ¥ρ② プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,衝突の回避を支援,あるいは衝突時の衝撃による被害を軽減す ることを目的としたシステムである 。あらゆる状況で衝突を回避又は衝撃を軽減するものではない。 ③様々な条件下ではシステムが作動しない場合や十分に効果を発揮できない場合がある。プリクラッシュ・ セーフテイ・システムをブレーキ操作の代わりとして使用することは絶対にしないこと 。 システムを過信せ ず,いかなる場合もドライバの責任にて運転操作を行うこと 。 ④先行車発進通知システムは,先行車が発進直後に停止した場合や,他車の割り込み,路上の落下物やシステ ムの誤作動などにより,先行車発進通知後も先行車や障害物に追突する可能性がある。システムを過信せず, ドライバ自身が前方を確認してから発進を行うこと 。 ⑤ プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ前方のウインド・シールド・ガラスを締麗な状態にすること 。 - 96 -

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Page 1: トヨタ自動車株式会社 Toyota Safety Sensekiroku.bufsiz.jp/gijyu/H28/gat/H28g-toyota.pdfトヨタ自動車株式会社 Toyota • Safety • Sense ・C 通称名 カローラ

トヨタ自動車株式会社

Toyota • Safety • Sense ・C

通 称 名

カローラ

1 概要

車 両 型 式

DBA -NRE16#

DBA -NZE16#

1 ) トヨタ・セーフティ・センス

エンジン型式

1NR -FE

2NR-FKE

1NZ -FE

適用時期

2015.03

出典資料

解説書 NM20QO] NM31NO]

修理書 RM20QO] RM31NO]

取扱書 M12]17

ドライパの安全な運転を補助する 以下の三つの運転支援システムを,予防安全パッケージiToyota'

Safety . Sense . C Jとして設定した。

(i) 衝突回避支援:プリクラッシュ・セーフテイ・システム (PCS)

(ii) 車線逸脱防止支援:レーン・デイパーチャ・アラート (LDA)

(iii)夜間視界支援 :オートマチ ック・ハイビーム (AHB)

(1) 概要

①プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,単眼カメラとレーザ・レーダの双方の情報をもとに,先行車や

障害物の検知を行う 。

②検知された先行車との衝突の危険性が高いと判断した場合は警報作動を行い, さらに衝突の回避が難しい状

況と判断した場合は,万一の衝突に備え,衝撃を回避又は軽減するためにプリクラッシュ・ブレーキ・アシ

スト制御やプリクラッシュ・ブレーキ制御を実施する。

③プリクラッシュ・ブレーキ及びプリクラッシュ・ブレーキ・アシストの優れた減速性能により,衝突回避又

は衝突被害を軽減する。プリクラッシュ・ブレーキでは約30km/h※の減速を可能に した。

ヨ空白 ※ :道路状況や天候など使用環境によって十分な減速性能が得られない場合がある。

④ トヨタ・セーフテイ・センスは衝突回避支援に加え,信号待ちなどで先行車が発進した後, 自車が発進しな

い場合にブザー音とメータ表示にてドライバに知らせる,先行車発進告知機能を制御している。

(イ) 注意事項(図-1,2)

①プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,手放し運転,脇見運転などの前方不注意を補助するものではな

¥ρ。

②プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,衝突の回避を支援,あるいは衝突時の衝撃による被害を軽減す

ることを目的としたシステムである。あらゆる状況で衝突を回避又は衝撃を軽減するものではない。

③様々な条件下ではシステムが作動しない場合や十分に効果を発揮できない場合がある。プリクラッシュ・

セーフテイ・システムをブレーキ操作の代わりとして使用することは絶対にしないこと。システムを過信せ

ず,いかなる場合もドライバの責任にて運転操作を行うこと。

④先行車発進通知システムは,先行車が発進直後に停止した場合や,他車の割り込み,路上の落下物やシステ

ムの誤作動などにより,先行車発進通知後も先行車や障害物に追突する可能性がある。システムを過信せず,

ドライバ自身が前方を確認してから発進を行うこと。

⑤プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ前方のウインド・シールド・ガラスを締麗な状態にすること。

- 96 -

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-1." こと。

また,プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ前方の窓部に検査標章(ステッカ)などをはり付けない

直童日 レーザ・レーダは前方車両検出にレーザ光を使用している。裸眼で見ても問題はないが,光学機器(虫めがね

など)を使用してレーザ光を見ることは絶対にしないこと。重大な視覚障害に及ぶか,最悪の場合失明につな

がるおそれがある。

⑥センサ前方のウインド・シールド・ガラスに汚れ,雨滴,結露,氷雪などが付着していると,プリクラッ

シュ・セーフテイ・シティ・センサの認識性能が低下する場合がある。

⑦冷寒時,ウインド・シールド・ガラスの上部が曇った場合,正しく作動しないおそれがある。

③ウインド・シールド・ガラスを純正品以外のものに交換しないこと。

③単眼カメラのレンズは触らないこと。指紋などにより正常に認識することができなくなることがある。

⑩プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサに強い力を加えないこと。また,分解などしないこと。

⑪次の場合プリクラッシュ・セーフテイ・システムは作動しない。

②プリクラッシュ・セーフテイ・システム・スイッチ操作によりシステムが停止し, PCSウォーニング・

ランプ(OFFインジケータ・ランプ)が点灯している場合

⑪プリクラッシュ・セーフテイ・システムの不具合により, PCSウォーニング・ランプ(OFFインジケー

タ・ランプ)が点滅している場合

の VSCがOFFのとき(衝突警報のみ作動可能状態になる)

@バッテリ脱着後, しばらく走行するまでのあいだ

⑫次のような状況ではプリクラッシュ・セーフテイ・システムが正しく作動しない。

④センサの検知エリア外への側面衝突,後面衝突など

⑪センサが対象物を車両もしくは障害物として認識できていない場合(人, 自転車,オートパイ,立ち木,

パイロン,ポール,動物, 雪壁など)

の 自車の進行方向への急な飛び出し,割り込みなど

@センサへの強い衝撃などにより,センサの向きがずれているとき

⑬環境条件に関する注意事項

次のような状況ではプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの検出能力が低下する場合がある。

③急な勾配路や急カーブを走行する場合

⑪左右に傾いた道路ゃうねった道路を走行する場合

の車が横滑りをしている場合

@車両姿勢が極端に変化している場合(ノーズ・アップ,ノーズ・ダウンなど)

⑧雨,霧, 雪,砂嵐などの悪天候や煙の中を走行する場合

6トンネル内や夜間など,周囲が暗いとき

の逆光の中に対象物がある場合

ウt

QJ

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カーブの入口の路側物

(ガード・レール・道路標識など)

路面上の反射物・段差・突起物など

ETCゲートや駐車場のゲートなど

開閉バーに急速に接近したとき

-回彊週・

カーブでの対向車とのすれ違い

センサの軸ずれが発生しているとき

立体交差,道路標識,看板などが

進行方向にあるとき

図-1 注意事項

- 98 -

右左折時に対向車と

すれ違ったとき

ミ二雲陸軍z

d

先行車に急速に接近したとき

+ +

車両姿勢が極端に変化しているとき

(ノーズ・アップ,ノーズ・ダウン)

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きついカーブや起伏がある場所

車両が横滑りしているとき

先行車の後端が検出しにくい高さや形状,

文は雪,泥などで覆われているとき

-II=T-

|し

自車の進行方向に急な飛び出し,

大きなハンドル操作で障害物が

前方に出現した場合

車両姿勢が極端に変化している場合

(ノーズ・アップ,ノーズ・ダウン)

太陽光や強い光がセンサに直接

照射しているとき

自車の進行方向に急な割り込みが

あるとき

衝突,再登載などにより,

センサの軸ずれが発生しているとき

' ーゼ. . d

!l¥ ))))ゴ)))))

雨,霧,雪,砂嵐など悪天候

のとき

フロン卜・ウインド・ガラスが汚れていたり,

雨滴,結露,氷雪などで覆われているときトンネル内や夜間など周囲が暗いとき

図-2 注意事項

-99 -

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(2) 構造・機能

(イ) 構成部品の配置(図一 3,4)

スピード・センサ

エンジン・ルーム・ジヤンクション&リレー・フ。ロック No.2/ストッフ。.ランフ。・コント口-)レ・リレー

(STOPリレー)

-.. ..

エンジン・コントロール・コンビュータ

ブレーキ・アクチュヱータ Ass'y/スキッド・コントロール・コンビュータ

コンビネーション・メータ Ass'y

VSC' OFFスイッチ

図-3 構成部品の配置

-100 -

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-E霊週・

(口) 構成部品主要機能一覧

名 称 主な機能

-単眼カメラ及びレーザ・レーダから前方の車両情報を取得し,プリク

ラッシュ・セーフテイ・システムの制御を行う 。

-プリクラッシュ・セーフテイ・システム制御と共に,コンビネーショ

プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ ン・メータ Ass'yに各表示及びブザー吹鳴の要求信号を送信する。

-プリクラッシュ・ブレーキ又はプリクラッシュ・ブレーキ ・アシスト

作動時,スキッド・コントロール・コンピュータに減速度要求信号を

送信する。

-警報作動時にプリクラッシュ・セーフテイ・ブザーを吹鳴させる。

-スイッチを 3秒以上押すことによりプリクラッシュ・セーフテイ・シ

プリクラッシュ・セーステムの作動を停止する。 このとき,コンビネーション・メータ

コンビネーション・スイッフテイ・システム・ス

Ass'y内の PCSウォーニング・ランプが点灯する。(システムを ONす

チAss'yNO.2 イッチ

るには再度スイッチを押す。)

-プリクラッシュ・セーフテイ・システムの警報タイミングを「遠い(タ

イミングが早くなる)J. I中間(初期設定)J. I近い(タイミングが遅く

なる)Jに切り替える。

VSC'OFF スイッチ操:イ乍により,ブレーキ・システムカ~VSC'OFFモー

VSC' OFFスイッチドに移行すると,プリクラッシュ・アシスト・ブレーキ及びプリクラッ

シュ・ブレーキ作動も OFFされる。(警報機能は作動可能な状態を継続

する。)

エアバッグ・センサ Ass'y ヨー・レート・センサ車体のヨ一角速度(自転運動)及び前後左右の加速度を検出し. CAN通

信を通じてプリクラッシュ ・セーフテイ・シティ・センサに信号を送る。

ステアリング-センサステアリングの操舵角・操舵方向を検出し CAN通信を通じてプリク

ラッシュ・セーフテイ・シティ・センサに信号を送る。

スピード・センサ 車輪速を検出し,スキッド・コントロール・コンビュータヘ信号を送る。

ストップ・ランプ・スイッチ Ass'yブレーキ・ペダルが踏まれたことを検知し,スキッド・コントロール・

コンビュータヘ信号を送る。

コンビネーション・メータ Ass'y内マルチ・インフォメーション・デイ

ステアリング・パッド・スイッチ* スプレイの表示切り替え及び先行車発進告知機能の設定変更操作に使用

する。

エンジン・コントロール・コンピュータシフト・ポジション信号及びスロットル開度信号をプリクラッシュ・

セーフティ・シティ・センサに送る。

メイン・ボデーECU(マルチ・プレックス・ネット車両の仕様情報を出力する。

ワーク・コンピュータ)

-車速信号,ストップ・ランプ・スイッチ信号 マスタ・シリンダ圧セ

ンサ信号をプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサヘ送る。

ブレーキ・アクチュエータ スキッド・コントロー -プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの信号をもとに,フや

Ass'y ル・コンビュータ レーキ・アクチュエータに制御信号を送り,ブレーキを作動させる。

-ブレーキ制御に応じて ストップ・ランプ・コントロール・リレーヘ

点灯信号を送る。

-警報作動時に,プリクラッシュ作動インジケータ・ランプを点滅さ

せ,同時にブザーの吹鳴により運転者に警告する。

-先行車発進告知時にブザー吹鳴及びマルチ・インフオメーション・

ディスプレイ表示を行う 。

コンビネーション・メータ Ass'y . ODO/TRIP . DISPボタンの操作又はステアリング・パッド・スイッ

チの操作により,先行車発進告知機能の告知タイミング及び作動

ON/OFFの設定画面を表示する。

-システム不作動時及び異常時に. PCSウォーニング・ランプの点滅に

より運転者に警告する。

エンジン・ルーム・ジャン ストップ・ランプ・コスキッド・コントロール・コンビュータの信号をもとに,ストップ・ラ

クション&リレー・ブロッ ントロール・リレー

クNO.2 (STOPリレー)ンプを点灯する。

*ステアリング・パッド・スイッチ付き車

-101 -

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(パ作動

コンビネーション・メータ Ass'y

-PCS作動インジケータ・ランプ

-PCSウォーニング・ランフ。

-VSC . OFFインジケータ・ランフ。

ーマルチ・ブザー

-ODO/TRlp. DISPボタン

ーマルチ ・インフォメーション・テ手ィスフ。レイ

lVSC.O芹スイッチ

ストップ・ランプ・コントロール・リレー (STOPリレー)

-国軍週・

フ。リクラッシュ・セーフティ・

シティ・センサ

一単眼カメラ

ーレーザ・レーダ

ーフ。リクラッシュ・セーフティ・

センサ・コンビュータ

CAN(V /'¥ス)

トj二ー申ー

スキッド・

コンビネーション・スイッチAss'y NO.2

フ。リクラッシュ・セーフティ・

システム・スイッチ

ステアリング-センサ

エアバッグ-センサAss'y

ヨー・レート・センサ

エンジン・コントロール・

コンビュータ

メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・

ネットワーク・ボデー・

コンビュータ)

ブレーキ・アクチュヱータ Ass'y

|マスタ…一 1:

|ポンプ・モータ I ~ コント口-)レ・

コンビュータ 一一ー一一一一静I l'

1""--ーーー・・ ー ーーー ーー - - 目 白 『

図-4 システム図

プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ内の単眼カメラ

とレーザ・レーダにより自車両前方の車両や障害物との衝突判断を行っている。

(a) プリクラッシュ・セーフテイ・システム(前方対応)

-プリクラッシュ・セーフテイ・システムは,衝突の可能性がある場合に,メータ表示とブザーによる警報

を発し,ブレーキ・アシスト制御を行う 。また,衝突不可避な状態になった場合にはブレーキ制御を行う

ことによ って,衝突した際の衝撃の軽減に寄与する。

-プリクラッシュ・セーフテイ・システムによるブレーキ制径問寺は,スキッド・コントロール・コンビュー

タがストップ・ランプ・リレー (STOPリレー)を ONしてストップ・ランプを点灯させ,後続車にブレー

キ作動を知らせる。

-102 -

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-i'3・(b) 作動条件

プリクラッシュ・セーフテイ・システムの各制御は,プリクラッシュ・セーフテイ・システム ONで以下

の作動条件にあり,前方車両(オートパイ・自転車は除く)と衝突の可能性が高いと判断したときに作動す

る。

①警報の表示及びブザ一吹鳴

・車速約 15km/hから 140km/h

-自車から見た前方の車両や障害物との相対速度が約 15km/h以上

②プリクラッシュ・ブレーキ

・車速約 lOkm/hから 80km/h

-自車から見た前方の車両や障害物との相対速度が約 lOkm/h以上

③プリクラッシュ・ブレーキ・アシスト

.車速約30km/hから 80km/h

-自車から見た前方の車両や障害物の相対速度が約30km/h以上

.ブレーキ・ペダルを踏んでいる

ヨ空白 プリクラッシユ ブレーキは,アクセル・ペダルを強く踏んでいたり,ハンドルを操作している場合など,

運転者が衝突回避操作を行っていると判断した場合は作動しない場合がある。

〈非作動条件〉

プリクラッシュ・セーフテイ・システムの各制御は,以下の条件においては正常に作動しない0

.エンジン・スイッチ OFF時及びACC時

・プリクラッシュ・セーフテイ・システム OFF時(PCSウォーニング・ランプ点灯中)

. VSC' OFF時(衝突警報のみ作動可)

・コンビネーション・メータ Ass'yのPCSウォーニング・ランプがシステムの異常検出により点滅している

場合

・プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの検知エリア外にあるものへの衝突(側面衝突,後面衝突

など)

・自車の進行方向への急な飛び出し,割り込みなど,障害物として認識できていない場合

・センサが対象物を車両もしくは障害物として認識できていない場合(人, 自転車,オー トバイ,立ち木,

パイロン,ポール,動物, 雪壁など)

・プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ上のフロント・ガラスに曇 り,泥, 雪, 氷,ス テッカ(透

明なものを含む)などが付着し車両前方の状況を認識できない場合

・センサへの強い衝撃などにより,センサの向きがずれているときバッテリ脱着後, しばらく走行するまで

のあいだ

(3) 点検・整備のポイン卜

(イ) プリクラッシュ・セーフティ・シティ・センサ交換時の注意

①プリクラッシユ・セーフテイ・シティ・センサを新品に交換を行ったときには,カメラ光軸学習が必要とな

る。カメラ光軸学習を行わずにシステムを作動させると,ダイアグ・コード"CIAA9"が出力される。

②プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ交換の際は,必ず新品と交換する。別車両に組み付いていた

製品を搭載すると プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの内部記憶情報と車両からの情報が不一

致になり,ダイアグ・コードを出力する可能性がある。

③プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ交換の際は, レンズを汚したり,傷をつけないこと。

-103 -

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-lttM

④落としたり,強い衝撃を与えたプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサは再使用しないこと。

(口) ウインド・シールド・ガラスAss'y交換時の注意(図ー 5,6)

①プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサが搭載されたウインド・シールド・ガラス Ass'y交換の際は,

必ずプリクラッシユ・セーフテイ・シティ・センサ用純正ウインド・シールド・ガラス Ass'yと交換する。

プリクラ ッシュ・セーフテイ・シティ・センサ用純正ウインド・シールド・ガラス Ass'y以外のウインド・

シールド・ガラス Ass'yにはカメラ搭載ブラケットがないため,プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・セ

ンサを搭載できない。プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ用純正ウインド・シールド・ガラス

Ass'y以外のウインド・シール ド・ガラス Ass'yにカメラを搭載すると,ウインド・ガラスの透過率と黒色

セラミックの形状により,プリクラッシュ・セーフテイ・システムが正常に作動しない可能性がある。

②下記の範囲のウインド・シールド・ガラス Ass'y外側のプリクラ ッシュ・セーフテ イ・シティ・センサ前部

には,ステッカ(透明なものを含む)をはらない。

・ウインド・シールド・ガラス Ass'y上端からプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ下端より下,

約 lOcmまでの範囲内 (A)

・プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ中心から左右,約 lOcmの範囲内(B)

図-5 交換時の注意①

③下記の範聞のウインド・シールド・ガラス Ass'y内側のプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ下部

には,何も取り付けたり,はりつけたりしない。

・プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ下端より下,約 lOcmまでの範囲内 (A)

・プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ中心から左右,約 lOcmの範囲内(B)

図-6 交換時の注意②

④ ウインド・シールド・ガラス Ass'yにフィルムをはらない。

-104 -

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-回霊週・

か市 プリクラッシュ・セーフティ・システム・ダイアグ・コード一覧

ダイアグ・コード 診断項目

C1A47 ステアリング・センサ異常

C1A48 Gセンサ異常

C1A4B スト ップ・ランプ駆動リレー異常

C1A50 ブレーキ・システム異常

C1A62 ブレーキ制御系異常信号受信

C1A63 アクセル・センサ入力回路異常

C1AAO FCM系統

C1AA3 車速センサ系統

C1AA4 ヨー・レート・センサ系統

C1AA5 ヨー・レート・センサ電源電圧系統

C1AA7 VSCブザー系統

C1AA8 FCM光軸ずれ

C1AA9 FCM光軸未調整

C1AAA FCM仕向情報未初期化

U0100 エンジン ECU通信異常

U0123 ヨー・レート・センサ通信異常

U0126 舵角センサ通信異常

U0129 ブレーキ ECU通信異常

U023A フロント・カメラ・モジュール通信異常

2) レーン・ディパーチャ・アラート・システム (車線逸脱警報)

(1) 概要

①白(黄)線の整備された道路を走行している場合に,現在走行中の車線から車両が逸脱するおそれがあると判

断した場合に,ブザー及びコンピネーション・メータ Ass'yへの表示によりドライバヘ逸脱のおそれを知ら

せするレーン・デイパーチャ・アラート・システムを仕様に応じて設定した。

② レーン・デイパーチャ・アラート・システムは,プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサを用いて道

路の白線を認識し, ドライバに車線逸脱のおそれを知らせてドライパによる逸脱回避操作を促す。

エンジン停止時のスイッチ状態を記憶しエンジン再始動時に停止直前の状態から開始できるラスト・メモ

リ機能を搭載している。

(イ) レーン・ディパーチャ ・アラート・システム使用上の注意

① レーン・デイパーチャ・アラート・システムは,道路環境やドライバの運転状況に応じて, ドライバへの情

報提供を行うシステムである。常に周囲の状況及び車両の進行方向に注意して いかなる場合もドライバの

責任にて運転操作を行うこと。

②白線の整備された道路で使用すること。

③ レーン・デイパーチャ・アラート・システムはレーン・デイパーチャ・アラー ト・スイッチを ONしないと

作動 しない。

.LDAメイン・スイッチがONされた状態で,かつシステム作動車速(約 50km/h以上)で走行中に白線が

認識された場合に作動するシステムである。ただし道路環境やドライパの運転状況に よっては作動しな

い,又は作動を中断する場合がある。

④ レーン・デイパーチャ・アラー ト・システムを過信しないこと。レーン内走行のための警報を行う機能であ

る。

⑤ レーン・デイパーチャ・アラート・システムは,ぼんやり, うっかり運転などでの車線逸脱を警報する機能

- 105 -

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-.*1¥-であり,手放し運転,脇見運転などの前方不注意を補助するものではない。

⑥タイヤ・チェーン装着時,又は応急用タイヤを装着時にはレーン・デイパーチャ・アラート・システムを作

動させないこと。

⑦フロント・ウインド・ガラスのプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ前部にステッカ(透明なもの

を含む)などをはらないこと。

③フロント・ウインド・ガラスのプリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ下部に何も取り付けたり,は

り付けたりしないこと。

③フロント・ウインド・ガラスにフィルムをはらないこと。

⑩フ ロント・ウインド・ガラスのプリクラ ッシュ・セーフテイ・シティ・センサ前部が曇ったり,結露したり,

凍結したりした場合は,フロント・デフロスタで取り除くこと。

⑪フロント・ウインド・ガラスは,いつもきれいにしておくこと。汚れていたり,油膜・水滴・ 雪などが付着

していたりすると,性能が低下することがある。なお,プリクラ ッシュ・セーフテイ・シティ ・センサ取り

付け部のフロント・ウインド・ガラス内側が汚れた場合は,取り外さずトヨタ販売庖に相談すること。

⑫フロント・ウインド・ガラスの交換が必要な場合は, トヨタ販売庖に相談する こと。

⑬プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの前にアンテナを取り付けないこと。

⑬プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサに液体をかけないこと。

⑬プリクラ ッシュ・セーフテイ・シティ・センサに強い光を照射しないこと。

⑬プリクラ ッシュ ・セーフテイ・シティ・センサのレンズを汚したり,傷を付けたりしないこと。フロント・

ウインド・ガラス内側を掃除するときは,ガラス・クリーナなどがレンズに付着しないようにすること。ま

た, レンズにはふれないこと。

⑫プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの向きは細密に調整されているため,取り付け位置や向きを

変更したり,取りはずしたりしないこと。

⑬プリクラッシユ・セーフテイ・シティ・センサに強い衝撃や力を加えない また分解しないこと。

⑬プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ付近に電子機器や,強い電波を発信する機器を取り付けない

こと。

⑫ダッシュ・ボードに反射物を置かないこと。

⑫ レーン・デイパーチャ・アラート・システムが異常を検知した場合, レーン・デイパーチャ・アラートが停

止する 0

・停車後,エンジンを再始動し,システムが正常であることが確認された場合 レーン・デイパーチャ・ア

ラート・システムは作動可能な状態となる。なお,エンジンを再始動しなくてもレーン・デイパーチャ・

アラート・システムが作動可能になる場合もある。

-再び異常の知らせがあった場合には, トヨタ販売庖にて点検を受けること。

(口) 環境条件に関する注意事項

次のような状況ではレーン・デイパーチャ・アラート・システムが正しく作動しない場合がある 0

・かすれた白線・逆光・悪天候・水たまりなど,白線が見え難い場合

・トンネルの出入り口など,明るさが急変する場合

-指定外タイヤ(サイズ,ブランド)やサスペンションを指定外部品に交換した場合

・雪道のわだちなどで,雪が残っている場合

.白線と平行に近い影がある場合

・レーン・マーカが線以外(キヤツツ・アイ,置き石など)の場合

一 106-

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-道路の補修などで白線跡が残っている場合

.工事区間を走行する場合

-急カーブを走行する場合

-"3・

-分岐,合流路及び料金所の手前などを走行する場合

.車線幅が極端に狭い場合や広い場合

-明るい路面の場合(コンクリート路面など)

-対向車や太陽光などの光が路面に映っている場合

・雨天,雨上がりなどの,路面が濡れている場合

-左右に傾いた道路ゃうねった道路を走行する場合

・ヘッド・ランプの異常などで夜間にヘッド・ランプが点灯しない場合

.路面にタイヤ痕がある場合

-路面電車の軌道など, レールがある場合

-107 -

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-.*t-(2) 構造・機能

(イ) 構成部品の配置(図ー 7,8)

フロント・スピード・センサRH

注):イラストはセダンで表現している。

〈インストルメン卜・パネルまわり〉

メイン・ボデー ECU

(マルチ ・プレックス・ネットワーク・ボデー・コンビュータ)

エアバッグ-センサAss'y

.ヨー・レート・センサ

図-7 構成部品の配置

-108 -

リヤ・スピード・センサRH

コンビネーション・メータ Ass'y

・マルチ・インフォメーション・ディスプレイ.ブザー

. LDAインジケータ・ランフ。

スパイラル・ケーブルSUB-Ass'y

(ステアリング-センサ)

コンビネーション・スイッチAss'yNO.2

レーン ・ディパーチャ・アラー卜・スイッチ

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(口) 主要構成部品一覧

構成部品

プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサ

コンビネーション・スイッ レーン・デイパーチャ・

チAss'yNO.2 アラート・スイッチ

エアバック ・センサAss'y ヨー・レート ・センサ

ステアリング・センサ

ブレーキ・アクチュエータ スキッド・コントロー

Ass'y ル・コンピュータ

スピード・センサ

LDAインジケータ・ランフ。

コンビネーション・メータマルチ・インフォメー

ション ・ディスプレイAss'y

ブザー

システム回路図

コンビネーション・スイッチAss'yNO.2

iレーンデ川チヤアラー卜 | スイッチ i

エアバッグ・センサAss'y

ヨー・レート・センサ

ブレーキ・アクチュヱータAss'y

スキッド・コントロール・コンビュータ

スピード・センサ

-.*.-主な機能

-レーン・デイパーチャ・アラート・スイ ッチ情報を受信 して,システ

ム制御の ON/OFFを判断し レーン・ディパーチャ・アラート・シ

ステムを制御する。

-前方道路映像を取得し画像処理を行うことで 走行レーンの白線情報 l

を生成しその結果をもとにコンビネーション・メータ Ass'yの表示

情報やブザーの吹鳴情報を生成し,コンビネーション・メータ Ass'y

へ送信する。

レーン・デイパーチャ・アラート・システムの ON/OFFを切り替える。

ヨー・レート信号をプリクラ ッシュ ・セーフテイ・シティ・センサヘ送

信する。

ステアリング信号をプリクラッシュ ・セーフテイ・シティ・センサヘ送

信する。

車輪速信号をプリクラ ッシュ・ セーフテイ・シティ・センサに送信する。

車輪速信号をスキッド・コントロール・コンビュータヘ送信する。

レーン・デイパーチャ・アラート・スイ ッチの起動状態を表示する。

-システムの作動状態を表示する。

-プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサの表示要求信号に応じ

て,マルチ・インフォメーション・ディスプレイの表示,点灯を制御

する。

-プリクラ ッシュ ・セーフテイ・シティ・センサからの信号に より逸脱

警報ブザーを吹鳴する。

-システムの一時停止や異常時を知らせるブザーを吹鳴する。

メイン・ボデー ECU(マルチ・フ。レックス・ネットワーク・ボデ‘ー・コンビュータ)

図-8 システム図

-109

コンビネーション・メータAss'y

一LDAインジケータ・ランフ。メータ・ブザー

ーマルチ・ インフォメーション ・ディスプレイ

ステアリング・センサ

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-lIIaE・川構造と作動

(a) プリクラッシュ ・セーフティ・シティ・センサ(図-9)

プリクラッシュ・セーフテイ・シティ・センサは,ウインド・シールド・ガラス内面上部の中央に取り付け

られており,内蔵されている単眼カメラで前方の映像を取り込む。また,接続する各ECUやスイッチの信

号と,取り込んだ映像(道路状態)に応じて, レーン・デイパーチャ・アラート・システムを制御する。

レーザ・レーダ

プリクラッシュ・セーフティ・シティ・センサの画像処理範囲

画像処理範囲

巳二二二二三二3

白線

約50m

図-9 プリクラッシュ・セーフティ・シティ・センサ

-110 -

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-1'--3・(b) 作動条件

① レーン・デイパーチャ・アラート・システムの起動と設定(図-10)

・レーン・デイパーチャ・アラート・システムは,コンビネーション・スイッチ Ass'yNO.2のレーン・デイ

パーチャ・アラート・スイッチを押すことで,システムの ON/OFFを切り 替えることができる。

・ステアリング・パッド・スイッチ Ass'yのディスプレイ・スイッチ又は,コンビネーション・メータ

Ass'yのオドトリップ・ディスプレイ・スイッチ操作により,レーン・デイパーチャ・アラート・システ

ムでの車線逸脱警報作動時の警報感度を「普通/高jに切り替えて設定することができる。

-警報感度を「高Jに設定すると, I普通」よりも早いタイミングで車線逸脱警報作動を行う 。

図-10 起動と設定

ディスプレイ・スイッチ

レーン・ディパーチャ・アラート・スイッチ

② レーン・デイパーチャ・アラート・システムの起動

・レーン・デイパーチャ・アラート・スイッチを ONし,下記の条件が満たされた場合に車線逸脱の監視を行

つ。

レーン・デイパーチャ・アラート・システムの作動車速(約50km/h以上)で走行している。

白線が認識されている。

ターン・シグナル・ランプが作動していない。

システム異常が検出されていない。

③レーン・デイパーチャ・アラート・システムの作動条件

下記の状態のとき 車線逸脱警報機能が作動する。

作動車速

作動車線幅

作動半径

約50km/h以上

約3.0m以上

直線道路又は緩いカーブ(半径約 100から150m以上)

11よ

Ei--よ

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-回彊彊・

④警報作動タイミング(図-11)

レーン・デイパーチャ・アラート・システムの作動中に,現在走行中の車線から車両が逸脱する可能性があ

るとシステムが判断した場合に,逸脱警報(ブザー,表示)が作動する。

E 2 ・ a z

図-11 警報作動タイミング

⑤ レーン・デイパーチャ・アラート・システムの中断・復帰

・下記の状態(中断条件)が検出された場合は,車線逸脱の監視及び逸脱時の警報作動を中断する 0

・中断条件が解除され復帰条件が成立した場合は, 自動的に車線逸脱の監視状態に復帰する。

中断条件 復帰条件

レーン・デイパーチャ・アラート・システムの車速外でレーン・デイパーチャ・アラート・システムの車速内で走行

走行

車線逸脱方向へのターン・シグナル・ランブ作動中 車線逸脱方向へのターン・シグナル・ランプOFF時

車線未認識 車線認識時

-正常確認後, レーン・デイパーチャ・アラート・スイッチ

システムの異常検出時 OFF→ ON -エンジン・スイッチ OFF→ ON

プリクラッシュ・セーフティ・シティ・センサ異常高温正常温度になった後, レーン・デイパーチャ・アラート・ス

イッチ ON時

逸脱警報実行後 警報後,数秒間の経過後,車線内の走行が確認されたとき

車両のおよそ半分以上が車線をまたいだとき 車線内の走行が確認されたとき

⑥ レーン・デイパーチャ・アラート・システムの停止・再開

-下記の状態(停止条件)が検出された場合は 車線逸脱の監視を停止する。

・レーン・デイパーチャ・アラート・システムの再開は,下記の状態(再開条件)が成立することにより行う 。

停止条件 再開条件

レ ン・ディパーチャ・アフート・スイッチOFF時 レーン・デイパーチャ・アラ ー ト・スイッチ ON時

シスァムの 時停止時 正常確認時

システム異常才食出時正常確認後, レーン・デイパーチャ・アラート・スイッチ ON

エンジン・スイッチ OFF時エンジン再始動後, レーン・デイパーチャ・アラート・スイッ

チON時

⑦ レーン・デイパーチャ・アラート・システムのキャンセル条件

-炎天下に長時間駐車した後にレーン・デイパーチャ・アラート・スイッチを ONしたときなど,プリク

ラッシュ・セーフテイ・シティ・センサが異常高温になっている場合にはLDAインジケータ・ランプが

黄色に点灯し,システムの起動をキャンセルする。

-この場合, レーン・デイパーチャ・アラート・スイッチを OFFし,再度ONした場合にプリクラッシュ・

セーフテイ・シティ・センサが作動可能温度になっていれば,システムを起動する。

③ レーン・デイパーチャ・アラート・システム異常による停止

112

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- 1'3・-レーン・デイパーチャ・アラー ト・スイッチ ON時,又はレーン・デイパーチャ・アラート・システム作

動中にシステムに異常が検知された場合に,ブザーの吹鳴, LDAインジケータ・ランプが黄色に点灯し,

システムを停止する。

-この場合,エンジン・スイッチOFF後,再度システム作動条件が成立した場合に異常が検知されていな

ければ,正常に作動する。*

重量日 *エンジン スイッチを操作しなくてもレーン デイパ-7-'1"アラート システムが作動可能になる場

合もある。

(3) 点検・整備のポイント

レーン・デイパーチャ・アラー ト・システム(車線逸脱警報)ダイアグ・コード一覧

ダイアグ・コード 診断項目

CIA47 ステアリング・センサ異常

CIAAO FCM系統

CIAA3 車速センサ系統

CIAA4 ヨー・レート・センサ系統

CIAA5 ヨー・レート・センサ電源電圧系統

CIAA8 FCM光軸ずれ

CIAAA FCM仕向情報未初期化

UOlOO エンジン ECU通信異常

U0l23 ヨー・レート・センサ通信異常

U0l26 舵角センサ通信異常

U0129 ブレーキECU通信異常

U0l55 メータ通信途絶

3) オートマチック・ハイビーム・システム

(1) 概要

先行車又は対向車等を検知し,ヘッド・ランフ。のハイビームとロービームの切り替えを自動で行うオートマ

チック・ハイビーム・システムである。

円〈

d

唱BEA--i

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-1--3・(2) 構造・機能

(イ) 構成部品の配置(図一 12)

エンジン・ルーム・リレー・フ《ロック NO.2&ジヤンクション・ブロック NO.2Ass'y

.DIMリレー

. H-LP MAINヒユース、

ヒュージフソレ・リンク・フーロック Ass'y

. MAINヒユース会

エンジン・コントロール・コンビュータ

ヘッド・ランフ.Ass'y RH

オートマチック・ライト・コントロール・センサ(コンライトあり)

オートマチック・ハイビーム・スイッチ

インストルメント・パネル・ジヤンクション・フ《ロックAss'y

メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネットワーク・ボテ.一・コンビュータ)

. ECU-IG. NO.2ヒユース。

図-12 構成部品の配置

-114 -

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-"3・(口) 主要構成部品一覧

構成部品 主な機能

プリクラッシュ・セーフテイ・先行車や対向車の灯火又は街灯を検出すると共に, 自車のハイビーム /ロービームの状態を

シティ・センサ判別し,メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネッ トワーク・ボデー・コンビュータ)

-オ ー トマチック・ハイピーヘハイビーム点灯要求を行う 。

ム・センサ

ヘッド・ランプAss'y(RH/LH) メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネットワーク・ボデー・コンビュータ)から送

信される制御信号により, ロービーム /ハイビームが点灯する。

エンジン ・コン トロール・コン シフ ト・ポジション信号をメイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネットワーク・ボ

ビュータ デー・コンビュータ)へ送信する。

スキッド・コン トロール ・コン 車速信号をメイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネットワーク・ボデー・コンピュー

ビュータ タ)へ送信する。

ヘッド・ランプ・デイマ・ス ライ ト・コン トロール・スイッチ及びデイマ・スイッチの状態をメイン・ボデー ECUへ入

イッチAss'y 力する。

-各センサ及びコンピュータからの信号をもとに オー トマチック・ハイビーム・システム

メイン・ボデー ECU(マルチ・の作動可否を判断し, ロービーム /ハイビームの点灯切り替え制御をする。

-オートマチック・ハイビーム・システムの状態に応じたインジケータ・ランプ点灯要求信フ。レックス・ネッ トワーク・ボ

号をコンビネーション・メータ Ass'yへ送信する。デー・コンビュータ)

-オートマチック・ハイビーム・システムに異常を検知した場合は ダイアグ・コードを出

力する。

エアバッグ ・センサAss'y車両のヨー・レー トをf食出し,メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネッ トワーク・

ボデー ・コンピュータ)へ送信する。

オー トマチック・ライ ト・コン 周囲の明暗を検知 し,メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネットワーク・ボデー・

トロール・センサ コンピュータ)に照度信号を送信する。

オー トマチック・ハイビーム・ オートマチック・ハイビーム・システム作動中に オー トマチック・ハイビーム・インジ

インジケータ・ランプ(緑) ケータ・ランプ(緑)を点灯させる。

オー トマチック・ハイビーム・メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネッ トワーク・ボデー・コンビュータ)からの

インジケータ・ランプ(黄)* 1 信号により,オー トマチック・ハイビーム・システムに異常がある場合は,オー トマチッ

ク・ハイビーム・インジケータ・ランプ(黄)を点灯させる。

マルチ・インフォメーション・メイン・ボデー ECU(マルチ・プレックス・ネッ トワーク・ボデー・コンビュータ)からの

信号により,オー トマチック・ハイビーム・システムに異常がある場合は,マルチ・インディスプレイ叫

フォメーション・ディスプレイに“AHBシステム・チェック"のメッセージを表示させる。

軍空白 * 1 :セグメント LCDタイプ マルチ・インフォメーション・ディスプレイ搭載車

*2:ドッ トLCDタイプ・マルチ・インフォメーション・ディスプレイ搭載車

Fhd

Ei--よ

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-国軍ヨ・

川作動

①対向車とのすれ違い時の作動(図-13)

・オートマチック・ハイビーム・システム作動中に対向車が前方約 800m以内に検知された場合は,ハイ

ビーム・ヘッド・ランプを消灯する 0

・対向車がオートマチック・ハイビーム・センサの検知範囲を外れると一定時間後に再度ハイビーム・ヘツ

ド・ランプを点灯させる。

軍~ *:オートマチ ック ・ハイビーム・センサの検知距離は,使用環境により変化する。

l 約800m-J

I 噌 ..4.......-_.....-ト ー一 一I¥LJ ) j(:';u冶...岨寺三‘.‘・轟a凶司- ~.・ J 一二a

-,~ . .. . .. _.,.....-・p ←

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一----‘・‘、.一ー‘・一一.‘ー一・ー-_

-ム‘~Jせ

.'-,."... ~ー -

図-13 対向車とのすれ違い時の作動

②先行車追い越し又は見失い時の作動(図-14)

司..<#'#-

・オートマチック・ハイビーム・システム作動中に先行車が前方約 600m以内に検知された場合は,ハイ

ビーム・ヘッド・ランプを消灯する 0

・先行車がオー トマチ ック・ハイビーム・センサの検知範囲を外れると一定時間後に再度ハイビーム・ヘツ

ド・ランプを点灯させる。

軍~ *:オートマチック ・ハイビーム センサの検知距離は,使用環境により変化するL

|約600m I

一一-El--i二;二二LJ-一一

ー._-.‘句恥・ー副ーーーーーーー四回目ーー一司自由一ーー陣司冒『回一園田司ー田ー--四ー"ーョー'ー-""ーーーーー』‘

、.九、.、..__..:.-司司句、・F・一・-‘←・・・白・刷割問 -酬副嗣由'司副m ・"ーーー・司・ーーー ・田---ーーーーー・- -圃向島・ーー句両両ー ・・圃・・・・・ー帽~・・~--ー・圃・・・・・・ーー田陣-.・.-.旬、司、

図-14 先行車追い越し又は見失い時の作動

-116 -

.. .. ... ~・

、ー-.“

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-.lit-③オートマチック・ハイビーム・システム作動条件

以下の条件がすべて成立した場合にオートマチック・ハイビーム・システムは作動可能となる 0

. IG. ON

-ライ ト・コントロール・スイッチがAUTO位置でロービーム・ヘッド・ライト点灯

・ライト・コントロール・スイッチがHI位置

-オートマチック・ハイビーム・スイッチ ON

また,オートマチック・ハイビーム・システムが作動可能な場合,コンビネーション・メータ Ass'y内の

オートマチック・ハイビーム・インジケータ・ランプ(緑)が点灯する。

直三日周聞が明るい場合や,濃霧などの悪天候,遮へい物などによりオートマチック ハイビーム センサが前方

を認識できない場合は,オートマチック・ハイビーム・インジケータ・ランプが点灯せず,オートマチック・

ハイビーム・システムが作動しない場合がある。

④ハイビーム・ヘッド・ランプ点灯条件

オートマチック・ハイビーム・システム作動中に,以下の条件がすべて成立した場合にハイビーム・ヘッ

ド・ランプが点灯する。

-車速が約30km/h以上

.車両前方が暗い

・ヘッド・ランプを点灯した対向車又はテール・ランプを点灯した先行車を検知していない

.走行路前方に街灯などの照明が少ない

⑤ハイビーム・ヘッド・ランプ消灯条件

オートマチック・ハイビーム・システム作動中に,以下の条件のいずれかが成立した場合にハイビーム・

ヘッド・ランプが消灯する 0

.車速が約30km/h以下

-車両前方が明るい

・ヘッド・ランプを点灯した対向車又はテール・ランプを点灯した先行車を検知

.走行路前方に街灯などの照明が多い

(3) 点検・整備のポイント

オートマチック・ハイビーム・システム・ダイアグ・コード一覧

ダイアグ・コード

B124B

B124C

U023A

診断項目

オートマチック・ハイビーム・システム異常

オートマチック・ハイビーム・カメラ異常

フロント・カメラ・モジュール通信異常

itEA

1EA