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IVRと被ばく 獨協医科大学 放射線科

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IVRと被ばく

獨協医科大学 放射線科

楫 靖

IVR: Interventional radiology

画像診断装置を用いた経皮的治療法

X線透視下肝細胞癌に対するTAE動脈の狭くなった部分を広げるPTA閉塞性黄疸に対し、減黄のためのPTCD

CT下

肺腫瘤の組織を採取する生検

超音波下

膿瘍ドレナージ

TAE -治療の流れ -

××

①局所麻酔下に総大腿動脈を穿刺、シースを挿入.②カテーテル(直径約2mm弱)を肝動脈に進める.③それぞれの血管造影やCT検査を行う.

→治療方針を決定

④目的部位までカテーテルを進める.

⑤油性造影剤(リピオドール)を混ぜた

抗癌剤を注入

⑥ゼラチン(ゼルフォーム)を動脈に注入

(塞栓術)

治療終了後、カテーテルとシースを抜去

TAEの実際

肝外血管

①下横隔膜動脈肝外動脈のTAE

TAEを繰り返している患者で行われることが多い.

②肋間動脈

①局麻下に病変側の大腿動脈を穿刺、シース挿入

②ガイドワイヤで狭窄部を通過

③バルーンカテーテルで狭窄部を拡張

④ステントを留置

⑤拡張不十分ならバルーンカテーテルで追加拡張

PTA・ステント留置 -治療の流れ -

PTA・ステント留置の実際

IVRと皮膚障害

• IVR手法:患者への負担の少なさ、良好な治療効果などから治療件数が増加(低侵襲治療の代表)

• しかし、長時間の透視、繰り返す撮影により患者側に皮膚障害を生じることがある

放射線被ばく

• 高線量(200mGy)/ 急性被ばく– IVRによる患者被ばく

• 高線量/慢性被ばく–直接X線による術者の被ばく

• 低線量/急性被ばく– CT・PET・消化管透視

• 低線量/慢性被ばく– IVR術者の被ばく

60歳代 男性: 肝細胞癌のため、2年半の間にTAEを4回施行総被ばく線量 10.95 Gy

IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドラインーQ&Aと解説 医療放射線防護連絡協議会ブックレットシリーズ3.2004

より引用した症例です

症例

2年半の間にTAEを4回施行総被ばく線量 10.95 Gy

被験者の被ばく

検査項目 撮影中心の被爆線量(mGy)

胸部単純 0.07腹部単純 1.64胃透視 9.48注腸 21.51腹部CT 22.2IVR(心カテ) 37.69

(一回の検査あたり)

IVR時の皮膚表面線量30mGy/分(但し透視時)TAE時の総皮膚線量は平均1000mGy→放射線皮膚障害の閾値 2Gy

IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドラインーQ&Aと解説 医療放射線防護連絡協議会ブックレットシリーズ3.2004

より引用