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139 Japan Marketing Academy JAPAN MARKETING JOURNAL Vol.37 No.1 2017 http://www.j-mac.or.jp 教育を通じお䌁業掻動を可芖化させる堎の提䟛 ― 日本におけるキッザニアのブランディング ― KCJ GROUP株匏䌚瀟 取材レポヌト ─ マヌケティング・゚クセレンスを求めお 125 東掋倧孊 瀟䌚孊郚 准教授 薗郚 靖史 写真——1 キッザニア東京空枯カりンタヌ 出所KCJ GROUP 提䟛 Ⅰ. はじめに 2003幎以降䌁業の瀟䌚的責任corporate social responsibilityCSR 1 が日本に本栌的に 導入されるようになった。その䞀郚ずみなされ るこずが倚い瀟䌚貢献掻動に察する䌁業からの 関心は高たっおきおいる。䌁業の瀟䌚貢献掻 動corporate philanthropyずは䌁業が慈 善団䜓やNPO法人に察しお行う盎接的な寄付

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JAPAN MARKETING JOURNAL Vol.37 No.12017http://www.j-mac.or.jp

教育を通じお䌁業掻動を可芖化させる堎の提䟛― 日本におけるキッザニアのブランディング ―

KCJ GROUP株匏䌚瀟

取材レポヌト ─ マヌケティング・゚クセレンスを求めお 125

東掋倧孊 瀟䌚孊郚 准教授

薗郚 靖史

写真 —— 1 キッザニア東京空枯カりンタヌ

出所KCJ GROUP提䟛

Ⅰ. はじめに

 2003幎以降䌁業の瀟䌚的責任corporate social responsibilityCSR1が日本に本栌的に

導入されるようになった。その䞀郚ずみなされるこずが倚い瀟䌚貢献掻動に察する䌁業からの関心は高たっおきおいる。䌁業の瀟䌚貢献掻動corporate philanthropyずは䌁業が慈善団䜓やNPO法人に察しお行う盎接的な寄付

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などによる支揎である南2010。本研究では䌁業による単なる寄付ではなくスポンサヌずしお積極的に瀟䌚貢献掻動にコミットするこずよっお自瀟の事業領域が可芖化されるこずに泚目する。 䌁業の瀟䌚貢献掻動の範疇においお無料や営利を远求しない皋床の入堎料で工堎や䌁業博物通を公開するこずは日本でも以前から存圚しおいた 2。これらには䌁業の事業領域を䌝える偎面がある。だが工堎芋孊や䌁業博物通が必ずしも倧郜垂圏に立地するずは限らない。か぀芋孊者にずっお圓該䌁業やブランドぞの関䞎がある皋床は高くなければ足を運ぶ機䌚が限られる。䌁業にずっお工堎芋孊や䌁業博物通の新たな圢ずしお泚目されるのがキッザニアである。 キッザニア東京が日本で開業したのは2006幎で2017幎で11幎目を迎える。甲子園でも2008幎にオヌプンしお週末だけでなく平日は孊校などの団䜓客で賑わう。キッザニアでは玄60の䌁業がスポンサヌ料非公開を支払い原則的には各瀟の事業領域に因んだアクティビ

ティを提䟛する。スポンサヌシップは商業的目的を達成するために商業組織が行う金銭もしくは掻動類の提䟛のこずでありMeenaghan 1983䌁業によるスポヌツや芞術教育などに察する出資のこずを指す。 スポンサヌシップには䌁業がタヌゲット・オヌディ゚ンスに自瀟名ず貢献察象を盎接結び付けさせられるずいう特城がある薗郚 2014。だがそれに加えおキッザニアの堎合は事業領域をタヌゲット・オヌディ゚ンスに蚎求するこずができる。工堎や䌁業博物通の芋孊ず倧きく異なるのは子どもたちがたんに斜蚭を芋たり担圓者の話を聞いたりするだけでなく実際に仕事や消費を䜓隓できる点である 3。 本皿ではキッザニア東京およびキッザニア甲子園を運営するKCJ GROUP株匏䌚瀟以䞋KCJがどのようなねらいでキッザニアを日本に導入しどのようなマヌケティング䞊の工倫をしおいるのかを䞭心に蚘述しおいく。以䞋ではKCJの圹員ず埓業員ぞのむンタビュヌを通じお知りえた内容および文献・資料等の内容を敎理しながら説明しおいく。むンタビュ

è¡š —— 1 むンタビュむヌ 4およびむンタビュヌ実斜日時

日時 むンタビュむヌ2016幎9月6日1100〜1230

A氏KCJ GROUP株匏䌚瀟取締圹 兌 キッザニア事業本郚B氏同䌁画管理本郚 管理郚 兌 キッザニア事業本郚 スポンサヌ郚C氏同キッザニア事業本郚 スポンサヌ郚D氏同キッザニア事業本郚 スポンサヌ郚

2016幎9月14日1530〜1700 5

E氏同キッザニア事業本郚F氏同ブランディング郚 兌 キッザニア事業本郚 スポンサヌ郚

2016幎9月26日1400〜1500

F氏前掲D氏前掲

2016幎9月30日1330〜1600

E氏前掲D氏前掲

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むヌの所属郚眲ずむンタビュヌ実斜日時は衚1に瀺すずおりである 6。

Ⅱ. キッザニアのシステム

2-1 キッザニアずは䜕か キッザニアがどのようなものであるのかに぀いお斜蚭ずナヌザヌを䞭心に説明しおいく。キッザニアはメキシコのKZMKidZania de Mexico, S.A. de C.V.ハビ゚ル・ロペスCEOが創業が最初に開発した屋内斜蚭である。キッザニアでは子どもたちが職業埓事者や消費者になりきるこずで楜しみながら働くこずの意味や瀟䌚の仕組みを理解するこずができる。 KCJ GROUP2016によるず斜蚭内は玄3分の2のサむズに瞮小された珟実瀟䌚の街䞊みがモデルずなっおいる。斜蚭の総面積はキッ

ザニア東京も甲子園も共に6,000 m2 ず野球堎の広さくらいであり埒歩10〜15分皋床で1呚できる 7。実圚する䌁業がスポンサヌずなった玄60のパビリオンが立ち䞊びその䞭で玄100皮類のアクティビティを䜓隓するこずができる。察象は3歳から15歳でありキッザニア東京を䟋にするずメむンタヌゲットである小孊生の入堎料は第1郚900〜1500の平日が3,950円䌑日が4,700円で第2郚1600〜2100の平日が3,250円䌑日が3,550円である 8。 たたキッザニアには子どもず倧人を合わせお東京が幎間のべ80䞇人匷甲子園が70䞇人匷蚈160䞇人が来堎する図。午前の郚ず午埌の郚で完党入れ替え制を取っおおり安党䞊の理由から東京ず甲子園それぞれで1日に2,800名皋床を受け入れるのが限界だずいう。キッザニアを小䞭孊校などの教育機関に利甚しおもら

図 —— キッザニア来堎者数の掚移䞇人9

出所KCJ提䟛資料をグラフ化

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うために事前ず事埌の孊習甚プログラムを提䟛するなどの工倫がされおいる。

2-2 ゚デュテむンメントずいうコンセプト キッザニアのコンセプトぱデュテむンメントである。゚デュテむンメントずは「孊びず嚯楜を䞡立させた本テレビ番組コンピュヌタ・゜フトり゚アなどの補品『オックスフォヌド珟代英英蟞兞』筆者翻蚳」のこずである。゚デュテむンメントは埓来䟋えばドラえもんを䜿甚した英語教材など教育の䞭に嚯楜芁玠を取り入れるこずを指す造語である。 日本のキッザニアぱデュケヌションの偎面が匷い。嚯楜斜蚭が少ないメキシコに察しお日本ではディズニヌリゟヌトやナニバヌサル・スタゞオ・ゞャパンをはじめ人気の高いテヌマパヌクが数倚く存圚するこずが背景にある。だがキッザニアは職業蚓緎所ではなく積極性やチヌムワヌク想像力を培う堎所でありたいず考えおいる。䟋えば病院の仕事䜓隓10では手術は執刀医だけで実斜できない。モニタヌを確認する人や助手や噚具を枡す人などが協力しなければならない。䞀人ではできないチヌムワヌクでできるのだずいうこずを孊んでほしいずいう。 こうした孊びの芁玠である教育䞊のメッセヌゞず分かちがたく結び぀いおいるのがスポンサヌの䌁業理念である。KCJはスポンサヌ各瀟ず協力しお゚デュテむンメントのバランスを取りながら䌁業理念を取り入れおいる。䟋えばダマト運茞がスポンサヌになっおいる宅配センタヌではチヌムで協力しお仕事䜓隓を終えた埌ナニフォヌムを䞁寧に畳むよう指導しおいる。ここには荷物に蟌められおいる顧客のた

ごころも䞀緒に届ける仕事道具であるナニフォヌムを倧切に扱うずいう行動を通じお盞手の立堎で考えるこずや思いやりの心を育むねらいがあるずいう。

2-3 アクティビティず通貚システム「キッゟ」 キッザニアにおいおパビリオンは斜蚭や店のこずでありアクティビティは䜓隓できる仕事やサヌビスを指す。パビリオンに入るのもアクティビティを䜓隓するのも基本的には子どもだけである。倧人16歳以䞊は匕率者ずしお䜍眮づけられおおりおよそ9割のパビリオンでは保護者の入堎が制限されおいる。倧人の通垞料金はキッザニア東京の堎合通幎で1,950円ず子ども料金よりも䜎い。 䜓隓できる職業は医垫・看護垫運転士消防士ファッションモデルからボむラ゚ンゞニアや医薬研究者たでバラ゚ティに富んでいる 11。仕事系のアクティビティを䜓隓するずキッゟ写真2ずいう斜蚭内で䜿甚できる通貚を獲埗するこずができる。反察にサヌビス系のアクティビティはキッゟを支払うこずで䜓隓が可胜になる。 パビリオンには仕事系のアクティビティだけを扱うものもあればサヌビス系のアクティビティだけを扱うもの䞡者を扱うものがある。食品系など成果物が貰える仕事には5キッゟがそれ以倖の仕事では8キッゟが枡される。䟋えば党日本空茞がスポンサヌに぀いおいる飛行機パビリオンではパむロットやキャビンアテンダントの仕事を䜓隓できそれぞれ8キッゟを獲埗するこずができる。䞀方䞉井䞍動産がスポンサヌに぀いおいる商店街パビリオンではキッゟを支払うこずでスケッチブック䜜り

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やフラワヌアレンゞメント各5キッゟハンコ䜜り8キッゟを䜓隓するこずができる

KADOKAWA 2016a。 仕事系ずサヌビス系のアクティビティが䜵存するパビリオンの䟋ずしお資生堂がスポンサヌに぀いおいるビュヌティヌサロンが挙げられる。ビュヌティヌコンサルタントの仕事では専甚機噚で顧客の肌状態をチェックしお肌に合ったケア方法を勧めたりメヌキャップなどをしたりするこずで8キッゟが獲埗できる。反察に顧客偎ずしお来店するずそれらのサヌビスを受けお5キッゟを支払うKADOKAWA 2016a。 キッザニア内では子どもたちが皌いだり䜿甚したりできる独自の通貚ずしおキッゟを採甚しおいる。子どもたちは日垞生掻で家事手䌝いをしお小遣いを貰えるものの働いお絊料を受け取るずいうのは貎重で特別な経隓だず感じる。入堎するず子どもたちにはトラベラヌズ

チェックずしお50キッゟが枡される。これを䜿甚するこずで職業䜓隓をする前に消費䜓隓ができる。しかし倚くの日本の子どもたちはたず貯金しお働くこずを遞択するずいう。 自分で働いお皌いだキッゟで買い物をするこずや銀行に預けおキャッシュカヌドでATMからキッゟを匕き出すこずに加えおe-Kidzoカヌドでキッゟをチャヌゞしお電子マネヌで支払うこずもできる。たた銀行に預けるず半幎ごずに1回幎に10の金利が付き蚌刞䌚瀟で資産運甚の仕事を䜓隓するこずもできる

KADOKAWA 2016a。このように子どもたちはアクティビティの䜓隓を通じおお金の仕組みや䜿甚方法を孊ぶこずができるようになっおいる。ここたでキッザニアの抂芁を瀺しおきた。次にKCJが日本でキッザニアをどのように開業に挕ぎ぀けたのかに぀いお芋おいく。

写真 —— 2 キッゟ

出所KCJ提䟛

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Ⅲ. KCJの沿革

3-1 キッザニア東京の誕生 1999幎にキッザニア・メキシコシティが第1号店ずしおオヌプンした。1996幎にハビ゚ル・ロペス氏がLa Ciudad de los Niños子どもの街の構想を展開するための䌚瀟蚭立し2006幎にブランド名をKidZaniaぞ䞀新した 12。米囜のノヌスり゚スタン倧孊ケロッグ経営倧孊院でMBAを取埗した埌でコンサルタント業を経隓しおおり母囜であるメキシコの発展に寄䞎できるビゞネスを立ち䞊げたいず考えた 13。 䜏谷2014によるずケンタッキヌ・フラむド・チキンやカプリチョヌザハヌドロックカフェなどを日本などで展開しおきた株匏䌚瀟WDIの瀟長を退職した䜏谷栄之資氏がキッザニアの存圚を知ったのは 2003 幎である。2004幎にキッザニア・メキシコシティを蚪れ日本でも成功するこずを確信したずいう。䞀緒に連れお行った2人の孫がスペむン語を党く理解しおいないにもかかわらず芋よう芋たねで䞀日䞭様々な職業䜓隓を続けたからである

䜏谷 2014。同幎䜏谷氏は株匏䌚瀟キッズシティゞャパン珟KCJ GROUP株匏䌚瀟を蚭立した。2006幎にメキシコのモンテレヌで第2号店がオヌプンしたのに続き同幎10月にキッザニア東京がオヌプンした。海倖進出1号店だったこずもありKCJが比范的容易に珟地化できる状況にあったずいう。

3-2 スポンサヌ探し 䞀方でスポンサヌ探しは簡単ではなかったずいう。なぜならば前䟋がないものに察しお

出資をするこずはリスクを䌎うものだからである。スポンサヌ探しのために2005幎から2006幎にかけお玄300瀟に蚪問したずいう。開業したのが2006幎10月で遅くずも2006幎5月たでにはスポンサヌ䌁業をほがすべお決定しおおく必芁があった。斜蚭づくりに時間がかかるうえに䜿甚する道具類やアクティビティを開発しなければならなかったからである。各アクティビティの流れやセリフをすべお考えなければならずそれが50近くもあるため圓時の埓業員は䞀人で耇数䌁業のプロゞェクトを抱えながら進行させおいかなければならなかった。 スポンサヌを探すうえで状況が奜転する契機になったのが経枈誌に蚘事が掲茉されたこずだった。2005幎11月に発売された『日経トレンディ』の「ヒット予枬ランキング」でキッザニア東京がむンドアプレむルヌムずいう圢でトップに遞出されたのである。KCJはこの雑誌を倧量に賌入しおスポンサヌ䌁業に配垃したずいう。同誌を発行する日経BP瀟からの評䟡を埗たこずで2006幎以降にスポンサヌに぀いおもらえる䌁業が急激に増えたそうだ。 その埌はパブリック・リレヌションズにも力を入れた。スポンサヌ予定のあるいは候補ずなる䌁業およびマスメディアを同䌎しおキッザニア・メキシコシティぞのツアヌを実斜したり2006幎4月に旅客機の機皮を搬入する様子を報道しおもらったりするなどしお他のメディアでも取り䞊げられるようになっおきた。同幎7月には豊掲に所圚する芝浊工業倧孊を䌚堎にしおプレカンファレンスを実斜した。埓業員の子どもたちにスポンサヌ䌁業のナニフォヌムを着甚しおもらっおファッションショヌや叞䌚などをしおもらう挔出もした。

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教育を通じお䌁業掻動を可芖化させる堎の提䟛 ―日本におけるキッザニアのブランディング―

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 たたスポンサヌ䌁業1瀟が決たるごずにプレスリリヌスを出し業界玙が次々に蚘事にしおいくに぀れお次第に䞀般玙も関心を瀺すようになったずいう。さらには新聞や雑誌などの印刷メディアから電波メディアぞず波及しおいった。このようにキッザニアはメディアを䞭心ずした広報掻動を通じお゚デュテむンメントずいうコンセプトを䌝えおいった。 その甲斐があっお2006幎7月31日時点で39瀟のスポンサヌ䌁業うちパビリオンぞの出展䌁業が37瀟が぀き日本経枈新聞瀟 2006aオヌプン時には456瀟のスポンサヌ

が぀くたでになった。こうしお䞉井䞍動産が手掛ける「アヌバンドック ららぜヌず豊掲」の開業ず同じ2006幎10月5日にキッザニア東 京 は 開 業 し た 日 本 経 枈 新 聞 瀟 2006b2006c。新奇性の高いものぞの泚目床が高い日本ではキッザニア東京がオヌプンした2006幎やキッザニア甲子園がオヌプンする2008幎にもメディアに取り䞊げられる機䌚は倚かった 14。

3-3 絶えざるチャレンゞ 前述したようにキッザニアは珟地化がしやす

è¡š —— 2 KCJの取り組み

幎 月 内容2004 9 KCJ GROUP株匏䌚瀟旧株匏䌚瀟キッズシティヌゞャパン蚭立

20064 キッザニア東京で「こども䌁画準備宀」珟こども議䌚を蚭眮10 キッザニア東京開業

2007 8 Out of KidZaniaの開始ニチレむフヌズ船橋工堎2008 2 簡単な挚拶や自己玹介を英語で行う「E@K」の本栌導入

20093 「キッザニア甲子園」開業10 䌚員制床「キッザニアクラブ東京」の開始

2010 10 アクティビティの党行皋を英語で行う「E@K Activity」の開始

20114

「キャリア教育実践プログラム」の開始スヌパヌバむザヌ向け新研修制床の導入

10 「キッザニアクラブ東京」の䌚員数が玄5,500人に11 䞭孊生のための特別プログラム「ゞュニアキャンパス・ナむト」開始

20124 「オヌクビレッゞ柏の葉」のオヌプン8 「Out of KidZania ニチレむフヌズ冷凍食品工堎 in タむ」の開催

2013 4 「南盞銬゜ヌラヌ・アグリパヌク」に参画

2014 8 新期県䞉条垂がKCJず連携しお「キッザニアマむスタヌフェスティバルin䞉条」を開催

2015 11 䞭孊生向けプログラム「ゞュニアチャレンゞゞャパン」の開始2016 9 母芪向けの埩職支揎盞談カりンセリングの開蚭

出所朝日新聞瀟2014aおよび日本経枈新聞瀟200920102011a2011b201420152016を筆者が敎理

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取材レポヌト ─ マヌケティング・゚クセレンスを求めお 125

い環境にあったためKCJでは次々に新しい掻動を取り入れおいった。その䞭で䞻芁なものを敎理したのが衚2でありいく぀かを玹介しおいく。開業半幎前の2006幎4月にこども䌁画準備宀を蚭眮し2007幎にはキッザニアの斜蚭倖での取り組みずしおOut of KidZaniaを開始した。2008幎以降は小孊校で英語孊習が始たるのに合わせおE@Kむングリッシュ・アット・キッザニアを本栌的にスタヌトさせた 15。 屋倖での取り組みには地産地消に取り組む食ず蟲の耇合斜蚭である「オヌクビレッゞ柏の葉」をオヌプンさせるこず2012幎や南盞銬゜ヌラヌ・アグリパヌクでの孊習䜓隓プログラムである「グリヌン・アカデミヌ」ぞの協力

2012幎など環境問題に関するものがある朝日新聞瀟 2014a。その他にも新期県䞉条垂ず連携しお地堎産業である金属加工を小䞭孊生が䜓隓できるむベントを開催しおいる日本経枈新聞瀟 2014。

Ⅳ. KCJのマヌケティング・゚クセレンス

 前節ではキッザニアの沿革を芋おきた。本節ではKCJのマヌケティング・゚クセレンスが䜕であるのかに぀いおたずはKCJが暙準化ず珟地化のバランスを取り぀぀蚭定したポゞショニングに぀いお説明する。次にリピヌタヌを増やす工倫に぀いお捉えおいく。

4-1  マスタヌプランず珟地化のバランスを取ったポゞショニング

 キッザニアには暙準化された郚分ず日本で珟地化が進められた郚分が存圚する。暙準化されおいるのはメキシコのキッザニアで䜜成され

たマスタヌプランずいうガむドラむンである。ガむドラむンで定められおいるルヌルの1぀に街䞊みがある。キッザニアの街䞊みはメキシコがむメヌゞする構造になっおいる。京郜のような碁盀型ではなく入り組んでいお開けた堎所に䞭倮広堎がある。広堎の呚蟺には人々が集うための飲食店やシアタヌがある 16。 もう1぀のルヌルずしおスポンサヌシップ制が採甚されおいる。既存のテヌマパヌクず異なるのは事業領域ずの関連性が高いこずである。さらにキッザニアでは原則1業皮に぀き1瀟だけが出展できるシステムになっおいる。䟋えばミルクハりスに森氞乳業が入っおいる堎合同瀟がスポンサヌを降りない限り他の乳補品メヌカヌが出展するこずはない。 このようにキッザニアはマスタヌプランによっおルヌルが定められおいる。しかしキッザニアの管理䜓制は珟地化しやすいものであった。KCJ蚭立圓時マスタヌプランは米囜ディズニヌやハリりッドの映画䌚瀟ほど厳栌なレギュレヌションが確立しおいたわけではなくメキシコに確認を取り぀぀バリ゚ヌションを広げおいくこずが可胜であった。 日本はメキシコ以倖で初めおキッザニアが開業された囜である。KCJはキッザニアを日本で展開するにあたっおポゞショニングの珟地化に现心の泚意を払った。日本のテヌマパヌクは東には東京ディズニヌリゟヌトが西にはナガシマリゟヌトずナニバヌサル・スタゞオ・ゞャパンが幎間数癟䞇から数千䞇人の来堎者数を誇っおいる 。これらの巚倧な組織ず正面から戊うのではなくニッチの郚分で差別化を極めるいわゆるブルヌオヌシャン戊略に培したのである。

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 ファミリヌ局をタヌゲットにするのは他のテヌマパヌクず共通するもののキッザニアではさらに絞り蟌みをかけお自分の子どものキャリア圢成に関心を持ち教育投資に積極的な家庭を䞭心にねらいを定めた。ファンタゞヌを前面に抌し出した嚯楜ではなくそうかずいっお孊習塟のような勉匷だけではない珟実瀟䌚を通じた孊びの堎ずいう子どもの職業䜓隓斜蚭はこれたで存圚しない画期的なものであった。 KCJは立ち䞊げ時だけでなく開業埌も運営しおいく䞭で様々な新しいアむデアを実践しおいった。䟋えば職業䜓隓をするず受け取れるお仕事カヌドやあらかじめパビリオンを予玄しお曞き蟌んだJOBスケゞュヌルカヌドを銖からぶら䞋げるシステムは日本発である。だがキッザニア東京・甲子園で特に珟地化が際立぀のはブランド・コンセプトである。メキシコでは貧富の差が激しいので街の䞭にストリヌトチルドレンがいる。小さな子どもたちが自動車の窓を拭いおチップを受け取ったり亀差点内で新聞やガムの販売をしたりしおいる。たた氎族通や博物通などの公共斜蚭を陀き子どもたちが安党に遊べる堎所は少ないそうだ。 これに察しおキッザニアを開業した諞倖囜ず比べお日本では貧富の栌差が倧きくない。日本では教育に察する関心が高いうえに様々なテヌマパヌク等の嚯楜斜蚭が存圚する。そのためキッザニアが掲げおいる教育ず嚯楜の融合を意味する゚デュテむンメントのうち教育的偎面をより匷く前面に抌し出しおいる。キッザニアのメむンナヌザヌは男女比が46で5歳から9歳幌皚園幎長組から小孊校3幎生くらいが党䜓の5割を占めおいる。

 たた日本ずメキシコではオリゞナル・キャラクタヌの扱いが異なる。日本ではアニメやデゞタル機噚ゲヌムにおけるキャラクタヌ郜道府県に広たったゆるキャラなどが氟濫する。そこでKCJはあえおオリゞナル・キャラクタヌたちの露出を匱めた。その代わりにキッザニアのロゎず共に子どものナニフォヌム姿をアむコンずしお前面に抌し出した。それによりパブリシティを通じおキッザニアが孊びの斜蚭であるずいうメッセヌゞを瀟䌚に発信しおいったのである。 教育的偎面を蚎求するKCJの姿勢を瀺す゚ピ゜ヌドずしおキッザニア東京開業圓初党日本空茞の機内誌『翌の王囜』に掲茉した広告がある。同広告では様々な職業の制服を身に着けた子どもたちの真剣な顔぀きがクロヌズアップされた。笑顔はなく厳しい衚情をしおいる印象がある。真剣な孊びがあるからこそ面癜さがあるずいうこずを䌝えたかったためだずいう。これは実際に䜓隓ずいう圢で消費する子どもたちに察しおずいうよりも賌買意思決定をする保護者やCSRずしお䜍眮付けたいスポンサヌに察する蚎求ずしお有効であったず考えられる。

4-2 リピヌタヌを増加させる工倫 KCJの教育性の高い゚デュテむンメントずいうポゞションを突き詰めおいくずいかに飜きさせずに䜕床も足を運んで䜓隓したくなるかずいう反埩賌買に繋がっおくる。そこで本項ではリピヌタヌを増加させる仕組みずしおリアリティの远及子どもぞの認蚌制床アクティビティの豊富さずリニュヌアルのしやすさこども議䌚に぀いおそれぞれ説明しおいく。

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リアリティの远及 日本のキッザニアではリピヌタヌの割合がおよそ7割ず非垞に高い。ここから来堎時に気に入ったナヌザヌの割合は高いこずが考えられる。その理由の䞀぀に挙げられるのがリアリティの高さである。キッザニアではアクティビティが実際の業務に則っおいるこずを匷く意識しおいるずいう。䟋えば䞉菱自動車工業が提䟛する運転免蚱詊隓堎ずレンタカヌのパビリオンでは詊隓堎で免蚱を取埗したり本物の車皮のシャヌシヌにデザむンされたカヌトを借りお運転したりするこずができる。免蚱蚌には自分の顔写真が入りレンタカヌを返华する際にはガ゜リンスタンドで事前に枡されたクヌポンを枡しお燃料を満タンにしお返すルヌルずなっおいる。 たたキッザニア斜蚭内には珟実瀟䌚の玄3分の2サむズのリアリティ溢れる街䞊みが広がり本物ず同じもしくは限りなく本物に近い制服や道具が揃っおいる。䟋えば飛行機パビリオンの機䜓も本物である写真1。アメリカ合衆囜カリフォルニア州にある「飛行機の墓堎」ずしお知られるモハヌノェ砂挠から状態の良い䜿甚枈みの機䜓を船舶茞送しお日本で組み立おおいる17。 地䞋鉄のパビリオンではシミュレヌタヌを補䜜するために東京地䞋鉄が新朚堎から豊掲たで特別に電車を走らせお映像や音声づくりに掻甚した。それによりシミュレヌタヌのモニタヌに映される街䞊みにも臚堎感が溢れる。他にもキッザニアのスタッフが出展するメヌカヌの工堎に実際に蚪れお研修を受けおからパビリオンやアクティビティを䜜る。パビリオンの蚭備からアクティビティの内容䜿甚する道具た

でスポンサヌずキッザニアで話し合いを重ねお䜜りあげおいくのだずいう。 スポンサヌには日本を代衚する各業界の倧手䌁業が入っおいる。これもリアリティを高める芁玠である。飛行機の客宀乗務員やガ゜リンスタンドのナニフォヌムなどもスポンサヌ䌁業が実際に䜿甚しおいるものずほが同じデザむンになっおいる。実際に䌁業のロゎが入ったナニフォヌムを着るず子どもたちの顔が匕き締たる。呚囲の子どもたちが真剣な衚情になるずふざけた態床を取る子どもたちは少なくなるずいう。䞀方キャンペヌンやロゎに関する芏定を现かく䜜成するこずで䌁業ブランドの露出の高さやスポンサヌ間のバランスを調敎しおいるずいう。 たたパビリオンの倚くはスポンサヌ䌁業の事業領域に関するものである。ただし公務に぀いおは民間䌁業で手掛けおいないため関連のある䌁業にスポンサヌに぀いおもらっおいる。䟋えば消防眲は東京ではAIG甲子園では䞉井䜏友海䞊火灜ずいうように保険業務を扱う䌁業がスポンサヌになっおいる。東京の譊察眲ず裁刀所は所圚地である豊掲の再開発事業を䞻䜓的に行う䌁業ずしお街を守るずいう正矩感や街の秩序を守るこずの倧切さを䌝えたいずしおIHIが出展しおいる 18。

二぀の認蚌制床―お仕事カヌドずキッザニアクラブ キッザニアにはリピヌト利甚を促す二぀の認蚌制床ずしおお仕事カヌドずキッザニアクラブがある。たずお仕事カヌドずは職業䜓隓の認定カヌドのこずをいう。パむロットやシェフマンガ家などの仕事を䜓隓するごずに子ども

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たちに枡される。同カヌドはナショナルストアで販売されおいるカヌドホルダヌに入れお収集するこずができる。 たたキッザニアでは䌚員制床「キッザニアクラブ」を蚭けおいる。クラブ䌚員になるず䜓隓履歎が付けられる。特定のパビリオンで3回以䞊アクティビティを䜓隓し䜓隓に必芁ずされる知識やスキルを十分に習埗したず認定された堎合には圓該パビリオンの認定曞が亀付される。同認定曞を提瀺するこずによりスヌパヌバむザヌのアシスタントを務めたり䌚員甚のアクティビティが䜓隓できたりするKCJ GROUPりェブサむト。 キッザニアクラブの䌚員は東京が8,000人甲子園が5,000人いる。入䌚金が5,000円幎䌚費が5,000円で来堎回数に応じた割匕クヌポンが発行される。ハヌドなリピヌタヌが䌚員になるこずは倚く10回以䞊利甚しおいるヘビヌナヌザヌが15皋床いる。本栌的な䜓隓にチャレンゞしたクラブ䌚員の子どもたちをゞュニア・マむスタヌずしお認定する特別プログラムもあり終了時には䜓隓者にスポンサヌ䌁業ずキッザニア連名の認定蚌を枡すなどの特兞を付けおいる。

アクティビティの豊富さずリニュヌアルのしやすさ キッザニアでは営業時間が第1郚は9時から15時第2郚は16時から21時なので滞圚できるのが56時間である。それぞれのアクティビティの䜓隓時間は短いもので玄15分長いもので玄50分かかり埅ち時間を含めるず1床の来堎で䜓隓できるアクティビティは56皮類である。党䜓で玄100皮類あるアクティビティ

を䜓隓するには単玔蚈算で20回皋床来堎する必芁がある。そのためリピヌタヌは倚い。 遊園地のゞェットコヌスタヌのようなハヌドコンテンツずは異なりアクティビティは゜フトコンテンツであるためリニュヌアルがしやすい。䟋えば食品開発者のアクティビティであればメニュヌを刷新したりラゞオDJであれば音楜やニュヌスなど番組内容にバラ゚ティを持たせたりするこずで新しい䜓隓をしおもらうこずが可胜である。様々なパビリオンでスポンサヌず話し合いを続けながらアクティビティを恒垞的にリニュヌアルしたり季節ごずに成果物を倉えるなどのマむナヌチェンゞをしたりするなどしおいる。これによりナヌザヌにずっお来堎するごずに新しい郚分がある状態を保っおいる。

こども議䌚―ナヌザヌの声を取り入れる たたリニュヌアルや新しい䌁画を立ち䞊げる際にナヌザヌの声を取り入れおいる。キッザニアでは「こども議䌚」ずいうシステムを採甚しおいる。2幎の任期で小孊2幎生から5幎生たでの子どもを察象に議員ずしお掻動しおくれるナヌザヌを20名募集しおいる。こども議䌚の募集はホヌムペヌゞ䞊で行われ曞類やレポヌトを提出しおもらっお遞考される。こども議䌚は新しいパビリオンやアクティビティを開発する際にナヌザヌである子どもの目線から離れないようにするために重芁なシステムである。「簡単すぎないかなもっずこうしたらみんなが楜しめるよ」「自分達よりも小さいこどもだったらどうだろう」KCJ GROUPりェブサむトなどの意芋やアむデアが掻発に出されるずいう。

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 たたこども議䌚では斜蚭内にあるナショナルストアの商品開発も手掛ける。ここで販売されおいるポップコヌンのおたけで入っおいるお仕事カヌドのアむデアはこども議䌚から出されたものである。仕事を䜓隓するず消防士や譊察官などのお仕事カヌドが子どもに枡される。キッザニアにはないピアニストなどのレアカヌドをおたけにするずいうアむデアなどによっお実際にポップコヌンは人気商品になったずいう。 本節ではキッザニアのポゞショニングず子どもたちがリピヌタヌずなるマヌケティング・゚クセレンスの芁玠を分類しおいった。だがKCJにずっおの顧客は子どもたち以倖にもいる。それは保護者ず小䞭孊校等の教育機関およびスポンサヌ䌁業である。子どもたちがキッザニアのサヌビスを受けるこずによっお圌らがどのようなベネフィットを埗るのかに぀いお次節で怜蚎しおいく。

â…€. 保護者・孊校ずスポンサヌ䌁業の ベネフィット

5-1 子どもの教育効果 日本では我が子ぞの教育に察する保護者の関心は高い。前述したずおりKCJは子どもたちが楜しみながら孊ぶずいう゚デュケヌション寄りの゚デュテむンメントのポゞショニングを取っおいる。それにより孊習塟や皜叀事などの習い事の代わりにキッザニアに通わせおいる保護者もいるずいう。キッザニアでは顔芋知りでない子どもたちずチヌムを組んでアクティビティに挑戊したり仕事の䜓隓をするこずによっお行儀䜜法を身に付けたりするこずができ

る。これは他の習い事には芋られない特城である。 以䞋では保護者や孊校におけるベネフィットずしおキッザニアによる子どもぞの教育効果に぀いお芋おいく。チヌムでの䜓隓やアクティビティを通じた気づきは子どもに察する教育効果ずしお有効だず考えられる。そのため教育珟堎である孊校による採甚が増加しおいる。KCJでは孊校ぞの働きかけのために産孊連携での効果枬定も実斜しおいる。

チヌムでの䜓隓 キッザニアでは子どもたちがチヌムを組んでアクティビティに取り組む。それによっお瀟亀性や協調性が育たれおいく。䟋えばガヌドマンのアクティビティでは街の䞭を敎備しながら貎重品を茞送・回収する。チヌムを組む盞手は知っおいる子ども同士である堎合もあれば幎霢や出身地性別の異なる子どもたちが䞀぀のプロゞェクトを遂行するずいうケヌスもある。特に埌者の䜓隓は他のテヌマパヌクや日垞生掻においおあたりない。3歳ず11歳で組たせるこずもあり幎長者が幎少者を助ける行動をずるずいう。子どもたちはチヌムでプロゞェクトを遂行するためみんなで協力する雰囲気が生たれお自然ず異幎霢亀流が図られるずいう。

アクティビティを通じた気づき デパヌトのパビリオンでは接客の際のお蟞儀の緎習をする。家庭での躟ずは異なりキッザニアではお蟞儀がきちんずできなければ報酬が埗られない。それを子どもたちも感じるためはきはきず挚拶したりお瀌を蚀ったりずきちんずした所䜜で振舞うようになる。こうしおコ

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ミュニケヌションやホスピタリティヌずいったビゞネスマナヌの知識の基ずなる行儀䜜法を自然に孊ぶこずが可胜である。 ただしキッザニアでは子どもが自ら気づきを埗るこずを重芖しおいるためできるだけ先回りしお䌝えないようにしおいる。䟋えばスタッフは子どもたちに道を尋ねられおも入口で党員に配垃しおいる地図を開かせお珟圚地ず目的地を指しお自分で探すように促す。同䌎する保護者にもできるだけ子どもたちの手䌝いをさせないようにしおいる。なぜならKCJは子どもに正解を教えるこずよりも子どもたちが自分で考える力を身に付けるこずが倧切だず考えおいるからである。 子どもたちのアクティビティをサポヌトする存圚ずしおキッザニアではスタッフをスヌパヌバむザヌず呌んでいる。アクティビティで子どもたちが様々なこずを尋ねおきおも簡単に答えを教えずになるべく自分で考えお行動させるようスヌパヌバむザヌを指導しおいる。たたスヌパヌバむザヌは段階的に倧孊の児童教育の専門家からの指導や歌や螊りなどの衚珟面で高床な研修を受けおいる。 スヌパヌバむザヌは子どもを指導する教垫ずは異なりあくたでも子どもたちがアクティビティを䜓隓する際のガむド圹に培しおいる。芪子孊校での教垫ず児童クラスメヌトのように慣れ芪しんだ間柄でない分かえっおキッザニア内での仕事に集䞭できるずいう。職堎で倧人同士が接する堎合ず同じように子どもたちに「さん」を付けお敬語で話す。こうするこずによっお子どもたちはふざけるこずなく真剣に仕事に向き合えるのである。

孊校珟堎での掻甚 これらの教育効果は保護者に留たらず小䞭孊校等の教育機関からの理解も埗られおいる。キッザニアでの䜓隓は埓来から孊校行事ずしお存圚する瀟䌚科芋孊に類䌌しおいる。だが最倧の盞違点は既存の瀟䌚科芋孊は1぀の斜蚭で1぀の䜓隓しかできないのに察しおキッザニアでは1日で耇数の䜓隓ができるこずである。しかもキッザニアでは事前ず事埌の孊習プログラムが甚意されおいるために孊校でも教育的な掻甚がしやすい。 プログラムには就業に぀いお考えおみるずいう事前孊習の進め方などが蚘されおいる。仕事に぀いおどのようなこずを連想するのかに぀いお子どもたちに9぀の空欄に蚀葉を曞かせる。事前孊習時には「残業」や「蟛い」「疲れる」などの吊定的な蚀葉が䞊ぶこずや枠が埋たらないケヌスも倚い。しかしキッザニアの䜓隓埌には「チヌムワヌク」や「楜しい」など肯定的な蚀葉に倉わり9぀の空欄では収たらないほどになるずいう。

教育効果の怜蚌 CSRの䞀環ずしおスポンサヌになる䌁業にずっお子どもたちに教育効果が埗られるこずは利甚に螏み切る倧きな芁因ずなる。そのためKCJは2012幎以降孊術機関ずの連携に泚力し始めた。䟋えば立教倧孊珟代心理孊郚教授小口孝叞氏ずの共同研究朝日新聞瀟 2014bKCJ GROUP 2014 で は 2012 幎 か ら2013幎に調査を実斜しキッザニアの利甚回数が仕事ぞの意識や積極性に正の圱響を及がすこずが明らかにされた。 たた同研究では高校生ず倧孊生に実斜した

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調査ではキッザニア経隓者のほうが非経隓者よりも職業に぀いおの芪子間コミュニケヌション勉匷積極性金銭感芚の項目で意識が高いずいう結果が埗られおいる。加えお2014幎の東京倧孊教育孊郚教授牧野節氏ずの共同研究では子どもの自己肯定感や芪子関係の匷化に正の圱響を及がしおいるこず朝日 新 聞 瀟 2015KCJ GROUP 2016関 口 2016が明らかにされおいる 19。KCJではこうした研究成果をCSR効果ず䜍眮付けおスポンサヌ䌁業に提瀺しおいる。

5-2 䌁業掻動の可芖化 キッザニアのスポンサヌに぀くこずで䌁業が補品の売り䞊げ増加などの短期的なプロモヌション効果を埗るこずは難しい。その理由ずしお挙げられるのは䌁業が自瀟の事業領域における取り組みを䌝える察象である子どもが就劎するたでに時間がかかるこずやキッザニアの斜蚭内でプロモヌション掻動が犁じられおいるこずなどである。その反面長期的な効果は期埅できる。 䌁業がスポンサヌシップをする目的には䌁業ブランドや補品ブランドの認知床を高めるこずやブランドむメヌゞ連想に察する顧客の知芚を䜜り出すこずなどが含たれるKotler and Keller 2006。だがたずえブランド認知床を高めるこずができたずしおもそれが態床を高めなければ消費には繋がらない。そこで重芁になっおくるのがスポンサヌ䌁業ず支揎先の適合性congruence / fitである。䟋えばRifon, Choi, Trimble and Li2004が行った実隓では䞡者が適合しおいるずスポンサヌ䌁業の信頌が高たったりスポンサヌぞの態床を高めたりす

るずいう仮説が支持されおいる。 キッザニアではこのようなスポンサヌ䌁業ず支揎先の適合性が高いず考えられる。なぜならば各パビリオンのアクティビティがリアリティを远求した実際のものず限りなく近いものであるからだ。䜿甚する道具や制服もスポンサヌ䌁業が実際に䜿甚しおいるのず同じものや限りなく類䌌したデザむンである。さらに䌁業理念や瀟颚姿勢などでも適合性は高いず蚀えよう。 䌁業が自瀟の掻動を䌝える堎ずしおも発信力が期埅される。䌁業が個別に工堎芋孊などの斜蚭提䟛や出匵授業を実斜するずなるず自瀟での埓業員に関する人件費や䜜業負担が必芁になる。キッザニアに委蚗するこずでこれらのコストを抑えるこずができる。たた䌁業単䜓での掻動ず䞊行しおキッザニアのスポンサヌに぀く堎合には顧客局を拡倧させるこずが可胜だず考えられる。なぜならば自発的に䌁業斜蚭を蚪問する堎合ずは異なり別のパビリオン目圓おでキッザニアを蚪れた際にたたたた自瀟のパビリオンに立ち寄っおくれるケヌスが想定されるからだ。もずもず圓該䌁業ぞの関䞎の䜎かった人たちがアクティビティを経隓したこずをきっかけにしお新たに自瀟のファンになる可胜性があるず考えられる。 珟に定性的ではあるものの䌁業評䟡に肯定的な圱響があるこずを裏付けるデヌタがあるずいう。䟋えば普段の生掻でもスポンサヌ䌁業のブランドロゎ等に反応しお他瀟のものには反応しないずいう回答が倚数埗られおいる。たしかにこれらのデヌタは子どもたちの゚ピ゜ヌドや保護者の声ずいう定性的なものであり費甚察効果ずいう圢で数倀化するこずが難

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しい。だが䌁業の䞭には担圓者が実際にキッザニアを芖察しお他のテヌマパヌクでは芋られない子どもの真剣な衚情を目の圓たりにするずたずはやっおみようず決断するケヌスもあったずいう。 以䞊では子どもを教育する立堎にある芪・孊校ずスポンサヌ䌁業に分けおそれぞれのベネフィットに぀いお怜蚎した。子どもが普段味わえない非日垞ずしお職業䜓隓をするこずは芪や孊校が望む子どもの成長に繋がる。䞀方で䌁業にずっおキッザニアは䌁業掻動を可芖化し消費者ずの奜たしい接点を拡匵させるツヌルずしお有効であるこずを瀺した。 通垞のアクティビティでは䌁業がプロモヌション掻動を実斜するこずはできない。だが各䌁業に䞎えられる幎に1床スポンサヌデヌだけは䟋倖でありこの日は1瀟で貞し切っお自由に利甚するこずが可胜である。スポンサヌデヌの利甚方法は各スポンサヌに委ねられるが目的に応じお倧きくは以䞋の3぀に分けられる。それは抜遞で顧客を招埅しおプロモヌションするこず瀟員やその家族を招埅しお犏利厚生のレクリ゚ヌションを行うこず障がい者などを招埅しお瀟䌚貢献掻動をするこずである。 第1にキャンペヌンに掻甚する方法である。䟋えば日甚品メヌカヌあればスヌパヌなどの小売業者ずタむアップしお自瀟商品の賌入金額が䞀定以䞊に達した顧客に察しおチケットをプレれントしたりスポンサヌデヌに招埅したりする。その他にも株䞻優埅でプレれントするなど顧客以倖のステヌクホルダヌに提䟛する堎合もある。その延長線䞊に第2の瀟員の犏利厚生での掻甚が挙げられる。瀟員の家族が

自瀟の掻動に觊れるこずで自分の芪の仕事を知るこずずなり尊敬されるこずによっお自瀟で仕事をするこずに誇りを持おたり䌚瀟ずの䞀䜓感を醞成したりするこずができる。 第3に瀟䌚貢献掻動ずしお掻甚するこずもある。アメリカンホヌム保険では2016幎9月にキッザニア東京のスポンサヌデヌむベントである「アメリカンホヌム・ダむレクト キッザニアナむト」に小児がんの子どもたちず家族639人を招埅したアメリカンホヌム保険りェブサむト20。こうするこずで同瀟が病気ず闘う子どもたちや家族およびNPO法人や医療関係者などのステヌクホルダヌずの関係が構築され信頌を圢成するこずが期埅される。

Ⅵ. おわりに

 本皿ではメキシコで生たれたキッザニアがどのようにしお日本で成功を収めたのかに぀いおKCJの沿革や教育色を匷めた゚デュテむンメントずいうポゞショニングリピヌタヌを増やすための工倫などを敎理した。さらに子どもだけでなく保護者や孊校関係者および䌁業にずっおのベネフィットも瀺した。最埌にKCJの課題ず取り組みに぀いお觊れおおく。 たずキッザニアには斜蚭のキャパシティに制限がある。孊校や団䜓からの受け入れを増やす䜙地はあるにせよ東京ず甲子園の2か所に限られおおり立地的な制玄ずなっおいる。修孊旅行での利甚時期が集䞭しおしたうためすぐに満員になっおしたう。しかし他の郜垂で新たにキッザニアを開業するずすれば蚭備投資や人件費などのランニングコストがかかるうえにスポンサヌ探しも容易ではない。

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 そこでKCJでは斜蚭から飛び出しお職業䜓隓ができるOut of KidZaniaずいうプログラムを実斜しおいる。最初に手掛けたのが2007幎8月の『ニチレむフヌズ船橋工堎䜓隓』である。2012幎に8月には初の海倖プログラムがタむのスラポンで実斜され参加した子どもたちがスラポンニチレむ食品で工堎芋孊や仕事䜓隓などをした朝日新聞瀟 2012。 たた2015幎11月以降に鳥矜鈎鹿玀州の各地域で「䞉重ゞョブキッズキャラバン」を実斜した。これは譊察や消防街の仕事テレビ局や新聞瀟メディアの仕事ミキモト真珠島での真珠加工職人䜓隓などの䞉重県ならではの仕事䞉重ゞョブずいう3カテゎリヌを䜓隓できるものである。仕事を䜓隓した埌で子どもたちには地域内指定堎所で買い物やサヌビス䜓隓ができる専甚通貚ミヌツが枡される朝日新聞瀟 2016。 次にスヌパヌバむザヌの教育の問題がある。スヌパヌバむザヌには子どもの察応に長けおいる玠逊が必芁である。呜什的な態床ではなく子どもの気持ちを汲み取れる人を採甚し教育する必芁がある。䟋えばあるスヌパヌバむザヌが同じ時間垯の前半に譊察眲のパビリオンで譊察官のナニフォヌムを着おアクティビティを担圓し埌半には宅配センタヌのセヌルスドラむバヌの担圓に回ったずきに子どもの䞀人がそれに気が付いたずいう。 「さっき譊察眲にいたのになぜ今は宅急センタヌにいるのか」ず尋ねた子どもに察しおそのスヌパヌバむザヌは他の子どもたちには聞こえないように「今は朜入捜査䞭なんだよ」ず蚀ったずいう。これは蚓緎だけでできるこずではなくキッザニアのコンセプトがスヌパヌ

バむザヌたちに浞透しおいるこずに加えおスヌパヌバむザヌを担うスタッフの玠質ややる気に䟝拠するものである。 このようにKCJは課題に察応するずずもに新たな取り組みを行い続けおいる。最埌になるがKCJはキッザニア堎内のむメヌゞの統䞀を図り぀぀スポンサヌ䌁業ず消費者の接点づくりに寄䞎しおいる。KCJはスポンサヌ䌁業ず䞀緒に゚デュテむンメント性の高いアクティビティを䜜り䞊げるこずでナヌザヌぞの蚎求力を高めおいる。それによりキッザニアは教育ぞの意識の高い優良顧客を抱え蟌みスポンサヌ䌁業にずっお魅力の高い堎ずなっおいる。すなわちキッザニアは子どもたちぞの教育を通じお䌁業の事業領域を可芖化させ子どもや保護者などの消費者に䌁業ブランドおよび補品ブランドに぀いお䌝えるメディアずしお機胜しおいるのである。

謝蟞 本皿の執筆にあたっおKCJ GROUP 株匏䌚瀟の関係各䜍には倚倧なるご協力を頂いた。この堎を借りお心より感謝申し䞊げたい。

泚1 䌁業の瀟䌚的責任は䌁業掻動のプロセスに瀟䌚的

公正性や倫理性環境や人暩ぞの配慮を組み蟌みステヌクホルダヌに察しおアカりンタビリティを果たしおいくこずず定矩される谷本 2004。

2 䌁業博物通は日本においお 1970 幎代から 80 幎代にかけお倚数蚭立された粟接 2013。

3 本皿では䞀般名詞の堎合には「子ども」ず衚蚘しKCJ GROUP が䜿甚する甚語に぀いおは同瀟の衚蚘に則っお「こども」ず衚蚘する。

4 所属はすべお圓時のもの。5 講挔「『キッザニアに孊ぶ“ブルヌオヌシャン戊略”』

〜競合ずの狭間で新しいマヌケットを生み出す」。

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教育を通じお䌁業掻動を可芖化させる堎の提䟛 ―日本におけるキッザニアのブランディング―

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6 本皿は取材に基づき蚘述されたものであるが内容に関する䞀切の責任は筆者にある。

7 前掲の講挔より。8 2017 幎 4 月 1 日からの料金KCJ GROUP りェブサ

むトを参照。9 2006 幎床に぀いおは 10 月 5 日から 2007 幎 3 月末た

での玄 6 か月間のものでありキッザニア甲子園は2009 幎 3 月 27 日に開業した。

10 東京ではゞョン゜ン・゚ンド・ゞョン゜ンが甲子園では日本生呜保険がスポンサヌになっおいる。

11 ボむラ゚ンゞニアず医薬研究者はキッザニア甲子園のみ2017 幎 5 月 8 日時点。

12 KCJ 広報グルヌプからメヌルで埗た回答2017 幎 3月 9 日より。

13 ロペス氏は同倧孊院でフィリップ・コトラヌ氏に垫事しおいる。

14 その埌キッザニアはむンドネシアゞャカルタ2007 幎ポルトガルリスボン2009 幎アラブ銖長囜連邊ドバむ2010 幎をはじめ䞖界19 か囜 24 か所2016 幎に展開しおいった。

15 2014 幎から English Wednesday! を開始しお以来来堎する海倖旅行や圚日倖囜人や英䌚話や塟の団䜓が蚪れる機䌚も増えた。2016 幎の 11 月甲子園ず同幎 12 月東京には堎内すべおで英語を䜿甚する Let’s Talk in English!! ずいうむベントも実斜しおいる。

16 筆者は 2016 幎 9 月 26 日にキッザニア東京同幎 11月 4 日にキッザニア・バンコク2017 幎 2 月 2 日にキッザニア甲子園を蚪問しおおり街䞊が非垞に類䌌しおいる印象を受けた。

17 前掲の講挔より。18 その他にもダマト運茞の手掛ける宅配センタヌや

集英瀟による出版瀟など日本発のパビリオンも存圚する。

19 その他にはキッザニアのスタッフずしおの䜓隓が瀟䌚人基瀎力やコミュニケヌションスキルが培われるこず関西孊院倧孊人間犏祉孊郚教授甲斐知圊氏ず共同2013 幎に発衚やお金に関する意識や考え方が肯定的になるこず東京孊芞倧孊人文瀟䌚科孊系瀟䌚科孊講座経枈孊分野環境教育研究センタヌ教授束川誠䞀氏監修2015 幎に発衚などの研究が行われおいる。

20 同掻動は2016 幎 10 月から新たにスポンサヌになる AIG に匕き継がれ同瀟スタッフも参加したAIGゞャパン・ホヌルディングス 2016。

参考文献AIG ゞャパン・ホヌルディングス2016「AIG がキッ

ザニア東京の消防眲パビリオンのオフィシャルスポンサヌに〜グルヌプ䌁業のアメリカンホヌム・ダむレクトから匕き継ぎ内容を刷新〜」『AIG ゞャパン・ホヌルディングス・プレスリリヌス』10 月6 日

朝日新聞瀟2012「アりト オブ キッザニア リアルな䞖界にチャレンゞ 海倖でわくわく仕事䜓隓」

『with KidZania』Autumn―2014a「キッザニアの運営䌚瀟 KCJ GROUP æ ª

匏䌚瀟 10 幎のあゆみ」『with KidZania』Spring―2014b「キッザニア䜓隓は子どもたちにどの

ような倉化をもたらしたのか アカデミックな芖点から研究実蚌」『with KidZania』Winter

―2015「肯定的なたなざしず䜓隓埌の䌚話が『キッザニア効果』を生み出す」『with KidZania』October―2016「䞉重ゞョブ キッズキャラバン アりトオ

ブキッザニア」『with KidZania』February粟接重光2013「䌁業博物通の圹割―新たなコンタ

クトポむントの知芚―」『AD STUDIES』Vol.46, pp.28-32

KADOKAWA2016a『キッザニア東京 党パビリオン完党ガむド 2016-17 幎版』―2016b『キッザニア甲子園 党パビリオン完党ガ

むド 2016-17 幎版』KCJ GROUP2014『キッザニア癜曞 2014』―2016『キッザニア癜曞 2016』Meenaghan, J. A.1983“Commercial Sponsorship,”

European Journal of Marketing, pp.5-73Kotler, P and K. L. Keller,2006Marketing Management,

12th Edition, Prentice-Hall恩蔵盎人監修月谷真玀蚳2014『コトラヌ & ケラヌのマヌケティング・マネゞメント』䞞善

南知惠子2010「マヌケティングにおける瀟䌚性ず倫理性」池尟恭䞀青朚幞匘南知惠子井䞊哲浩

『マヌケティング』有斐閣pp.615-637日本経枈新聞瀟2006a「子䟛向けテヌマパヌク「キッ

ザニア東京」スポンサヌ 39 瀟に―10 月オヌプン」『日経産業新聞』7 月 31 日―2006b「ららぜヌず豊掲あす開業ペットず

䞀緒に買い物」『日経産業新聞』10 月 4 日―2006c「テヌマパヌク「キッザニア東京」開業―子䟛が䞻圹仕事䜓隓の街」『日経産業新聞』10 月 6 日

―2009「キッザニア東京に䌚員制特別な職業䜓隓など特兞5000 人獲埗目指す」『日経産業新聞』8 月 5 日

―2010「キッザニア東京英語で就業䜓隓党日空パビリオンなど」『日経 MJ』9 月 22 日

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取材レポヌト ─ マヌケティング・゚クセレンスを求めお 125

―2011a「『キッザニア東京』有料䌚員 5000 人突砎リピヌト率向䞊に効果導入 2 幎」『日経 MJ』10月 24 日―2011b「キッザニア東京平日の倕方に䞭孊生

限定時間幎霢局広げ皌働率向䞊」『日経 MJ』11月 13 日―2014「金属加工や議員など 22 業皮倏䌑みに

職業䜓隓䞉条垂キッザニアず組む」『日本経枈新聞』地方経枈面 新期 7 月 9 日―2015「KCJ グルヌプ『キッザニア』で䌁業研修」

『日本経枈新聞』5 月 12 日―2016「キッザニア東京開業 10 幎適職探しに

ママも来お䞭孊生の職業䜓隓も充実」『日経 MJ』9 月 30 日

Rifon, N. J., S. M. Choi, C. S. Trimble and H. Li2004“Congruence Ef fects in Sponsorship,” Journal of Advertising, 331, pp.29-42

関口陜介2016「『キッザニアに孊ぶ“ブルヌオヌシャン戊略”〜競合ずの狭間で新しいマヌケットを生み出す〜』」日本生産性本郚䌚員月䟋研究䌚9 月配垃資料

薗郚靖史2014「瀟䌚貢献ず広報・PR」䌊吹勇亮川北眞玀子北芋幞䞀関谷盎也薗郚靖史『広報・PR 論―パブリック・リレヌションズの理論ず実際』有斐閣pp.181-196

䜏谷栄之資2014『キッザニア流䜓隓のすすめ』ポプラ瀟

谷本寛治2004「新しい時代のCSR」谷本寛治線著『CSR経営―䌁業の瀟䌚的責任ずステヌクホルダヌ』䞭倮経枈瀟pp.2-34

アメリカンホヌム保険 https://www.americanhome.co.jp/KCJ GROUP http://www.kidzania.jp/

薗郚 靖史そのべ やすし早皲田倧孊商孊郚卒業。䞀橋倧孊倧孊院商孊研究科垂

堎・金融専攻修士課皋および博士埌期課皋修了。博士

商孊。高千穂倧孊商孊郚助教准教授を経お2015

幎より東掋倧孊瀟䌚孊郚准教授。専門はマヌケティン

グ・コミュニケヌション広告パブリック・リレヌ

ションズ。

䞻芁業瞟

「メディア線集者の取材掻動の定量分析―ニュヌス・

バリュヌ知芚ず情報源重芖床や広報努力重芖床の関

係」『広報研究』2016 幎共著「日本の゜ヌシャル・

コンシュヌマヌに関する䞀考察―寄付぀き商品の意思

決定プロセスの解明―」『流通研究』2015 幎共著

『広報・PR 論―パブリック・リレヌションズの理

論ず実際』有斐閣2014 幎共著“Green Consumption

and the Theory of Planned Behavior in the Context

of Post-Megaquake Behaviors in Japan,” Advances in

Consumer Research2014 幎共著ほか。