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めざせ8020・6424ガイドライン 平成21年3月 8020・6424運動推進に関する検討会

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  • めざせ8020・6424ガイドライン

    平成21年3月

    8020・6424運動推進に関する検討会

  • は じ め に

    茨城県では,平成13年に策定した「第二次茨城県歯科保健計画」に基づき,80

    20(80歳で20本以上の歯を保つ)を歯科保健の最終目標とし,6424(64

    歳で24本以上の歯を保つ)を中間目標として,生涯を通じた歯と口腔の健康づくり

    を推進しています。

    近年,歯と口腔の健康は,むし歯や歯周病などの疾患の予防という観点にとどま

    らず,健康で豊かな生活を送るために,乳幼児期から高齢期の各ライフステージに

    おけるきめ細かな対策が必要とされています。

    歯と口腔の健康づくりは,乳幼児期では,食べる機能の獲得や身体の成長発達の

    ために,また,学齢期は健全な咀嚼能力の育成や食習慣の形成のために大変重要で

    あり,食育と関連した取り組みも各分野で拡がりつつあります。

    成人期では,メタボリックシンドロームと咀嚼機能との関連や,糖尿病などの生

    活習慣病と歯周病との関連が注目されています。

    さらに高齢期では,口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防や口腔機能の維持・向上が

    介護予防の重要な要素であることが広く認識されてきています。

    茨城県歯科医師会が実施した「歯の保有本数と医療費の関連に関する調査」では,

    70歳以上で歯の本数が20本以上の者は20本未満の者より医療費が低く,また,

    歯の本数の多い者ほど医療費が低いということが明らかになっており,歯の健康が

    全身の健康と密接に関連していることが示されました。

    このように歯と口腔の健康は,生涯を通じた健康づくりに直結するものであり,

    総合的,体系的に取り組むことが必要と考えます。

    本書は,今後の歯科保健対策を進めるうえで,関係機関の役割を明確にし,連携

    して施策を展開するためのガイドラインとして作成いたしました。

    県民の各ライフステージに関わる方々に広くご活用いただき,生涯にわたる歯と

    口腔の健康づくりの一層の推進にご協力いただきますようお願い申し上げます。

    平成21年3月

    8020・6424運動推進に関する検討会

    会長 志 賀 正 三

  • 目 次

    まえがき

    Ⅰ 総 論 1 ガイドライン策定の趣旨 1

    2 歯科保健推進の基本方向 2

    (1)生涯を通じた歯科保健施策の充実 (2)ライフステージの特性に応じた歯科保健対策の推進

    (3)歯科保健対策推進体制の整備と関係機関の役割

    3 健康いばらき21プランの目標を達成するための具体的な目標水準 5

    Ⅱ 各 論 1 ライフステージごとの歯科保健(現状と課題・取り組み内容) (1)妊産婦期及び胎児期 6

    (2)乳幼児期(乳児~3歳児) 8

    (3)幼児期(4・5歳児) 12 (4)学齢期(小学校・中学・高校) 15 (5)成人期 19 (6)高齢期 23

    2 歯科保健推進体制と関係機関・団体の役割 (1)推進体制 27

    (2)関係機関の役割 27

    ・歯と口腔の健康づくりへの各主体の役割 32

    資 料 ・健康いばらき21プラン 34 ・健康日本21中間評価(抜粋資料) 44 ・平成17年歯科疾患実態調査 46 ・学校保健法の一部を改正する法律の概要 50 ・茨城県における歯の保有本数と医療費の関連に関する調査 51 ・8020・6424情報センターの活動内容 52

    8020・6424運動の推進に関する検討会設置要項 53

    8020・6424運動の推進に関する検討会委員名簿 54

  • Ⅰ 総 論

    1 ガイドライン策定の趣旨

    科学技術や医学の進歩により,我が国の平均寿命は延び,今や世界有数の長

    寿国となっている。また,価値観の多様化とともに生活の質の向上を含め,健

    康で豊かな生活を送ることに対して人々の関心が高まりつつあり,心身ともに

    健康で長生きを実現することが大きな課題となっている。

    そうしたなかで,歯や口腔の健康を保つことは,単に食物を摂取するという

    , ,だけではなく 食事や会話など豊かな人生を送るための基礎となるものであり

    一方で,近年の研究により歯周病と生活習慣病の関連が明確になりつつあるな

    ど,健康的な生活を維持・向上するうえでも重要となっている。

    歯科疾患(むし歯や歯周病)については,原因となるリスク因子が科学的に

    示されつつあり,適切な歯科保健行動を実践すれば,歯の喪失の主な原因とな

    る むし歯 や 歯周病 の予防が可能である そのため 国においては 2「 」 「 」 。 , ,「

    1世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21)の中で「歯の健康」に」

    ついては,生涯にわたり自分の歯を20歯以上保つことにより健全な咀嚼能力

    を維持し,健やかで楽しい生活をすごすという8020運動の実現に向け,歯

    及び口腔の健康増進のため,具体的な数値目標を立てて,歯の喪失防止とむし

    歯及び歯周病の予防等を推進することとしている。

    一方,本県の歯科疾患の傾向をみると,乳歯のむし歯については減少傾向が

    見られるものの,永久歯にむし歯のある者の割合や成人期の歯肉に所見のある

    者の割合が高い。

    このような状況を踏まえ,県では平成7年度に「茨城県歯科保健計画 ,平」

    成12年度に「第二次茨城県歯科保健計画」を策定し,県民の生涯を通じた歯

    と口腔の健康づくりを推進してきたが,健康づくりの一環として効果的に推進

    することが必要であることから,平成19年度に策定した「健康いばらき21

    プラン」に「歯と口腔の健康」と「健康管理と疾病対策」における「歯周病」

    対策を位置付け,なお一層の推進を図ることとした。

    そこで,本書は,関係者がそれぞれの役割を担いつつ,連携・協働し,21

    プランに基づき「県民の生涯を通じた歯と口腔の健康の確保」に係る活動を行

    っていくため,具体的な取り組みについてまとめたものである。

    1

  • 2 歯科保健推進の基本方向

    (1)生涯を通じた歯科保健施策の充実

    歯と口腔の健康については,母子保健法,学校保健安全法,健康増進

    法,高齢者の医療の確保に関する法律さらには介護保険法に基づいて個

    別歯科保健対策が行われているが,それらの継続性,一貫性,連続性を

    確保することにより,生涯を通じた継続的対策の充実を図っていく。

    また,個人レベルの対策とともに,行政や関係者の連携強化や情報提

    供体制の充実など社会全体で推進していくための環境づくりが必要であ

    る。

    また,歯科保健においても,生涯にわたって健全な心身を培い,豊か

    な人間性をはぐくむための食育 を推進することが重要であるので 食1) ,「

    べ方」を通じて安全で快適な食生活をはぐくむことを目的とした食育,

    口の健康を守り五感で味わえる食べ方ができる食育を推進することとす

    る。

    (2)ライフステージの特性に応じた歯科保健対策の推進

    歯科疾患については大きくむし歯と歯周病があげられるが,この2つ

    の疾患に関しては予防が十分に可能であることが,多くの調査で明らか

    になりつつある。

    特に,むし歯予防については,4,5歳児や学齢期の児童・生徒への

    対策が重要である。

    また,歯周病については生活習慣病による受療の増加がみられる40

    歳代に歯科疾患が急増・多発するため,生活習慣病予防のためにも効果

    2)的な対策が必要である。

    ) , ,1 食育:生涯にわたって健康な心と身体を保ち 豊かな人間性をはぐくむことを目標に行う

    食に関する知識や生活習慣を身につけるために,様々な問題に地域や社会を挙げて取り組む

    ものである。

    2)生活習慣病と歯周病:歯周病は網膜症,腎症,神経障害,心筋梗塞,脳梗塞に次いで糖尿

    病の6番目の合併症といわれている。また,歯周病は狭心症や心筋梗塞などの心臓病のリス

    クを高めることもわかっていきている。

    2

  • さらに高齢期では,歯周病予防対策に加え,介護予防の観点から食生

    3)活の充実など生活の質を確保するため口腔ケアが必要とされる。

    このように,ライフステージ毎に注力すべき事項に対応した,きめ

    , 。細かな歯科保健情報 歯科保健サービスの提供を図っていく必要がある

    (3)歯科保健対策推進体制の整備と関係機関の役割

    ①推進体制

    歯科保健の推進にあたっては,行政のみならず,歯科医師会,歯科

    衛生士会,医師会,歯科医療機関,教育関係,事業所,健康づくり関

    連団体,介護関係等の関係団体が共通の目的意識をもち,連携しなが

    ら継続的な取り組みを行うことが重要であり,それらの円滑着実な推

    進を図るため,県は8020・6424運動推進部会を設ける。

    ②関係機関の役割

    ア 役割分担の明確化

    , , , , , ,県 市町村 歯科医師会 歯科衛生士会 医師会 歯科医療機関

    教育関係,事業所,健康づくり関連団体,介護関係等の関係団体の

    。 ,役割の明確化により歯科保健の推進を図ることが必要である 特に

    生涯を通じた歯と口腔の健康の保持増進のためには,成人期の歯科

    保健に大きく関わる職域保健の分野において,歯科保健対策の充実

    , , , ,を図ることが必要であり そのため 事業所とともに 地方労働局

    地域の関係団体との連携に努める。

    イ 情報把握

    関係機関が共通の認識と目的意識を持って歯科保健を推進してい

    くためには,県民の歯科保健に関する意識等に関する調査研究を含

    めて,地域の歯科保健情報等を的確に把握することが重要である。

    これらの情報等を関係機関が,有効に活用することにより,地域の

    特性に応じた歯科保健対策を展開する。

    3)介護予防と口腔ケア:平成18年4月の介護保険法の改正により,高齢者の生活機能の低

    下を予防し,要介護状態になることを防ぐため,特定高齢者等を対象として行う介護予防事

    業に「口腔機能の向上」が位置付けられた。

    3

  • ウ 普及啓発

    県民の歯科保健意識の向上を図るため,行政,関係団体及び関

    連の連携のもとで,普及啓発を強力に推進する。

    4)特に,茨城県歯科医師会8020・6424情報センター

    (以下,8020・6424情報センター)を歯科保健対策の

    推進の拠点とし,県民に対する歯科保健情報発信機関として効

    果的に活用する。

    エ 歯科保健従事者の資質向上

    歯科保健対策の充実を図るために,それに関わる歯科保健従事

    者の確保と資質の向上に努める。

    オ かかりつけ歯科医との連携体制整備

    県民に直接関わる地域のかかりつけ歯科医の役割も大きいこと

    から,市町村,学校,事業所等の歯科保健事業とかかりつけ歯科

    医との連携のためのシステムづくりに努めることが重要である。

    4)茨城県歯科医師会 8020・6424情報センター

    :県民の生涯を通じた歯と口の健康づくりの拠点として茨城県歯科医師会に設置され,

    。( )普及啓発事業や県民歯科講座等の事業を行っている 活動状況は参考資料P52のとおり

    4

  • 3 健康いばらき21プランの目標を達成するための具体的な目標水準

    ,「 」,「 」,歯科保健の効果的な展開を図るため 県民一人ひとりの目標 歯周病に関する目標

    「県民の意識と行動に関する目標」を設定する。これらの目標については,県民への周知徹

    底に努めるとともに関係機関は目標をめざし歯科保健対策の積極的な展開を図る。

    (1)県民 人ひとりの目標1

    【 】歯の数

    年齢 目 標 現行水準

    80歳 20本以上 13.1本

    64歳 24本以上 22.7本

    (2)歯周病に関する目標

    目標 現行水準年齢 指標

    12歳児 出血などの自覚症状の認められる者割合の減少 20% ◎35.4%

    (3)県民の意識と行動に関する目標

    意識指標は全て80%を設定(ただし,80%以上は100%を設定)

    現行水準等が20%未満=30%を設定,50~60%程度=原則として80%程度を設定

    区分 行動指標 目標水準 現行水準

    (意識)

    ○茨城県の歯科保健目標を知っている者の割合の増加 80% ◎19.9%

    むし歯と

    歯周病 (意識)

    共通 ○専門的口腔ケアを受けることが歯科疾患予防に効果的で 100% ◎90.9%

    あることを認識している者の割合の増加

    (行動)

    ○毎日歯や歯ぐきを観察する者の割合の増加 30% △16.5%

    (意識)

    ○フッ素塗布,フッ素洗口及びフッ化物歯磨き剤がむし歯 80% ◎75.5%

    予防に有効であることを認識している者の割合の増加

    むし歯 (行動)

    ○就寝前の甘味食品・飲料の習慣のない者の割合の増加 80% ◎54.4%

    (意識)

    歯周病 ○歯間部清掃用具の使用が歯周病の発生に有効であること 80% ◎75.7%

    を認識している者の割合の増加

    ◎平成17年度県民歯科保健調査結果

    △平成18年度県民健康実態調査結果

    5

  • Ⅱ 各 論

    1 ライフステージごとの歯科保健(現状と課題・取り組み内容)

    1 妊産婦期及び胎児期 【現状と課題】 乳歯の形成期及び永久歯胚(歯の芽)の形成開始時期にあたり,この時期は乳

    歯のむし歯予防の最初の重要な時期である。 妊婦である母親の歯科保健に関する意識や習慣は生まれくる子供の歯の健康に

    も大きく影響し,幼児のむし歯は母親の口腔内細菌(ストレップコッカスミュータ

    ンス)が乳幼児の口腔内に定着することが原因であることなど,保護者(母親)の

    むし歯経験は子供のむし歯のリスク因子として示されている。また,歯周病が早産

    や低体重児出産のリスク因子となることが明らかになっており,母親である妊婦自

    身への歯科健康診査,歯科保健指導等が重要である。 現在市町村において妊婦を対象とした歯科保健事業(歯科保健指導・歯科健康診

    査)を実施しているが,その実績は表1のとおりである。

    「歯科保健指導」は約5割の市町村が実施しているものの,「歯科健康診査」に

    ついては6市町村のみの実施にとどまっている。 今後は,市町村における妊婦を対象とした歯科保健事業の効果的な実施とその

    拡大を図るとともに,産科におけるマタニティ教室等においても,母親及び胎児・

    乳幼児の歯科保健の重要性についての保健指導や情報提供が必要である。

    【取り組み内容】 1 歯科保健指導の充実

    市町村で行う妊婦教室等での歯科保健指導の実施拡大を図る。 出産前の妊娠期は比較的ゆったり歯科保健指導を受けることができるため,これ

    から生まれる児のむし歯予防に関する甘味飲食品の摂取回数,授乳方法・期間,及

    び歯と口の発達に応じた食形態や咀嚼習慣の形成,さらにフッ化物の応用の効果等

    の指導に努める。

    表1 市町村における妊婦を対象とした歯科保健事業(平成19年度実施状況) 事業 実施市町村数

    歯科保健指導 21 歯科健康診査 6

    6

  • 2 歯科健康診査の充実 市町村は,妊婦を対象とした歯科健康診査の実施拡大を図るとともに,歯科健康

    診査の充実に努める。 また,妊婦の未処置むし歯及び歯周病の治療のための受診勧奨を行う。

    3 かかりつけ歯科医の活用 県,市町村,県歯科医師会は,かかりつけ歯科医で定期的な歯科検診を受ける

    ことが歯と口腔健康の保持に効果的であることについて,県民に普及啓発を図る。 かかりつけ歯科医は,定期検診・歯石除去・専門的歯面清掃等のプロフェッシ

    ョナルケアの実施と,ブラッシングや歯間清掃用具の使用方法の指導等のセルフケ

    ア向上のための保健指導に努める。 4 啓発活動の充実 県,市町村は,妊娠期の歯科保健の重要性及び歯科疾患予防のための情報をパ

    ンフレット等にまとめ,母子健康手帳の交付時や産婦人科等で配布し,普及啓発を

    図る。 また,母子健康手帳は,市町村で行う歯科健康診査等で活用する他,歯科診療所

    における治療に活用するため受診の際に持参するよう啓発する。 母子手帳の「妊娠中と産後の歯の状態」

    7

  • 2 乳幼児期(乳児~3歳児) 【現状と課題】

    乳幼児期は,乳歯の萌出時期にあたり,生後6ヶ月頃から萌出が始まり,2歳6

    ヶ月から3歳頃に乳歯20本の萌出が完了する。 この時期の歯や口腔の状態は,小児の全身的な発育成長や咀嚼機能の発達へ影響

    するばかりではなく,永久歯列や今後のむし歯等の発生に強い関連が認められてい

    る。 また,食習慣の基礎づくりとして,味覚を育てるとともに基本的な生活習慣を身

    に付ける時期にあたり,母親を中心とした養育者が育児の一環として歯や口の健康

    や食育について理解し実践することが必要である。 3歳児のむし歯に関するリスク因子に関しては,多くの調査により,甘味食品・

    飲料の摂取回数,授乳方法・期間,保護者のむし歯の経験,フッ化物の歯面塗布の

    回数などが示されていることから,これらに基づいて,基本的な生活習慣,フッ化

    物の応用等について適切な指導・助言を行っていくことが必要である。 本県の現状をみてみると,県内各市町村で実施されている1歳6ヶ月児及び3歳

    児の歯科健康診査の状況は図1,2,3,4のとおりであり,むし歯のある児の割

    合と一人平均むし歯数は,減少傾向にあるものの全国平均を上回っている。 また,保健所別にみた状況は図5,6のとおりとなっており,1歳6ヶ月児,3

    歳児ともにむし歯のある児の割合が高いのは鉾田,常総地域,逆に低いのはつくば,

    竜ヶ崎地域など,地域格差がみられる。 図 1 図 2

    図 3 図 4

    4.6 4.5 4.1 4.0 3.7 3.4 3.2 3.1 3.0 2.8

    5.6 5.7 5.7 5.7 4.8

    4.3 4.0 3.7 3.3 3.3

    0.0

    2.0

    4.0

    6.0

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

    %1歳6ヶ月児健診むし歯のある児の割合

    全国 茨城県

    0.14 0.13 0.13 0.12 0.12 0.11 0.110.09 0.09 0.08

    0.17 0.17 0.18 0.18 0.160.13 0.12 0.11 0.10 0.10

    0

    0.05

    0.1

    0.15

    0.2

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

    本 1歳6ヶ月児健診一人平均むし歯数

    全国 茨城県

    40.5 37.9 35.2 33.7 32.3 31.4 29.8 28.0 26.7 25.9

    45.4 42.7 39.7 39.0 38.2 36.9 34.6 32.2 29.6 30.0

    0

    20

    40

    60

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

    % 3歳児健診むし歯のある児の割合

    全国 茨城県

    1.8 1.7 1.5 1.5 1.4 1.3 1.3 1.1 1.1 1.0

    2.2 2.0 1.9 1.8 1.8 1.7 1.5 1.4 1.3 1.3

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

    本 3歳児健診一人平均むし歯数

    全国 茨城県

    8

  • 図 7

    0.0

    10.0

    20.0

    30.0

    40.0

    50.0

    60.0

    図 5

    図 6

    水戸市

    笠間市

    小美玉市

    茨城町

    大洗町

    28.1

    33.4

    26.1 25.4

    35.3

    2

    2.72

    0.00

    1.00

    2.00

    3.00

    4.00

    5.00

    6.00

    %1歳

    28

    0.0 5.0

    10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 %

    城里町

    ひたちなか市

    東海村

    常陸太田市

    常陸大宮市

    那珂市

    3

    26.8 26.2

    33.3 29.4

    34.7

    28.8

    3

    3歳児健診

    2

    4.65 4.39

    歳6ヶ月児健

    8.9 27.7 31.3

    3歳児

    大子町

    日立市

    高萩市

    北茨城市

    行方市

    鉾田市

    8

    36.6

    25.7 27.9

    41.8 42.6

    47.7

    3

    診市町村別む

    4.26

    5.59

    2.0

    健診むし歯の

    3 28.5

    45.4

    3

    児健診むし歯

    鹿嶋市

    潮来市

    神栖市

    龍ケ崎市

    取手市

    牛久市

    7

    35.3

    40.7

    35.3

    27.8

    19.6

    26.92

    むし歯のあ

    07 2.70

    3.47

    のある児の割

    36.0

    26.3 29

    歯のある児

    守谷市

    稲敷市

    河内町

    利根町

    土浦市

    石岡市

    9 26.7

    31.6

    50.8

    31.3 29.0 27.9

    2

    る児の割合

    1.37

    3.15

    5

    割合(H19年度

    9.6

    23.2

    31.9

    の割合(H19年

    かすみがうら市

    美浦村

    阿見町

    つくば市

    つくばみらい市

    結城市

    9

    21.6 19.6

    46.4

    22.8 25.6

    35.5

    2

    合(H19年度)

    5.32

    2.82 3.2

    度)

    37.6 32.6

    3

    年度)

    筑西市

    桜川市

    下妻市

    常総市

    坂東市

    八千代町

    5

    26.6

    39.0 38.7 35.0

    40.4 36.4

    3

    6

    30.0

    古河市

    五霞町

    境町

    県平均

    4

    30.8

    44.6 40.6

    30.0

    9

  • また,市町村別の3歳児健診のむし歯のある児の割合は,図7のとおり幅がみら

    れる。乳幼児歯科保健事業の実施状況や1歳6ヶ月児健康診査の歯科衛生士の配置

    状況が,市町村により異なることから,各市町村における効果的な歯科保健事業の

    実施が必要とされる。 歯科健康診査に従事する歯科衛生士の配置のある市町村数は表2のとおりとなっ

    ており,3歳児歯科健康診査では約9割となっているが,1歳6ヶ月児歯科健康診

    査では約2割と配置率が低い状況が見られる。 また,1歳6ヶ月児,3歳児歯科健康診査を除いた乳幼児を対象とした歯科保健事

    業,フッ化物塗布の保健事業の実施状況は表3のとおりであり,フッ化物塗布事業

    の実施市町村は約7割となっている。特に,むし歯のある児の割合が高い地域にお

    いては,フッ化物塗布事業の実施拡大などフッ化物の効果的な応用が必要である。

    【取り組み内容】 1 1歳6ヶ月児,3歳児健康診査の充実

    母子保健法に基づき市町村で実施されている1歳6ヶ月児及び3歳児の歯科

    健康診査においては,口腔の発育に応じた歯科保健指導を行う。 特に,1歳6ヶ月の時点では,その危険因子(哺乳瓶の使用,清涼飲料水の摂

    取状況,間食の時間等)が示されており5),これらに留意した歯科保健指導の実

    施を図る。また1歳6ヶ月の時点で危険因子があった幼児については,3歳児歯

    科健康診査時に改善状況等の確認に努めるなど指導の連続性の確保に努める。 5)「妊産婦,乳幼児および幼児に対する歯科健康診査及び保健指導の実施について」平成9年3月31

    日・厚生省児童家庭局長,厚生省健康政策局長通知

    表2 歯科衛生士配置状況(19年度)

    事業 歯科衛生士配置市町村

    1歳6ヶ月児歯科健康診査 9/44

    3歳児歯科健康診査 40/44

    表3 市町村歯科保健事業状況(19年度)

    事業 実施市町村

    乳幼児歯科保健事業 28/44

    フッ化物塗布事業 31/44

    10

  • 2 歯科健康診査及び事後指導の充実 地域の実情や特性に応じ,1歳6ヶ月児,3歳児歯科健康診査に加え,乳歯の

    萌出直後の1歳児やむし歯の急増がみられる2歳児等を対象とした歯科健康診査

    の実施に努める。 また,1歳6ヶ月前後の低年齢の時期からむし歯の罹患がみられる幼児について

    は,広範囲のむし歯の発症につながりやすいため,市町村は,それらの幼児を早期

    に把握し,適切な生活習慣や食習慣の指導,歯口清掃指導,さらにフッ化物塗布等

    の実施に努める。 3 フッ化物の有効応用の推進

    県,市町村,歯科医療機関は,歯科保健関係団体との連携のもと,むし歯予防に

    効果のあるフッ化物の応用について保護者へ情報提供を行う。 また,市町村は歯科医師,歯科衛生士との連携によりフッ化物塗布事業の促進を

    図る。

    4 口腔機能の発達をはぐくむ食育の推進 県,市町村,関係機関は,乳歯の生え方など機能の発育に応じた離乳の支援や咀

    嚼力を育てる食事等について,保護者への適切な情報提供と保健指導を行う。 5 かかりつけ歯科医の活用 県,市町村,歯科医師会は,「かかりつけ歯科医」での定期的な歯科検診やフッ

    化物塗布等が歯と口腔の健康保持に効果的であることについて,県民に普及啓発を

    図る。 また,かかりつけ歯科医は,定期的な歯科検診やフッ化物塗布,さらに児の発

    達に応じた歯科保健指導等の実施に努める。 6 啓発活動の充実 県,市町村は,関係機関の連携のもと「親と子のよい歯のコンクール」や「よ

    い歯の表彰式」等を行い普及啓発に努める。 また,県は,インターネット等を活用し,幼児期の歯と口腔の健康の保持増進

    の重要性等について普及を図る。

    11

  • 3 幼児期(4・5歳児) 【現状と課題】

    幼児期は,永久歯の萌出が開始する時期にあたるとともに,乳歯のむし歯の急増

    期でもある。 特に,永久歯の咬合の中心となる第一大臼歯(6歳臼歯)が萌出し始めるが,む

    し歯に罹患しやすい特徴があるため,予防対策が重要である。 この時期の幼児の多くは,保育所,幼稚園に通園しており,歯や口の健康につい

    ての意識向上や歯科保健習慣の定着のためには各保育所・幼稚園ごとに,保護者や

    園児に対する歯科保健指導が必要である。指導は,むし歯の発生に強く関わりのあ

    る甘味食品の摂取回数,フッ化物の応用,ブラッシングに関する内容に加え,食育

    と関連づけて咀嚼機能や食習慣の情報提供と知識の普及を行う必要がある。 また,歯科保健指導と併せて,保育所,幼稚園でフッ化物塗布やフッ化物洗口を

    行うことは効果的であり,各市町村はフッ化物のむし歯予防の効果やフッ化物の 有効な応用方法について,保育所や幼稚園への情報提供と実施の推進を図っていく

    ことが必要である。 そのため,保育士や幼稚園教諭等の指導的立場の者を対象とした歯科保健に関す

    る研修や情報提供を行うことが必要である。 本県の保育所歯科健康診断における4歳児及び5歳児のむし歯のある者の割合は,図8のとおりとなっており,平成14年度と比較して減少している。幼稚園児

    のむし歯のある者の割合は図9のとおりで,減少傾向にあるものの全国より高い状

    況にある。 図8

    54.6 54.0

    44.6 41.9

    50.7 46.8

    60.4 60.6

    49.0 49.3 57.7 55.5

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    H14 H15 H16 H17 H18 H19

    %保育所歯科健康診断におけるむし歯のある者の割合

    4歳児 5歳児

    12

  • 図9

    また,県内の保育所,幼稚園でフッ化物洗口を実施しているのは,わずか4施設

    (2保育所,1幼稚園,1小学校)6)であり,今後,歯科医師,幼稚園,保育所,

    家庭,関係機関,関係行政機関が連携を図りながら,フッ化物洗口の実施を普及し

    ていく必要がある。

    【取り組み内容】 1 歯科保健指導の充実

    保育所,幼稚園は,幼児及び保護者を対象に計画的な歯科保健指導の実施に努

    める。歯科保健指導の実施にあたっては,市町村,教育委員会,嘱託歯科医師等と

    の連携を図り,教育媒体を有効活用し,むし歯予防や健全な口腔機能の発達につい

    ての具体的で実践的な内容で行い,知識の普及と意識向上に努める。 2 幼児歯科健康診査の実施 保育所は,歯科健康診断の実施に努めるとともに,健康診断の結果,治療や観

    察及び指導を要する児について,保護者への適切な情報提供を行い,嘱託歯科医師

    等と連携した歯科保健指導を行う。 3 フッ化物の有効応用の推進

    県,市町村,歯科医療機関は,歯科保健関係団体との連携のもと,むし歯予防に

    効果のあるフッ化物の応用について保護者へ情報提供を行う。 また,市町村は歯科医師,歯科衛生士との連携によりフッ化物塗布事業の促進

    を図る。

    6)NPO 法人日本むし歯予防フッ素推進会議・WHO 口腔保健協力センター・財団法人 8020 推進財団

    共同調査 2008 年3月現在

    62.8 60.9

    59.8 61.6

    58.8 56.9

    54.4 55.2 53.7

    45

    50

    55

    60

    65

    H14 H15 H16 H17 H18 H19

    %幼稚園児むし歯のある者の割合

    茨城県 全国

    *H15からH17は,文科省調査の

    県別データの公表なし

    *H18 からは,調査対象数が変更

    13

  • 4 口腔機能の発達をはぐくむ食育の推進 保育所,幼稚園,市町村及び関係機関は,永久歯の萌出や口腔機能の発育に応

    じた咀嚼力を育てる食事,基本的な食事のマナー,食材に応じた食べ方などについ

    て,指導に努める。 また,ゆっくりよくかんで唾液の分泌を促すことや,生活リズムを整え,食欲を育

    てることの重要性を普及啓発する。 5 かかりつけ歯科医の活用 県,市町村,県歯科医師会は,かかりつけ歯科医での定期的な歯科検診やフッ

    化物塗布,フッ化物洗口やシーラント7)が歯と口腔の健康保持増進に効果がある

    ことについて,県民へ普及啓発を図る。 また,かかりつけ歯科医は,定期的な歯科検診やフッ化物塗布,フッ化物洗口

    の指導やシーラントの実施及び児の発達に応じた歯科保健指導を行う。 6 啓発活動 県は,保育所で活用できる実践的内容の教育用媒体の確保に努める。

    また,8020・6424情報センターは,保育所・幼稚園における歯科保健

    指導に活用できる視聴覚教材や教育用媒体を整備し,効果的な活用の促進に努める。

    7 保育所歯科健康診断の把握と保育者に対する研修の実施 県,市町村,県歯科医師会は,保育所歯科健康診断の状況を把握するとともに,

    その活用や事後指導についての内容を含め,児の歯科保健の指導的立場にある保育

    士・幼稚園教諭を対象とした研修を行い,情報提供と意識向上に努める。

    7)シーラント(予防填塞):むし歯になりやすい奥歯のかみ合わせ(咬合面)の溝にプラスチック樹

    を埋める予防処置。

    14

  • 4 学齢期(小学校・中学校・高校) 【現状と課題】

    学齢期は,乳歯から永久歯への交換期にあたり,新たに萌出した永久歯のむし

    歯の初発と多発の時期に当たる。永久歯は5歳前後から萌え始めるが,第2大臼

    歯が萌えそろう12歳児の時点で1人平均むし歯数は1.99本(図10)とな

    っている。 学齢期のむし歯予防の基本は幼児期と同様であり,むし歯を誘発する甘味飲食

    物の過剰摂取制限,歯口清掃による歯垢(デンタルプラーク)の除去及び歯質の

    強化対策としてのフッ化物の応用等がその基本となる。 また,フッ化物の歯科的応用に対する理解を深め,フッ化物配合歯磨剤による

    歯磨きの励行に努めることも重要である。 さらに,この時期は永久歯への交換に伴い,口腔状況が変化し確実な歯口清掃

    が困難な時期であるとともに,小学校の中・高学年から歯肉炎が増加し(図14),

    中学校・高校の時期は思春期性歯肉炎の増加がみられることから,学校歯科健康

    診断結果等に応じた歯口清掃指導を受け,適切なセルフケアの習慣を身につける

    ことが重要である。 図 10 図 11

    図 12 図 13

    2.822.57

    2.392.19

    2.03 1.992.28

    2.091.91 1.82 1.71 1.63

    0

    1

    2

    3

    H14 H15 H16 H17 H18 H19

    12歳児永久歯1人平均むし歯数

    茨城県 全国

    79.7 77.3

    75.6 74.1

    72.5 70.8

    73.9 71.3 70.4

    68.2 67.0 65.5

    60

    65

    70

    75

    80

    85

    H14 H15 H16 H17 H18 H19

    小学校むし歯罹患率

    茨城県 全国

    78.3 75.5

    72.7 69.3

    66.5 64.2

    71.2 67.7

    64.6 62.7

    59.7 58.1

    50

    55

    60

    65

    70

    75

    80

    H14 H15 H16 H17 H18 H19

    中学校むし歯罹患率

    茨城県 全国

    84.1 80.8

    78.5 76.0

    72.7 70.0

    82.3

    77.9 76.0

    72.8 69.9 68.5

    60

    65

    70

    75

    80

    85

    90

    H14 H15 H16 H17 H18 H19

    高等学校むし歯罹患率

    茨城県 全国

    15

  • 図 14

    平成19年度茨城県学校保健統計調査

    むし歯のある児童,生徒の割合は図11,12,13のとおりとなっており減

    少傾向にあるものの,全国平均を上回っている。永久歯が完成するこの時期のむ

    し歯予防の対応は,本県の生涯を通じた歯・口の健康づくりの重要な位置を占め

    る。 その対策を進めるうえで,学齢期は自らの意志判断で自分の健康を守る意識を

    育てる時期であることから,生活習慣や歯科保健行動が歯・口の健康に深く関わ

    っていることについて理解を促し,自己管理能力の向上を図ることが重要である。 また,スポーツ活動が活発な時期であるため,歯・口の外傷の予防や応急手当

    の対応についての知識の普及も必要である。 さらに,乳歯から永久歯への生え替わりの時期に応じた食べ方の支援や,五感

    が満たされる食べ方の支援を行うことも必要である。

    【取り組み内容】 1 歯科保健指導の充実 学校においては,歯科保健指導計画に基づいた保健指導をすすめ,指導に当た

    っては,養護教諭,栄養教諭(学校栄養職員),学校歯科医,歯科衛生士等といっ

    た校内外の専門職との連携のもと,歯口清掃方法,甘味飲食物の摂取等について,

    教育用媒体を活用し,実践につながる指導を実施する。その際,学校歯科健康診

    断結果の活用や自身の口腔内の観察を通して,児童,生徒自らが歯・口の健康管

    理の意識を持ち,実践できるよう指導に努めることが重要である。 さらに,高校においては,中学校期までの生活習慣病予防も踏まえた歯・口の

    健康づくりに関する指導を継続し,高校期以降の生涯にわたる健康の保持増進に

    つながる指導を行うことに努める。

    0.2

    1.11.4

    1.1

    2.11.8

    3.6

    4.7 4.7

    4.2 4.33.9

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳 17歳

    %学齢期歯肉の所見割合

    16

  • 2 フッ化物の有効応用の推進 フッ化物応用の効果やフッ化物塗布,フッ化物洗口,フッ化物配合歯磨剤の活

    用方法について児童・生徒・保護者へ積極的な情報の提供を行う。

    3 特別な配慮を要する子どもの歯科保健指導の実施 特別支援教育諸学校における歯科保健指導の充実のため,学校歯科医,保健所

    等との連携のもと,より予防に重点を置き,個人の状況に応じた指導に努める。 また,保健所が行う「デンタルヘルス推進事業」等も活用し,指導の推進を図る。

    4 要観察歯(CO)8),歯周疾患要観察者(GO)9)の事後指導の充実 学校歯科健康診断において要観察歯(CO),歯周疾患要観察者(GO)と指

    摘された児童・生徒に対し,学校歯科医や地域の歯科衛生士による個別指導,さ

    らには養護教諭による定期的指導を組み合わせて歯科疾患の進行の抑制に努める。

    指導を行う際は,適切なブラッシングなどの歯科保健習慣が自らの歯・口の健康

    の改善につながることを実感させ,よりよい生活習慣を身につけさせるよう努め

    る。 要観察歯(CO)をもつ児童・生徒に対しては,積極的なフッ化物の応用につ

    いて指導を行う。

    5 発育に合わせた食べる力(咀嚼能力)の育成と五感が満たされる食育の推進 学校や家庭,関係機関が連携し,永久歯の萌出や歯の交換などの発育に応じた

    食べ方を支援し健全な咀嚼能力を育成するとともに,五感(味覚・視覚・聴覚・

    触覚・嗅覚)を刺激しておいしく味わうことの重要性などについて普及啓発する。

    6 かかりつけ歯科医の活用 学校は,学校歯科健康診断の結果をふまえ,むし歯予防,歯周病予防のため,

    かかりつけ歯科医による個人の状況に応じた定期的な歯科検診や専門的な歯口清

    掃等の指導を受けることを勧奨する。 また,かかりつけ歯科医は,個人の状況に応じた定期的な歯科検診やフッ化物

    塗布,フッ化物洗口の指導やシーラントの実施及び歯口清掃等を含めた歯科保健

    指導を行う。

    8)要観察歯(CO): 「シーオー」と読み治療を必要としないが,適切な保健指導や事後指導を行い,むし歯に進行することを予防する必要がある。

    9)歯周疾患要観察者(GO):「ジーオー」と読み歯肉に軽度の炎症が認められる状態で治療は必要

    としないが,歯磨きや食生活に関する保健指導を行い,歯肉の改善を図る必要がある。

    17

  • 7 啓発活動の充実 県,教育委員会,学校は,歯の衛生週間を中心として,「歯の衛生に関するポス

    ターコンクール」等や歯科保健に関する各種行事等を通し普及啓発を図る。 教育委員会は,歯科保健活動で効果をあげている研究推進校等の取り組みの実

    践内容の活用を推進する。 また,各学校や市町村等で創意工夫により作成した教育用媒体,ビデオ等を発

    表する機会を確保する。 8020・6424情報センターは,学校における歯科保健指導に活用できる

    視聴覚教材や教育用媒体を整備し,効果的な活用の促進と情報提供に努める。

    8 学校保健委員会の活用 学校は,各学校に設置されている学校保健委員会において,歯科保健指導内容

    を検討するとともに,学校における歯科保健指導の充実のため関係者との連携を

    図る。

    9 学校歯科医の活用 学校歯科医は,生涯を通じた歯・口の健康の基礎づくりを目指して,フッ化物

    の応用を含め,小・中・高校の発達段階に応じた学校歯科保健活動への支援を行

    う。 具体的には,児童・生徒への講話や指導,教職員や保護者を対象とした研修の

    実施など保健教育への参画や学校保健委員会における積極的助言,指導を行う。 また,要治療や要指導の者への歯科保健指導や相談に協力するとともに,個人

    の状況に応じた歯口清掃指導にも努めるものとする。さらに,地域の歯科保健向

    上のため学校と地域の医療機関や関係団体との連携に努める。

    10 いばらきスポーツ・健康づくり歯学協議会 県及び関係機関は,スポーツ障害の安全対策と指導を目的に県歯科医師会が設

    置する「いばらきスポーツ・健康づくり歯学協議会」に参加し,その促進に努め

    る。

    18

  • 5 成人期 【現状と課題】

    成人期に入ると,年齢が高くなるごとに進行した歯周病の所見のある者の割合

    が高く,一人平均喪失歯数は,年次的には減少傾向にあるものの,40代後半か

    ら急増する。 成人に対する歯科保健対策は,独立した検診として健康増進等事業に歯周疾患

    検診が位置付けられ,40歳,50歳に加え60歳,70歳 10)に拡大されている

    が,歯や口の健康については,個人の自己管理によるところが大きい現状にある。

    8020・6424の達成のためには職域を含めた成人歯科保健対策,妊産婦あ

    るいは母親に対する歯科保健対策が重要である。 最近では,歯周病が,糖尿病,動脈硬化などの血管系の病気,心臓病,肺炎な

    どの呼吸器疾患,早期低体重児出産など全身にさまざまな影響を及ぼすことが明

    らかになっている。特に糖尿病やメタボリックシンドローム等の生活習慣病との

    関連について注目されており,歯周病を予防し,健全な口腔機能を維持すること

    が生活習慣病の予防につながることについて,情報提供が必要である。

    図 15 歯肉所見の有無

    10)歯周疾患検診:平成 16 年度から当時老人保健事業として実施されていた歯周疾患検診と対象者が

    これまでの 40 歳,50 歳に加えて 60 歳と 70 歳に対し拡大された。平成 20 年度から歯周疾患検診は健康増進等事業として実施されている。

    19

  • 歯周病は慢性的に進行し,自覚症状が少なく,進行してから気づく場合が多く,

    このことが歯の喪失につながっていると考えられる。

    歯周病のリスク因子 11)としては,疫学研究により,喫煙,歯間部清掃用具 12)

    使用の有無,定期的な歯科検診,歯磨き回数等が示されている。 歯周病予防のためには,ブラッシングなどのセルフケアと,定期的な歯科健康

    診査や歯石除去等のプロフェッショナルケアの両立が重要であり,知識の普及や

    歯科保健行動の定着を図る必要がある。

    図 16 一人平均喪失歯数の年次推移

    定期的に歯科検診を受診した人の割合は14.4%(H19 年度県民健康実施態

    調査)であり,歯科検診の受診率は低い状況にある。また,市町村の行う健康増

    進事業の歯周疾患検診については,実施しているのは19市町村のみで実施市町

    村における受診率は1%と,極めて低い状況があるため,受診率の向上のため歯

    周疾患検診の必要性を普及していく必要がある。 県歯科医師会は,生活習慣病歯科対策事業として,歯周病と生活習慣病との関

    わりについての知識の普及やセルフケア能力の向上を図るため,市町村と連携し

    て表4のとおり講演会を開催するほか,新しい歯科健康診査として特定保健指導

    者対象者等に対する口腔機能健康測定 13)を実施しているが,今後も実施拡大を図

    る必要がある。

    11)歯周病のリスク因子:喫煙,12)歯間清掃用具(デンタルフロスや歯間ブラシ等)使用の有無,過度の飲酒,定期歯科検診,受療の有無,食習慣,歯磨き回数が示されている。 健康日本21による。

    13)口腔機能健康測定:唾液の潜血検査とガムによる咀嚼力検査を総合判定して行う新しい歯科健康診査の手法で,8020推進財団が推奨し,茨城県歯科医師会は,その普及に努めている。

    20

  • また,働き盛り世代への歯と口腔の健康の意識向上と職域における健康管理対

    策の充実を図るため,表5のとおり県歯科医師会が事業所出前健康教室等を実施

    しているが,従業員の口腔保健に積極的に取り組んでいる事業所はまだ少なく,

    今後,事業所においては歯科保健指導の実施に努める必要がある。また,関係機

    関は,連携のもと,事業所での歯科保健指導の実施を促すための支援をする必要

    がある。

    表5 茨城県歯科医師会が行う産業口腔保健活動実施状況(H20年度)

    【取り組み内容】

    1 歯科保健指導の充実 市町村は,健康づくり関連事業のなかで歯科保健を明確に位置づけ,成人歯科

    保健事業の推進を図る。 特に,生活習慣病と歯周病の関連についての普及啓発や特定健診・保健指導と

    連動した歯科保健指導の実施に努める。 県歯科医師会は,新たな歯科健康診査の手法として効果的に歯周疾患等の把握

    が可能な口腔機能健康測定の実施拡大を図る。

    2 歯科健康診査の実施 市町村は成人期の歯科健康診査の機会を確保するため,歯科医師会,歯科衛生

    士会との連携を図り,成人を対象とした歯科健康診査の実施に努める。 3 職域における歯科保健事業の実施

    事業所は,衛生管理者が中心となり,「快適職場づくり」の一環として職場での

    歯磨き習慣の定着のための環境を整えるとともに,従業員の健康づくりとして社

    内広報等を通じた歯科保健情報の提供や歯科健康教育の機会の確保に努めるなど

    表 4 茨城県歯科医師会が実施した生活習慣病歯科対策事業の実施状況(H20年度)

    事 業 回数(回) 参加者(人)

    歯周病と生活習慣病に関する講演会 16 770

    特定保健指導対象者等への口腔機能健康測定 5 144

    事 業 実施事業所数 参加者(人)

    健口・歯つらつ出前健康教室 3 53

    産業安全衛生大会におけるブース出展 1 54

    21

  • 歯と口腔に関する従業員の意識の向上を図る。また,県歯科医師会並びに茨城労

    働局と連携を図り,歯科健康診断や口腔機能健康測定の実施に努める。 4 かかりつけ歯科医の活用 県,市町村,県歯科医師会は,かかりつけ歯科医での定期的な歯科検診,歯面

    清掃,歯石除去等が,歯科疾患の予防や進行の抑制に効果的であることについて,

    県民への啓発を図る。 かかりつけ歯科医は,定期的な歯科検診,歯面清掃,歯石除去等プロフェッシ

    ョナルケアの実施及び個人のブラッシング,歯間清掃用具の使用の指導等セルフ

    ケア能力の向上に努めるとともに,個人に応じた保健指導を行う。 また,喫煙が歯周疾患,生活習慣病の原因の一つといわれていることから禁煙

    支援相談を行う。

    5 生活習慣病と歯周病の関連についての情報提供 県,市町村,県医師会,関係機関は,生活習慣病と歯周病との関連,歯科疾患

    と全身の関わり等について,パンフレット等を活用し,広く情報提供を図るとと

    もに,連携して講演会,研修会等を開催し,知識の普及や意識向上に努める。 また,喫煙と歯周病との関連についても併せて情報提供し,禁煙の推進に努め

    る。 6 生活習慣改善としての食育の推進

    歯周病が,糖尿病,動脈硬化などの血管系の病気などメタボリックシンドロー

    ム等の生活習慣病と関連することが明確になりつつあることから,その予防のた

    めに適切な咀嚼習慣の確立による口腔機能の維持のための食べ方を普及啓発する。 7 啓発活動の充実

    県は,普及啓発を図るために成人を対象とした「よい歯のコンクール」を行い,

    県民の意識向上に努めるとともに,生涯学習の機会や広報誌,県ホームページ等を

    活用し,情報の提供に努める。 県歯科医師会は,行政や関係機関と連携し,講演会,研修会やイベントを通じて

    広く普及啓発に努めるとともに,産業口腔保健活動の周知を図り事業の拡大を図る。

    8020・6424情報センターにおいては,県民歯科講座や出張講話等の生涯学

    習事業の充実を図り,ホームページや広報誌を活用した情報の提供に努める。

    22

  • 6 高齢期 (65歳~) 【現状と課題】

    この時期は,歯の喪失が急増する時期であり,歯周病などにより露出した歯根面

    むし歯14)の発生もみられ,咀嚼機能が低下するとともに,義歯装着者が急増する。

    平成17年度の県民健康歯科保健調査によれば,1人平均の現在歯数(自分の歯の

    本数)は,80歳で13.1本,64歳で22.7本となっており,全国(平成1

    7年歯科疾患実態調査)の80歳(推計)で9.9本,60歳~64歳で21.3本

    より多い結果がでている。また,本県の80歳で20本以上の歯を持つ者の割合は

    32.5%,64歳で24本以上の歯を持つ者の割合は63.4%となっており,

    全国(平成17年歯科疾患実態調査)の80歳~84歳の21.1%,60歳~6

    4歳の52.8%より割合が多くなっている。

    図17 一人平均現在歯数

    図 18 補綴物の装着の有無と各補綴物の装着者の割合

    14)歯根面むし歯:歯周病等により露出した歯の根面に生じるむし歯

    65歳以上の高齢者のむし歯の8割以上が歯根面に生じるむし歯である。(1991年・兵庫県南光

    町歯科保健センター)

    23

  • また,平成17年歯科疾患実態調査によれば,図18のとおり,70歳以上で部

    分床義歯(部分入れ歯)を装着する者が加工義歯(ブリッジ)を装着する者より多

    くなり,80歳以上では全部床義歯(総入れ歯)装着者が約60%となっている。

    高齢期においては,口腔機能の維持向上が,食べる楽しみや会話など生活の質の

    向上と健康寿命の延伸に必要不可欠であるとともに,介護予防の観点から,寝たき

    りの原因や直接的死因ともなりうる誤嚥性肺炎の予防のためにも重要である。 口腔機能向上の重要性について,一般県民に広く啓発を図るとともに要介護者へ

    の口腔ケアの普及や介護に関わる者への知識や技術の普及が必要である。 市町村においては,特定高齢者施策として口腔機能向上の事業を実施しているが,

    その実施状況は表6のとおりで未実施の市町村があり,実施市町村においてもその

    取り組み状況や特定高齢者の把握,さらに事業参加率の向上などの課題も多いこと

    から,今後,一般高齢者を含めた事業の拡大と充実が必要である。 表6 特定高齢者施策(通所型・訪問型介護予防事業)の状況(平成 19 年度地域支援事業実施状況)

    実施市町村数 割合(n=44)

    通 所 型

    運動器の機能向上 40 90.9%

    栄養改善 23 52.3%

    口腔機能の向上 32 72.7%

    その他 17 38.6%

    訪 問 型

    運動器の機能向上 8 18.2%

    栄養改善 7 15.9%

    口腔機能の向上 7 15.9%

    閉じこもり予防・支援 5 11.4%

    認知症予防・支援 5 11.4%

    うつ予防・支援 5 11.4%

    その他 4 9.1%

    未実施 3 6.8%

    また,義歯装着者への対応としては,義歯食についての指導や情報提供に努める

    ほか,現在,県歯科技工士会が実施している義歯への刻銘事業について,今後とも

    同会の協力を得て実施していくことが望まれる。 口腔状態の改善のため介護保険施設等の入所者や在宅要介護者の訪問歯科診療や

    訪問歯科保健指導への対応も必要である。

    24

  • 【取り組み内容】 1 口腔機能の維持向上のための保健指導等の充実

    市町村は,健康増進事業を活用し,高齢者に対する歯科保健指導を効果的に行う。 介護予防事業における口腔機能向上の推進に努め,特定高齢者,一般高齢者への

    健康教育,保健指導,情報提供を行う。また,通所が困難な住民に対する訪問型口

    腔機能向上サービスについても他のプログラムと連携した実施の拡大に努める。 歯科医師,歯科衛生士は,市町村と連携し,口腔機能向上事業に積極的に参画,

    協力する。 介護老人福祉施設,介護老人保健施設等は,入所者や通所者への口腔ケアや歯科

    健康診査・歯科保健指導の実施に努める。 県,県歯科医師会,歯科衛生士会は,介護や保健指導に関わる職種等を対象に口

    腔ケアの意義や手法についての研修会を開催するなど介護の現場や介護予防事業

    における口腔ケアの普及に努める。

    2 高齢期の歯・口の機能の維持のための食育の推進 県,市町村,関係機関が連携し,食生活と口腔機能の関連や咀嚼習慣と全身の健

    康との関わりについての情報提供に努める。また,口腔機能が低下した者に対しQ

    OLの向上のため各々の歯と口腔の健康状態に応じた食形態や調理の工夫の重要

    性の普及啓発に努める。

    3 義歯刻銘事業の推進 県歯科技工士会は,関係機関と連携し,介護施設入所者等の義歯の刻銘等を行い,

    介護現場の口腔ケアの向上に努める。

    4 かかりつけ歯科医の活用 県,市町村,県歯科医師会は,かかりつけ歯科医での定期的な歯科検診,歯面清

    掃,歯石除去等が歯科疾患の予防や進行の抑制に効果的であることや,喪失した歯

    がある場合は適切な義歯装着等により口腔機能の維持を図ることが重要であるこ

    とについて,県民への啓発を図る。 また,かかりつけ歯科医は,定期的な歯科検診,歯面清掃,歯石除去等の実施

    と個人の自己管理能力の向上に努めるとともに,義歯の調整,管理を行う。 また,訪問診療が必要な高齢者に対し,関係機関と連携し対応していく。 5 啓発活動の充実 県は,普及啓発を図るために高齢者を対象とした「よい歯のコンクール」を行

    25

  • い,県民の意識向上に努めるとともに,生涯学習の機会や広報誌,県ホームページ

    等を活用し,情報の提供に努める。 県歯科医師会は,行政や関係機関と連携し,講演会,研修会やイベントを通じて

    広く普及啓発に努める。8020・6424情報センターにおいては,高齢者を対

    象とした県民歯科保健ミニ講座や生活習慣病歯科対策事業を行うとともに,ホーム

    ページや広報誌を活用した情報の提供に努める。

    26

  • 2 歯科保健推進体制と関係機関・団体の役割

    (1)推進体制

    健康いばらき21プランに基づく推進機関である健康いばらき推進協

    議会に8020・6424運動推進部会を設置し 「歯と口腔の健康」と,

    健康管理と疾病対策」における「歯周病」対策の進行管理,施策の具体

    化について検討するなど企画調整機能を担い推進する。

    (2)関係機関の役割

    , , , , , ,歯科保健の推進のためには 県 市町村 学校 事業所 歯科医師会

    歯科衛生士会,医師会,介護関係等の関係機関・団体のそれぞれが,以

    下のような役割を担い主体的に取り組んでいくとともに,情報交換など

    を通じて,相互の協力・連携を確保し,県民への最適なサービスの提供

    に向けた総合的な推進を図る。

    ① 県

    ○ 県民の生涯を通じた歯科保健対策推進のため 「8020・642,

    4運動推進部会」を設置し,歯科医師会,歯科衛生士会,歯科技工

    士会,医師会等の関係団体,市町村,職域保健関係機関等との連携

    のもと健康いばらき21プランの「歯と口腔の健康」と「健康管理

    と疾病対策」の目標達成に向けた取り組み(8020・6424運

    動の推進)施策の具体化についての総合調整機能を担っていく。

    ○ 歯科医師,歯科衛生士,歯科技工士,医師,市町村保健担当者,

    介護・福祉関係者等に対する研修を行い,歯科保健従事者の育成確

    保と資質の向上を図るとともに,最新の歯科保健に関する知識・

    。情報の提供と,具体的な歯科保健技術の向上を図る

    ○ 歯科保健調査に関する意識調査を行い,課題を的確に把握し効果

    的な施策展開を図る。

    ○ 歯科保健に関するデータや,歯科保健の媒体資料を作成するとと

    もに,県民や関係者向けの講座を行い,歯科保健情報提供を行う。

    ○ 地域における歯科保健の推進を図るため,歯科保健ボランティ

    アが効果的な活動を展開できるよう研修会等を行う。

    ○ 関係機関の連携による歯科保健の推進が図られるよう,必要に応

    。じてモデル事業やフォーラム等を行う

    ○ 歯科保健推進のシンボルマークを活用し,継続的に普及啓発活動

    の展開を図る。

    ○ 歯科保健関連情報等を広域的に収集するとともに,歯の健康づく

    り情報等について,健康づくり情報誌,インターネット(ホーム

    27

  • ページ ,マスメディア,ポスター,パンフレットの作成,配布)

    。を通じて提供する

    ○ ポスターコンクール,よい歯のコンクール等顕彰事業を継続して

    。行う

    [保健所]

    ○ 各地域において歯科保健事業が円滑かつ効果的に推進されるよ

    う,管轄市町村とともに,関係団体,医療機関,福祉施設,食生

    活改善推進団体連絡協議会等との連携を密にし相互の連絡調整機

    。能を担うほか,市町村等に対して専門的かつ技術的な支援行う

    ② 市町村

    ○ 市町村健康づくり推進協議会の活用などを通じて歯科保健対策を

    効果的に推進する。

    ○ かかりつけ歯科医をはじめとした,地域の歯科医療機関,関係団

    体,福祉関係団体及び事業所,学校等との連携により,母子歯科保

    健事業,成人歯科保健事業,介護予防事業の口腔機能向上などの事

    業を実施する。

    ○ 市町村健康増進計画や食育推進計画の中においても歯科保健の取

    り組みを位置付けるよう努める。

    ○ 食生活改善推進員などの地域ボランティアの養成や活動を促し住

    民への各種啓発活動などを実施していく。

    ○ 歯科医師,歯科衛生士,地域ボランティア等が活動しやすい環境

    を整えるために連絡調整を行う。

    ○ 歯科保健活動の拠点として口腔保健室の設置等に努めるほか,円

    滑な実施を図るため必要に応じ歯科衛生士の確保に努めていく。

    ○ 県や関係団体の活動と連携しながら,歯及び口腔の健康づくりな

    ど歯科保健に関する普及啓発活動を積極的に展開する。

    具体的な取り組み例

    ・ 各関連機関(産婦人科医院・保育所・幼稚園・小中学校・高校

    介護保険施設・障害施設・市内歯科医院等)の歯科保健への取り

    組み状況,問題点等の状況把握を行う。

    ・ 各種団体(健康づくり推進協議会,食育推進計画,食生活改善

    推進員,歯科衛生士,地域ボランティア等)が活動しやすい環境

    を整えるため,関係機関との連絡調整および各団体活動に歯科保

    健を位置付け活動体系の構築を行う。

    ・ アンケート等により市民のニーズを常に把握していく。

    28

  • ○ 地域の歯科保健関連情報等の収集するとともに,歯の健康づくり

    情報等について,広報やインターネット(ホームページ ,ポスタ)

    ー,パンフレットを通じて提供する。

    ③学校

    ○ 歯科保健指導計画を策定し,学校保健委員会を有効に活用し学校

    歯科医や市町村との連携のもとで歯科保健指導を着実かつ効果的に

    推進を図る。

    ○ 特に,歯科疾患予防のための知識の普及や歯磨きなどの歯科保健

    習慣の教育・指導を行うほか,関係職員の資質の向上を図るため,

    歯科保健研修会を行う。

    ④ 事業所

    ○ 保健所や歯科医師会との連携のもで,歯科健康診査や歯科保健指

    導の実施に努めるとともに,歯と口腔の健康についての正しい知識

    の普及に努める。

    ⑤ 関係団体等

    □歯科医師会

    ○ 市町村,学校,事業所との連携を図り,それらの機関が行う歯

    科健康診査(歯周疾患検診・歯科健康診査・歯科健康診断)や歯

    科保健指導事業等に積極的に参画する。

    ○ 専門性を活かし歯と口腔の健康に関する指導や情報提供を行う。

    ○ 歯科医師の資質向上のための研修や情報提供を行うほか,市町

    村,学校,事業所,介護・福祉関係職員の保健関係者等に対する

    研修事業を行う。

    ○8020・6424情報センターを歯科保健情報発信の拠点とし

    て,歯科保健のデータや媒体資料の提供を行うとともに,県民や

    関係者向けの講座を行い,歯科保健情報提供の体制整備を図る。

    また,地域の健康づくりイベント等に歯科啓発ブースを出展する

    など継続的に全県的な普及啓発活動の展開を図っていく。

    ○ 県とともに歯科保健関連情報等を広域的に収集し,歯の健康づ

    くり情報等について,インターネット(ホームページ ,マスメ)

    ディア,ポスター,パンフレットを通じて提供していく。

    ○ 県民歯科保健大会やフォーラム等を行うなど広く普及啓発を図

    る。

    ○ 身近なところで継続的,包括的な歯科保健医療サービスを提供

    することのできる 「かかりつけ歯科医」活用を促す。,

    29

  • ○ 「茨城県身体障害者・小児歯科治療センター」及び「茨城県身体

    障害者歯科治療センター」の効果的な活用を周知する。

    □歯科衛生士会

    , , 。○ 市町村 学校 事業所の行う歯科保健事業に積極的に参画する

    ○ 専門性を活かし歯と口腔の健康に関する指導や情報提供を積極

    的に行う。

    ○ 研修会事業を実施し,歯科衛生士の資質の向上に努める。

    また,潜在歯科衛生士の把握を行う。

    ○ 県とともに歯科保健関連情報等を広域的に収集し,歯の健康づ

    くり情報等について,インターネット(ホームページ ,マスメ)

    ディア,ポスター,パンフレットを通じて提供していく。

    □歯科技工士会

    ○ 義歯刻銘事業等を通じ,専門性を活かした指導や情報提供を積

    極的に行う。

    ○ 研修事業を実施,歯科技工士の資質の向上に努める。

    ○ 県とともに歯科保健関連情報等をづくり情報等について,イン

    ターネット(ホームページ ,ポスター,パンフレットを通じて提)

    供していく。

    □医師会

    ○ 生活習慣病事業等で歯周病対策に関する情報提供を行う。

    ○ 歯の健康づくり情報等について,県や歯科医師会等が提供した

    。情報やパンフレット等を活用し,広く情報提供していく

    □栄養士会

    , , 。○ 市町村 学校 事業所の行う歯科保健事業に積極的に参画する

    ○ 食の専門家として,適正な食生活と歯科保健習慣の定着を図る

    ため,関係機関と連携し,推進活動を行う。

    ○ 歯の健康づくり情報等について,県や歯科医師会等が提供した

    情報やパンフレット等を活用し,広く情報提供していく。

    □労働局

    ○ 歯の健康づくり情報等について,県や歯科医師会等が提供した

    情報やパンフレット等を活用し,広く情報提供していく。

    □産業保健推進センター

    ○ 産業保健の研修やセミナーで歯の健康づくりに関する講義を取

    り入れる。

    ○ 歯の健康づくり情報等について,県や歯科医師会等が提供した

    30

  • 情報やパンフレット等を活用し,広く情報提供していく。

    □健康保険組合連合会

    ○ 歯の健康づくり情報等について,県や歯科医師会等が提供した

    情報やパンフレット等を活用し,広く情報提供していく。

    □地域ボランティア団体

    ○ 歯と口腔の健康に関する情報を,自主的な活動を通じ地域住民

    に提供していく。

    ※地域ボランティアとは,歯科保健ボランティア,食生活改善推

    進員等

    31

  • 歯と口腔の健康づくりへの各主体の役割

    県 民 ~自らの健康づくりの実践~

    支 援

    ポピュレーションアプローチ(県民全体への歯と口腔の健康づくりの普及啓発)

    8020・6424運動推進部会●「歯と口腔の健康づくり」の進行管理,進捗状況の評価及び見直し ●事業の企画・立案 ●関係団体等の情報収集

    市 町 村

    ●地域の実情に応じた効果的な歯と口腔の健康づくり事業を推進する。

    ●住民への歯と口腔の健康づくりを担う身近な行政機関として歯科医療機関,関係団体や福祉関係団体,事業所,学校などと母子保健事業,成人歯科保健事業,介護予防事業などを実施する。

    ●保健センターなどを拠点とし,歯と口腔の健康づくりに関する健康相談や健康教育など,健康づくりに必要な保健サービスの提供を行う。

    ●健康づくりに関する情報を積極的に提供するとともに,地域において歯と口腔の健康づくりを推進する人材の確保や地域活動組織の育成を推進する。

    職 域

    ●労働者の健康保持増進の観点から,健康的な職場環境の整備,の一環として歯と口腔の健康づくりを普及する。

    ●市町村や関係団体との連携を図り,歯と口腔の健康づくりに関する活動の場の提供などを通じた地域における歯と口腔の健康づくりへ参画する。

    歯科医師会

    ●歯科医師会は,生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを目指し,市町村や関係団体をはじめ,学校,事業所などと連携し,各ライフステージにおける歯科保健事業に積極的に協力する。

    ●専門性を活かし,歯と口腔の健康づくりに関する情報提供や相談への対応のほか,県民の歯科保健の向上のための知識や情報の提供を行う。

    ●8020・6424情報センターを拠点に,歯科保健情報の発信と生涯を通じた歯と口腔の健康づくりの普及啓発活動を行う。

    ●関係者の研修を行い、知識,情報の提供を行う。 ●関係団体が実施する歯と口腔の健康づくり事業への支援

    を行う。 ●かかりつけ歯科医機能による個人の歯と口腔の継続的な

    健康管理を行うための情報提供や普及啓発を行う。 地域活動団体

    ●幼児,児童,生徒,学生が健康の大切さを若年期から認識し,生涯にわたる健康的な生活習慣を身につけることができるよう歯科保健事業や普及活動を行う。

    学 校 等

    茨城県(保健所)

    ●生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを目指し,市町村や関係団体をはじめ,職域や学校などと連携・協力し,自主的な健康づくりを促進するための環境づくりに取り組む。

    ●地域の歯と口腔の健康づくりに関する情報の収集や分析を行うとともに,県民一人ひとりが歯科保健習慣の改善等に取り組むうえで必要な情報提供を行う。

    ●関係者の研修を行い歯科保健事業従事者や関係者へ知識,情報の提供を行う。

    ●継続的な普及啓発活動を行う。 ●保健所は,県民の歯と口腔の健康づくりの拠点として,広域

    的,専門的立場から,市町村や関係団体などへの支援を行う。●市町村が実施する歯と口腔の健康づくり事業への支援を行

    う。

    ●地域において組織されている食生活改善推進員団体や歯科保健ボランティアは,地域の実情に応じた自主的な活動を通じた歯と口腔の健康づくりを支援する。

    かかりつけ歯科医の対応

    歯科医療機関

    ● 定期的な歯科健診やフッ素塗布,歯石除去等のプロフェッショナルケアの実施,個人に応じた保健指導の実施,生活習慣病による受療者に対する継続的な管理を行う。

    医療保険者

    ●歯の健康づくり情報等を広報誌やインターネット(ホームページ)ポスター等を通じて歯科疾患と生活習慣病の関連等を情報提供していく。

    ●医師会・栄養士会・介護関係団体等は,その専門性を活かし,歯と口腔の健康づくりに関する情報提供や相談への対応のほか,地域,学校,職域における歯と口腔の健康づくりの取組を積極的に支援する。

    歯と口腔の健康づくり関係団体

    歯科衛生士会

    ●歯科衛生士会は,その専門性を活かし,歯と口腔の健康づくりに関する情報提供や相談への対応のほか,地域における歯と口腔の健康づくりの取組を積極的に支援する。

    ●継続的な普及啓発活動を行う。

    歯科技工士会

    ●歯科技工士会は,その専門性を活かし,歯と口腔の健康づくりに関する情報提供や相談への対応のほか,地域における歯と口腔の健康づくりの取組を積極的に支援する。

    ●継続的な普及啓発活動を行う。

    32

  • 資 料

    ・健康いばらき21プラン

    ・健康日本21 中間評価(抜粋資料)

    ・平成17年歯科疾患実態調査

    ・学校保健法等の一部を改正する法律の概要

    ・茨城県における歯の保有本数と医療費の関連に関する調査

    ・8020・6424情報センターの活動内容

    33

  • ・・・重点目標項目

    (6)歯と口腔の健康

    現行水準 目標水準(H24)

    ①定期的な歯科検診の受診者の増加 14.4% 30% H18「県民健康実態調査」茨城県保健福祉部

    ②フッ素塗布を受けた幼児の増加 53.3% 80%

    H17「茨城県歯科保健基礎調査」茨城県保健福祉部

    ③むし歯のない幼児の増加 70.4% 75%

    H18「三歳児歯科健康診査実施状況」茨城県保健福祉部

    ④一人平均むし歯数の減少 2.1本 1.5本以下

    H18「学校保健・学校安全実態調査」教育庁

    ⑤6424の増加 63.4% 70%

    H17「茨城県歯科保健基礎調査」茨城県保健福祉部

    ⑥8020の増加 32.5% 40%

    H17「茨城県歯科保健基礎調査」茨城県保健福祉部

    ●目標年次における指標の水準(目標水準)の設定方針 (1)現行水準(ベースライン)が50%未満 = 原則として50%以上 (2)     〃        が50~60%程度 = 原則として80%程度 (3)特に重要,周知が必要な項目 = 特に高く設定(80~90%) (4)その他,現行水準(ベースライン)を勘案し,国等の状況及び関連計画との整合性を確保し設定

    むし歯のない3歳児の割合

    12歳児の一人平均むし歯数

    64歳で24本以上,自分の歯を持つ人の割合

    80歳で20本以上,自分の歯を持つ人の割合

    過去1年間において定期的に歯科検診を受診した人の割合

    3歳までにフッ素塗布を受けた経験のある幼児の割合

    「健康いばらき21プラン」  健康づくり数値目標

    目     標 目標達成度合いをあらわす指標 データソース

    (歯と口腔の健康・歯周病に関する数値目標)

    1.健康への生活習慣づくり

    (1)健康管理

    (5)歯周病

    現行水準 目標水準(H24)

    1-(5)-①喫煙が歯周病に及ぼす影響についての十分な知識の普及

    33.00% 100%H15「茨城県総合がん対策推進モニタリング調査」茨城県保健福祉部

    1-(6)-①定期的な歯科検診の受診者の増加

    1-(6)-⑤6424の増加1-(6)-⑥8020の増加

    2-(6)-①かかりつけ歯科医の普及浸透 59.90% 85%

    H18[県政世論調査」茨城県

    ①専門的な歯科保健指導を受けた人の増加

    62.5% 80%H17「茨城県歯科保健基礎調査」茨城県保健福祉部

    ②効果的な歯磨きを行う人の増加 26.6% 50%

    H18「県民健康実態調査」茨城県保健福祉部

    ③歯間部清掃用具の使用者の増加 11.5% 30%

    H18「県民健康実態調査」茨城県保健福祉部

    40歳代 36.3% 25%以下

    50歳代 45.6% 30%以下

    ④進行した歯周炎の減少 40歳,50歳において歯周病の自覚症状の

    ある人の割合

    歯と口腔の健康参照

    H17「茨城県歯科保健基礎調査」茨城県保健福祉部

    デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを使用している人の割合

    目     標 目標達成度合いをあらわす指標 データソース

    毎日,1回は10分くらい歯磨きを行う人の割合

    歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導を受けた人の割合

    歯周病

    かかりつけ歯科医を決めている人の割合

    2.健康管理と疾病対策

    34

  • 35

  • 36

  • 37

  • 38

  • 39

  • 40

  • 41

  • 42

  • 43

  • 健康日本21 中間評価(抜粋)

    44

  • 45

  • 1人平均喪失歯数の年次推移、5歳以上、永久歯

    (本)

    年齢階級(歳)

    昭和62年 平成 5年 平成 11年 平成17年

    5~9 0.0 - - -

    10~14 0.1 0.0 0.0 0.0

    15~19 0.3 0.1 0.0 0.0

    20~24 0.5 0.2 0.2 0.3

    25~29 1.2 0.7 0.4 0.2

    30~34 1.8 1.3 0.6 0.4

    35~39 2.4 1.9 1.2 1.0

    40~44 3.0 2.7 1.8 1.4

    45~49 4.8 3.6 3.4 2.3

    50~54 6.7 5.6 4.4 3.7

    55~59 10.2 7.7 6.3 5.0

    60~64 13.5 11.3 8.0 7.1

    65~69 16.8 15.6 11.6 10.1

    70~74 20.4 17.6 15.6 13.1

    75~79 22.6 21.4 19.1 17.6

    80~8424.1

    22.9 20.8 19.3

    85~ 24.9 24.0 22.0

    注) 昭和62年は、80歳以上でひとつの年齢階級としている。

      1人平均喪失歯数の年次推移、5歳以上、永久歯

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    5~9

    10~

    14

    15~

    19

    20~

    24

    25~

    29

    30~

    34

    35~

    39

    40~

    44

    45~

    49

    50~

    54

    55~

    59

    60~

    64

    65~

    69

    70~

    74

    75~

    79

    80~

    84

    85

    ~(歳)

    (本)昭和62年 平成 5年 平成 11年 平成17年

    注) 昭和62年は、80歳以上でひとつの年齢階級としている。

    46

  • 現在歯に対してう歯を持つ者の割合の年次推移、5歳以上、永久歯

    (%)

    年齢階級(歳)

    昭和62年 平成 5年 平成11年 平成17年

    5~9 43.3 36.3 24.3 14.6

    10~14 90.4 86.4 69.7 57.7

    15~19 97.5 94.9 88.9 73.9

    20~24 97.7 97.7 96.0 90.5

    25~29 99.0 97.8 98.2 98.3

    30~34 99.3 99.3 99.0 98.7

    35~39 98.2 99.7 99.0 100.0

    40~44 98.5 99.3 99.5 100.0

    45~49 96.1 97.6 98.5 99.2

    50~54 94.7 96.6 98.8 98.3

    55~59 90.1 94.2 95.7 98.0

    60~64 85.2 89.5 94.0 96.8

    注) 平成5年以前、平成11年、平成17年では、それぞれ未処置歯の診断基準が異なる。

     現在歯に対してう歯を持つ者の割合の年次推移5歳以上、永久歯

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    5~9

    10~

    14

    15~

    19

    20~

    24

    25~

    29

    30~

    34

    35~

    39

    40~

    44

    45~

    49

    50~

    54

    55~

    59

    60~

    64 (歳)

    (%)昭和62年 平成 5年 平成11年 平成17年

    注) 平成5年以前、平成11年、平成17年では、それぞれ未処置歯 の診断基準が異なる。

    47

  •  20本以上の歯を有する者の割合(%)

    年齢階級(歳)

    総数 男 女

    40~44 98.0 98.6 97.7

    45~49 95.0 93.7 95.7

    50~54 88.9 85.7 90.6

    55~59 82.3 84.8 80.7

    60~64 70.3 71.9 69.0

    65~69 57.1 59.1 55.6

    70~74 42.4 42.1 42.7

    75~79 27.1 31.2 24.0

    80~84 21.1 29.9 15.4

    85~ 8.3 11.5 6.5

     20本以上の歯を有する者の割合

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    40~

    44

    45~

    49

    50~

    54

    55~

    59

    60~

    64

    65~

    69

    70~

    74

    75~

    79

    80~

    84

    85

    ~ (歳)

    (%)

    男 女

    7