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- 1 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 更新日:2008/9/11 調査部:舩木弥和子 コロンビア:南米の優等生 (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas 他) 2009 年までに石油純輸入国に転じる可能性があるとされたコロンビアでは、2002 年以降、ウリベ大統 領の指示のもと、石油上流事業に外資を導入する政策がとられ、治安の改善が進められている。その結 果、契約締結件数が増加し、探鉱・開発活動が活発になり、生産量は増加に転じた。2007 年のカリブ海 沖合ラウンド、2008 年7 月の重質油ラウンドに続き、コロンビアは 2009 年までにコロンビア・ラウンド、ミ ニ・ラウンド、太平洋沖合ラウンドと 3 回のライセンスラウンドを実施する計画で、さらに契約締結件数や投 資額が増加することが期待されている。国営石油会社Ecopetrol も 2007 年の株式一部売却で得た資金を 元に国内外での活動を推進し Petrobras のような企業に成長することを目指している。また、2008 年 1 月 からはベネズエラへの天然ガス輸出も開始された。 ベネズエラ、ボリビア、エクアドルなど資源ナショナリズムを進める国が多い南米で、これらの国とは対 照的な政策をとり増産に努めるコロンビアの現状をまとめた。 生産量の動向 1999 年以降、減退もしくは横ばい状態が続い ていたコロンビアの原油生産量が上昇傾向に 転じ、2008 年 6 月は 585,000b/d となった。 コロンビアでは頻発するゲリラ活動や厳しい 契約条件から、1990 年代に探鉱・開発活動が停 滞した。その結果、2000 年に Petrobras が中部 で Guando 油田(埋蔵量 2 億bbl)を発見した以 外には、大きな発見がない状態が続いている。 また、BP がオペレーターを務めるコロンビア最 大の油田 Cusiana-Cupiagua の生産量が 1999 年の 431,000b/d から 2007 年には 104,000b/d に 、 Cusiana-Cupiagua に次ぐ規模で Occidental がオペレーターを務める Cano Limon 油田の生産量も 2004 年の 95,000b/d から 2006 (BP 統計より作成) コロンビアの原油確認埋蔵量(億bbl) 0 5 10 15 20 25 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 コロンビアの石油生産量・消費量(万b/d) 生産量 消費量

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Page 1: 0809 out l co e&p - JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサ …...果、Ecopetrolは探鉱・開発等に専念できるようになり、一方、入札等の手続きはANHによりスムーズにす

- 1 - Global Disclaimer(免責事項)

本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま

れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの

投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

更新日:2008/9/11

調査部:舩木弥和子

コロンビア:南米の優等生

(Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas 他)

2009 年までに石油純輸入国に転じる可能性があるとされたコロンビアでは、2002 年以降、ウリベ大統

領の指示のもと、石油上流事業に外資を導入する政策がとられ、治安の改善が進められている。その結

果、契約締結件数が増加し、探鉱・開発活動が活発になり、生産量は増加に転じた。2007 年のカリブ海

沖合ラウンド、2008 年 7 月の重質油ラウンドに続き、コロンビアは 2009 年までにコロンビア・ラウンド、ミ

ニ・ラウンド、太平洋沖合ラウンドと3回のライセンスラウンドを実施する計画で、さらに契約締結件数や投

資額が増加することが期待されている。国営石油会社Ecopetrolも2007年の株式一部売却で得た資金を

元に国内外での活動を推進し Petrobras のような企業に成長することを目指している。また、2008 年 1 月

からはベネズエラへの天然ガス輸出も開始された。

ベネズエラ、ボリビア、エクアドルなど資源ナショナリズムを進める国が多い南米で、これらの国とは対

照的な政策をとり増産に努めるコロンビアの現状をまとめた。

生産量の動向

1999 年以降、減退もしくは横ばい状態が続い

ていたコロンビアの原油生産量が上昇傾向に

転じ、2008 年6 月は 585,000b/d となった。

コロンビアでは頻発するゲリラ活動や厳しい

契約条件から、1990年代に探鉱・開発活動が停

滞した。その結果、2000 年に Petrobras が中部

で Guando 油田(埋蔵量 2 億bbl)を発見した以

外には、大きな発見がない状態が続いている。

また、BP がオペレーターを務めるコロンビア最

大の油田 Cusiana-Cupiagua の生産量が 1999

年の 431,000b/d から 2007 年には 104,000b/d

に 、 Cusiana-Cupiagua に 次 ぐ 規 模 で

Occidentalがオペレーターを務めるCano Limon

油田の生産量も 2004 年の 95,000b/d から 2006 (BP 統計より作成)

コロンビアの原油確認埋蔵量(億bbl)

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1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

コロンビアの石油生産量・消費量(万b/d)

生産量

消費量

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- 2 - Global Disclaimer(免責事項)

本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま

れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの

投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

年には 35,000b/d に減少した。このように主要油田の生産量減少もあって、コロンビアの原油生産量は

1999 年の 838,000b/d から、わずか 5 年間で 30 万b /d 近く急激に減少し、2004 年には 551,000 b/d ま

で落ち込んだ。そして、2002 年には、コロンビアは 2009 年までに石油純輸入国に転じる可能性があると

されるようになった。

外資導入政策

そこで、コロンビア政府は、1990 年代には同程度の生産量であったのに、Petrobras の独占状況を終

了させ、石油産業の対外開放を進め、また、大水深の油田開発を成功させたことにより、生産量を急激に

増大させたブラジルに倣い、石油政策を変更した。政府は2002年以降、一律20%であったロイヤルティ

を生産量に応じたスライディングスケール方式(5~25%)に変更し、生産期間(28 年)の制限を廃止し、

また、生産段階での国営石油会社 Ecopetrol の参加を不要とし、外資導入に努めた。また、Ecopetrol を

探鉱、生産、精製、輸送、販売を担当する石油会社 Ecopetrol と鉱山エネルギー省の下部組織として石

油関係の契約の交渉や鉱区入札を担当する ANH(National Hydrocarbons Agency)に分割した。その結

果、Ecopetrolは探鉱・開発等に専念できるようになり、一方、入札等の手続きはANHによりスムーズにす

すめられるようになった。

治安の改善

コロンビアでは治安に対する脅威は依然として存在しているものの、2002 年以降、ウリベ大統領のもと、

政府が左翼ゲリラ等への圧力を強め、その弱体化を図るとともに、ゲリラ側との交渉の可能性を模索して

いる。そのため、誘拐件数は 2002 年の 2,883 件から 2007 年には 486 件に、石油生産施設やパイプライ

ンへの攻撃は 2001 年の 260 件から 2005 年には 113 件へと減少し、非合法武装勢力による活動は一時

期より改善している。一方、経済面では、コロンビアは安定した成長を続けており、投資環境は好転して

きたと言うことができる。

ライセンスラウンド動向

このように契約条件が変更され、治安も回復しつつある中、コロンビアでは ANH が頻繁にライセンスラ

ウンドを実施している。

2007年9月にはカリブ海沖合13鉱区を対象としたライセンスラウンドが成功裏のうちに終了したが、こ

れに続き 2008 年 7 月には Llanos Basin の重質油鉱区を対象にライセンスラウンドが実施された。コロン

ビア側が選定した石油会社20社が8鉱区に17件の応札を行い、全ての鉱区が付与されることとなった。

Lukoil、Petrobras、ONGC、Hess なども応札したが、競争が厳しく落札することはできなかったと伝えられ

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- 3 - Global Disclaimer(免責事項)

本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま

れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの

投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

重質油ラウンド入札結果

鉱区 落札企業 追加ロイヤルティ 探鉱投資

CPE-1 Pacific Rubiales(100%)* 1% 2,160 万ドル

CPE-2 Ecopetrol(50%)、RD Shell(50%)* 1% 6,360 万ドル

CPE-3 ExxonMobil(100%)* 1% 9,100 万ドル

CPE-4 Ecopetrol(50%)*、RD Shell(50%) 1% 7,940 万ドル

CPE-5 BHP、SK Energy 1% 3,220 万ドル

CPE-6 Pacific Rubiales(50%)、Talisman(50%) 2% 3,760 万ドル

CPE-7 KNOC、Pluspetrol 1% 3,950 万ドル

CPE-8 Ecopetrol(50%)、Talisman(50%)* 1% 3,910 万ドル

(各種資料より作成、*はオペレーター)

コロンビアライセンスラウンド鉱区図

(各種資料より作成)

ている。

重質油ラウンドに続き、コロンビアは 2008 年中にコロンビア・ラウンドとミニ・ラウンドを実施する計画で

ある。コロンビア・ラウンドはSinu-San Jacinto basinの10鉱区、Cesar Rancheria / Guajira basinの10鉱区、

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- 4 - Global Disclaimer(免責事項)

本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま

れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの

投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

Eastern Cordillera basin の 6 鉱区、Eastern Llanos basin の 17 鉱区の合計43 鉱区を対象に 11 月7 日を

締め切りとして行われ、11~12 月に契約が締結されるという。ミニ・ラウンドは Putumayo basin の 9 鉱区、

Llanos basin の 38 鉱区、Middle Magdalena basin の 21 鉱区、Upper Magdalena basin の 32 鉱区の合計

100 鉱区を対象に 11 月 27 日を締め切りとして行われ、12~1 月に契約が締結されるという。ANH は、

2009 年には未探鉱の太平洋沖合鉱区の入札を実施する予定としている。

このように、コロンビアは様々な規模の企業が参加しやすいようバラエティに富んだライセンスラウンド

を実施することで、多くの企業の関心を集めることに成功している。

契約締結件数増加、探鉱・開発活発に

政府や ANH の外資導入や治安

回復に関する努力やライセンスラ

ウンドの頻繁な実施により、E&P 契

約の締結件数が増加している。ま

た、これまでANHが契約を締結す

る企業は中小規模の企業が中心

であったが、Exxon Mobil や Shell

などメジャーの中にもコロンビアで

の活動を再開するものが現れている。 (各種資料より作成)

契約締結件数の増加に伴い、石油産業へのコロンビア国外からの投資額は 2002 年の 4 億ドルから

2007 年は 35 億ドルに増加し、探鉱・開発活動が活発になり、ついに生産量も増加に転じ 2008 年6 月の

原油生産量は 585,000b/d まで増加することとなった。

Ecopetrol のビジネスプラン

Ecopetrol は、2008 年 2 月に 2008~2015 年のビジネスプランを発表し、ブラジルをモデルとし、10 年

以内に Ecopetrol を現在の Petrobras のような企業に成長させたいとしている。

そのため、Ecopetrol は原油・ガス生産量を 2007 年の 399,000boe/d から年率 12%の割合で増やし、

2008 年には 425,000boe/d、2015 年には 100 万 boe/d を生産する計画である。Ecopetrol は、コロンビア

国内での探鉱・開発を促進するとともに、中南米を中心に国外でも業務を拡大する計画である。

Ecopetrol は、すでにブラジル、ペルー、米国メキシコ湾へ進出しているが、ベネズエラ、エクアドル、ア

ルゼンチン、ペルー、トリニダード・トバゴ等でも生産権益を取得したいとしている。Ecopetrol はビジネス

プラン実現のために 2015 年までに 150 億ドルを投資する計画で、投資額の一部は 2007 年に同社の株

コロンビアE&P契約締結件数

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2002

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2006

2007

2008

(上半

期)

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- 5 - Global Disclaimer(免責事項)

本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま

れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの

投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

式売却を実施した際に得た資金で賄うとしている。

ベネズエラへ天然ガス輸出

コロンビアの天然ガスの埋蔵量は 2007 年末で 4.41Tcf(1300 億 m3)で、生産量も増加傾向にはあるも

のの 2007 年は745MMcf/d(77 億 m3)と多くはない。しかし、国内の一次エネルギー消費の約 1/3 を水

力で賄えることから、コロンビアは生産されるガスの一部をベネズエラに輸出することとした。そのため、

コロンビアとベネズエラは2006年7月より両国間にAntonio Ricaurte天然ガスパイプライン(全長225km、

投資額 3.35 億ドル)を建設していた

が、2007 年 10 月にこのパイプライン

が完成した。そして、2008年1月から

コロンビアの Chuchupa ガス田等(オ

ペレーターChevron)で生産される天

然ガスがベネズエラのマラカイボ市

近郊に供給されている。コロンビアは、

2008年は50MMcf/d、2009~10年は

150MMcf/d 、2011 年は 100MMcf/d

の天然ガスをベネズエラに輸出する

計画である。2008 年に入り、両国の

関係は悪化したが、契約に基づいて

供給が行われ、供給量は 80MMcf/d

となっている。なお、2012 年以降は

ベネズエラ東部で天然ガスの生産が (BP 統計より作成)

開始され、同パイプラインは逆送され、ベネズエラからコロンビアにガスが供給される計画となっている。

終わりに

コロンビアでは、2003 年以前に締結された契約では生産期間は 28 年とされ、それを過ぎた場合には

Ecopetrolに権益を移転することとなっている。Cusiana-Cupiagua油田は4鉱区にまたがる油田で、BPが

オペレーターとして生産を行ってきたが、それぞれの鉱区の生産期間が 2010~20 年に終了するため、

BP とパートナーの Total が Ecopetrol と契約期間の延長について協議を行っていた。2007 年 10 月、

Ecopetrol は、生産期間終了後は BP、Total と再度、契約を結ばずに、Ecopetrol が全操業を引き継ぐこと

を決定した。この決定から、コロンビア政府はベネズエラなどのように資源ナショナリズム政策をとるので

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コロンビアの天然ガス生産量(億m3)

コロンビアの一次エネルギー消費(2007年、石油換算100万t)

10.3

6.92.6

10.1石油

天然ガス

石炭

水力

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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま

れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの

投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

はないかと懸念する向きもあった。しかし、コロンビアの場合は、契約の途中でその内容を変更したり、

政府や国営石油会社が権益を取得したわけではなく、当初の契約通りに期間終了後に Ecopetrol に権

益を移転したもので、資源ナショナリズムにはあたらないと考えられる。

また、2008 年に入ってからは、油価高騰を背景に石油製品の補助金に充てるため Windfall Profit Tax

を増税しようとする動きがあったが、石油会社の反対があり実現にはいたらなかった。

これらの出来事に際しても、ウリベ政権は、コロンビアは外資に対しフレンドリーな国であるとのイメー

ジを非常に大切にしていることがうかがわれ、ウリベ政権下では外資導入政策が変更されることはないと

考えられる。なお、ウリベ大統領の二期目の任期は 2010 年8 月に終了するが、支持率は高く、三選への

動きも出ている。