水理学Ⅱ及び同演習 第１回 流体運動の基礎方程式

(連続式とオイラーの式，ベルヌーイの定理と運動量保存則)

目標：流れの表示について理解する ・流れの種類(流体とは？） ・流体の運動方程式 (質点系の運動方程式からの導出) ・流体の連続式 (質量保存の法則からの導出) ・質点系のエネルギー保存則から流体の エネルギー保存則(ベルヌーイの定理)への展開 ・質点系の運動量保存則から 流体の運動量保存則への展開

流れの種類 流体(流動性のある物質)

完全流体 粘性流体 実在する流体

非圧縮性 完全流体

圧縮性 完全流体

非圧縮性 粘性流体

圧縮性 粘性流体

翼周りの気体

水の波

水撃作用 音速以上の流れ

管路・ 河川(開水路)

高速空気流 地下水の流れ

非常に大きな圧力が働く

水理学Ⅱで扱う流体

水理学における流れの次元

• 身の回りに起きる流れの現象は空間的に広がるため三次元の現象 （雲の動きやダムの湖沼etc.)

• 河川のような平面的に広がるような流れや上下水管のような流れは二次元の現象

• 平均的な流れを考えると，一次元の現象を観ることができ，実用上にも使える．このときの流れを一次元流れ(one dimensional flow)という．

一次元流れの種類

• 管路の流れ(pipe flow) – 閉じた断面内の流路を流体が充満して流れるもの

• 開水路の流れ (open channel flow) – 河川のように自由水面をもって，流れる流体が大気に接しながら流れるもの

自由水面

管路の中に自由水面 がある場合は開水路

自由水面

非定常流と定常流(不等流・等流) • 非定常流

– 流速や圧力等が時間的に変化する流れ

• 定常流 – 流速や圧力等が時間的に変化しない流れ

• 定常流には不等流と等流がある！ – 不等流

• 流速や水深等が場所的に変化する流れ – 等流

• 流速や水深等が場所的に変化しない流れ

定常流 非定常流

不等流 等流

流体運動の調べ方 • Lagrange(ラグランジュ)の方法

– 力学で学んだ質点の経路を追跡するのと同様に，流体にある粒子がどの様に動いていくかを調べる方法．物の動きをビデオカメラで動かして撮影した映像を観る．

• Euler(オイラー)の方法 – ある瞬間の流れを一望する方法．デジカメで撮った一枚のある瞬間の写真を観る

• (流体力学から発展した)水理学では，Euler(オイラー)の方法を使って流体運動を調べる．

Eulerの方法による流体運動の基礎式の導出

• Eulerの方法の前提条件 – 流体運動における物理量は，時刻tと場所(x,y,z)で規定される物理量θ(x,y,z,t)である．

– 物理量θは...速度v(u,v,w)，圧力p，流体に作用する外力F(Fx, Fy, Fz)である．なお，速度と外力は，x,y,zの三成分がある．

ニュートンの第二法則

• 流体に力Fが働けば，その流体は加速度(a)運動をする．

• ニュートンの第二法則は…

MaF =加速度 質量 力

流体粒子の加速度 働く力 運動方程式 基礎式の導出の順番

加速度aについて1

加速度a＝速度vの変化/時間dt

t, (x,y,z)

x

y t+dt,(x+vdt,y+vdt,z+vdt)

udt

vdt

z

三成分(x,y,z)の速度(u,v,w)からなるベクトル

加速度aについて2 速度vの変化

wdtz

vdty

udtx

tt ∂

∂+∂∂+

∂∂+∆

∂∂= vvvv

加速度a＝速度vの変化/時間dt

( ) ( )zyxwdtzvdtyudtx ,,,, vvv −+++=∆

変位

dt→0の極限をとる

zw

yv

xu

tDtD

tt ∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂==

∆∆=

→∆

vvvvvva0

lim

加速度aについて3

zw

yv

xu

ttt ∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂=

∆∆=

→∆

vvvvva0

lim

加速度aを(x,y,z)方向の三成分に分けると

zuw

yuv

xuu

tu

DtDuax ∂

∂+∂∂+

∂∂+

∂∂==

zvw

yvv

xvu

tv

DtDvay ∂

∂+∂∂+

∂∂+

∂∂==

zww

ywv

xwu

tw

DtDwaz ∂

∂+∂∂+

∂∂+

∂∂==

流れの加速度成分

x方向

y方向

z方向

流線と流跡線について • 流線とは (Euler的な流れの道筋)

– ある時刻の流れの速度ベクトルを接線とする曲線

wdz

vdy

udx ==

• 流跡線とは(Lagrange的な流れの道筋) – 流体粒子の移動経路を継続追跡して描かれる曲線

dtwdz

vdy

udx ===

完全流体の運動方程式 (Eulerの運動方程式)

dx,dy,dzからなる微小直六面体を考え， ニュートンの第二法則(F=ma)から運動方程式を導く

dx

dy dz

加速度aについて (x方向の成分) z

uwyuv

xuu

tu

DtDuax ∂

∂+∂∂+

∂∂+

∂∂==

x

z y

既に導出済

完全流体の運動方程式 (Eulerの運動方程式)

質量mについて

dx,dy,dzからなる微小直六面体の体積はdx×dy×dz

流体の密度をρとして， 質量m=ρ×dx×dy×dz=ρdxdydz

dx

dy dz x

z y

完全流体の運動方程式 (Eulerの運動方程式)

dx

dy dz

作用する力Fについて(質量力) 微小直六面体に作用する力は(重力などの)質量力と流体による圧力と粘性 による応力があるが，Eulerの運動方程式は質量力と圧力を考える

Fx

E

(単位質量あたりに働く)質量力をFとしてx,y,zの各方向成分をFx,Fy,Fzとする

Fy Fz

微小直六面体に働く質量力(x方向成分) dxdydzFxρ

x

z y

完全流体の運動方程式 (Eulerの運動方程式)

dx

dy dz

作用する力Fについて(圧力のx方向成分)

p A

D

B

C

E

H

F

G dx

xpp

∂∂

+

ABCD面に作用する平均的な圧力p dx離れたEFGH面に作用する平均的な圧力 x

xpp ∆

∂∂

+

合力 dxxpdx

xppp

∂∂−=

∂∂+−

面積(ABCD面)に作用する圧力の合力 dxdydzxp

∂∂

−

x

z y

完全流体の運動方程式 (Eulerの運動方程式)

ニュートンの第二法則に適用すると..（x方向成分)

maF =

dxdydzxp

∂∂

−

dxdydzFxρ

圧力の合力

質量力 dxdydzρ

質量

zuw

yuv

xuu

tu

∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂

加速度

それぞれの項を代入して変形

xpF

zuw

yuv

xuu

tu

x ∂∂−=

∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂

ρ1

Eulerの運動方程式(x方向成分)

完全流体の運動方程式 (Eulerの運動方程式)

三成分(x,y,z)全てについてEulerの運動方程式を表すと….

xpF

zuw

yuv

xuu

tu

x ∂∂−=

∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂

ρ1

ypF

zvw

yvv

xvu

tv

y ∂∂−=

∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂

ρ1

zpF

zww

ywv

xwu

tw

z ∂∂−=

∂∂+

∂∂+

∂∂+

∂∂

ρ1

x方向成分

y方向成分

z方向成分

これまでu,v,wを流体粒子の速度と表現してきたが、 正しくは「流速」と呼ぶことが正しい表現である

連続方程式

dx,dy,dzからなる微小直六面体を考え， x,y,z軸方向の各流速をu,v,wとする

「連続方程式」は，単位時間内に流入する水の質量と 流出する流体の質量の差＝質量の増加する量と考える

dx

dy dz

x

z y

流入 流出

流出

流入 流入

流出

連続方程式

( )dxxuu

∂∂

+ρρ

dx

dy dz

x

z y

流入 流出 uρ

単位時間に流入する流体の質量 udydzdtdxdydz ρρ =流速uはx軸方向に進む流体粒子の速度 udtdx =

単位時間に流出する流体の質量

流入面積dydz

( ) dydzdxxuu

∂∂+ ρρ

x方向成分の流入と流出について

単位時間に微小六面体の質量が増加する割合＝流入と流出の差 ( ) ( )dxdydzx

udydzdxxuuudydz ∂

∂−=

∂∂+− ρρρρ

連続方程式

流入と流出の差を三成分合わせると

( ) ( ) ( )

( ) ( ) ( )dxdydzz

wyv

xu

dzdxdyzwdydxdzy

vdxdydzxu

∂ρ∂+

∂ρ∂+

∂ρ∂−=

∂ρ∂−

∂ρ∂−

∂ρ∂−

vρdx

dy dz

( )dxxuu

∂∂

+ρρ

x

z y

流入

流出

uρ

( )dyyvv

∂∂

+ρρ

流出

流出

( )dzzww

∂∂

+ρρ

wρ

単位時間内に 質量が増加する量

連続方程式

dx

dy dz

x

z y

dxdydzρ微小六面体の質量

微小六面体の質量が 単位時間あたりに増加する量

( ) ( ) ( )dxdydzz

wyv

xudxdydz

t

∂ρ∂+

∂ρ∂+

∂ρ∂−=

∂ρ∂

密度 体積

六面体に出入りする流体が 単位時間あたりに増加する割合

( ) ( ) ( )0=

∂ρ∂+

∂ρ∂+

∂ρ∂+

∂ρ∂

zw

yv

xu

t 連続方程式

運動エネルギーと仕事 エネルギー(Energy)があれば仕事(Work)ができる．仕事(Work)をするにはエネルギー(Energy)が必要

Fv=

dtdm

ニュートンの第二法則から エネルギーと仕事の関係を導出

エネルギー保存則の考え方

Fa =m rFrv dddtdm =

変位

速度

加速度=速度/時間

dtdrv = dtd vr = rFvv ddm =

積分

∫∫ = c ddm A

BrFvv

A

B

Av

Bv

rd

F

質点がA地点からB地点 まで力Fを受け曲線C に沿って移動

仕事(W)=力×変位

WmA

B=

2

21 v Wmm AB =− 22

21

21 vv

質点がA地点からB地点までした仕事 ＝エネルギーの変化(エネルギー保存則) 運動エネルギー(E)

c

運動エネルギーと位置エネルギー 自然界で働く力

mghW =

mgF =重力

質点mがhの高さから 重力mgを受けて落下

O

m

h

x

y

静止状態にあった質点mが hの高さから重力mgを受けて 落下地点までにする仕事W

A

B

Wmm AB =− 22

21

21 vv

このときのエネルギー保存則は…

0=Avmghm B =2

21 v

ghB ρρ =2

21 v流体の運動は，両辺を質点の体積

で割って密度ρで表す

運動エネルギー 位置エネルギー

ベルヌーイの定理（エネルギー保存則)

A

A’

B

B’ ある一つの管の中の流れを考える その管の中に二つの

断面A-A’とB-B’をとる

断面Aの面積a1,水圧p1,流速v1

断面A’の面積a2,水圧p2,流速v2

a1

a2

p1

p2

v2

v1 断面A-A’からB-B’の水塊がΔt時間内に， 水圧pによる仕事によって断面A’，B’へ移動

Δt時間に断面A’ に流入する水の質量

Δt時間に断面B’ から流出する水の質量

tQtva ∆=∆ ρρ 11

tQtva ∆=∆ ρρ 22

(Qは「流量」と呼び， Δt時間に流れる水の体積) 2211vavaQ ==

運動エネルギー

微小時間Δtになされた運動エネルギーの変化

A

A’

B

B’

a1

a2

p1

p2

v2

v1

流体の運動エネルギー (1/2×質量×速度2)

tQm ∆= 22

21

21 vv ρ

tQm ∆= ρ流入出する水の質量

( ) tQtQtQ ∆−=∆−∆ 22

21

22

21 2

121

21 vvvv ρρρ

位置エネルギー

A

A’

B

B’

a1

a2

p1

p2

v2

v1

基準線

z2

z1

流体の位置エネルギー (質量×g×高さ)

tgQzzgtQ ∆=××∆ ρρ

tQm ∆= ρ基準線からの高さ

微小時間Δtになされた 位置エネルギーの変化

( ) tzzgQtgQztgQz

∆−=∆−∆

12

12

ρρρ

∆t時間に水塊が 変位した距離

圧力による仕事

A

A’

B

B’

a1

a2

p1

p2

v2

v1

圧力による仕事量 (圧力×距離)

tvpa ∆×断面積aに作用 する全圧力

微小時間Δtになされた仕事の変化 ( ) ( ) tvaptvap ∆×−∆×

222111

エネルギー(仕事)の変化量まとめ 微小時間Δtになされた運動エネルギーの変化

( ) tQtQtQ ∆−=∆−∆ 22

21

22

21 2

121

21 vvvv ρρρ

流体の運動エネルギー(1/2×質量×速度2)

微小時間Δtになされた位置エネルギーの変化 ( ) tzzgQtgQztgQz ∆−=∆−∆

1212ρρρ

流体の位置エネルギー(質量×g×高さ)

微小時間Δtになされた仕事の変化 ( ) ( ) tvaptvap ∆×−∆×

222111

圧力による仕事量(圧力×距離)

ベルヌーイの定理（エネルギー保存則)

ベルヌーイの定理 (運動エネルギー＋位置エネルギー)の変化＝圧力による仕事量

( ) ( )

( ) ( ) tvaptvap

tzzgQtQ

∆×−∆×=

∆−+∆−

222111

12

2

2

2

121

　　　　　　　

ρρ vv2211 vavaQ ==流量

単位体積あたりの水(流体)の重量 ＝密度×重力加速度 gρ

gpz

ggpz

g ρρ2

2

2

211

2

1

22++=++ vv

ベルヌーイの定理（エネルギー保存則)

gpz

ggpz

g ρρ2

2

2

211

2

1

22++=++ vv

A

A’

B

B’

a1

a2

p1

p2

v2

v1 断面Aの値 ＝ 断面A’の値

断面Aと断面A’は任意の断面． どの二つの断面を選択しても同じ値

Hconstgpz

g==++ .

2

2

ρv

ベルヌーイの定理

速度水頭 位置水頭 圧力水頭

運動量の法則

dtdm vF =aF m=

ニュートンの第二法則から 運動量と力の関係を導出

速度v1で動いている質点mに力Fが∆t時間作用し速度v2に変化したとき，運動量の変化(m v1- mv2)が力Fに等しくなる．つまり，質点mに力Fを∆t時間作用させると運動量の変化(m v1- mv2)が起きる

( )dtmd vF =

A

B

Av

Bv

rd

F

dt時間力Fを受けた質点mが A地点からB地点まで移動

一定

質点mが∆t時間に速度VAから速度VBに変化

tmm AB

∆−= vvF 質点mに作用する力F

＝運動量(mv)の単位時間 あたりの変化

運動量の法則

運動量の法則

tmm AB

∆−= vvF

運動量の法則

Vm ×= ρ密度 体積

ρmV =

Av

Bv

Aa

Ba

流量 質量m Δt時間に流れる 水の体積 t

VQ∆

=

ρmtQV =∆=

tmQ∆

=ρ

( )ABtm vvF −∆

= ( )ABQ vvF −= ρ

一定流量の定常流で 密度が一定のとき

流れが二次元になると… ( )ABx uuQF −= ρ ( )ABy vvQF −= ρ

成分分けで表記する

運動量の法則の適用例 静止した平板に働く噴流 平板に垂直に速度v，流量Qの水流が衝突し，分岐して流れる

噴流が平板に作用する力F ?

速度v 流量Q

x

v

v

F

平板に作用する力がFのとき，

流体が受ける力は-F である

-F

運動量の法則より ( )vQF −=− 0ρ QvF ρ= 噴流が平板に作用する力

平板に衝突した瞬間，速度v=0となる

小テスト 1. 単位時間(Δt) に流れる水の体積(V)のことを○○と呼ばれる．

○○はなんと呼ばれるか．また，○○は流水面積(A)と流速vを用いるとどのように表されるか．

2. 流体運動におけるエネルギー保存則のことを「○○の定理」と呼ばれる．○○はなんと呼ばれるか．また，この定理には三つのエネルギー(水頭)からなりたっている．それぞれについて答えよ．

3. 静止状態にあった質点mがhの高さから重力mgを受けて落下している．落下地点の速度をv，として，運動エネルギー(E)と地点までにする仕事(W)の関係を導出せよ

4. 右図を参考に，ニュートンの第二法則(F=ma) から運動量と力の関係を導出せよ

A

B

Av

Bv

rd

F

dt時間力Fを受けた質点mが A地点からB地点まで移動

中間試験問題1 1. 流体運動の調べ方には二つの方法がある． それぞれについて100文字程度で説明せよ． 2. 図-1にある時刻tからt+dtまで変位した質点の動きから 流体粒子の速度の変化Dvと加速度aを導出せよ．

t, (x,y,z)

x

y t+dt,(x+vdt,y+vdt,z+vdt)

udt

vdt

z

図-1

中間試験問題2 3. 問題2で求めた加速度aを(x,y,z)方向の三成分に分けるとどの様に表されるか． 4.問題2で求めた加速度に基づいて，x方向成分のEulerの運動方程式を導出する．以下の設問に答えよ．

(1) 図-2に示す(dx,dy,dz)の微小直六面体で，働く質量力(x方向成分)はどの様に表されるか．流体の密度をρ，重力加速度をgとする． (2)同様に，この微小六面体に作用する圧力pの合力(x方向成分)はどの様に表されるか (3)ニュートンの第二法則を適用することでEulerの運動方程式(x方向成分)を求めよ． x軸方向の流速をuとする

5. 流れの連続式を導出する．以下の設問に答えよ． (1)図-2に示す(dx,dy,dz)の微小直六面体で，x軸方向の流速をuとする． 単位時間に流入する流体の質量と流出する流体の質量の差を求めよ． (2)微小六面体の質量が時間的に変化せず，x軸方向の流速uだけが変化している 場合の連続式はどの様に表されるか．

dx

dy dz x

z y

図-2

中間試験問題3

A

A’

B

B’

a1

a2

p1

p2

v2

v1 6. ベルヌーイの定理について，以下の設問に答えよ 図-3に示すある一つの管の中の流れについて，この管内の中にΔt時間に動いた二つの水塊A-A‘とB-B’をとる．また，水の密度をρ，断面Aの面積a1,水圧p1,流速v1，断面A'の面積a2,水圧p2,流速v2とする． (1) Δt時間に断面A‘に流入する水の質量と，Δt時間に断面B’から流

出する水の質量は流量Qを用いてどのように表されるか (2) Δt時間になされた運動エネルギーの変化は流量Qを用いてどの

ように表されるか (3) Δt時間になされた位置エネルギーの変化は流量Qを用いてどの

ように表されるか (4) 微小時間Δtになされた仕事の変化は流量Qを用いてどのように

表されるか (5) 問(1)～(4)の解答からベルヌーイの定理を成立させよ

図-3

中間試験問題4

7. 運動量の定理について，以下の問に答えよ 図-4に示すような拡大管において，一定流量の定常流が流れている． 水の密度がρ(一定)，入口断面の面積をaA,流速をvA，出口断面の面積をaA,流速をvBとする．この図を参考に，ニュートンの第二法則(F=ma)から運動量と力の関係を導出せよ

Av

Bv

Aa

Ba

図-4

小テスト

1. 閉じた断面内の流路を流体が充満した流れの種類は何と呼ばれるか？

2. 河川のように自由水面をもって，流れる流体が大気に接しながら流れる流れの種類は何と呼ばれるか？

3. 流速や圧力等が時間的に変化する流れのことを何と言うか？

4. 水の流れを対象とする場合，通常水の密度ρは一定である．その時の連続式はどの様に表されるか？

中間試験問題1 1. 流体運動の調べ方には二つの方法がある． それぞれについて100文字程度で説明せよ． 2. 図-1にある時刻tからt+dtまで変位した質点の動きから 流体粒子の速度の変化Dvと加速度aを導出せよ．

t, (x,y,z)

x

y t+dt,(x+vdt,y+vdt,z+vdt)

udt

vdt

z

図-1

中間試験問題2 3. 問題2で求めた加速度aを(x,y,z)方向の三成分に分けるとどの様に表されるか． 4.問題2で求めた加速度に基づいて，x方向成分のEulerの運動方程式を導出する．以下の設問に答えよ．

(1) 図-2に示す(dx,dy,dz)の微小直六面体で，働く質量力(x方向成分)はどの様に表されるか．流体の密度をρ，重力加速度をgとする． (2)同様に，この微小六面体に作用する圧力pの合力(x方向成分)はどの様に表されるか (3)ニュートンの第二法則を適用することでEulerの運動方程式(x方向成分)を求めよ． x軸方向の流速をuとする

5. 流れの連続式を導出する．以下の設問に答えよ． (1)図-2に示す(dx,dy,dz)の微小直六面体で，x軸方向の流速をuとする． 単位時間に流入する流体の質量と流出する流体の質量の差を求めよ． (2)微小六面体の質量が時間的に変化せず，x軸方向の流速uだけが変化している 場合の連続式はどの様に表されるか．

dx

dy dz x

z y

図-2