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気管切開の手技 2014.02.18 慈恵ICU勉強会 小林 秀嗣

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Page 1: 気管切開の手技 - JSEPTIC · ・PDT: Griggsmethod ・多くは前回切開部のscar上で切開’ ・気管解剖が変化していそうな3症例はUltrasoundguided とした’

気管切開の手技

2014.02.18  慈恵ICU勉強会  

               小林 秀嗣

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背景

 先日、PDT中に重大な合併症事例があった。   (LMAの入替え後の急速な喉頭浮腫⇒Airway  loss)  

ü より安全な気管切開のために現行の改善点はないか?   ・ Surgical  vs.  Percutaneousの判断   ・ 術前評価   ・ 具体的な手技、補助デバイス、airway  control・・・

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今日の主な内容

 ♯1 “Percutaneous”の適応・合併症の再考  ü Surgical  vs.  Percutaneousのまとめを再確認  ü どんな症例で、どんな合併症が起こるか?  

 ♯2 手技に関する文献的考察   ü Bronchoscopyの意義  ü Ultrasound-­‐guided  PDT  

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Surgical  vs.  Percutaneous

 

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Surgical  vs.  Percutaneous  Meta-­‐analysis

17RCTs,  N≒1400

15RCTs,  N≒850

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創感染はPDT群で少なかった

創感染 死亡率

出血

Percutaneous  beLer Surgical  beLer Percutaneous  beLer

Percutaneous  beLer

Surgical  beLer

Surgical  beLer

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PDTは、  創感染が少なく、  短時間でコストが安いが、  物理的なチューブのトラブルは多かった

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ObjecOve:  To  compare  safety,  availability,  and  long-­‐term  sequelae  of  PDT  vs.  surgical  tracheostomy.  Design:  ProspecOve  RCT  SeTng:  single-­‐center,  mix  ICU  PaOents:  200  criOcally  ill  venOlated  paOents    Outcome:  incidence  of  complicaOon,  long-­‐term    Follow-­‐up  etc.

Meta-­‐analysisとほぼ同時期  大規模のRCT

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・術中出血、気胸、事故抜管   術後出血に有意差なし  ・7日目の感染はSurgical群で    多かった  

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退院時は創感染に差なし

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<12ヶ月以降のFollow-­‐up>  PDT:  29  vs.  Surgical:  42    差があった項目は、  「PDTの方が少しscarが      小さかった。」のみ。      両者に大きな差はないの  かもしれない    

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Surgical  vs.  Percutaneous

•  誰が?どこで?どのように?どんな患者に?   ⇒研究結果の多様性  

•  現状は両者にそれほど大きな差はないという認識でよさそう  

 ⇒それぞれの住み分けをどう考えていくか?

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頚部手術歴  気切歴  頚部後屈制限  解剖の同定困難  発達した血管

代表的なRCTにおける  “Exclusion  criteria”を検証

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頚部手術歴  気切歴  解剖の同定困難  頚部後屈制限  甲状腺腫大  血管の触知

代表的なRCTにおける  “Exclusion  criteria”を検証

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•  Design:  prospecOve  RCT  •  SeTng:  single  terOary  care  

center  (Colombia  Univ.)  •  Medical,  Neuro,  Cardiac  ICU  •  PaOents:  43  venOlated  

paOents  in  the  ICUs  •  Ciaglia  method  •  Bedside  at  ICU  •  Pulmonary  fellow  or  

Otolaryngology  resident  

•  PDT:  29例,  ST:  14例  •  Operatorとは無関係の人が

頚の長さ(=輪状軟骨-­‐胸骨間距離)を計測  

•  肩枕径:  3  inchで統一  

短頚はPDTの禁忌か?

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PDT(やり始めの時期)でAirwayに関連した合併症多かった

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頚の長さと合併症の頻度に関連なし  

2.5cm  <  3.5cm  <

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•  小規模(N=16)だが唯一のRCT  •  前方固定術後の頚損患者  •  PDT(US-­‐guide)とSTで周術期合併

症を比較  

•  頚部伸展は行わない  •  甲状腺峡部が術野に近くてもPDT

施行(⇒該当例があったか不明)  

•  PDT群で手技時間は短く、術後の創感染は少なかった。  

頚部後屈制限はPDTの禁忌か?

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・気切歴のある頭部外傷・脳血管障害患者に対してのPDTに関する検討  ・ProspecOve  case  series  (N=12)  ・PDT:  Griggs  method ・多くは前回切開部のscar上で切開  ・気管解剖が変化していそうな3症例はUltrasound-­‐guidedとした  

Smith  Medical  パーキュティニアス・トラキオストミー・キット®

気管切開歴はPDTの禁忌か?

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・Minor  bleeding  2例:局所圧迫のみで止血    ・長期予後の検討はできなかったが、PDTは安全に行えた。

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ü 相対的禁忌と考えられている項目の有無と、合併症の発生頻度について検討  

•  太く短い頚、頚部後屈制限、出血傾向、甲状腺峡部腫大、無名動脈張り出し、気切歴  

•  Design:  RetrospecOve  observaOonal  study  •  SeTng:  major  terOary  care  facility,  mixed  ICU    •  June  2000  –  July  2001  •  154  prolonged  venOlated-­‐paOents,  157  procedure  •  Griggs  technique,  thoracic  surgeons  or  anesthesiologists  •  Operator  experienced  at  least  30  cases  of  PDT  and  50  cases  

surgical  tracheotomy

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Fat  neck:  頚周囲径  46cm  <  ,  Short  neck:  輪状軟骨胸骨間距離 <  2.5cm    Not  neck  extension:  頚部・頸椎外傷、変形性頸椎症    Coagulopathy:  INR  2.0  <  or  Plt  <  20000  (を満たした場合は事前に輸血+抗凝固薬中止)  Enlarged  Thyroid  Isthmus:  鉗子でcrampして尾側へ剥離  High  riding  innominate  artery:  Short  neck,  Enlarged  Thyroid  Isthmusと同様のアプローチ    

 

創部の縫合で止血

相対的禁忌とされるcaseにおいても合併症を増やすことなくPDT可能だった

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Design:  prospecOve  observaOonal  study  SeTng:  single-­‐center,  terOary  hospital    PaOents:  requiring  prolonged  venOlaOon  in  ICU,    N=191,  193  procedure  Procedure  was  performed  by  surgeon  experienced  with  open  tracheostomy  Griggs  method,  used  bronchoscopy  

Surg  Today.  2014  Jan;44(1):107-­‐14

Coagulopathy:  INR  1.5≤,  APTT  35.5≤,  Plt  ≤50000  Short  neck:  輪状軟骨胸骨間距離 ≤2.5cm

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気切のタイミングは遅め  CRP(?)のみ有意差あり

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相対的禁忌とされている患者群においてもPDTは安全に施行できた

カニューレ挿入時のカフ損傷など

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じゃあ何でもPDT?

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86歳女性 硬膜下血腫術後 意識障害遷延→気管切開へ  甲状腺右葉切除歴があるが、気管の触知可能→PDTの方針  

 気管支鏡併用。guide  wireの適切な挿入を確認し、dilator挿入  dilatorの抜去直後に創部、口腔から大量出血  外科的気切にconvertして止血を試みるも不能→死亡、解剖へ      刺入点は1,2気管軟骨間だったが、組織のひきつれにより右鎖骨下動脈が輪状軟骨近傍まで張り出しており、損傷を確認した  

(術前のエコーやCTによる評価の記載なし)

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【ComplicaOons  of  PDT】  

Early Late

Bleeding Airway  stenosis  (development  of    granulaQon  Qssue)

InfecQon Failure  to  decannulate

Pneumothorax Upper  airway  obstrucQon  with  respiratory  failure  aVer  decannulaQon

Technical  failures Tracheoesophageal  fistula

PerioperaQve  hypoxia  (tube  obstrucQon,    accidental  decannulaQon)

Tracheomalacia,  Tracheal  stenosis  Tracheo-­‐innominate  artery  fistula  :  0.1-­‐1.0%,  7-­‐14days

その他 膜様部損傷、皮下/縦隔気腫  

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解剖学的な原因(主要血管の損傷)が多い  

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•  PDTに関連したと思われる死亡・致死的合併症に ついて調査  

•  1985年~2013年4月に出された1963の文献のうち 3人の著者がreviewし、詳細な情報抽出が可能で、かつ信頼性の高い45文献71人に対して検討  

2013.12.26  M&Mスライドより引用

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Lethal  complicaOon:  0.17%(=  600例に1件)  死亡以外の合併症は術中より術後に問題になるケースが多い

2013.12.26  M&Mスライド改変

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♯1  “Percutaneous”の適応・合併症の再考

ü  PercutaneousはSurgicalに比べて手技時間や術後感染の点で有利とする報告もあるが、大局としては両者に差はない。  

ü  Percutaneousの「(相対的)禁忌」となるのは、実際にはかなり限定された状況の可能性がある。  

ü まれではあるが一定の割合で致死的合併症は起こりうる。 術中においては技術的問題、解剖学的要因がほとんど。  

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 合併症を減らすための術前評価・手技はあるか?  

 Bronchoscopy  Ultrasound

♯2  手技に関する文献的考察

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17RCTs,  N≒1400

Broncoscopyの併用の有無で比較→感染、出血、死亡率いずれも有意差なし

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15RCTs,  N≒850

Broncoscopyの併用はまばら

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•  ドイツの513のICUを対象にPDTに関するアンケート→455施設が回答  

Meta-­‐analysis発表後

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ドイツはやや極端だが、EuropeでのPDT選択率はかなり高そう

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Design:  retrospecOve  observaOonal  study,  2003-­‐2009  SeTng:  Level  II  trauma-­‐center,  teaching  hospital  PaOents:  requiring  mechanical  venOlaOon,  and  need  for  tracheostomy                                  grouped  based  on  BMI  (cut-­‐off  value:  30)  Procedure:  modified  Ciaglia  method  (Blue  Rhino  kit)  by  aLending  physician                                          rouQnely  use  bronchoscopic  confirmaOon  of  wire  direcOon  

N=426

Bronchoscopyによってより安全性が  高まった可能性がある

Obese  paOentにおいても合併症を  増やさず安全にPDTが施行できた

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Design:  retrospecOve  observaOonal  study,  2001-­‐2011  SeTng:  Level  I  trauma-­‐center,  6  ICUs,  University  hospital    PaOents:  3162  ICU  venOlated  paOents  needed  for  tracheostomy  Procedure:  Blue  Rhino  kit  by  surgeon,  without  bronchoscopic  guidance  rouQnely  ComplicaQon:  airway  loss,  re-­‐intubaOon,  major  bleeding,  Immediate  respiratory/cardiac  complicaOon,  Bleeding  requiring  surgical  procedure,  Convert  open  tracheostomy,  Procedure-­‐related  deaths,  Tracheal  stenosis,  granulaOon  etc.

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・肥満患者に対して  ・気管支鏡の併用なし  の2点において安全なPDTの  施行を示した 大規模の研究    

≤ 48hrs

48hrs  < Ajer  discharge

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Design:  retrospecOve  observaOonal  study,  2007-­‐2010  SeTng:  Level  I  trauma-­‐center,  7  trauma/criOcal  care  faculty    PaOents:  requiring  mechanical  venOlaOon,  and  need  for  tracheostomy  Procedure:  modified  Ciaglia  method  (Blue  Rhino  kit)                                            4/7  use  bronchoscopy    selecOvely  (for  difficult  case)                                            2/7  use  for  a  majority  of  cases                                            1/7  use  rouOnely

AIS:  Abbreviated  Injury  Scale  

(1)頭頸部  (2)顔面  (3)胸部  (4)腹部及び骨盤内臓器  (5)四肢及び骨盤  (6)体表  

ISS:  Injury  Severity  Score

右記6部位のAIS値の  上位3つを3乗した合計

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1587/9663:  挿管                            ↓  243/266:  PDT  

Cervical  fracture:  59  ・Broncho  group:  20  ・No  Bronco  group:  39         ↓  HALO  fixaOon  ・Broncho  group:  3/20  ・No  Bronco  group:  8/39  

Follow-­‐up  aVer  discharge:  27%(Broncho),  28%(No  Broncho)  Overall  mortality:  9%(Broncho),  7%(No  Broncho)  No  deaths  related  to  the  PDT

(213/243:  in  the  ICU)

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【ComplicaOon】  

Early  (≤ 24hrs) Late  (24hrs  <) Total

Broncho    (78)

1  bleeding  (jugular  vein)  1  converted  open  tracheostomy  1  Airway  loss→CPA,  No  sequelae

2  tracheal  stenosis  1  bleeding  (tracheostomy  site,        No  TIF)

 6  (8%)

No  Broncho    (165)

5  bleeding  (<  100mL),  hypotension  1  converted  open  tracheostomy  

4  tracheal  polyp,  stenosis,          tracheomalacia  etc.  1  bleeding  (2  episode  tracheostomy  site,    No  TIF)

 11  (7%)

TIF:  trachea-­‐innominate  artery  fistula

・Bronchoscopy  repair  records  (October.2009-­‐July.2010)  42  PDT  done  with  bronchoscopoy→6  perforaOons  (repair:  2  major,  4  minor)  Cost:  average  is  $465  (greatest  single  repair:  $6000!!)  

⇒ No  significant  difference

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慣れた外科チームがPDTをすればBroncoscopyは必ずしも必須ではないかも

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Editorial  (from  Italy)

•  Sample  size  •  High  complicaOon  rate    •  Some  complicaOon  are  not  cited  (injury  of  posterior  wall  of  trachea,  infecOon,  etc.)  

•  No  ultrasound  examinaOon  •  No  data  of  PT-­‐INR,  Platelet  count,  etc.  •  High  rate  of  bronchoscopy  damage  indicated    lack  of  experOse

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Bronchoscopy

ü  Broncho  vs.  No  Bronchoの「RCT」は見つからなかった。  

ü  低換気による低酸素・高二酸化炭素血症には注意が必要  

ü  guide-­‐wireやdilatorの迷入、気管後壁損傷では致死的な皮下・縦隔気腫、緊張性 気胸の発症の可能性もあり、直視確認の意義は大きい。  

ü  PDTの相対的禁忌とされているような症例では併用する方が安全かもしれない。  患者選択については判断の指標はないが、ルーチン使用を推奨する根拠もない。  

ü  併用しなくても安全にできるというのは外科医からの報告が多く、直接の気管触知による穿刺位置同定など外科的切開の経験がbiasになっている可能性がある。  

外科的backgroundがない術者がPDTをするのであれば、やはり併用が妥当か。  

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Role  of  ultrasound  for  PDT

•  PreoperaOve  evaluaOon  

•  Ultrasound-­‐guided  puncture

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解剖

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より頭側へのscan 水平断

術前に術野の血管走行を把握することで安全性が高まるのではないか?

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挿管チューブ

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輪状軟骨レベル 第1気管軟骨レベル 第1-­‐2気管軟骨間レベル

術前評価

SeTng:  University  hospital,  Neuro-­‐ICU  PaOents:  requiring  tracheostomy  mechanically  venOlated  paOents  (N=13)        (morbid  obesity:  3,  cervical  spine  precauOon:  2,  previous  tracheostomy:  1)  

輪状軟骨 第1気管輪 甲状腺峡部

気管 気管

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術前評価

第2気管軟骨レベル 矢状断  皮下-­‐気管距離の測定 第1-­‐2気管軟骨間レベル  

術野周囲血管の把握  

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※挿管チューブ位置は    喉頭鏡直視下で調整  ①エコーガイド穿刺  ②guide-­‐wire挿入  ③Bronchoscopy  ④皮膚切開  ⑤dilaQon  ⑥カニューレ挿入  ⑦Bronchoscopy  ⑧終了    ・tube  misplacement  ・posterior  wall  injury  ・pneumothorax  ・significant  bleeding  → 0/13  例  

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矢状断画像において、チューブは二重線の構造物として見えることがある      穿刺前のチューブ位置調整の  参考にできる?という意見もある

cranial caudal

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・1回での穿刺成功率:96.8%  ・第1-­‐3気管軟骨間のGuide-­‐wire留置率:93.5%  ・正中(11時~1時方向)の穿刺率:88.7%  ・Guide-­‐wire留置までの時間:12秒(8-­‐122)  ・total  procedure  Ome:  12分(9-­‐22)  

Guide-­‐wire    (先端の視認は困難)

穿刺針による  air-­‐mucosal  interface  の凹み

N=62

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Design:  prospecOve  cohort  study,  2007-­‐2010  SeTng:  2  center,  University  hospital  PaOents:  50  venOlated  paOents  in  ICU  grouped  based  on  BMI  (cut-­‐off  value:  30)  Procedure:  modified  Ciaglia  method  (Blue  Rhino  kit)    Ultrasound-­‐guided         without  bronchoscopy   BMI:  34  (32-­‐38)  vs.  25  (24-­‐28)

(挿管チューブの位置は喉頭鏡直視下で調整)  

気管までの距離は深いが、  術前エコーや手技時時間には影響なし  

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矢状断スキャン

水平断スキャン 術前評価

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穿刺針 (ダイレーター) 術中所見

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 Obesityの有無では合併症に差はなく、Ultrasound-­‐guided  PDTは安全に施行できた。  

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Ultrasound

ü  文献はまだまだ少ない。RCTはない。  

ü  解剖学的状況を詳細に把握することができるため、合併症を減らす術前評価としての有用性は高そう。  

ü  単独で穿刺位置決定ができ、低換気や破損などBronchoscopyのデメリットを補填できる  

ü  後壁側の視認は困難なので、膜様部損傷の有無やguide-­‐wireの走行などについてはBronchoscopyの代替にならない  

ü  エコーガイドによって本当に合併症が減るかどうかはまだ示されていないが、今後は「ultrasound  guided-­‐CV」と同じ流れになるか?

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まとめ

p  現状では、Percutaneous  vs.  Surgicalに大差はない。  

p  Percutaneousの禁忌は、先天性や手術歴による血管走行変化などの解剖学的理由、体位保持不能などの物理的理由に限定されるかもしれない。  

p  術中合併症はVascular  injuryとAirway  troubleが主であり、特に前者に対してはリスク軽減のため術前評価の重要性が強調されている  

p  患者の状態、術者、手技方法など様々な因子によりBronchoscopyの使用意義は変わってくるが、気管内腔の観察においては代替手段はない。  

p  Ultrasoundの術中使用によって手技方法の改善、安全性の向上などが 期待される。