理工学部で川口氏が講演 - nihon...

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(2) 平成27年10月15日 第686号 10 28 80 20 10 姿26 subscription Electronic Dance Music FUTURE BOYZ 26 駿駿調調調16 11 12 尿27 19 佐雄 松戸歯学部長 松本恵准教授

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Page 1: 理工学部で川口氏が講演 - Nihon Universityれた。た体験学習が繰り広げら総合大学の強みを生かしルディスカッションと、学生らも参加してのパネ最後に両学部・大学院のの現状と展望を語った。担当者らは音楽ビジネスAVEXのサブスク事業

日 本 大 学 広 報 (2)平成27年10月15日第686号

――スポーツ歯学とは

珍しい分野ですね。

川良 

専門である歯の

噛み合わせが出発点で

す。歯を噛み締めて力を

出すというが、これは迷

信。実は下顎の固定が大

事で、これをスポーツに

応用したわけです。マウ

スガードで歯は保護され

るし、弾力性があって噛

みやすいから、顎を固定

するのがすごく楽。それ

を10年間言い続けて、ワ

ーッと広がりました。

――歯学にも様々な分

野があるわけですか。

川良 

社会と同

じく歯科の世界も

少しずつ変わって

います。例えば人

間の歯は全部で28

本ですが、間もな

く80歳以上の半数

が20本の歯を持つ

ようになります。

しかし、歯はある

が食べられない、飲み込

めない人が出てきた。今

後はそれらも歯科の仕事

になるのでしょう。

ですから、他の医師や

看護師などと一緒になっ

て治療にあたる時代がく

るわけで、多業種との連

携なり協働がこれからの

歯科医師教育には必要だ

と思っています。

――就任にあたり、今

後取り組みたい課題は?

川良 

まずは教育の充

実です。先ほど話したよ

うに、世の中の世情も少

しずつ変わってくること

もあり、歯科界も柔軟に

対応しなければなりませ

ん。カリキュラムを見直

して社会のニーズに合わ

せ、しかも今後5、6年か

ら10年は変えなくてもす

むような充実したものに

したい。学部長として一

番やりたいところです。

さらに国家試験の合格

率はそこそこキープして

いますが、合格基準に達

しない学生がだんだん増

えていることに非常な危

機感を持っています。留

年率が高くて卒業まで大

変だとなれば、受験者も

集まりません。入学した

らちゃんと教育してくれ

るし、国家試験の合格率

もいいぞ。そこを目指さ

なければなりません。

――その他に取り組む

べき問題がありますか。

川良 

財政の建て直し

です。歯科病院を新しく

建て替えたし、校舎の耐

震工事は終わりましたが、

管理棟の方はまだ。一方

で、各部科校の中で収支

比率が一番悪いとの指摘

もあります。全学的な見

直しが進む中、これだけ

はやらざるを得ません。

――当学部生え抜きの

身として、その魅力は?

川良 

一致団結の結束

力ですね。新病院建設の

際は病院長に任命されて

前面に立ちました。聞き

取りに際して様々な注文

がついても、決定したこ

とには全面協力と、その

結束力は素晴らしかった。

すごいエピソードがあ

ります。新病院で翌日が

開院日だというのに、前

日まで元の病院で診療を

続け、その後に徹夜で機

器を運んだんです。さす

がに無理かなと思ったの

ですが、「やろうよ」と呼

びかけたら、全員が「わ

かりました」。皆の協力で

翌日から新病院での診療

にパッと着手できたの

は、本当に涙ものでした。

――今後の改革にも学

部全体の協力が必要です

ね。川

良 

その通り。全て

の教員が講義するわけで

はないが、実習などを含

め全員で学生を温かく応

援してやってほしい。「自

分は関係ないよ」ではす

まされないし、こうした

姿勢が教員自身の資質の

向上につながります。

また、財政の建て直し

という不可避の課題もあ

るが、やはり将来への希

望と夢がなければいけな

いじゃないですか。一緒

に汲々と我慢を強いるだ

けでなく、「こうした未

来形でやっていくんだ」

と提示しつつ、理解を得

ながら進めていきます。

2学部でシンポ

音楽市場テーマに

 �

商・芸術学部

商・芸術学部の連携プ

ロジェクトとして9月26

日、商学部校舎でシンポ

ジウムが開催された。エ

イベックス・グループ・

ホールディングス(AV

EX)の後援により、情

報通信技術(ICT)の

進歩を背景に変化する音

楽ビジネスについて講演

や討論が行われた。

最初に、AVEX特別

顧問の北谷賢司氏が登壇。

日本でも始まった定額制

音楽配信(サブスクリプ

ション=subscription

や、ライブ重視の音楽界

を象徴するジャンル

Electronic Dance Music

(EDM)など最新の動

きを紹介した=写真。

「CDアルバムで稼ぐ時

代は終わり、1曲ごとの

ダウンロード、(データ

保存しない)サブスクリ

プションへと、モノ離れ

が進んでいる」と解説。

AVEXの男性デュオ

「FUTURE BOYZ

」によ

るEDMパフォーマンス

も行われた。

音楽家・大沢伸一氏や

AVEXのサブスク事業

担当者らは音楽ビジネス

の現状と展望を語った。

最後に両学部・大学院の

学生らも参加してのパネ

ルディスカッションと、

総合大学の強みを生かし

た体験学習が繰り広げら

れた。

宇宙航空研究開発機構

シニアフェローで本学の

理工学部非常勤講師の川

口淳一郎教授が9月26

日、「『はやぶさ』から伝

えたい創る力と育てる

力」をテーマに理工学部

駿河台校舎で講演し、「技

術革新はシー

ズ(種子)に

よって前進

し、シーズが

ニーズ(需

要)を呼ぶ」

「教科書には

過去しか書い

ていない」な

どと指摘し

て、詰めかけ

た学生らに

「未踏の領域

に積極的な挑

戦を行っても

らいたい」と強く訴えた。

講演は理工学部と同学

部の教員らで構成された

駿博会の共催で、若手研

究者育成に向けた特別講

演会「はやぶさの偉業と

CSTの宇宙(そら)」

と題した特別講演会の一

環。そ

の後は、川口教授に

同学部機械工学科、航空

工学科、交通システム工

学科、物理学科の教授、准

教授の4人が加わって、

パネルディスカッション

を展開。それぞれの宇宙

研究に関わる現状報告の

他、「研究テーマとその

成果との兼ね合いは?」

「研究に踏み出す時の心

構えは?」といった学生

からの熱心な質問に、真

摯に答えていた=写真。

運動選手をサポート

体調管理アプリ開発へ

 �

文理・松本准教授

文理学部の松本恵准教

授(スポーツ栄養学)と

印刷業界大手の凸版印刷

(東京)は共同で、食事

の写真を介してスポーツ

選手のコンディショニン

グ(体調管理)を栄養面

からサポートするアプリ

の開発に乗り出した。ス

マートフォンやタブレッ

ト端末などでの利用が可

能で、来年度初めの実用

化を目指している。

このアプリは利用者が

食事の写真とその内容を

記録すると、主要栄養素

(タンパク質、脂質、炭

水化物)にビタミン、ミ

ネラルなどの栄養素を加

えた、体調管理で重要視

される項目の摂取量が目

安量と比較する形で棒グ

ラフで示される。競技種

目によって持久系、瞬発

系などに分け、性別、生

年月日、身長、体重、体

脂肪率などのデータも登

録する。評価基準はトレ

ーニング期と試合期で変

わる。

公認スポーツ栄養士で

もある松本准教授は監修

責任者として他大学の研

究者らと2月の立ち上げ

からプロジェクトに参

加。8月にはデモ版アプ

リによる実証実験を終

え、今はデータ解析、基

準値の補正に取り組んで

いる。

松本恵准教授の話「専

門家のサポートを受ける

機会はないがスポーツを

頑張っている愛好者の方

からアスリートを目指す

中高生の選手にまで、幅

広く役に立てるツールの

開発を目指しています」

に、来年1月16日には「中

小企業政策の大転換(仮

題)」で開催する予定。

間社会に共通するテーマ

設定、さらに小説が映画

や演劇など多彩なジャン

ルに変容を遂げているこ

との3点を指摘した。

その中でも蜷川幸雄演

出で戯曲化された「海辺

のカフカ」の欧米公演を

グローバル展開の顕著な

成功例として挙げ、「今

後に予定されるアジア公

演は、日本と

現地との文化

的対話を可能

にするのでは

ないか」と評

価した。

同講座は引

き続き「合成

生物学(人工

生命)と人工

知能」と題し

て11月7日

溶解薬tPAにより血流

を再開できる」と説明し

た=写真。「ステント型

リトリーバー」という特

殊な器具で血栓を回収す

る新しい治療法も紹介。

4時間半を過ぎても8時

間まで有効だ。ただ「他

の部位から出血したり、

血管を傷つけたりする恐

れがある」ため、医療機

関の選択が重要という。

 

脳動脈瘤(りゅう)破裂

で起きるくも膜下出血に

ついても解説。5~7㍉

に膨らんだ動脈瘤は破れ

る危険性があり、クリッ

ピング、コイル塞栓など

の予防的な手術を受ける

のが望ましいと述べた。

続いて谷樹昌健診セン

ター長が登壇し「生活習

慣の改善で脳卒中の9割

脳卒中の予防・治療

ベテラン専門医が解説

 �

日大病院公開講座

日本大学病院は9月12

日、公開講座「健康に暮

らそう・脳卒中にならな

いために」を開催し、同

病院のベテラン医師2人

が講演した。

平山晃康脳神経外科科

長は脳卒中のうち最も多

い脳梗塞について「発症

後4時間半以内なら血栓

因となる高血圧、糖尿病、

脂質異常症、不整脈(心室

細動)は早期発見・早期

治療が必要と述べ、人間

ドック受診を推奨した。

は予防できる」として、

過度な飲酒や脂肪・塩分

の取りすぎに気をつけ、

適度な運動を心がけるよ

う助言した。脳卒中の要

川良美佐雄教授は北京五輪で金メダルに輝い

たソフトボールの上野由岐子投手や、プロ野球

の横浜ベイスターズに入団直後の村田修一選手

(現・巨人)にマウスガード(マウスピース)

を提供したスポーツ歯学の草分け的存在。そん

な新学部長に、学部改革にかける決意と今後の

展望を聞いた。

な言葉遣いの平易さと人

大学院総合社会情報研

究科の平成27年度公開講

座が9月19日に同研究科

の校舎で開かれ、文化情

報専攻の松岡直美教授が

「村上春樹文学のグロー

バル展開」をテーマに、

ノーベル文学賞に最も近

いとされる村上文学の秘

密に迫った=写真。

松岡教授は村上文学が

世界各国に広く浸透した

理由として、翻訳が容易

川か わ

良ら

 美み さ お

佐雄教授

松戸歯学部長

新学部長に

く聞

教育の充実

財政の建て直し

未来を見据え結束力で改革を

スタッフ

学部次長

福本 

雅彦教授(歯科臨床検査医学)

学務担当

平山 

聡司教授(保存修復学)

学生担当

大峰 

浩隆教授(顎顔面矯正学)

研究担当

近藤 

壽郎教授(顎顔面外科学)

企画・広報担当

久山 

佳代教授(口腔病理学)

卒後教育担当

加藤 

仁夫教授(口腔インプラント学)

病院長

小宮 

正道教授(口腔外科学)

口腔科学研究所長

川良美佐雄教授(顎口腔機能治療学)

図書館長

坂巻 

達夫教授(内科学)

歯科衛生専門学校長

平塚 

浩一教授(生化学・分子生物学)

「はやぶさ」から伝えたい創造力

理工学部で川口氏が講演

村上春樹文学の秘密に迫る

総合社会情報研究科公開講座

松本恵准教授