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業界・企業研究の目的業界・企業研究の目的業界・企業研究の目的業界・企業研究の目的

11 就職活動はマッチングの場

 就職活動とはマッチングの場です。皆さんがより良い企業とマッチングし、理想的な就職を実現す

るためには、業界・企業研究の目的を理解する必要があります。

 例えば、同じ学科・専攻で学んでいても、自分と周りの人では「やりたい仕事」や「できること」

が違うように、同じようなモノやサービスを提供している会社でも「目指すこと」や「従業員にやって

ほしいこと」が違うのです。

 業界・企業研究を行う際、学生時代には聞きなれない用語が数多く出てきます。まずは基本的な

用語や概念を理解してから業界・企業研究を始めましょう。

 より望ましいマッチングの実現には、「自分が仕事に望むこと」と「企業が応募者に望むこと」の

どこが重なり合うか、どれくらい重なり合うかをはっきりさせなくてはいけません。

 この「企業が応募者に望むこと」の理解を深める活動が「業界・企業研究」なのです。

やみくもに行うのではなく、しっかりと目的を理解して

効果的な活動にしましょう

= 基 礎 編 =

Section 4

−POINT−

11 「業界」「業種」「企業(会社)」「職種」の違いが分かりますか?−POINT−

業界・企業研究の基本知識業界・企業研究の基本知識業界・企業研究の基本知識業界・企業研究の基本知識

業界・企業研究を行ううえで

基本となる知識を知ろう

= 基 礎 編 =

Section 4

企業の課題も理解しよう

COLUMN

業 種 事業の種類「何をしているのか」

業 界 同じ業種の企業の集まり

その事業を行う組織

役割の種類 

企業(会社)

職 種

●「新卒採用」だからこそ、採用側から期待されていること

業界・企業研究

/情報収集

業界・企業研究

/情報収集

 企業研究では、業界・企業の「現状」だけでなく「課題」まで理解しましょう。

 皆さんがどのように課題を改善・解決していける人材なのかということにも企業は注目しています。

主な職種を知ろう

COLUMN

就職活動の幅を広げ、質を高めるためにも業界・企業研究は有効

COLUMN

この「重なり」がより多い方がお互いにとって「良い」マッチングである !

数年後…将来を見据えた働き

その会社の「課題解決」や「今後、特に力を入れていくこと」に

その会社の『主力』となって取り組んでいく

現状を踏まえた働き

自分の「出来ること」「やりたいこと」を、仕事を通じて実現していくことで

その会社の成長・発展に貢献する

部品メーカー、タイヤメーカー、自動車販売会社 など

自動車業界 など

「自動車」の例

A社、B社、C社 など

開発、製造、営業、総務、SE など

営業・事務・管理系営業職 / 事務職 /営業事務職

企画・プランニング職 など

情報系プログラマー/システムエンジニア

WEBデザイナー など

開発・研究職 / 機械・電気設計職

生産管理・品質管理職 /製造・生産関連職

施工管理職 / 建築・土木設計職 など

技術・土木建築系

販売・サービス系 /教育系 などその他

興味のある企業には

どんな職種の人たちが

働いているのか

チェックしてみましょう !

自分の“能力”

“価値観”“経験値”

学生 企業

会社の“方針”

“理念”“風土”

 自分の行きたい業界・業種・企業など、すでにイメージがある方もいるかもしれません。しかし、そ

の場合でも、しっかりと業界・企業研究を行うことをお薦めします。なぜなら、自分の行きたい企業が

属している業界や業種をしっかりと調べることで、自分の希望に近い新しい企業を発見したり、自分の行

きたい会社の競合や取り巻く環境を知ることができるからです。そのような情報を得ることで、就職活

動の幅を広げ、質を高めることができるでしょう。

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Sectio

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業界・企業研究/情報収集

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基礎編 S

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 皆さんが就職先として選ぶ可能性の高い業種をご紹介します。近年では、業種の垣根を超えた「異

業種間連携」「異業種参入」も盛んになっているので、これに限らず自分の興味があるモノやサービ

スをキーワードに、どのような業種があるのか調べてみましょう。

22 主な業種を知ろう−POINT−

 業界研究や企業研究を進める手段はいくつもありますが、一番大切なのは「しっかりと自分の目で

見て・聞く」ことです。また固定概念にとらわれず、様々な角度や広い視野で研究を行うことも大切

です。業界研究・企業研究の手段をいくつか紹介しますので、ぜひ、積極的に利用しましょう。

 リクナビやマイナビなどの就職情報サイト運営会社などが主催している合同企業説明会や大学主催

の企業展などがあり、開催時期は就職活動解禁後です。中でも大学主催の企業展では、その大学

の学生を積極的に採用したい企業が集まるため、情報収集に最適です。愛知工業大学では愛名会(名

古屋電気学園後援会組織)主催の企業展などが年に数回実施されます。なお、就職活動解禁前に

も「業界業種研究会」など、業界や企業選びのための機会を用意しています。

22 情報収集の手段−POINT−

業界・企業研究の進め方業界・企業研究の進め方業界・企業研究の進め方業界・企業研究の進め方

11 進め方の基本ステップ

具体的なステップや

手段、方法を知ろう

= 基 礎 編 =

Section 4

−POINT−

業界・企業研究

/情報収集

●紙

●パルプ

●化学

●ガラス

●セラミックス

●鉄鋼

●金属製品

●食品

●医療関連

●化粧品

●文具

●事務機

●スポーツ

●ゲーム

●機械

●電子

●電機

●自動車

●精密機器

製造業(メーカー)

非製造業

素材系 生活系 機械系

●総合建設(ゼネコン)

●住宅建設(戸建て・マンションなど)

●プラントエンジニアリング

●インフラ建設

(道路・橋梁・トンネルなど)

建設系

●農業

●林業

●鉱業

●印刷

その他

●フードサービス

●ホテル

●旅行

●コンサルタント

●介護

●教育

●エネルギー

●不動産

●銀行

●信用金庫

●信用組合

●保険

●証券

●情報処理

●ソフトウエア

●通信

●マスコミ

(放送・新聞・出版)

●広告

●官公庁

●農協

●その他団体

●総合商社

●専門商社

金融系

運輸・物流

情報通信系

流通

官公庁など 商社

●空運

●海運

●陸運

●鉄道

●百貨店 /スーパー

●各種小売店

●コンビニエンスストア

各種サービス

その会社の企業理念・事業方針/事業内容の詳細などを理解する

(会社名からはイメージできない事業を行っている会社も数多くあります)STEP 2

興味のあるものやサービスを事業にしている会社を見つけるSTEP 1

その会社が「求める人材像」を把握するSTEP 3

手段①: 業界セミナーや学内企業展への参加

 OBOG訪問をしたいときは、企業の人事担当者へ直接お願いしてみましょう。キャリアセンターで

は、卒業時のOBOGの入職情報(個人情報保護のため、名前は教えられません)を確認できます。

就職担当の先生や研究室の先生がOBOG情報を知っていることもありますので、確認してみるとよ

いでしょう。

手段②: OBOG訪問

 企業の広報活動開始前(P.21参照)でも前年求人の確認や、先輩の就職活動体験記を見ること

ができます。

手段③: J-NET求人検索NAVIの活用

P.112 企業展や説明会の詳細は「企業展・説明会に行ってみよう」参照

P.11「J-NET 求人検索NAVI の使い方について」参照

P.7-9 大学主催の企業展の情報は「就職支援プログラム」参照

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 本学では、社会人がどのようにして各々の実務や課題に取り組んでいるのかを、実際に現場に入っ

て見学・体験し、実践的な技術感覚を体得してもらう制度としてインターンシップを推進しています。

それは同時に、社会人としての人間性を養い、将来の適性について考える機会を与えることも目的と

しています。すでに夏休み期間を利用したインターンシップに申し込んでいる人も多いと思いますが、

そこにはぜひ「目標」を持って臨み、将来(就職)に向けた情報収集とともに自身に「足りていない」

部分に気付き、就職活動までにそれを克服できるようにしましょう。

手段⑤: インターンシップ

 求人票はキャリアセンターで確認できます。

手段④: 大学の求人票

求人票の見方

P.6「キャリアセンターの紹介」参照

①上場区分

東証1部上場=安泰というわけではないですが、厳しい審査を通過した企業といえるでしょう。

②採用予定数

従業員数に対して採用数が多すぎるのは注意が必要となります。大量採用且つ従業員数が変わらないのは大量に辞めている可能性があります。

⑤初任給

同業他社と比較して初任給が飛びぬけて高い場合も注意しましょう。不人気な企業ほど初任給を釣り上げて学生を集め、入社後はほとんど昇給させず、といった事例もあります。

⑥昇給

初任給だけではなく、「昇給額」や「昇給率」もチェックしましょう。会社勤めを始めて最初にもらえる給与を「初任給」と言いますが、2年目以降にこのなかの基本給が増額されることを「昇給」と言います。

⑦賞与

「賞与(ボーナス)」の有無もチェックしましょう。一般的に基本給で何ヶ月分、という形で支払われます。求人票の賞与欄に「2回・約4.8ヶ月分」と書いてある場合、これは昨年支払われた実績として、年 2回に分けて年間で約 4.8ヶ月分の賞与が支払われたということを意味します。企業の利益の余剰分から支払われるため、絶対に支給されなければならないというものではありません。

③募集職種

自分が希望する職種の募集があるか確認しましょう。

④勤務地

転勤のありなし、配属先として可能性のある地域を確認しましょう。

⑪育休取得数/女性役員・管理職数

女性の活躍できる職場であるかを確認できます。女性にとっての働きやすさは、男性にとっての働きやすさにも比例します。

⑧求人対象学科

自身の学科専攻に○がなくとも可能性はあります。(一部の専門職を除き学科不問の場合が多い)キャリアセンターで卒業生の就職状況も確認できますので、諦めずに検討しましょう。

P.25「インターンシップに参加しよう」参照

⑪⑩

⑥ ⑦⑨3年後離職者数

母数となる3年度前採用者数と離職者数(辞めた人の数)を確認しましょう。3年度前 51人採用され、8人離職している場合、3年後離職率は 15.7%となります。一般的に大卒者の就職後 3 年以内の離職率は約 3 割(30%)程度と言われています。

⑩有給休暇の平均取得日数

有休をとれる環境にあるかどうかの指標となります。厚生労働省が発表した平成 30 年就労条件総合調査の概況によると、平成 29 年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は労働者1人平均 18.2 日、そのうち労働者が取得した日数は 9.3日で、取得率は 51.1%となっています。

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××××

通信機器

愛工 大(アイコウ ダイ)

海外

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××××××××

××××××××(××××××)

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4.8

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250 1000

前向きな姿勢の方を積極採用

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COLUMN

企業研究の視野を広げる

 企業研究の対象として考えている会社は、「自分が名前を知っている会社」や「製品・サービス名が

社名となっている会社」に偏ってはいませんか?企業研究の段階では、視野を広く持つことで進路選択

の幅が大きく広がります。以下の視点を参考に、自分が知らない会社にも目を向けていきましょう。

 決して大企業だけが日本を支えているわけではありません。中小企業の中にも、独自の技術やノウハウ、柔軟な対応

やきめ細やかなサービスによって「優良企業」と評価されている会社も数多くあるのです。

●会社の「大小」で良し悪しを判断しない

規模で見た日本企業の割合 【参考】 経済センサス - 活動調査(2014年)、(2012年)

〈企業数382万社〉 〈従業員数4013万人〉

中小企業

小規模企業

資本金3億円以下

または

従業員300人以下

従業員20人以下

製造業その他規模

資本金1億円以下

または

従業員100人以下

従業員5人以下

卸売業

資本金5千万円以下

または

従業員50人以下

小売業・飲食店

資本金5千万円以下

または

従業員100人以下

サービス業

 消費者に直接商品やサービスを提供し

ていない会社を「BtoB 企業」と言い、

直接商品やサービスを提供している会社

を「BtoC 企業」と言います。企業の知

名度は BtoC 企業の方が圧倒的に高い

傾向がありますが、実は日本の企業全

体の約8割はBtoB 企業とも言われてお

り、優良企業も数多くあります。「知ら

ないから」という理由で目を向けないの

は、非常にもったいないことです。

●「知名度」で良し悪しを判断しない

X 社やY社は、自社の商品やサービスを直接、

消費者に提供するわけではない

X社やY社は業界内で有名であれば良い!

完成した製品X社・Y社の

部品が欲しい

自動車業界

X社 Y社

BtoB 企業

部品 部品

消費者

中小企業約1855万人(46%)

中小企業約56万社(14.6%)

大企業約1万1千社(0.3%)

大企業約1229万人(31%)

小規模企業約929万人(23%)

小規模企業約325.2万社(85.1%)

業種

 リクナビやマイナビなどの大手就職情報サイトをはじめ、様々なサイトがあります。求人企業の採

用基本情報の確認はもちろんですが、多くの場合、先輩社員のインタビューなどが掲載されています

ので職種理解を深めることにも有効です。

 また、同業他社情報を収集したり、企業の採用方針や望む人材など企業の考えを確認するために

も便利です。ただし、WEBサイトの情報ばかりに頼らず、「しっかりと自分の目で見て・聞く」ことを

大切にしましょう。

手段⑥: 就職活動支援サイトの活用

 「会社四季報」「就職四季報」「日本経済新聞」「週刊東洋経済」などの就職活動の定番のアイテ

ムや新聞も活用できます。特に新聞記事からは社会や経済全体の動きから業界・企業動向の把握が

できるため、志望動機の作成や面接対策にも有効です。

手段⑨: その他 四季報や新聞、経済誌を活用

 興味のある企業が出てきたら、その企業の本社の社屋を見に行く、運営する店舗を見に行く、サー

ビスを体験してみるという方法もあります。特にBtoCの企業へ応募する人は「店舗を見る」「サービ

スを体験する」ということは必須です。職場や働いている人の雰囲気を見ることで、社風やWEBサイ

トでは見つからない情報が把握できます。学生の間にその企業や運営店舗でアルバイトをする、イン

ターンシップをするなどの方法もあります。

手段⑧: 直接足を運んでみる

手段⑦: キャリアセンター主催の就職支援プログラム

就職ガイダンス②(人事担当者によるパネルディスカッション)

●業界・企業研究を行える就職支援プログラム一覧

企業採用担当者とのパネルディスカッションを通して、皆さんが直接聞き

にくい会社内のこと(例えば福利厚生や残業について)や採用したい人材

のポイントについてお話いただきます。

就職ガイダンス③ < 専攻別 > (業界・企業研究の進め方)

業界や企業の調べ方や情報収集の手段についてキャリアセンター職員が講

師役となりレクチャーします。その他、キャリアセンターから学内で開催す

る業界業種研究会等のプログラムや求人票の見方などについて説明します。

中小企業経営者と学生の懇談会中小企業の経営者に集まっていただき、会社経営の苦労や醍醐味、そし

て社員に求めるもの、将来の夢などを皆さんとのグループワーク形式で

語っていただきます。

業界研究セミナー業界を代表する企業に集まっていただき、業界業種の動向や将来性、

課題などを教室開催形式でお話いただきます。

個別学内業界・企業研究会

愛工大生の採用を考える企業の採用担当者と事前に申し込んだ学生が、キャ

リアセンターの会議室やプレゼンルームで「業界業種動向の説明」や「会

社の業務内容」について情報交換を行います。この取り組みは時期限定で

行いますので、L-camや就職担当の先生からの案内をチェックしてください。

*4年次の6月以降は「学内個別企業説明会」や「選考会」として案内し

 ます。

学内企業展(愛名会・自由ヶ丘開催) P .112 参照

P.7-9「就職支援プログラム」参照

P.6 キャリアセンター内の就職資料も活用しよう「キャリアセンターの紹介」参照

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COLUMN

COLUMN

COLUMN

ブラック企業の見分け方 日本には約 380 万社もの企業が存在していますが、全ての企業に監視の目が行きわたっていないとい

うのが現状です。希望する会社がブラック企業ではないかは、まずは自分で見極めることが大切です。

偏った情報を鵜呑みにしない 近年ではWEB上で誰でも情報発信できることもあり、信憑性がはっきりしない情報まで鵜呑みにして

自分自身の選択肢を狭めてしまうケースが見られます。特にインターネットの「口コミ」や「掲示板」の

ような、発信者の主観で記された情報や匿名性のある情報には、非常に注意をする必要があります。

 「自分がその会社に合いそうか」を判断するには、自分自身で確かめるしか方法はありません。会社

説明会や面接の場に直接足を運んで、その会社で実際に働いている社員の様子や雰囲気を感じ取ること

は、より望ましいマッチングを実現させていくための最も有効な情報収集の手段であるということを、ぜ

ひ、理解してください。

 上記のポイントはあくまでも「傾向」ですが、「あまりにうまい話」や「物事の捉え方や考え方に偏り

を感じる話」は、自分なりに実態を調べてみることが大切です。悩む場合は、社会人としての経験が豊

富なキャリアセンターのスタッフに相談をするなどして、冷静に見極めるようにしましょう。

 万が一、ブラック企業に入社をしてしまった場合は、自分だけで抱え込んで心身に支障をきたす前に、

周りに相談することが大切です。

 自分がエントリーを考えている企業について、就職四季報や募集要項で以下のポイントをチェックしてみましょう。

採用時間に手間を

かけているか

=社員を大事に育てる

 つもりがあるか

「今後力を入れる事業」や

「近年の業績」から

企業の発展性を確認しよう

厚生労働省の調査では、

平均は30%前後

NA(No Answer)の表記は、

数字が悪くて公表しない場合もある

CHECK CHECK CHECK

 「労働基準法」をはじめとした労働法規では、労働時間や賃金・休日など、最低限守るべき労働

条件が定められています。これは、事業主に対して、弱い立場にあると言われる労働者(雇用をされ

て働く人)を保護するためです。(「使用者は、労働者が労働者法定労働時間を超えて労働させる場

合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなけれ

ばならない」とした「36協定(=サブロク協定/労働基準法・第 36 条)」などが代表的なものです)

ところが、そのような規定に従わず、労働者の心身を壊してしまうほどの過重労働を強いることによっ

て業績を上げるような企業が現実的には存在しています。それが、いわゆる「ブラック企業」です。

 情報収集を行う際には、どのような労働条件の会社か調べたり、実際に順守されているかどうかを

学内企業展や会社説明会、またOBOG 訪問などで確認することが重要です。

33 情報収集時の注意点−POINT−

●企業データを活用しよう

●人物像や基礎的な能力などをきちんと確認することなく、簡単に「内定」を出す

●「感動」「夢」などといった言葉を頻繁に用い、業務内容を具体的に説明しない

●「若手も大活躍」「すぐに責任のある仕事ができる」といったことを必要以上に強調する

●「どんな会社でも働くことは大変・・・」など、やたらと「社会の厳しさ」を訴えかける

●一般的な水準に比べて、明らかに給料が高い(または安い)

いわゆる「ブラック企業」によくみられる傾向

初任給だけでなく、ボーナスや

給与モデルも確認しよう

CHECK

女性が働きづらい企業は、

男性も働きづらい

CHECK

インターネットなどから得られる、いわゆる「口コミ」の情報について…

「A社」って、体力的にとても

きつくて大変だってうわさだよ…

一口に「体力的に大変…」といっても、

どの程度なら大変なのか

その人自身の体力の程度によって変わってくるはず

その情報をそのまま鵜呑みにして、何らかの判断をするのはNG!

会社説明会や面接などで、社員の様子を観察する、実際に話を聞いていく…など、

自分自身で得た情報から、自分自身の価値観・感覚と照らし合わせて判断すべき !

専門性は必要か 大学院生の場合は採用後の職種(開発・研究など)的に研究してきた分野の「専門性」や「後輩指

導を通じて身につけたもの」などを求められることが多いですが、学部生の場合は一部の企業や職種を

除き、専門性より学ぶ中で身につけた「物事への取り組み方」や「経験をどのように仕事へ活かせるか」

を求められます。

 そのため、興味がある業界や企業が研究活動の内容を直接活かせないと感じても、諦めずに業界企

業研究を行ってみましょう。

 企業の中には工学部出身の人事担当者や営業スタッフがいたり、経営学部出身のエンジニアや施工管

理担当がいるなど、様々な人が広い分野で活躍しています。短期間で離職

する人が多い

CHECK

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