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水系UVフロアーコート材料のご紹介
目次
I. UV硬化とは
II. UV硬化のメカニズム
III. UV硬化の実用事例
IV. 水系UVフロアーコートの特徴
V. 水系UVフロアーコートの性能
VI. 施工手順
VII.施工事例
Ⅰ.UV硬化とは
UV(紫外線)とは、10~400nmの波長を持つ光線で、X線に次いで強いエネルギーを持っています。
太陽光にも含まれており日焼けやシミの原因となりますが、殺菌力が強い性質も持っており、身近なところでは調理器具や理容器具の殺菌に利用されています。
一方、この強いエネルギーを受けることで、液体から固体に変化する材料があります。
この材料は、UV(紫外線)硬化樹脂あるいは光硬化樹脂と呼ばれ、塗料やインキ、接着剤に広く応用されています。
Ⅱ.UV硬化のメカニズム
UV(紫外線)硬化樹脂は、UV光の照射を受けることで化学反応が起こり、樹脂が強固な結合をします。
この強固な結合により、コーティング塗膜の強靭性を一般的なフロアーポリッシュやフロアーコーティングと比較すると、遥かに高い性能を発揮します。
下地
コート層
【UVフロアーコート】
【フロアーポリッシュ】
下地
コート層
下地 下地
下地 下地
UV照射
乾燥
傷、汚れ
傷、汚れ
Ⅲ.UV硬化の実用事例
UV(紫外線)硬化樹脂は、光を当てると瞬時に硬化しますので、生産性が飛躍的に向上し、省エネルギーやCO2削減にも貢献しています。
身近にある雑誌、家具などから携帯電話、パソコン、自動車部品、プリント基板など様々な製品のインキ、塗料、接着剤として幅広く応用されています。
Ⅳ.水系UVフロアーコートの特徴
作業性
水系なので臭いが少なく、火気による火災の心配がありません。
塗膜の水分が乾燥するとタックフリーになるため、塗り重ねが できます。
水道水で任意に希釈することができます。
硬化後の塗膜でもリコート性があるため、補修の際に旧塗膜を 剥離する必要がありません。
塗膜性能
高光沢の塗膜が得られます。
Pタイル、長尺塩ビシートへの密着性に優れています。
耐傷付き性、耐磨耗性、耐汚染性に優れています。
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ① 耐磨耗性
接触面
試料面
磨耗輪
回転方向
所定のサイクルが経過した時点で、試料面の60度鏡面光沢値を測定し、初期光沢値に対する 光沢保持率 を算出しました。
テーバー磨耗試験は、すべり磨耗に伴う表面の耐磨耗性を測定評価するもので、日本工業規格(JIS)および米国工業規格(ASTM)にも採用されている代表的な試験方法です。
フラットに回転する試料面に2個の磨耗輪を圧着させ、荷重を加えて輪状に磨耗を行います。
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能
100サイクル後の試験面外観写真
水系UVフロアコート フロアーポリッシュ
試験体は、東リ製Pタイルに樹脂ワックスと水系UVフロアコートを 各々膜厚5μmでコーティングしたものを使用しました。
樹脂ワックスは100サイクルで激しく磨耗し下地が露出しましたが、水系UVフロアコートは殆ど磨耗は見られませんでした。
② 試験結果
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ③ フィールド試験との対応
今回の磨耗試験の結果は、コンビニエンスストアでのフィールド試験結果とよい相関性が得られました。
テーバー磨耗試験の300サイクルが、およそ5万人の歩行者数に対応しています。
下地露出
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ④ 耐汚染性
試験体 : 東リ製Pタイルに樹脂ワックスと水系UVフロアコートを
各々膜厚10μmでコーティングしたもの。
試験方法 : 試験体に汚染物質を付着させ、室温にて70時間放置した後、
蒸留水を含ませたガーゼにて拭取り、塗膜の状態を観察。
試験後 試験前
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ⑤ 耐汚染性
各種薬品に対する耐性
フロアーポリッシュは、強アルカリ物質や有機溶剤に汚染されましたが、 水系UVフロアコートは塗膜に変化は見られませんでした。
フロアーポリッシュ 水系UVフロアコート
0.1N塩酸 ◎ ◎
0.1N水酸化ナトリウム ×
溶解・剥離 ◎
99%エタノール △
一部溶解 ◎
キシレン ×
溶解・剥離 ◎
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ⑥ 耐汚染性
日常の汚染物質に対する耐性
フロアーポリッシュは、中性洗剤、カレー、コーヒーに汚染されましたが、 水系UVフロアコートは塗膜に変化は見られませんでした。
フロアーポリッシュ 水系UVフロアコート
中性洗剤 △
一部溶解 ◎
ウスターソース ◎ ◎
カレー ×
着色大 ◎
コーヒー △
僅かに着色 ◎
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ⑦ 耐汚染性
染色性の強い物質に対する耐性
水系UVフロアコートは、全体的にフロアーポリッシュより汚染は軽度です が、水性インクの青色とヘアカラーには汚染されました。
フロアーポリッシュ 水系UVフロアコート
水性インク 赤 ×
着色大
△ 僅かに着色
水性インク 青 ×
着色大
× 着色大
水性インク 黒 ×
着色大
△ 僅かに着色
ヘアカラー 黒 ×
着色と剥離
× 着色大
Ⅴ.水系UVフロアーコートの性能 ⑧ まとめ
耐傷付き性、耐磨耗性
水系UVフロアーコートは、一般的なフロアーポリッシュに比べ、 およそ15~20倍の耐傷付き性、耐磨耗性が期待されます。
耐汚染性
水系UVフロアコートは、一般的なフロアーポリッシュに比べ、 優れた耐薬品性、耐汚染性を床面に付与します。
汚れは、水または中性洗剤で拭き取ることができるため、 簡単な日常清掃で床面を常に清潔に保つことができます。
Ⅵ.施工手順 施工にかかる時間は、100㎡で約6時間程度です。
剥離剤を塗布し、洗浄用パットを付けたポリッシャーで、完全に旧塗膜を取り除きます。
中和剤(希酢酸など)で床面を中和した後、水洗(水拭き)します。
汚れが残っている箇所はモップ等で水拭きし、送風機で水分を完全に乾燥させます。
きれいなモップまたはスクイージーでコート剤をむらなく塗布します。目安は100ccで10㎡。
指触乾燥(30分程度)したら、同じ要領でコート剤を塗り重ねます。計3コート。
完全に乾燥(1~2時間)させ、UV照射機で硬化させます。 目安の光量は1000mJ/c㎡。
Ⅶ.施工事例 コンビニエンスストア
施工前
施工後
Ⅶ.施工事例 医療施設
ICU室内 UV施工(右半分)2年経過後
写真の左半分は、UV未施工のため汚れが目立ちます。
Ⅶ.施工事例 特養施設
ロビー
居室前と
厨房前廊下
拡大
Ⅶ.施工事例 教育施設
廊下
教室
食堂
※ 水系UVフロアーコートの製造元、施工指導、 施工会社は次の通りです。 ■製造元 : ダイセル・サイテック株式会社 ■施工指導: シーエル研究所 ■施工会社: アーサー株式会社 ご検討の程、何卒宜しく願い申し上げます。