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基本方針3
資料4
基本方針3 水環境保全の方針
施策7 合流式下水道における雨天時越流水対策 施策8 汚水施設利用の推進 施策9 雨天時浸入水対策 施策10 放流水質の適正維持
基本方針3
施策7 合流式下水道における雨天時越流水対策
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
(b)平成36年度以降の合流式下水道改善事業の
方針検討
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基本方針3
(1)取り組みの必要性
「合流式下水道改善対策指針と解説(平成14年)」により,国から当面の改善目標が示され,目標達成に向けた計画策定とそれに基づく対策の実施が求められている。
平成16年の下水道法施行令の改正により,仙台市は平成35年度末までに雨天時において合流式下水道全体から放流される平均水質(BOD)(雨天時放流水質)を40㎎/ℓ以下とすることが義務付けられた。
(2)今後に向けた取り組み
国から示された「汚濁負荷量の削減」,「公衆衛生上の安全確保」,「夾雑物の削減」に関する当面の改善目標に基づき対策を実施する。
雨天時放流水質基準を平成35年度末までに達成する。
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
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基本方針3
国から示された当面の改善目標について
汚濁負荷量の削減
合流式下水道から排出される汚濁負荷量を分流式下水道並みにする。
公衆衛生上の安全確保
各吐き口における放流回数を,対策未実施時点から半減させる。
夾雑物の削減
全ての吐き口からの夾雑物の流出を極力防止する。
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
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基本方針3
合流式下水道の吐き口(晴天時)
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
宅内合流ます
公共用水域
道路雨水ます
合流管きょ
汚水流出管きょ
(浄化センターへ)
吐き口
吐き室
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基本方針3
合流式下水道の吐き口(雨天時)
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
宅内合流ます
公共用水域
道路雨水ます
合流管きょ
汚水流出管きょ
(浄化センターへ)
吐き口
吐き室
越流ぜき
合流管きょ 汚水流出管きょ
(浄化センターへ)
吐き口(河川などへ)
吐き口からの放流状況
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基本方針3
平成35年度末までの法令遵守に向けた実施施策
分流汚水施設の整備
分流汚水施設を整備することで,合流区域への分流汚水の流入をカットし,公共用水域への汚濁負荷量や吐き口からの放流回数を削減する。
主な整備施設:中央第4号幹線,諏訪町ポンプ場,名取川左岸幹線,長町準幹線
簡易処理の高度化
南蒲生浄化センターにおける雨天時活性汚泥法を用いた簡易処理の高度化により,南蒲生浄化センターからの排出汚濁負荷量を軽減する。
夾雑物除去装置の設置
夾雑物削減の対策が未実施である吐き口及びポンプ場において,渦流式水面制御装置等の夾雑物除去装置を設置する。
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
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基本方針3
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
分流汚水施設の整備による汚濁負荷量の削減
中央第4号幹線(建設)
諏訪町ポンプ場(建設)
P 名取川左岸幹線(ルート変更)
長町準幹線(延伸)
分流汚水施設の整備により合流施設への流入がカットされる分流式下水道の区域
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基本方針3
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
従来までの下水処理(標準活性汚泥法)
【雨天時の下水処理】
【晴天時の下水処理】
最初沈殿池 反応タンク 最終沈殿池
晴天時
流入下水
消毒槽
放流
雨天時
流入下水
最初沈殿池 反応タンク 最終沈殿池 消毒槽
放流
処理しきれない流入下水は直接消毒槽へ
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基本方針3
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
雨天時活性汚泥法を用いた下水処理
雨天時活性汚泥法では,従来処理せず直接消毒槽へ送っていた分の流入下水を反応タンク後段へ流入させることで,雨天時流入下水全量を処理することができる。
雨天時
流入下水
最初沈殿池 反応タンク 最終沈殿池 消毒槽
放流
すべての流入下水を処理してから消毒槽へ
【雨天時活性汚泥法による雨天時の下水処理】
1Q:汚水分 1Q以上:雨水分
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基本方針3
夾雑物除去装置(渦流式水面制御装置)イメージ
(a)合流式下水道改善計画に基づく対策の実施
出典:(公財)日本下水道新技術機構
・・・夾雑物を汚水流出
管きょへ誘導
・・・渦流を発生
させる
・・・汚水流出管きょへ
夾雑物を吸込む
吐き室内部
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基本方針3
(1)取り組みの必要性
下水道法施行令の目標を達成した後においても,合流式下水道からの雨天時越流水は,個別箇所において衛生・景観上の問題を引き起こすことから,その対策が求められる。
(2)今後に向けた取り組み
平成36年度以降は,問題を引き起こす個別の吐き口ごとの対策を検討するなど,仙台市独自の対策方針を検討していく。
(b)平成36年度以降の合流式下水道改善事業の方針検討
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基本方針3
施策8 汚水施設利用の推進
(a)普及率の向上
(b)水洗化の促進
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基本方針3
(a)普及率の向上
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(1)取り組みの必要性
平成25年度末現在,汚水処理人口普及率は99.5%に達し,汚水処理施設の整備はほぼ概成したと言えるが,未だ全戸普及の目標は達成できていない。
(2)今後に向けた取り組み
未整備区域の解消に向けた取り組みを継続する。
特に,私道公共下水道設置制度を活用し,未整備区域の速やかな解消に努める。
基本方針3
(b)水洗化の促進
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(1)取り組みの必要性
平成25年度末現在,水洗化率は99.4%に達しているが,未だ全戸水洗化には至っていない。
特に,生活雑排水が未処理のまま公共用水域に放流されるくみ取り便所や単独処理浄化槽の設置家屋は,水環境保全の観点から速やかな水洗化が望まれる。
(2)今後に向けた取り組み
未水洗家屋の解消に向けた取り組みを継続する。
特に,水洗化工事資金融資あっせん制度及び共同排水設備設置補助制度を活用し,くみ取り便所と単独処理浄化槽の設置家屋に対する水洗化促進に取り組む。
基本方針3
(b)水洗化の促進
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種 別
行政区域内
人口(人)
①
処理区域内
人口(人)
②
水洗化
人口(人)
③
普及率
(%)
④=②/①
水洗化率
(%)
⑤=③/②
公共下水道
1,046,192
1,025,607 1,019,085 98.0 99.4
農業集落排水施設 5,545 5,342 0.5 96.3
地域下水道 4,486 4,486 0.4 100.0
公管理浄化槽 4,320 4,320 0.4 100.0
下水道事業 計 1,039,958 1,033,233 99.4 99.4
合併浄化槽 1,322 1,322 0.1 100.0
汚水処理施設 計 1,041,280 1,034,555 99.5 99.4
未整備・未水洗 4,912 11,637 - -
※ 平成26年3月31日現在
汚水処理施設の普及と水洗化の状況
基本方針3
(b)水洗化の促進
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くみ取り便所設置家屋と単独処理浄化槽設置家屋の水洗化の必要性
・ くみ取り便所設置家屋と単独処理浄化槽設置家屋においては,台所や洗濯,風呂など のトイレ以外の排水,すなわち生活雑排水が公共用水域にそのまま排出されている。
・下水道等集合処理区域にあっては下水道等への接続切り替えが,浄化槽区域にあって は合併処理浄化槽への転換が必要。
下水道接続家屋
又は
合併処理浄化槽
設置家屋
し 尿
生活雑排水
下水処理場
又は
合併処理浄化槽
くみ取り便所
設置家屋
し 尿
生活雑排水
し尿処理場
単独処理浄化槽
設置家屋
し 尿
生活雑排水
単独処理浄化槽
処理水
処理水
未処理水
処理水
河川など
公共用水域
未処理水
基本方針3
(b)水洗化の促進
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広瀬川で遊ぶ子供たち
広瀬川での鮎釣り
水環境保全と生活環境向上のため,全戸普及と全戸水洗化に取り組む
基本方針3
施策9 雨天時浸入水対策
(a)計画的な対策の実施
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基本方針3
(a)計画的な対策の実施
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(1)取り組みの必要性
雨天時に汚水管きょの能力を超えた雨水が浸入することにより,汚水管きょから未処理汚水が溢水し,公共用水域に流出することがある。
これまでは主に誤接続調査と改善指導による取り組みを行い一定の成果を上げてきたが,東日本大震災等の影響や管きょの老朽化等により再び不明水が増加傾向にあり,水環境保全の観点から対策に取り組む必要がある。
(2)今後に向けた取り組み
排水設備に関する計画的な誤接続調査と改善指導の取り組みを今後も継続するとともに,対象施設を街渠桝等にも拡大する。
雨天時浸入水の影響が大きい地区について,その原因の調査と対策工事を計画的に実施する。
基本方針3
(a)計画的な対策の実施
誤接続の分類
不明水の構成
流入下水 有収水
無収水
不明水 雨天時浸入水
晴天時浸入水
【基本方針5】
下水道使用料の対象となる汚水 ≒ 上水道使用水
汚水管きょからの漏水等,下水道使用料の対象とならない汚水
誤接続によるものや人孔蓋穴等からの浸入等,雨天時に
汚水管きょに浸入してくる雨水
汚水管きょの破損箇所や継手の目開き部分等から恒常的
に浸入している地下水と,無届け接続による有収外汚水や
汚水管きょの破損箇所等から浸入する上水系の漏水など
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分流式下水道
汚水管誤接続
雨水管誤接続
合流管誤接続合流式下水道
汚水排水系統に雨水排水系統を接続 ⇒ 雨天時浸入水対策
雨水排水系統に汚水排水系統を接続
合流式下水道の排水系統に分流式下水道の汚水排水系統を接続
基本方針3
(a)計画的な対策の実施
出典:㈶下水道新技術推進機構「分流式下水道における雨天時浸入水対策計画策定マニュアル,2009年3月」
雨天時浸入水による影響の例
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基本方針3
(a)計画的な対策の実施
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基本方針3
施策10 放流水質の適正維持 (a)浄化センターにおける 維持管理・保全の適正化 (b)事業場排水の適切な監視・指導 (c)新たな水質問題への対応
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基本方針3
(a)浄化センターにおける維持管理・保全の適正化
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(1)取り組みの必要性
下水道の普及に伴い河川や海など公共用水域の水質は改善されているが,今後とも水質環境基準の達成を維持するため,良好な放流水質の確保に努める必要がある。
(2)今後に向けた取り組み
良好な放流水質を維持するため,施設・設備の計画的な維持管理と保全に取り組む。
復旧により平成28年度から運転を開始する南蒲生浄化センターについて,早期に施設特性を把握し処理水質の安定を図る。
設備の更新に際しては,維持管理性に配慮するとともに,処理水質の向上・安定に資する機能性,信頼性及び安定性の高い機器の導入を検討する。
基本方針3
(a)浄化センターにおける維持管理・保全の適正化
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浄化センター維持管理の状況
水質悪化の状況
(最終沈殿池におけるスカム発生)
良好な放流水質を維持するため,
維持管理・保全を適正に行う必要がある。
基本方針3
(b)事業場排水の適切な監視・指導
(1)取り組みの必要性
下水道の受入水質基準を満足しない下水を排出している違反事業場の数は減少傾向にあるものの,依然5%ほど存在しており,放流水質確保及び下水道施設保護の観点から看過できない状況にある。
また,監視・指導の対象となる事業場数は増加傾向にあり,効率的かつ効果的な監視・指導体制の構築が求められている。
(2)今後に向けた取り組み
事業場の設置時における適切な指導を行うとともに,主に特定事業場を対象とした定期的な立ち入り検査を継続して実施し,違反事業場に対しては,速やかな改善を求める指導を徹底する。
監視・指導の対象となる事業場数の増加傾向を勘案するとともに,今後も行われる可能性がある水質基準項目の追加や強化の方向性を踏まえ,これらに柔軟に対応できる監視・指導体制を検討する。 26
基本方針3
(b)事業場排水の適切な監視・指導
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水質検査の様子
立ち入り検査の様子
基本方針3
(c)新たな水質問題への対応
(1)取り組みの必要性
全国的に見ると,ノロウイルスの流行等が散発的に発生しており,感染症拡大防止の観点から下水道の流入水質情報の活用が求められている。また,流入下水中から検出されるトリハロメタン等の微量化学物質について,人体や生態系に対する影響把握や水質環境基準の検討が国において進められている。
上記のような水質問題が発生した際には,その対応について検討する必要がある。
(2)今後に向けた取り組み
国の動向を踏まえ,感染症拡大防止に対する流入水質情報の活用方法や,微量化学物質が公共用水域に与える影響について検討する。
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基本方針3
ノロウイルス電子顕微鏡写真 (出典:東京都感染症情報センターホームページ)
都道府県別ノロウイルス等検出報告状況 2013/14シーズン(2014年8月12日現在) (出典:国立感染症研究所ホームページ)
(c)新たな水質問題への対応
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ノロウイルス食中毒事件数と患者数の推移 (出典:厚生労働省ホームページ資料よりグラフ化)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
0
100
200
300
400
500
600
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
患者数(人)
事件数(件)
(年次)
事件数(件)
患者数(人)
基本方針3
(c)新たな水質問題への対応
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出典:国土交通省都市・地域整備局下水道部「下水道における化学物質排出量の把握と 化学物質管理計画の策定等に関するガイドライン(案),平成17年8月」
下水処理の過程では医薬品等の未規制物質が残存,公共用水域へ放流されており,生態系への影響が懸念されている。