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製造業向け ACROBAT ソリューションガイド

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Page 1: 製造業向け ACROBAT ソリューションガイド...Autodesk® AutoCAD®および3D CADアプリケーションから、開いている文 書をボタン1つでAdobe PDFに変換、紙の書類もスキャナから読み込んで

製 造 業向けACROBAT ソリューションガイド

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01 02

Adobe PDF の進化

まずは、さまざまな情報をAdobe PDF にすることから始めましょう

ADOBE® ACROBAT®と ADOBE® PDFでドキュメントワークフローを電子化、効率化

エンジニアリング ワークフロー

Adobe PDF 活 用 機 会

PDF 利用のメリット

Adobe Acrobatが 提 供する高い信頼性 PDFを作成 P 03

文書を統合 P 0 4

文書の共 有 P 05

文書の階層化 P 0 6

文書レビュー P 07

セキュリティ機能 P 08

電子フォーム P 09

電子署名 P 10

マニュアル 作成 P 11

文書の長 期保 存 P 12

Adobe Acrobat 導入事例 P 13 / 14

Adobe PDF(Portable Document Format)は、電子文書交換フォーマットとして、世界中の企業や政府機関から高い信頼を得ており、

2008年7月にはISOによる標準規格化がなされました。Adobe PDFは、オリジナル文書の体裁を確実に保持でき、かつコンパクト。受け取っ

た側は、無償配布のAdobe® Reader®で確実にファイルを表示、印刷することができます。さらに最新のAdobe PDFは、3Dやビデオの内

包も実現。チーム内、部署間、顧客、サプライヤー、ベンダーとの間に新たな電子文書コミュニケーションの手法を提供します。

Adobe Acrobat 9を使用すれば、Microsoft® Of f ice、Visio®、Project、

Autodesk® AutoCAD®および3D CADアプリケーションから、開いている文

書をボタン1つでAdobe PDFに変換、紙の書類もスキャナから読み込んで

PDF化できます。

製造プロセスにおいては、企画書、技術文書、図面、指示書、検査記録、マニュアルといった実にさまざまなドキュメントが作成され、

チーム内、部署間あるいは企業間にわたって頻繁にやり取りされます。しかし、紙の書類で行うこれらの作業は決して効率的では

なく、多くの時間とコストを要します。もはや紙ベースのドキュメントワークフローでは、これからの製品開発プロセスのスピードに

ついていくことはできません。「先進のドキュメントコミュニケーションツール」 Adobe Acrobatと、「電子の紙」Adobe PDF。こ

の2つを有効活用することにより、製造プロセスで発生する膨大なドキュメント情報を一元管理し、関係者全員が迅速かつ確実に

共有できるようになります。さらに、ドキュメントの機密性を保持しながら、レビューおよび承認ワークフローをオンラインで効率

化し、市場投入までの時間を大幅に短縮します。

■ プラットフォーム、アプリケーション、バージョンに関わらず、設計書や図面の一貫性を維持し、元の文書の情報を忠実に再現します。

■ 図面、企画書、部品リスト、技術文書など、製品に関するありとあらゆる情報に、関係者全員が迅速かつ確実にアクセスできます。

■ 高度な暗号化セキュリティで文書の機密性を保護し、企業の情報漏えいを防ぎます。

■ 3Dやビデオファイルも高精細、高圧縮で取り込み、各種指示書、手順書において静的ドキュメントでは為しえない適確な表現が可能です。

■ 検索や再利用にも優れ、公的機関に認められたフォーマットのため、文書の長期保管に最適です。

Adobe AcrobatはISO規格に準拠したPDFを生成し、将来に渡って安心してご利用いただける信頼性を提供します。

PDF生成時の体裁の保持適切なフォント埋め込み処理を行い、さまざまなPCやOSへ配布された際も安心してファイルを閲覧できます。PDFとしてドキュメントを保

管するメリットを最大限にご利用できます。

またAcrobatと同時に開発されているPDF閲覧ツールAdobe Readerは広く浸透しており、Acrobatで生成したPDFと非常に親和性が高い

のも安心してご利用いただける利点の一つです。

PDF生成バージョンAdobe PDFはアドビ システムズが開発したフォーマットで、現在は国際標準化機構(ISO)が定める標準フォーマットとなっています。ISO規格

に沿ったPDFの生成を行うことで、将来的により安心なドキュメントの運用・保管が可能となります。

適切なファイル構造処理PDFはその内部に独自のファイル構造情報を保有し、再利用性や検索性を保持しています。Adobe Acrobatはその構造の処理を適切に行

うことで、将来に渡って適切に閲覧・再利用・検索を可能にします。

INDEX

企 画

設 計

製 造

検 査

販 売、保守

保 管

ERP

SCM

CRM

環境

レガシー等

企画

プロジェクト

製品データ

設計 調達 生産 販売 保守

図面 モデル 文書 コスト 部品情報 設計変更 ビューワ

$

解析データ ソフトウェア ナレッジ 金型 品質 環境 リソース

¥

設計 量産生産準備企画 試作・評価

EMS 顧客企画 設計 調達 営業 保守生枝・生産 サプライヤ

イントラネット インターネット

ビデオビデオ 音声

プレゼン(PowerPointなど)

CAD図面(AutoCADなど)

企画書(Wordなど)

プロジェクト管理(Visio、Projectなど)

3D CADモデル

部品リスト(Excelなど)

wwwWeb

(Internet Explorerなど)

Photo 製品写真

紙 紙文書@ 電子メール(Outlookなど)

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Officeアプリケーションから、さまざまな方法でAdobe PDFを作成できます。

Microsof t Word文書やPowerPointスライドに数

回のクリックでビデオを挿入。それをAdobe PDFに

変換して手軽に配布できます。

ケント・シャープ様California Public Radio8484 Wilshire Blvd, Suite 600Los Angeles, California 90211

拝啓

時下ますますご清祥の段、お喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、このたび2009年秋に公開が決定いたしました映画『ダブル・アイデンティティ』のプレスキットをご送付いたします。この映画は、監督ロバート・レガート、出演ウェンディ・カーター、マーク・ソーザ、デニー・ホーター、ヴィト・ラモート、脚本『ヴァレー・オブ・ザ・シャドー』のチェスター・ヘイスティングスとディーン・R.・マックリーリーによるものです。

主演のマーク・ソーザはまた、ファッションとライフスタイルのCheck Magazine最新号の特集記事で、『ダブル・アイデンティティ』の撮影現場について語っております。

今回、報道関係資料としてお送りするのは、以下の資料です。1)『ダブル・アイデンティティ』予告編映像2)プリント版Check Magazine(PDFファイル)3)インタラクティブ版Check Magazine4)『ダブル・アイデンティティ』ポスター5)『ダブル・アイデンティティ』およびCheckマガジンのロゴ6)Check Magazineに収録のマーク・ソーザ特集記事7)マーク・ソーザ スチル写真8)『ダブル・アイデンティティ』スチル写真

本プレスリリースについてのご質問は、ボニー・ドゥーン([email protected]または555.555.6108)までお寄せください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

敬具

『ダブル・アイデンティティ』広報担当ボニー・ドゥーン

設計図

企画書

03 04

新 製 品 を印 象づ ける効 果 的 な 演 出 方 法 は ない ものだろうか・・・

さまざまな 形 式 で 保 存 され たファイル、資 料としてまとめ るの が 大 変・・・

Adobe Acrobat 9なら、さまざまな情 報を簡単にAdobe PDFに変換 。ビデオや3D入りの効果的な企画文書を作成できます。

Acrobat 9でPDFを活用する利点 Acrobat 9でPDFを活用する利点P D F を 作 成 文 書 を 統 合

Adobe Acrobat 9なら、関連 文書を1つのPDFに束ね、効率的に印刷、配布、管理が 行えます。

企 画

Adobe Acrobat 9を使用すれば、Microsoft Officeなどで作成したドキュメントはもちろん、画像、図面、紙の書類、電子メール、Webページ

など、あらゆる情報を簡単にAdobe PDFに変換して資料を作成できます。さらに、従来の静止画ベースの資料にビデオや音声、3Dモデルを

挿入することが可能*1。このようなマルチメディアを活用することで、製品の完成イメージをより詳細に、かつ効果的に伝えることができます。

● Microsoft Word、Excel、PowerPoint、Access、Project*2、Internet Explorerで開いている文書を、ツールバーのPDF作成ボタンを押すだけで簡単に変換できます。

● Microsoft Outlook®やLotus Notesの電子メールを個別に、またはメールフォルダごとPDFに変換できます。添付ファイルやリンクも保持されます。また、Webページを、レイアウトやリンク、Flashコンテンツを保持したままPDFに変換することも可能です。

● 高 精 度 な O C R エンジン が 搭 載 され 、紙 の文 書 をスキャナで 取り込 み 、テキストを読 み 取る 操 作 をワンステップ で 行えます。 さらに、スキャン時の文書のゆがみやノイズも自動的に補正します。

● さまざまなビデオフォーマットをFLV形式に変換*1して、簡単にPDFに挿入することが可能です。*1 Acrobat 9 Pro Extendedのみの機能となります。 * 2 Acrobat 9 Pro / Pro Extendedのみの機能となります。

● デスクトップから形式の異なる複数のファイルを選択し、右クリックメニューで一度にPDF変換*、1つのPDFに束ねることができます。

● 束ねたPDFに簡単にヘッダやフッタ、透かしを入れることが可能。ページの追加、移動、削除も可能です。

● PDF内に用紙サイズや縦横比が異なるページが混在しても、指定した用紙サイズに合わせて印刷できます。

● 多種多様のファイルを1つのPDFポートフォリオにまとめて、閲覧性が高く、表現力豊かなドキュメントとして配信・共有することができます。

* 右クリックにてPDF変換する機能はAcrobatが対応している製品に限られます。 対応状況はAdobeサポートデータベースにて随時お知らせいたします。 http://support.adobe.co.jp/faq/faq/tfaqindex.sv をご覧ください。

Acrobatのファイルを「結合」する機能を使用すれば、Adobe PDF、Word文書、Excel文書、画像など、形式の異なる複数のファイル

を1度にPDF変換し、自動的に1つのPDFファイルに束ねることができます。紙の書類もスキャナからPDFに変換し、同一のPDFファイ

ルに追加することが可能。縦横比やサイズが異なるページが含まれていても、ページごと用紙サイズを切り替えて印刷できます。また、

「PDFポートフォリオ」を使用すれば、束ねた複数のファイルを閲覧しやすいレイアウトで整理・表示することができます。

製造プロセスの企画段階では、製品のイメージをわかりやすく伝えるため、画像や図面、イラス

トなどを含むさまざまな資料が作成されます。しかし、ただ資料の数が多ければ良いというも

のではありません。いかにインパクトがあるか、製品のイメージが正確に伝わるかが重要です。

テキストや静止画だけの資料では表現に限界があり、説得力に欠けます。

製品の試作を外部パートナーに依頼するにあたり、多くの情報を共有していく必要があります。

しかし、資料を紙で手渡すには、さまざまなアプリケーションで 作成したファイルを1つ1つ

開いて印刷・製本しなければなりません。また、資 料を電子ファイルで やり取りする場 合は、

いくつものをファイルをバラバラに送ることになり、けっして効率的とは言えません。

高精度なOCR機能により、紙の文書をスキャナ で

読み取り、テキストを読み取ってPDF変換できます。

ファイルを単一のPDFに結合複数のファイルを、連続したページを

持つ1つのPDFファイルとして束ねます。

設計図

企画書

PowerPoint

PowerPoint

Excel

Excel

Word

Word

PDFポートフォリオは、テンプレートにファイルを 追加するだけで簡単

に作成することが可能。個々のファイルに対して説明文を加えるなど、

受信者が閲覧しやすいよう柔軟にカスタマイズできます。

PDFポートフォリオはAcrobat 9またはAdobe Reader 9以降で閲覧

可能です。

PDFポートフォリオPDFファイルはもちろん、それ以外のさまざまなファイル形式をそのままパッケージとしてまとめることが可能。

個々のPDFファイルに設定された電子署名やセキュリティは、PDFポートフォリオ内でそのまま保持されます。

MovieCAD図面3D

CADモデル

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05 06

C A D 図 面 をメールで 送った が、相 手 にソフトがなくて見られ ない・・・

複 雑 な 製 品 の 構 造 、図 面 の 構 成 はもっと複 雑・・・

Adobe Acrobat 9なら、C AD図面を誰もが見れるPDFにしてメール送 信できます。

Acrobat 9でPDFを活用する利点 Acrobat 9でPDFを活用する利点文 書 の 共 有 文 書 の 階 層 化

Adobe Acrobat 9なら、複 雑な図面構成を階層化して整理できます。

設 計

CAD図面やグラフィックなど、専門的なアプリケーションで作成した文書でも、オリジナルのレイアウト、書式、その他さまざまな文書

情報を保持したままPDFに変換することができます。これにより電子メールですばやく送信することができ、無償配布のAdobe Reader

を使って誰もが、さまざまなパソコン環境で確実に表示・印刷することが可能。印刷や配送にかかる時間とコストを削減できます。

● Autodesk AutoCAD*、Microsoft Visio*から、ワンクリックでPDFを作成。CAD図面のレイヤーやスケールも保持されます。

● ARCH、ISO、JIS、ANSIといった各種標準規格の大判用紙サイズをサポートしています。

● PDF変換後は元文書よりもファイルサイズがコンパクトになるので、ネットワークを介してのやり取りも迅速に行えます。

● さらにAcrobatファミリーの最上位製品であるAcrobat 9 Pro Extendedなら、3D CADアプリケーション フォーマットの3Dモデルを精密な製品製造情報(PMI)を保持したままPDFに変換し、Adobe Readerユーザを含めたメンバーと三次元情報を共有できます。 ※最新の対応3D CADフォーマットはwww.adobe.com/jp/products/acrobatproextended/supportedformats/をご確認ください。

* Acrobat 9 Pro / Pro Extendedのみの機能となります。

● 「しおり機能」により、目的のページに瞬時に移動することが可能。図面を階層化し、複雑な製品構造を容易にたどることができます。

● 「リンク」機能により、ページ間、文書間のリンクが可能。クリックひとつで、関連情報にすばやくアクセスできます。

● PDFにWordやExcelなどのアプリケーションで作成したファイルや、既存のPDFを添付することが可能。添付ファイルは「添付ファイル」パネルに表示され、ドラック&ドロップで簡単に出し入れができます。

PDF内のページに「しおり」をつけて、目次 からすぐに目的のページにジャンプすることができます。さらに、大 見出し、小見出しと

いった階層化も可能 。この機能により、製品の図面とそれに関連する部品の図面を、PDFファイル上で簡単に階層化して整理できま

す。また、図面上の図形や記号にリンクを設定すれば、クリックひとつで別のページや文書にすばやくアクセスできます。

CADなどの専門的なアプリケーションで作成した図面をメールで送っても、相手にそのソフト

がなくて開けなかったり、バージョンの違いからフォントや書式が崩れてしまうといったケー

スはよくあります。その都度印刷してバイク便を利用していてはコストはかさむ一方。また、大

判用紙サイズの図面などは、分割コピーしてからFAXで送るといった手間を要します。

製品は、いくつもの部品から複雑に構成されます。そのため製品の設 計図面に記載された部

品の詳細を確認するためには、何枚もの部品の図面を用意しなければなりません。膨大な量

のファイルや書類から該当する図面を探し出し、その都度照合していく作業は、時間と手間を

要するだけでなく、添付漏れなどのミスも起こしがちです。

C ADファイルから取り込 んだ製品製 造情 報

(PMI)をモデルツリーパネルに表示できます。

Acrobatのものさしツールを使用して、図面上の

寸法(間隔、周辺の長さ、領域の面積)を測定する

ことが可能。また、その測定値をExcelに書き出し

て積算リストを作成することもできます。 Visioで設定したカスタムプロパティをオブジェクトデー

タとして変換し、PDF上で確認することが可能です。

リンクツールを使用して、他の

ページやファイル、Webページ

のリンクを設定できます。

しおりはナビゲーションパレットウィンドウの「しおり」パレットで作

成、管理できます。ページの階層化も、ドラッグ&ドロップで簡単に作

成できます。 文書ファイルを「添付ファイルタブ」にドラッグ&ドロップする

だけで、簡単に添付および取り出しが行えます。ファイルサイ

ズも圧縮されます。

2820.00mm

リンク先

リンクボタン

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07 08

図 面 やデザインの 詳 細 なイメージ は 、電 話 やメールで は 伝 えにくい・・・

社 外 秘 の 機 密 文 書 を 扱うとき、情 報 の 漏 えい や 改 ざんが 心 配・・・

Adobe Acrobat 9なら、PDFに注釈・コメントを書き込んで、ドキュメントベースの確実なコミュニケーションが 行えます。

Acrobat 9でPDFを活用する利点 Acrobat 9でPDFを活用する利点文 書 の 共 有 セ キュリティ 機 能

Adobe Acrobat 9なら、高度なセキュリティ設 定で機密文書を安全に保護します。

製 造

Acrobat 9では、ノート、ハイライト、テキスト注釈といった多様な注釈ツールを搭載。複数の関係者がPDF上に直接コメントや修正指示を書き

込み、紙に出力することなく効率的にやり取りすることができます。さらに、承認用の電子印鑑やスタンプをPDFに押すことも可能。複数の人が

書き込んだコメントは自動的に1つのPDFに集約され、作成者の名前、日付、種類、色などで分類できるので、取りまとめも簡単に行えます。

● Acrobat 9 Pro ExtendedおよびAcrobat 9 Proで作成した権限付きPDFであれば、無償のAdobe Reader(7.0以降/共有レビューの場合は8以降)でも、受け取ったPDFに注釈・コメントをつけることが可能。より多くの関係者にレビューを依頼することができます。

● 付箋のようなメモを貼ったり、テキストの修正指示を入れたり、PDF上にさまざまな注釈をつけることが可能。また、雲型、引き出し線、寸法線など、CADで多用される描画マークアップツールを使用して、複雑な図面や技術書にもわかりやすくコメントを書き込めます。

● Acrobat 9でつけた注釈やコメントはAutoCAD図面に取り込むことができるので、効率的に図面の修正が行えます。

● 「共有レビュー」機能では、PDFに自分のコメントを書き込む際に、共有サーバに集められた他の人のコメントを参照することができます。 これにより、意見の行き違いを防ぐことができ、コメントの取りまとめも容易になります。

● 256bit-AESの高度な暗号化をサポート。PDFにパスワードを割り当てて、第三者による機密情報への不正アクセスを阻止します。

● デジタルID(電子証明書)を使用して、PDF文書を使用する人を限定することができます。

● 独自のセキュリティポリシーを作成、保存し、必要なときにPDFにすばやく適用できます。

● Adobe LiveCycle Rights Management ES*(別売)といったサーバ製品との連携により、より高度なセキュリティ設定が可能です。 たとえば、有効期限の設定や失効処理といった、配信後のPDFへのアクセス期限を制御することができます。

* Adobe LiveCycle Rights Management ESは、Adobe LiveCycleファミリーが提供するサーバベースソリューションの一つです。Rights Management ESについての詳細は、 http://www.adobe.com/jp/products/livecycle/rightsmanagement/を参照ください。

Acrobat 9では、PDFファイルそのものに高度なセキュリティをかけることができるため、たとえ機密文書がファイアウォールの外に出た

場合でも、その安全性を確保できます。PDFにパスワードを割り当てて、特定の人しかファイルが開けられないようにしたり、文書内容の

コピーや変更、印刷を許可するかどうかを設定できます。

図 面やデザインの 修正 指 示を 伝 える際に、電 話 やメール の文 章だけで は 、詳 細なイメージ

が伝わりにくいことがあります。また、紙に複数の関係 者がコメントを書き込む文書レビュー

(校 正)は、非常に煩 雑になりがちです。さらに人 数 が多くなれば、誰がどんなコメントをつ

けたか、取りまとめるのにもひと苦労です。

社外秘の技術情報や新製品の情報など、機密文書を扱う際には、情報の漏えいや第三者によ

る改ざんを防ぐための安全管理が不可欠です。しかし、ファイアウォールなどのシステムによ

るセキュリティでは、システムの外に出てしまったファイルを守ることはできません。

Acrobatの多様な注釈ツールを使用して、PDF上に注釈・コメントをつけることが

可能。「共有レビュー」では、レビュー担当者がお互いのコメントを参照しながら

効率的にレビューを行えます。

電子印鑑

引き出し線ツール

雲型ツール雲型ツール

ウィザード形式で、パスワードやデジタルIDによるセキュリティポリシーを

簡単に作成、保存し、PDFにすばやく適用できます。

パスワードを入力しないと、ファイルが開けら

れなかったり、文書内容のコピー、変更、印刷

などの操作が行えません。

Adobe Reader(8以降)ユーザ

が注釈ツールを使用して共有レ

ビューに参加できるよう、PDF

に権限をつけて送信できます。

Acrobat 9から直接アクセスできる新しいオンラインサービスのAcrobat.com

を利用して、共有レビューやPDFフォーム用のデータ収集などに利用できるほか、

画面同期によるリアルタイムコラボレーションも可能です。

ノートツール

スタンプツール

1250mm

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09 10

何 枚 もの 変 更 指 示 書、手 書 きで記 入していては 時 間 が か かる・・・

出 張 中 の上司 の 承 認 印 を 待っていたら、納 期 に間 に合 わない・・・

Adobe Acrobat 9なら、電子フォームを簡単に作成して、メールですばやく配信、回収できます。

Acrobat 9でPDFを活用する利点 Acrobat 9でPDFを活用する利点電 子 フォ ーム 電 子 署 名

Adobe Acrobat 9なら、「電子署名」で承認プロセスを効率化できます。

検 査

Acrobat 9を使用すれば、既存の変更指示書や申請書などから、入力フォームを備えたPDFを簡単に作成できます。さらに、メールでの

配信から回収、データ収集までの一連の業務を、すべてパソコン上で効率よく行えます。PDFフォームは、無償のAdobe Readerがあれ

ば、紙に記入するのと同じ感覚でデータ入力が行え、誤字などのミスも軽減されます。

● テキストフィールドやチェックボックス、コンボボックスなどの入力フォームを備えたPDFを簡単に作成し、電子メールですばやく配信、回収することが可能。また入力されたデータをスプレッドシートに書き出して集計したり、バックエンドシステムに容易に統合できます。

● 権限付きPDFを作成すれば、無償のAdobe Reader(8以降)を使用してフォームの入力、保存、電子署名の付与が行えます。

● 計算式やデータ検証などのビジネスロジックを組み込んだインテリジェントなPDF/XMLフォームを作成し、見積依頼(RFQ)および提案依頼(RFP)プロセスを効率化できます。

● PDFファイルに複数の「電子署名」を付与することができ、ネットワークを利用して承認プロセスを効率化できます。

● デジタルIDを使用して、署名を受領する人を特定することが可能。文書の改ざんを防ぐことができます。

● WindowsのMS CAPIをサポートしているので、Windowsの証 明書ストアと連携して電子署名の付与・検証ができます。またスマートカードのようなハードウェア認証トークンを使用することもできます。また、Acrobat Plug-inにより、サードパーティ製PKI*との連携も可能です。

● 文書の時間的な存在証明となるタイムスタンプをPDFに埋め込んで、電子署名の証拠能力をさらに高めることができます。

*PKI Public Key Infrastructure(公開鍵認証基盤)

Adobe PDFに印鑑の代替となる「電子署名」を入れることで、文書の原本性を証明することができます。標準化された公開鍵方式の電

子証明書を使ってその署名の本人性を検証し、事後否認などのトラブルを防ぎます。電子署名を利用すれば、社内はもちろん、遠隔地間

や会社間にわたる承認プロセスを容易に電子化することができ、申請業務を大幅に効率化できます。

検査工程では、製品の仕様変更はつきものです。変更箇所が多ければ、直ちに何枚もの設計

変更指示書を作成しなければなりません。従来の紙による変更指示書や申請書では、手書き

による誤字や記入漏れといったミスが生じやすく、配布や回収にも時間がかかります。

紙の書類に捺印して回覧する承認プロセスでは、承認者が出張中であったり、在宅勤務ある

いは遠 方の支社にいる場 合など、それだけで 大きな時間のロスとなります。また、承認プロ

セスを電子化すると、承認者の本人性の検 証や否認防止が必要になってきます。

PDFの「電子署名」は、秘密鍵(署名用)と公開

鍵(検 証 用)の2つ1組の鍵によって行われます。

まず、本人のみ所有する秘密鍵を使用して署名

を行い、暗号化します。暗号化されたデータは誰

にでも渡せる公開鍵を使用して復号化し、署名

の検証を行います。

署名が検証されると、 

「?」マークが「 」の表示に変わります。

PDFにタイムスタンプを埋め込むこと

により文書の存 在証明が可能となり、

図面や設計図などの知的財産の保護

に役立ちます。

フォームウィザードを使用して、紙の書類や電子文書から簡単に電子フォーム

文書を作成できます。作成する際に、Acrobatが既存の文書の記入欄を自動認

識して、入力可 能なPDFフォームに変換します。

Acrobat 9では、返信されたフォームデータは、1つのAdobe PDFに収集され、

検索やデータの書き出しも簡単に行えます。

自動生成されるデータ収集用のAdobe PDFで、

収集したデータを容易に閲覧、検索できます。

データをCSVまたはXML形式にすばやく書き出して、集計や

分析を行うことができます。

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文書の情報交換を規定するPDF/E(Engineering)

は、ISO -24517として承認されています。また

現在、ユニバーサルアクセスを規定するPDF/UA

(Universal Access)のISO規格承認が検 討

されています。

PDF/EPDF/UA

11 12

新 製 品 の 特 長 を、もっと手 軽 に 、効 果 的 に伝 えたい・・・

増え 続 ける資 料 の 山 。管 理 コストも 増え 続 ける 一方・・・

Adobe Acrobat 9なら、ビデオや3D を取り入れたより伝わりやすい電子マニュアル / カタログを効率よく作成できます。

Acrobat 9でPDFを活用する利点 Acrobat 9でPDFを活用する利点マ ニ ュアル 作 成 文 書 の 長 期 保 存

Adobe Acrobat 9なら、情 報管理コストを大幅に削減 。大量の資料をPDF に変換し、長期にわたって安全に保管できます。

販 売/保守 保 管

従来と同じ方法で作成されたマニュアルをPDFに変換し、しおりやリンク、さらにはビデオやアニメーション、3Dなどを追加して、表現力と説

得力のある電子マニュアル/カタログを作成できます。PDFはCD/DVDやWebを利用して手軽に配信できるため、印刷コストを削減。無償の

Adobe Reader*1があれば誰でもこのPDFを開くことができ、ムービーを再生したり、3Dモデルをインタラクティブに操作することができます。

● PDF内の画像やテキスト、表などを取り出して、Microsoft WordやExcel、PowerPointなどのアプリケーションへ簡単に再利用できます*2。

● PDFにビデオ、オーディオ、Flash、3D(U3D、PRCフォーマット)といったマルチメディアコンテンツを埋め込むことが可能です。

● Acrobatファミリーの最上位製品であるAcrobat 9 Pro Extendedなら、ムービーや3DモデルをMicrosoft Power Pointに直接貼り付けるなど、プレゼンテーション用の素材として再活用することも可能です。

● Acrobat 9 Pro Extendedに付属のAdobe 3D Reviewerを使用すれば、PDFに埋め込まれた3Dモデルのカラーやマテリアルの変更、2D画像化、アニメーション設定などが可能。3Dモデルをマニュアルやカタログ用の素材として再活用できます。

*1 Adobe Reader 8.1以降となります。 *2 情報の再利用は、セキュリティ設定のないPDFが対象となります。

● 過去の紙文書や映像資料をすべてPDFに変換し、企業全体のナレッジとして共有できます。

● PDFにインデックスファイルを付けておけば、大量のデータから必要な情報をすばやく検索できます。

● Adobe PDFは仕様が100%公開されたオープンなファイルフォーマットなので、開発・サポートの中止といった不安を抱くことなく、 将来にわたって安心してPDFを利用できます。

● アドビは、ISO、ANSI、AIIM*などの主要な標準化団体や協会のメンバーとして、PDFに関するさまざまな標準化への取り組みを行っています。

*ISO : 国際標準化機構 ANSI : アメリカ規格協会 AIIM : 国際画像情報協会

企業内の膨大な資料をAdobe PDFに変換すれば、管理コストや保管スペースを大幅に削減できるだけでなく、社内のネットワークを通じて全員

が情報を共有し、検索も容易に行えます。PDFフォーマットはISO規格として認められており、CADネイティブデータとそれに付帯する技術文書

を1つのファイルで管理できるので、PLMや文書管理システム上に登録すべきドキュメント数を削減、安全かつ効率的な情報管理が可能です。

新製品の情報を世界中のユーザや販 売会社にいち早く提 供するために、マニュアルやカタロ

グ制作の効率化と品質向上が求められています。しかし、紙ベースのマニュアルやカタログは、

印刷や配 送に多くの時間とコストがかかり、表現に限りがあるため、製品の特長を伝えきれ

ない場合があります。

大量の紙文書や写真、ビデオなどを長期にわたって保管し、維持していくためには、広いスペー

スと多額なコストが必要となります。また、ただ保管してあるだけでは、いざ資料を利用したい

時に、膨大な量の紙の中から必要なものをくまなく探さなければなりません。増え続ける資料

を情報資産として安全に管理し、効率的に運用できる方法を、多くの企業が求めています。

ムービーや音声、アニメーション、リンクなどを

埋め込んだインタラクティブな電子マニュアル

を作成できます。

PDFに3Dモデルを埋め込むことができま

す。ボタンをクリックして、3Dモデルをさ

まざまな角度から表示したり、異なるカ

ラーやパーツをシミュレーションしたり、

効果的なプレゼンテーションが可能です。電子文書を永年にわたり安全確実に保存するには、

「フォーマット」「記録媒体」「運用ルール」をそれぞ

れ定め、技術革新にあわせた柔軟な対応が必要です。

PDF/A(Archive)は、電子文書の「長期保存」を規定

するISO規格として、2005年9月に標準化されました。

P D F / X( E x c h a n g e )は 、I S O に よって 標 準 化

(ISO15930)された電子送稿用フォーマットの国

際規格です。Acrobat 9を使用すれば、プロフェッ

ショナルな印刷における最も信頼性の高いプリプ

レスデータの作成および検証が可能になります。3Dの組立分解アニメーションが再生されるような、JavaScriptによるコントロールも可能です。

PDF/A

PDF/X

Adobe PDFはインターネット上での電子文書と

して広く普及しているため、日本工業標準調査

会の審議を経て、2000年2月に当時の通商産

業大臣により標準情報(TRX0026)として公表

されました。

TRPDF 1.7は、2008年7月2日にISOの規

格承認を受けて電子文書フォーマット

の国際規格(ISO 32000-1)となりまし

た。これにより、将来に渡ってより安心

してPDFを利用することができます。

PDF 1.7

Page 8: 製造業向け ACROBAT ソリューションガイド...Autodesk® AutoCAD®および3D CADアプリケーションから、開いている文 書をボタン1つでAdobe PDFに変換、紙の書類もスキャナから読み込んで

13 1413 アドビのホームページでは、この他にも多くの事例を掲載しております。http://www.adobe.com/jp/products/features/acrobat.html をぜひご覧ください。

Adobe Acrobat 導入事例

ADOBE® ACROBAT®による簡易電子承認システムで設計変更・工程変更手続きの承認時間を最大1/7に短縮

ソニー株式会社 半導体事業本部

デジタル機器のキーデバイスである半導体レーザで世界トップシェア

を誇るソニー株式会社。消費者ニーズの多様化や製品ライフサイクルの

短命化に対応するために、半導体レーザの開発・製造リードタイムの短

縮が大きな課題だ。2007年、トレーサビリティが必須である設計変更・

工程変更手続きの承認業務をAdobe Acrobatによって電子化し、承認

時間を最大1/7に短縮した。

工程変更連絡書の承認時間短縮が課題

ソニーの半導体レーザの生産拠点は、宮城県にあるソニー白石セミコ

ンダクタ株式会社である。ここは、半導体レーザの開発、設計から量

産、カスタマーサービスまでを一貫して行える、ソニーの中でも重要な

事業拠点だ。事業全体を統括しているのはマイクロデバイス事業部で

あり、本部を神奈川県厚木市の厚木テクノロジーセンターに置く。ここ

は、半導体を中心とした先端デバイスの強化を図り、ソニーの成長戦

略実現に向けた重要な拠点である。

厚木テクノロジーセンターとソニー白石セミコンダクタは、設計や工程

にかかわる情報のやり取りを頻繁に行っている。設計変更や工程変更

を行う際には、トレーサビリティを確保するために「誰が、いつ、どん

な背景、どんな技術的根拠に基づいて起案して、そして、誰の承認を受

けて、いつから工程に導入されたのか」といったことをすべて記録とし

て残しておく必要があり、それが工程変更連絡書となる。

マイクロデバイス事業部では、ブルーレイディスク、DVD、プリンタな

ど、それぞれのビジネスカテゴリごとに7名の責任者が工程の変更を

承認している。工程変更によっては、ビジネスカテゴリをまたがって関

係している案件もあり、多い場合は7名全員の承認を得る必要がある。

以前は、80ページ前後になる連絡書を紙で回覧し、各責任者に承認

を依頼していた。しかし、責任者は出張が多く、全員の承認を得るの

に平均1週間のリードタイムがかかっていたため、どうにかして承認時

間を短縮することが課題だった。

Adobe Acrobatによる承認業務改善を提案

承認業務フローの改善策として提案されたのが、PDFを活用した電子承

認だ。Adobe Acrobatを使えば簡単に電子承認を行うことができ、承認

者はAdobe Readerさえあれば使えるという点が、採用の大きなポイン

トだった。その後、Acrobatで初期設定の電子印鑑をカスタマイズし、今

までの社員番号、部署名、氏名を表示できるようにした。また、工程変

更連絡書には添付資料が付くが、内容により全体のファイルサイズが大

きくなる場合がある。そこで、メール添付の容量は1MB以内にし、それを

超える場合は工程変更連絡書PDFをサーバに上げ、ダウンロードできる

仕組みにすることで容量問題を解決した。

承認時間を最大1/7に短縮

こうして簡易電子承認システムは、2007年に本格的に稼働する。承認

者は、メールに添付された承認PDFとサーバ上の工程変更連絡書PDF

をダウンロードして確認を行う。手元にAdobe Readerさえあれば、

承認PDFのボタンを押して電子印鑑を押すことができ、コメントも記

入できる。これまで平均1週間かかっていた承認作業が、1日で7人の責

任者全員から承認を得られるようになった。工程変更連絡書のコピー

も不要になり、ペーパーレスという点でも効果があった。また、履歴を

サーバに残しているため、必要なときにいつでも参照できるという点

も、業務効率を向上させている。

他部署にわたる水平展開を計画

PDFによる簡易電子承認システムの効果は他部署でも評判になり、試し

に使い始めるところも出ているという。Adobe Acrobatは、数十人規模

までの承認業務を手軽に電子化でき、今後は他の部署にも広げることを

考えている。直近では、ISOに基づく商品化イベントの成果物を電子化し

て残す際、Acrobatの承認機能を一部利用する予定だ。

Acrobatを活用した工程変更連絡書 ソニー株式会社 厚木テクノロジーセンターhttp://www.sony.co.jp/所在地: 神奈川県厚木市旭町 4-14-1

日本ビクター株式会社http://www.jvc-victor.co.jp/所在地:横浜市神奈川区守屋町 3-12

会社概要1946年、「自由豁達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」を目的の一つとして設立された「東京通信工業株式会社」

は、今や世界のSONYとして全従業員約18万人、国内外120を超える関連会社を擁し、売上9兆円に迫る(いずれ

も連結ベース、2008年3月)グローバル企業に成長した。現在では、オーディオ、ビデオ、テレビ、情報・通信、半

導体、コンポーネントと多岐にわたる事業を展開。2010年度までには、ソニーの主要製品の大半をネットワーク・

ワイヤレス対応にし、さまざまなソニー製品に対してコンテンツを提供するサービスも展開するなど、ソニーなら

ではの強みを生かした事業を推進している。

会社概要1927年に設立されて80年余。1939 年に日本初のテレビジョン受像機を完成して以来、数々の日本初や世界初の

製品を送り出してきた。ステレオLPレコード国産第1号機発売(1958年)、家庭用ビデオの世界標準になったVHS

ビデオの発売(1976年)、世界初のポケットサイズデジタルムービー(1995年)、世界初の家庭用デジタルハイビ

ジョンビデオカメラ発売(2003年)、世界初のフルハイビジョン記録を実現した家庭用ハードディスクビデオカメ

ラを発売(2007年)するなど、現在では世界27カ国31拠点でお客様に感動を演出する製品を提供している。

Adobe Acrobat 導入事例

部品メーカーとの納入仕様書交換をADOBE® ACROBAT®で電子化し、コスト削減と同時に文書交換時間を大幅に短縮

日本ビクター株式会社

音と映像にこだわりをもった数多くの日本初や世界初の製品を生み出

して業界をリードし、世界中の文化に貢献してきた日本ビクター株式会社

(以下:ビクター)。それらの製品は、セットメーカーであるビクターと数

百社に上る部品メーカーとの緊密なサプライチェーンを通して誕生する。

2007年、紙で交換していた納入仕様書をAdobe Acrobatによって電子

化したことで、コピーと配送コストが不要になっただけでなく文書交換

時間が大幅に短縮され、一層のコラボレーション体制が強化された。

改ざん防止と捺印が納入仕様書電子化の壁

電子機器および半導体・電子部品の業界では、JEITA(社団法人 電子情

報技術産業協会)にて、商取引情報および技術情報を企業間で電子交

換・再活用が可能となるよう、用語・取引にかかわる情報の種類・形式を

標準化し維持管理を行っている。

部品はセットメーカーと部品メーカーの合意に基づいて仕様が決定され

る。その仕様を記述したのが納入仕様書であり、でき上がった部品の検収

作業に不可欠なものだ。最近は部品メーカーからJEITAで標準化している

部品情報などを入手して製品設計なども行う。また2003年には、JEITAの

ECALSカタログ情報検索も導入したが、納入仕様書の交換は依然として

紙ベースのままだった。紙で運用してきた納入仕様書を電子化するには、

改ざん防止と、責任者印を代替する機能が必要だった。また標準化され

たシステムでなければ、多くの企業が利用できないため普及の壁となる。

Adobe Acrobatで電子署名の改ざんを防止

2006年10月、ビクターはJEITAが推進しているECALGA(Electronic

Alliance for Global Business Activity)標準を採用し、PDF+XMLによ

る納入仕様書電子交換システムを導入した。

納入仕様書は、部品メーカーがセットメーカー指定の納入仕様書の表

紙に必要事項を記入し、指定部数をコピーし、表紙に責任者印を押印し

て提出する。セットメーカーでは、複数の関係部門が確認のつど押印し、

最後に責任者印を押印して部品メーカーに一部返却する。このワークフ

ローをPDFで運用するには、関係者全員が必要項目の入力や電子印鑑、

電子署名をするためのPDF変換ソフトが必要になり、導入ハードルを高く

していた。そこでAdobe Acrobatを使用して、セットメーカーで納入仕様書

の表紙を作成し、電子署名欄、入力フィールドを設定後、Adobe Reader

での入力、電子署名等の操作権限を付与して部品メーカーに送付する。

このPDFの納入仕様書の表紙を活用することで、セットメーカー、部品

メーカーともに関係者は、Adobe Readerを使用して入力、ファイル添

付、電子署名が可能になり一気に導入ハードルが下がり実用化できた。

納入仕様書のコピーが不要になり交換時間を大幅に短縮

納入仕様書をPDF化した結果、ビクターと部品メーカーの間では大き

な効果が得られた。従 来、紙の納入仕様書は社内出図用のコピーを

複数部要求していたため、取り寄せに宅配便等を利用し、4~20日間

かかっていた。そして部品の仕様情報を自社のデータベースに手入力

していたところを、PDF+XML化したおかげで自動的に取り組むこと

ができミスもなくなり、交換は最短で1日に短縮でき格段に早くなった。

しかも、履歴が残るため、修正があった場合でも、差分データを確認

するだけで済み、さらに時間短縮につながる。

ビクターでは、部品メーカーとのやり取りだけでなく、社内確認にも納

入仕様書PDFを活用することで、部品認定時間の短縮や精度向上に役

立てている。

海外との取引にも活用

まだ 海 外で も 納 入仕 様 書 の 電 子 化 の 標 準 は なく、今 回 の A d o b e

Acrobatを活用したPDFとセルフサインによる納入仕様書電子交換の

動向は大きな影響を与えることが予想される。今回の納入仕様書の電

子化は、海外を含むビクターが取引しているほとんどの部品メーカー

に拡大する計画だ。

Acrobatを活用した納入仕様書

Page 9: 製造業向け ACROBAT ソリューションガイド...Autodesk® AutoCAD®および3D CADアプリケーションから、開いている文 書をボタン1つでAdobe PDFに変換、紙の書類もスキャナから読み込んで

Adobe Acrobat 9 Pro Extended/Pro/Standardは、使用するクライアントPCごとに使用権が必要です。Adobe Acrobat 9 Pro Extended/Pro/Standardをネットワークなどを介して直接あるいは間接に複数の端末から使用する場合、使用製品のライセンスを端末と同数ご購入ください。Adobe Acrobat 9 Pro Extended/Pro/Standardは、クライアント用ソフトウェアであり、サーバ用ソフトウェアとしてお使いいただくことは、上記方法による以外、許諾されていません。複数のライセンスをご購入される場合にはアドビ ライセンス プログラムをご利用になるとお得です。ご注意ください

製品の詳しい情報は 

www.adobe.com/jp/acrobat

ニーズに合わせて選べる、新しい Adobe Acrobat 製品ファミリー

Windows®

Windows®/Mac OSWindows®

ビデオも3Dも。さまざまな情報をPDFにして より多くの人と共有・活用

多様な情報を表現力豊かなAdobe PDFに。 チームで幅広く共有・活用

信頼性の高いAdobe PDFドキュメントや フォームを簡単に作成・活用

Adobe PDFの表示、印刷、検索を行える無償のソフトウェア。 (アドビのWebサイト www.adobe.com/jp よりダウンロードできます)

● さまざまな文書をAdobe PDFに束ねて、閲覧性を向上● Adobe PDFフォームを利用したデータ収集● Adobe PDFを使用した文書レビューや電子承認

● 効果的な提案書や資料作りに最適な PDFポートフォリオの作成

● Adobe Readerユーザを含む幅広いチームと Adobe PDFを活用

● より高度なAdobe PDFフォーム作成と編集

● Acrobat 9のすべての機能を搭載した最上位製品● ビデオや3Dを含むさまざまな情報を

幅広いチームで閲覧・共有できるAdobe PDFに● インタラクティブなeラーニングコンテンツの作成

ADOBE ACROBAT 製品ファミリーの機能比較

主 な 機 能 Adobe Acrobat 9Standard

Adobe Acrobat 9Pro

Adobe Acrobat 9 Pro Extended

印刷機能のある、あらゆるアプリケーションからPDFを作成し幅広いチームで共有が可能。 Microsoft Word、Excel、PowerPointやInternet ExplorerからのワンボタンPDF変換*

● ● ●

パスワードやデジタルIDによる256ビット暗号化を用いたセキュリティの設定をして個人情報や機密情報の漏洩を防止(PDF文書へ印刷、コピーおよび編集の権限を適用)

● ● ●

複数の文書ファイルを元のファイル形式のままひとつのPDFとしてまとめる(PDFポートフォリオ) ● ● ●

Adobe Readerで記入可能なフィールドを配置したPDFフォームを簡単に作成し配布することにより 効率的なデータ収集や進捗管理、返信されたデータの分析が可能

● ● ●

操作性、デザイン性に優れたPDFポートフォリオを付属するテンプレートを用いて簡単に作成し、 伝えたい情報をより効果的に伝達することが可能

● ●

文書の比較機能によって、修正のあった2文書間の変更箇所をハイライトしてすばやく確認 ● ●

Adobe Readerユーザにレビューへの参加、電子署名使用、タイプライターツール使用の権限を付与 ● ●

ダイナミックなXMLフォームの作成が可能なAdobe LiveCycle Designer ES同梱* ● ●

墨消しツールによって文書内の一部の情報を恒久的に削除し、個人情報や機密情報の漏洩を防止 ● ●

AutoCAD、Microsoft Visio、Microsoft ProjectからワンボタンPDF変換し、 同じアプリケーションを保持していない人とも情報の共有が可能*

● ●

PDFの最適化機能で既存のPDF文書の互換性確保や、ファイルサイズ縮小のための詳細設定が可能 ● ●

PDFファイルにさまざまな形式の動画ファイル(対応形式:FLV、H.264、mov、mpeg、wmv、aviなど)を埋め込んで情報共有の円滑化

● ●

さまざまなフォーマットの動画をFLV形式に変換して、PDFに埋め込むことにより、 効果的な情報の伝達が可能(変換した動画はAdobe Reader 9で再生可能)

Microsoft Power Pointのスライドに音声や動画、クイズを挿入したインタラクティブな eラーニングコンテンツの作成が可能なAdobe Presenter同梱

主要なCADアプリケーションで作成された3DモデルをPDFに変換して、共有やコラボレーションを実現 ●

* Windows版のみ

Adobe、Adobe ロゴ、Acrobat、Adobe LiveCycle Designer、Adobe PDF、Adobe PDF ロゴ、Adobe Presenter、およびAdobe Readerは、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の米国ならびに他の国における商標または登録商標です。Mac OSは、米国および他の国々におけるApple Inc.の商標です。Microsoft、および Windowsは米国Microsoft Corporationの米国、日本およびその他の国における登録商標または商標です。その他すべての商標は、それぞれの権利帰属者の所有物です。©2008 Adobe Systems Incorporated. All rights reserved. ASJST786 12/08

この冊子に記載の情報は、2008年12月現在の情報です。内容に関しては予告なく変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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