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『IT人材白書2013』 概要 20133独立行政法人情報処理推進機構 IT人材育成本部

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『IT人材白書2013』 概要

2013年3月

独立行政法人情報処理推進機構

IT人材育成本部

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IT人材白書2013の全体構成

第1部 IT人材の重要性とIT人材白書について

第1章 はじめに

第2章 メッセージと調査結果のポイント

第2部 IT人材の現状とIT人材を取り巻く環境

第1章 わが国のIT人材の全体像

第2章 IT企業におけるIT人材の動向

第3章 ユーザー企業におけるIT人材の動向

第4章 教育機関におけるIT人材育成の動向

第5章 組込みソフトウェア関連産業の現状

第3部 IT人材育成施策

第1章 ユーザー企業・IT企業のグローバル動向について

第2章 WEB企業とWEB人材の動向

第3章 IT人材個人の動向

第4部 IT人材育成施策

第1章 2012年度情報処理技術者試験の動向

第2章 産学連携による実践的なIT人材育成の普及に向けた取り組み

第3章 突出した人材(若年層)の人材発掘・育成の取り組み

第4章 スキル標準の活用と施策

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2012年度実施調査一覧

対象 調査名

アンケート

方法 調査対象 回答数 概要編中

マーク

企業・教育機関向け

IT人材動向調査

(IT企業向け調査) 郵送 IT企業 3,000社 564

IT人材動向調査

(ユーザー企業向け調査) 郵送 上場企業(IT企業除く) 3,000社 343

オフショア/グローバル動向調査( IT企業向け調査)

郵送 IT企業 1,000社 257

IT人材動向調査

(WEB企業向け調査) 郵送 WEB企業 118社 23

情報系学生・教育動向調査

(教育機関向け調査) 郵送

教育機関(大学院、大学学部、高専、専門学校)の情報系学科 486学科・専攻

239

個人向け

IT人材動向調査 WEB

IT業務に従事するIT人材 計2,900名 - IT企業に所属するIT技術者 (1,000名)

- ユーザー企業に所属するIT技術者 (1,000名)

- 組込みソフトウェア開発に携わる組込み技術者 (600名) - WEB業務に従事するIT技術者 (300名)

2,900

未踏人材動向調査 WEB IPAが認定した未踏人材 677名 142

インタビュー調査 - グローバル展開を行っているIT企業および

ユーザー企業(10社)、WEB企業(10社) 20

その他IPA調査 - IPAによる他調査から引用 -

グローバル

ユーザー企業

教育機関

未踏人材

インタビュー

IT人材

その他

IT企業

WEB企業

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IT人材白書2013メッセージ

サブタイトル

強みを活かし多様化の波に乗れ

~グローバルIT人材、WEB人材に求められるスキルとは~

本年度調査結果のポイント

ユーザー企業の動向とIT人材の現状

~環境変化に対応した人材需要と活発な海外展開~

拡大するクラウド関連サービスの利用

環境変化に対応したIT人材の需要の高まり

活発な海外展開と不足するグローバルIT人材

WEBビジネス企業の動向とIT人材の現状 ~ITの新たな潮流~

成長するWEBビジネス市場

取引形態によるWEB企業の区分と開発業務の種類

IT企業と異なる体制、開発スタイル(企画、開発、運用一体、アジャイル開発)

WEB企業で求められる人材要件と人材需要の高まり

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IT人材白書2013メッセージ

本年度調査結果のポイント

IT企業の動向とIT人材の現状 ~多様化に向かうIT企業~

従業員規模で異なる新たな事業への取組み状況

WEB関連業務の人材のシフトの動き

ユーザー企業に遅れるグローバル化と課題

強みを活かしたグローバル展開の兆し

IT人材の流動 ~新たな動き先と求められるスキル・能力~

IT企業からユーザー企業、WEBビジネス企業へ人材が流動

経営戦略やビジネスモデルによって異なる求められるスキル・人材

IT人材の学ぶ力、企業の学ばせる力

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ユーザー企業の動向とIT人材の現状 ~環境変化に対応した人材需要と活発な海外展開~

拡大するクラウド関連サービスの利用

環境変化に対応したIT人材の需要の高まり

活発な海外展開と不足するグローバルIT人材

(ユーザー企業)

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ユーザー企業におけるクラウド関連サービスの利用拡大

ユーザー企業におけるクラウド関連サービスの利用動向において、SaaSは昨年度調査より利用中が10%増加している。また、PaaSは

昨年度5.4%から11.4%に利用中が倍増し、IaaSも5%増加している。

2010年、2011年度調査に引続き、クラウドサービスの利用が着実に拡大しており、この数年で大きな環境変化をもたらしていると言え

る。

クラウド関連サービスの利用

ユーザー企業

44.3%

33.7%

11.4%

5.4%

14.6%

9.3%

48.4%

57.3%

76.4%

80.6%

74.3%

77.0%

7.3%

9.0%

12.2%

14.0%

11.1%

13.7%

0% 25% 50% 75% 100%

2012年度(N=343)

2011年度(N=335)

2012年度(N=343)

2011年度(N=335)

2012年度(N=343)

2011年度(N=335)

Saa

SPaa

SIa

aS

現在利用中 現在は利用していない 無回答

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受託開発からITサービス利用への継続的シフト (従業員規模別)

ユーザー企業

ユーザー企業が今後利用拡大を考えてい

るITサービスとして、「IDCサービス(ハウジ

ング、ホスティング、HaaS・IaaS等)」や

「SaaS・PaaSサービス」の割合が、引き続き

高い割合となっている。一方、「システム受

託開発」を拡大したいという回答は、3割以

下になっており、ITサービス利用へのシフト

が続いている。

従業員規模別で傾向に違いはあるものの、

IT企業ほど大きくはなく、ユーザー企業全体

に見られる傾向であることがかわる。

今後利用拡大を考えている外部のITサービス(従業員規模別)

4.8%

7.1%

6.0%

10.7%

29.8%

19.0%

25.0%

25.0%

17.9%

11.9%

31.0%

29.8%

10.9%

10.1%

10.9%

16.8%

34.5%

20.2%

29.4%

31.9%

14.3%

26.1%

42.0%

41.2%

11.4%

8.3%

10.6%

12.9%

28.0%

15.2%

25.0%

19.7%

9.1%

19.7%

42.4%

43.2%

0.0% 25.0% 50.0% 75.0% 100.0%

経営/業務改革コンサルティング

システムコンサルティング

IT投資評価・システム監査

システムインテグレーション

システム受託開発(業務系・情報系など)

システム委託開発(専門技術系)

パッケージソフトウェア購入

パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ

ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発

ネットワークアウトソーシング(下記ASP、IDC以

外)

IDCサービス(ハウジング、ホスティング、HaaS・IaaS

等を含む)

ASPサービス(SaaS・PaaS等を含む)

300名以下(N=84) 301名以上1000名以下(N=119)

1001名以上(N=132)

14.6%

11.5%

13.5%

12.5%

26.0%

25.0%

8.3%

34.4%

22.9%

31.3%

11.5%

11.5%

13.3%

9.7%

14.2%

22.1%

34.5%

31.9%

12.4%

40.7%

30.1%

37.2%

19.5%

18.6%

21.6%

14.9%

18.7%

24.6%

33.6%

32.8%

9.0%

46.3%

35.8%

49.3%

23.9%

22.4%

0.0% 25.0% 50.0% 75.0% 100.0%

業務改革・システムコンサルティング

IT投資評価・システム監査

システムインテグレーション

システム受託開発

パッケージソフトウェアの購入

パッケージソフトウェアの導入・カスタマイズ

ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発

IDCサービス(ハウジング、ホスティング、HaaS・IaaS

等)

ASPサービス(SaaS・PaaS以外)

SaaS・PaaSサービス

その他運用サービス等(遠隔監視サービス、受託計算

サービス等)

上記以外のITアウトソーシングサービス(ネットワー

クアウトソーシング等)

300名以下(N=96) 301名以上1000名以下(N=113)

1001名以上(N=134)

前年度調査 今年度調査

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環境変化対応したIT人材の需要の高まり ユーザー企業

ITを活用した新事業・新サービスの必要性に対する認識は、従業員規模の大きな企業ほど高い傾向にある。特に、従業員数1,001名以上

の企業では、「きわめて強く認識されている」という回答が23.9%となっており、従業員数1,000名以下の企業の回答の2倍以上となっている。

新事業や新サービスの創出という“攻めのIT”を主導できるIT人材の確保の状況については、「大幅に不足している」、「やや不足してい

る」という回答を合わせると、9割となっており、ほとんどのユーザー企業のIT部門において、新事業や新サービスの創出を主導できるIT

人材が不足しているという実態が示されている。

ITを活用した新事業・新サービスの必要性に対して一定レベルの認識はありながらも人材が不足している状況が浮き彫りになっている。

ITを活用した新事業・新サービスの必要性に 対する認識(従業員規模別)

新事業・新サービスの創出を主導できる IT人材の確保の状況(従業員規模別)

11.5%

8.8%

23.9%

29.2%

37.2%

36.6%

19.8%

26.5%

14.9%

37.5%

26.5%

2.1%

0.9%

23.9% 0.7%

0% 25% 50% 75% 100%

300名以下(N=96)

301名~1,000名(N=113)

1,001名以上(N=134)

きわめて強く認識されている ある程度強く認識されている

何となくではあるが認識されている 特に認識されていない

無回答

49.0%

39.8%

50.7%

41.7%

49.6%

40.3%

5.2%

5.3%

4.5%

4.2%

5.3%

4.5%

0% 25% 50% 75% 100%

300名以下(N=96)

301名~1,000名(N=113)

1,001名以上(N=134)

大幅に不足している やや不足している おおむね確保できている 無回答

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情報セキュリティ対策の優先度 ユーザー企業

ユーザー企業のIT利活用における情報セキュリティ対策の優先度については、約2割の企業が「きわめて高い」、約6割の企業が「ある程度

高い」と回答している。

従業員規模別の結果を見ると、従業員数1,001名以上の企業では、情報セキュリティ対策の優先度が「きわめて高い」と回答した割合が約3

割となっている。「ある程度高い」という回答と合わせると9割を超える企業が情報セキュリティ対策の優先度が高いと回答しており、IT利活

用における重要事項であることがわかる。

IT利活用における情報セキュリティ対策の 優先度(従業員規模別)

IT利活用における情報セキュリティ対策の優先度

21.0% 59.8% 18.4% 0.9%

0% 25% 50% 75% 100%

N=343

きわめて高い ある程度高い あまり高くはない 無回答

12.5%

19.5%

28.4%

58.3%

55.8%

64.2%

27.1%

23.9%

7.5%

2.1%

0.9%

0.0%

0% 25% 50% 75% 100%

300名以下(N=96)

301名~1,000名(N=113)

1,001名以上(N=134)

きわめて高い ある程度高い あまり高くはない 無回答

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活発な海外展開と不足するグローバルIT人材 ユーザー企業

ユーザー企業の50%以上が海外での生産・調達・販売活動を実施しており、海外で活動を行う企業の90%強以上が海外拠点を持っている。

さらに、研究開発においても、15%のユーザー企業が海外で活動を行っている。

国内外における事業活動の実施割合 事業活動別の海外拠点の有無

83.7%

87.5%

55.1%

57.1%

15.7%

9.9%

7.3%

36.4%

35.0%

70.0%

6.4%

5.2%

8.5%

7.9%

14.3%

60.1%2.9% 37.0%

0% 25% 50% 75% 100%

国内での生産・調達活動(N=343)

国内での販売活動(N=343)

海外での生産・調達活動(N=343)

海外での販売活動(N=343)

海外での研究開発活動(N=343)

海外でのその他の活動(N=343)

行っている 行っていない 無回答

91.0%

93.4%

60.0%

7.9%

6.1%

20.0% 20.0%

90.7% 3.7% 5.6%

1.1%

0.5%

0% 25% 50% 75% 100%

海外での生産・調達活動(N=189)

海外での販売活動(N=196)

海外での研究開発活動(N=54)

海外でのその他の活動(N=10)

海外拠点有り 海外拠点無し 無回答

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グローバルIT人材に求められる能力と不足する人材 ユーザー企業

ユーザー企業の「グローバル人材」の確保状況は「大幅に不足している」が最も多く、46%である。一方「確保できている」は3%弱にすぎず、

グローバル展開に伴い、人材の不足感が高い状況にあることが確認できる。

グローバルIT人材の確保状況 グローバルIT人材に求められる能力

海外生産・販売活動を行うユーザー企業において、グローバ

ル人材に求められている能力として、「語学力」「マネジメント

能力」「海外現地拠点の業務に関する知識」「交渉力・説得

力」が上位となった。

27.7%46.1% 23.3%

2.9%

0% 25% 50% 75% 100%

N=343

大幅に不足している やや不足している おおむね確保できている 無回答

66.9%

49.1%

46.0%

39.9%

35.0%

30.7%

25.8%

25.2%

23.9%

23.3%

22.7%

17.2%

3.7%

1.2%

1.2%

8.6%

0.0% 25.0% 50.0% 75.0% 100.0%

語学力

マネジメント能力

海外現地拠点の業務に関する知識

交渉力・説得力

積極性・チャレンジ精神

リーダーシップ

協調性・柔軟性

現地の商慣習に対する知識

技術力

多様性に対する許容力

企画力

ストレス耐性・頑健性

現地の歴史・文化に対する知識

日本の歴史・文化に関する知識

その他

無回答

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WEBビジネス企業の動向とIT人材の現状 ~ITの新たな潮流~

成長するWEBビジネス市場

取引形態によるWEB企業の区分と開発業務の種類

IT企業と異なる体制、開発スタイル(企画、開発、運用一体、アジャイル開発)

WEB企業で求められる人材要件と人材需要の高まり

(WEB企業)

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WEBビジネス市場の拡大

「経済産業省平成23年度次世代高信頼・省エネ型IT基盤技術開発・実証事業 (ウェブビジネスの動向を踏まえたIT産業における競争力強化戦略に関する調査研究)より」

近年、ITの分野では、インターネットを活用した“WEBビジネス”が急速な拡大を見せている。2010年時点のWEBビジネス市場規模は約10

兆円であるが、2020年には5倍弱に成長すると推計されている。

WEB企業

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取引形態によるWEB企業の区分と開発業務の種類

WEB企業の取引形態は、企業対象の商取引を主とするB to B企業と、個人対象の商取引を主とするB to C企業に分類できる。B to B企

業の主な業務内容はWEB関連ビジネスのコンサルティングやWEBサイトの受託開発などであり、B to C企業の主な業務内容はWEBサイト

の運営やネットゲームの提供などである。B to B企業とB to C企業では、業務内容だけでなく、開発体制も異なることが多い。B to B企業

では一部アウトソースを行うこともあるが、B to B企業では企画から実装、運営までを一貫して行っていることが多い。

WEB企業

B to B企業、B to C企業ともに、開発業務は大きく2種類に区分できる。サービスの企画やサービスの企画や開発を行う業務と、サービス

を提供するための基盤やインフラを構築・運用する業務である。

取引形態によってB to BとB to Cに分類できるWEB企業

開発業務はサービス開発と基盤系に区分

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WEB企業の中でも、特に個人対象の取引を主体とするB to Cサービス企業では、企画から開発、その後のサポートまでを少人数の

チームで一貫して行っている傾向が把握された。開発期間が短いことが多く、仕様変更にも柔軟に対応する必要があることから、開発

手法としてアジャイル開発を用いる傾向が見られる。

インタビュー調査より

WEB企業インタビュー

各チームのエンジニアが企画、開発から運用までを分担して担当している。 自社サービスを支えるシステムは内製を基本としている。外注する場合も、技術者派遣を利用し、自社に来てもらう形で開発業務を

実施している。 自社でニーズを発見しシステムを開発することを強みとしているため、システムはほぼ内製しているが、開発ツールやユーザーサ

ポートなどの一部のシステムは他社から購入している。 企画が決まるとメンバーが集められてスクラムが組まれ、2週間単位のスプリントで開発が進められる。

以前より仕様変更が多いなどの業務上の要求から、現場主導で自然にアジャイル開発を行うようになっている。

提供するサービスの区分ごとに、企画、開発、運用の担当者を配した組織を設けている。開発と検証結果のサイクルを素早く回転させるため、組織の規模は10人以下としている。

WEB企業

企画、開発、運用を兼務した少人数で開発体制傾向

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企画、開発、運用を兼務した少人数で開発体制傾向

「WEB技術者」は他のIT技術者と比較して「アジャイル型」と回答した割合が最も高くなっている。「ベンダーIT技術者」の半数以上

は「ウォーターフォール型」と回答しており、開発スタイルに違いが見られる。

(出典)IPA「今後のIT人材スキルセット検討委員会報告書」

業務において最もよく用いられる開発プロセス(技術者別) インターネット関連企業における

「企画・開発・運用を一体で行う役割」 IT人材

【開発を担当する役割】

【企画を担当する役割】

【運用を担当する役割】

企画

開発 運用

企画

運用開発

企画

開発運用

A

B C

フェーズ横断の少人数チーム

業務において最もよく用いられる開発プロセス

16.2%

31.3%

25.5%

36.4%

57.5%

46.1%

52.4%

43.9%

26.3%

22.7%

22.0%

19.7%

0% 25% 50% 75% 100%

ベンダーIT技術者(N=395)

ユーザーIT技術者(N=128)

組込み技術者(N=286)

WEB技術者(N=66)

アジャイル型 ウォーターフォール型 その他

※アジャイル型(開発の迅速性や開発者個人の能力・意欲を重視するエクストリーム

プログラミング(XP)、スクラム(Scrum)開発、機能駆動開発(FDD:Feature-Driven

Development)など)

※その他(ウォーターフォール改良型など)(開発工程の早い段階で試作品を作成する

プロトタイプモデルやスパイラルモデル(反復型・繰り返し型・インクリメンタル型)など、

伝統的なウォーターフォール型に改良を加えたものなど)

その他

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開発体制や開発スタイルに影響を受ける人材要件

最も強く「質」の不足を感じる点(参考)

回答企業が少ない(N=21)ため参考としているが、プロジェクトマネジメント力や最新技術に関する技術力など他にWEB企業では、企画、

開発、運用を少人数のチームで実施するため、高い技術力とともに、スピード感、協調性・チームワークの能力が、IT企業よりも強く求めら

れるという傾向が見られる。

WEB企業

IT企業

38.1

33.3

28.6

28.6

23.8

19.0

19.0

19.0

14.3

14.3

9.5

9.5

9.5

4.8

4.8

0.0

56.0

37.9

29.2

8.2

28.2

11.1

5.8

21.2

30.5

6.4

13.8

8.0

6.4

15.2

0.8

1.2

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

プロジェクトマネジメント力

最新技術に関する技術力

発想力・企画力

スピード感

問題解決力

プログラミング力

協調性・チームワーク

積極性・自発性

顧客(業務)に対する分析力

ストレス耐性

既存技術に関する技術力

論理的思考力

責任感・使命感

潜在ニーズを発掘する力

その他

無回答

WEB企業(N=21) IT企業(N=486)

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事業の成長に伴う人材需要の高まり

SEとインターネット専門職求人倍率の比較

既存のIT人材(SE)と比較して、WEBビジネスに携わるIT人材に対する需要が急激に高まっおり、WEBビジネスに関する求人案件数が、

2010年と比較して約3.5倍(2010年10月を1にした場合)に増加している。事業成長に伴い、人材の需要が高まっていることが数字の上でも

明確になっている。

事業成長に伴い、人材の需要が高まっていることが数字の上でも明確になっている。

WEB企業

インタビュー調査においてもWEB人材に

対する需要が高まっていることがわかる。

インタビュー調査より

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

2011

/02

2011

/03

2011

/04

2011

/05

2011

/06

2011

/07

2011

/08

2011

/09

2011

/10

2011

/11

2011

/12

2012

/01

2012

/02

2012

/03

2012

/04

2012

/05

2012

/06

2012

/07

2012

/08

2012

/09

2012

/10

SE インターネット専門職

WEB企業インタビュー

新卒採用、中途採用のいずれも目標水準に届かないことがあり、人材確保に苦労している。 今後挑戦したいことは多く、可能であればさらに積極的に人材を獲得したい状況にある。 新卒・中途双方を積極的に採用しており、現在月に平均30~40人、多い月には月100人以

上の採用を行っている。 同業他社の中には、中途採用に多額の費用を投入しているところもあり、WEB企業の間で

の中途人材の獲得競争は非常に激しい。 従業員数の4分の1近い人材を毎年採用し、事業拡大を図っている。エンジニアは現在不

足しており、あと数百名規模で採用してもよいという感覚を持っている。新規サービスの立ち上げにも、既存サービスの質の向上にも、より多くのエンジニアが必要である。海外の人材も含めて今後も積極的な採用を行っていきたい。

(出典)株式会社リクルートキャリア社内調べ (2012年10月現在)

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人材の「量」「質」に対する過不足感(IT企業との比較)

人材の「量」に対する過不足感(参考)

回答企業数が少ないため、参考情報としての扱いとなるが、郵送アンケート調査からも、WEB企業の人材不足を示す結果が得られている。

WEB企業では、「大幅に不足している」、「やや不足している」という回答が9割に達しており、ほとんどの企業が人材不足を感じているとい

う結果となっている。IT企業には「(人材が)やや過剰である」という回答も見られるが、WEB企業の中では「やや過剰である」との回答は皆

無となっている。

WEB企業

IT企業

人材の「質」に対する過不足感(参考)

12.2%

17.4%

59.8%

73.9%

24.1%

8.7%

2.8%

0.0%0.0%

1.1%

0% 25% 50% 75% 100%

IT企業(N=564)

WEB企業(N=23)

大幅に不足している

やや不足している

特に過不足はない

やや過剰である(削減や職種転換等が必要)

無回答

25.4%

39.1%

60.8%

52.2% 8.7%

12.6%

0.0%

1.2%

0% 25% 50% 75% 100%

IT企業(N=564)

WEB企業(N=23)

大幅に不足している やや不足している 特に不足はない 無回答

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IT企業の動向とIT人材の現状 ~多様化に向かうIT企業~

従業員規模で異なる新たな事業への取組み状況

WEB関連業務の人材のシフトの動き

ユーザー企業に遅れるグローバル化と課題

強みを活かしたグローバル展開の兆し

(IT企業)

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20.2%

4.4%

21.1%

55.3%

27.2%

24.6%

11.4%

7.9%

8.8%

6.1%

10.5%

10.5%

23.4%

3.4%

31.7%

28.3%

20.0%

11.0%

13.1%

6.9%

14.5%

10.3%

27.2%

43.1%

73.3%

39.0%

41.5%

29.7%

21.0%

20.5%

12.8%

25.6%

17.9%

25.0%

8.3%

68.3%

75.0%

33.3%

48.3%

33.3%

40.0%

30.0%

25.0%

45.0%

23.3%

56.1%

19.5%

68.3%

70.7%

53.7%

61.0%

43.9%

48.8%

53.7%

41.5%

51.2%

24.4%

69.7%

31.0%

6.7%

0% 25% 50% 75% 100%

業務改革・システムコンサルティング

IT投資評価・システム監査

システムインテグレーション

システム受託開発

パッケージソフトウェア開発・販売

パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ

ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発

IDCサービス(ハウジング、ホスティング、HaaS・IaaS等)

ASPサービス(SaaS・PaaS以外)

SaaS・PaaSサービス

その他運用サービス等(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)

上記以外のITアウトソーシングサービス(ネットワークアウトソーシング等)

27.2%

2.6%

24.6%

56.1%

30.7%

22.8%

20.2%

10.5%

16.7%

19.3%

12.3%

7.9%

24.8%

3.4%

36.6%

22.8%

20.0%

7.6%

8.3%

13.8%

10.3%

6.9%

23.6%

32.3%

51.3%

28.2%

23.6%

18.5%

12.3%

14.9%

14.9%

9.7%

11.3%

31.7%

13.3%

35.0%

33.3%

33.3%

23.3%

15.0%

25.0%

18.3%

23.3%

21.7%

16.7%

43.9%

9.8%

39.0%

24.4%

26.8%

26.8%

19.5%

31.7%

24.4%

43.9%

19.5%

24.4%

27.6%

54.5%

5.1%

0% 25% 50% 75% 100%

業務改革・システムコンサルティング

IT投資評価・システム監査

システムインテグレーション

システム受託開発

パッケージソフトウェア開発・販売

パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ

ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発

IDCサービス(ハウジング、ホスティング、HaaS・IaaS等)

ASPサービス(SaaS・PaaS以外)

SaaS・PaaSサービス

その他運用サービス等

(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)

上記以外のITアウトソーシングサービス(ネットワークアウトソーシング等)

22

従業員規模の大きい企業はクラウドに積極的

IT企業主要事業 左:現状 右:今後の拡大意向(従業員規模別)今年度調査

IT企業の主要事業の現状と、今後拡大を予定している事業内容を従業員規模別に示した。現状、今後の意向ともに、従業員規模1,001名

以上の企業では「SaaS・PaaSサービス」の割合が他の従業員規模に比べて高い。300名以下の企業では5割が「システム受託開発」である。

従業員規模の大きい企業と従業員規模の小さい企業で、顕著に差が現れている。

IT企業

30名以下(N=114)

31名以上100名以下(N=145)

101名以上300名以下(N=195)301名以上1,000名以下(N=60)1,001名以上(N=41)

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IT人材育成に関する優先度の高い課題

IT人材育成に関する優先度の高い課題

IT企業の人材育成に関する優先度の高い課題としては、「採用における質の高いIT人材の確保」「高度な技術系人材の育成・確保」が上

位に挙げられた。

また、「新事業・サービスを創出できるIT人材の育成・確保」が第3位になっており、新しいITサービス(例えばクラウド関連サービスなど)へ

の関心もうかがえる。

IT企業

N=564

56.7%

45.0%

35.6%

30.1%

25.5%

20.6%

15.1%

15.1%

11.5%

10.3%

5.0%

0.2%

3.5%

0% 25% 50% 75% 100%

採用における質の高いIT人材の確保

高度な技術系人材の育成・確保

新事業・サービスを創出できるIT人材の育成・確保

育成の仕組みや研修の充実化

経営を担える幹部候補人材の育成・確保

就業満足度やモチベーションの向上

採用におけるIT人材の量的確保

グローバル化に対応できるIT人材の育成・確保

人材流出(離職)の防止・定着率の向上

シニア(中高年)IT人材の活躍促進

セキュリティ強化に対応できるIT人材の育成・確保

その他

無回答

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全体の3割強がWEB関連ビジネスへのシフトの動き

IT企業におけるWEB関連業務への人材の シフト(配置転換等)の実施状況

IT企業においてWEB関連ビジネスへの「大幅なシフトを進めている」企業の割合はそれほど高くはないが、「ある程度の規模のシフトを進

めている」、「少しだけシフトを進めている」とする企業の合計の割合は3割を超える結果となっている。また、「現在検討している」と回答し

た企業を加えると、「WEB関連サービスに携わる人材」が「いる」と回答したIT企業のうちの半数以上の企業が、WEB関連業務への人材の

シフトを意識していると言える。

従業員規模別の結果を見ると、こうした動きは、従業員数が100名以下のIT企業において活発に見られる。

IT企業

※WEB関連サービスに携わる人材がいると回答した企業のみ

20.7% 39.0%2.8% 12.7% 22.1%

0% 25% 50% 75% 100%

N=213

大幅なシフトを進めている ある程度の規模のシフトを進めている

少しだけシフトを進めている 現在検討している

特に取り組んでいない 無回答

6.1% 16.3%

14.3%

7.9%

10.7%

18.8%

18.4%

23.2%

25.4%

25.0%

12.5%

24.5%

17.9%

14.3%

25.0%

28.6%

41.1%

46.4%

37.5%

6.1%

3.6%

6.3%

0.0%

0.0%

0.0%

3.6%

22.2% 42.9%

0% 25% 50% 75% 100%

30名以下(N=49)

31名以上100名以下(N=56)

101名以上300名以下(N=63)

301名以上1,000名以下(N=28)

1,001名以上(N=16)

大幅なシフトを進めている ある程度の規模のシフトを進めている

少しだけシフトを進めている 現在検討している

特に取り組んでいない 無回答

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海外展開の実績があるITサービスはすべて1割未満

IT企業の海外展開実績

IT企業が海外へ提供した実績のあるITサービスの割合は、「IT技術者の派遣によるITサービスの提供」、「海外拠点を通じたITサービスの

提供」、「パッケージソフトウェア等の販売」のいずれも1割未満にとどまっている。

ユーザー企業の50%が生産・調達、販売活動を海外で実施している現状と大きな差が現れており、グローバル化については、ユーザー企

業に遅れている実態が明らかになった。

IT企業

N=564

7.8%

6.7%

5.5%

4.3%

2.7%

1.4%

40.2%

44.5%

0% 25% 50% 75% 100%

IT技術者の派遣によるITサービス提供

海外拠点を通じたITサービス提供

パッケージソフトウェア等の販売

ネットワーク経由でのリモート保守サービス等

SaaSやASPなどのアプリケーションサービス

PaaS、IaaSなどのインフラサービス

上記のいずれも海外には提供していない

無回答

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IT企業の海外展開は従業員規模の大きい企業が中心

IT企業の海外展開実績(従業員規模別)

IT企業の従業員規模別に見た海外展開実績は、1,001名以上のIT企業では、「IT技術者の派遣によるITサービスの提供」、「海外拠点を通

じたITサービスの提供」、「パッケージソフトウェア等の販売」の3種類に、30%程度の企業が海外向けの実績を有している。一方、1,000名

以下のIT企業による実績は、何れのサービスも1割以下である。

海外展開の実績を持つIT企業は、従業員規模の大きいIT企業が中心となっている。

IT企業

1.8

2.6

0.9

0

2.6

0

4.8

2.8

4.1

2.1

0

0

8.7

7.2

5.1

4.6

1.0

0.5

6.7

5.0

3.3

5.0

1.7

1.7

34.1

29.3

26.8

19.5

19.5

14.6

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

IT技術者の派遣によるITサービス提供

海外拠点を通じたITサービス提供

パッケージソフトウェア等の販売

ネットワーク経由でのリモート保守サービス等

SaaSやASP などのアプリケーションサービス

PaaS、 IaaSなどのインフラサービス

30名以下(N=114) 31名以上100名以下(N=145) 101名以上300名以下(N=195)

301名以上1000名以下(N=60) 1001名以上(N=41)

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海外企業向けのITサービスはパッケージソフトウェアの 販売が多い

ITサービスの提供先(顧客)

IT企業が海外企業向けに提供しているITサービスの中ではパッケージソフトウェア等の販売の割合が高い。

「パッケージソフトウェア等の販売」と比較して、「SaaSやASPなどのアプリケーションサービス」の海外企業への提供の割合は低いが、クラ

ウド化の進展に伴い、今後、ソフトウェアによるサービス提供の形態として増加すると見込まれる。

IT企業

※ITサービスのいずれかを海外向けに提供していると回答した企業が対象

94.9%

94.6%

80.0%

94.4%

93.3%

25.6%

13.5%

36.7%

26.1%

22.2%

20.0%

100.0%

0% 25% 50% 75% 100%

海外拠点を通じたITサービス提供(N=39)

IT技術者の派遣によるITサービス提供(N=37)

パッケージソフトウェア等の販売(N=30)

ネットワーク経由でのリモート保守サービス等(N=23)

SaaSやASPなどのアプリケーションサービス(N=18)

PaaS・IaaSなどのインフラサービス(N=15)

日系企業 海外企業

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自社の強みを活かせるパッケージソフトウェアにより 海外展開

従業員規模の小さいソフトウェアハウスやパッケージソフトウェアベンダーでは、自社が持つソフトウェア製品の強みを活かした海外展開

を図っているケースが見られる。これらの企業では、国内で優秀な技術者を採用することで、コアとなる技術や製品の開発を行い、中国等

のアジア市場に製品を展開している。

パッケージソフトウェアによる海外展開は、システムインテグレーション事業等と比較して、コンパクトな体制により海外展開できる可能性

が高いため、従業員規模の小さいIT企業にとっての選択肢として考え得る有力な海外展開方法のひとつであると言える。

IT企業

インタビュー調査より

IT企業インタビュー

日本の大学での研究成果をもとに、中国での日本語学習のニーズに応えるソフトウェアを開発し、中国市場への参入に成功している。

日本の製品・サービスを海外に展開する際、現地のニーズに合わせたカスタマイズが必要であるため、現地を理解し、仕事を任せるといったマネジメントが必要である。

海外でも通じる新しいコンセプトに基づくソフトウェアを国内で開発し、海外展開を進めている。 グローバル展開を自社の事業戦略として打ち出すことで、その戦略に魅力を感じる優秀な人材が集まり、結果としてソフトウェア

開発技術力の高い人材の獲得に成功している。

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IT人材を取り巻く環境

これまで述べた、ユーザー企業、WEB企業、IT企業を「IT人材を取り巻く環境」として模式化したイメージ図を以下に示す。

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IT人材の流動 ~新たな動き先と求められるスキル・能力~

IT企業からユーザー企業、WEBビジネス企業へ人材が流動

経営戦略やビジネスモデルによって異なる求められるスキル・人材

IT人材の学ぶ力、企業の学ばせる力

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Copyright © 2013 IPA. All rights reserved. N=291

45.7%

41.6%

36.8%

35.1%

26.5%

17.9%

16.5%

14.1%

13.7%

12.0%

11.0%

5.2%

3.4%

0.3%

2.1%

0.3%

0% 25% 50% 75% 100%

プロジェクトマネジメント力

発想力・企画力

問題解決力

最新技術に関する技術力

顧客(業務)に対する分析力

既存技術に関する技術力

スピード感

論理的思考力

潜在ニーズを発掘する力

積極性・自発性

プログラミング力

責任感・使命感

協調性・チームワーク

ストレス耐性

その他

無回答 31

IT企業からユーザー企業へ人材の動き

中途採用でIT部門に配属された 人材の直前の勤務先

中途採用でIT部門に配属された人材の直前の勤務先は「ITベンダー」が最も多いと回答したユーザー企業が4割程度となっている。

「他のユーザー企業のIT部門」と回答した企業は15%であり、ITベンダーからの流動が主流となっている。

ユーザー企業

IT人材の最も強く「質」の不足を感じる点は、ユーザー企業とIT企業の双方で、「プロジェクトマネジメント力」の割合が高く、上位5位ま

では順位は異なるものの回答内容が一致している。IT企業における経験やスキルがユーザー企業でも活かせることがかわる。

最も強く「質」の不足を感じる点 ユーザー企業 IT企業

過去に中途採用でIT部門に配属された人材の直前の勤務先業種

8.5% 20.1%15.7% 40.5% 0.6% 14.6%

0% 25% 50% 75% 100%

N=343

他のユーザー企業のIT部門 ITベンダー

WEB企業 その他

該当する人材はいない 無回答

N=486

56.0%

37.9%

30.5%

29.2%

28.2%

21.2%

15.2%

13.8%

11.1%

8.2%

8.0%

6.4%

6.4%

5.8%

0.8%

1.2%

0% 25% 50% 75% 100%

プロジェクトマネジメント力

最新技術に関する技術力

顧客(業務)に対する分析力

発想力・企画力

問題解決力

積極性・自発性

潜在ニーズを発掘する力

既存技術に関する技術力

プログラミング力

スピード感

論理的思考力

責任感・使命感

ストレス耐性

協調性・チームワーク

その他

無回答

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IT企業からWEBビジネス企業へ人材の動き

中途採用した人材の直前の勤務先業種として 最も多いと回答(参考)

WEB企業が中途採用した人材の直前の勤務先として最も多いものを尋ねた調査結果を示す。回答企業の半数がWEB企業、4分の1

程度がITベンダーと回答している。この結果からは、ITベンダーとWEB企業の間で、ある程度の人材の動きがあることがわかる。

WEB企業

インタビュー調査より

21.7%47.8% 26.1% 4.3%

0% 25% 50% 75% 100%

N=23

同業他社(WEB企業) ITベンダー ユーザー企業のIT部門 その他

WEB企業インタビュー

SIer出身者の採用も行っている。プロジェクトマネジメント経験やWEBサービス開発経験のある人材であれば採用候補

となりうる。 SIerからの転職者の場合、プロデューサーはプロジェクトマネジメントのスキルを活かすことができる。また、基盤系

エンジニアにはプロダクトベンダー出身の人材の強みを生かすことができる。 基盤系エンジニアへの応募者の出身は、WEB業界の小規模な企業と、大手ベンダーやメーカー・SIerが約半々である。 中途採用者にはベンダー出身者も存在している。不特定多数のユーザーのニーズを想像し、それを探りながら開発でき

る人材や「サービス志向」が高い人材であれば、活躍の可能性はある。 中途採用者の前職はWEBビジネス企業が多く、同業他社からの応募もある。前職がSIerの人が中途採用に応募すること

もある。 受託開発を手がけるITベンダーからWEB企業に転職して活躍している人材が備えている資質のひとつは、ソフトウェア

に対する強い興味である。例えば仕事以外に自主的にWEBアプリケーションを作っていることはひとつの基準である。現在、個人でも比較的容易にWEBアプリケーションの開発・提供が行える環境が整っているため、本当に興味がある人材は個人で開発を行っていることが多い。

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IT人材の動き

IT人材の流動について模式化したイメージ図を以下に示す。

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WEBビジネス企業で求められるスキル・人材

アンケート結果から得られた事は、新しい分野にチャレンジする自発的なマインドやスピード感を持った人材、複数の能力を持

つマルチプレイヤー的な人材である。また、WEBサービスに対する興味を持っているかどうかも重視されるポイントとなってい

る。

WEB企業

インタビュー調査より

WEB企業インタビュー

新しいサービスを生み出すためには、発想力や実行力が必要である。 WEBビジネス企業では自ら能動的にサービスを作るマインドが求められる。 「顧客の要望を具体的に実現できる企画力」を持った、技術とアイデアを結び付けられる人材を求めている。 WEBアプリケーションエンジニアにはWEBに対する感度や0から考えて作る力、技術ドリブンで提案する力、利用実態か

らユーザーの分析を行う力、いくつかの要件からすぐにプロトタイプを作れる力などが必要である。

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グローバルIT企業で求められるスキル・人材

IT企業のグローバル展開パターン別にグローバル人材に求められる能力についての調査した結果では、「海外展開の実績がある企業」

と「海外展開の実績がない企業」を比較している。いずれのパターンでも「海外展開の実績がある企業」と回答している企業の方が「技術

力」の割合が高くなっている。これは実際にグローバル展開を行う場面で、「技術力」の重要性が再認識されていることを示していると考

えられる。

各サービスの実績がある企業を見ると、求められる人材のスキルや能力がパターンによって異なっていることがわかる。

IT企業のグローバル展開パターン別に グローバル人材に求められる能力

IT企業

78.6

47.6

42.9

42.9

40.5

38.1

75.2

32.2

40.4

49.6

53.9

35.2

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

語学力

技術力

マネジメント能力

積極性・チャレンジ精神

交渉力・説得力

ストレス耐性・頑健性

IT技術者の派遣によるITサービス提供の海外向け

サービスの提供実績

実績あり(N=42) 実績なし(N=230)

86.5

45.9

43.2

40.5

35.1

32.4

74.0

48.9

40.4

33.6

35.7

54.9

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

語学力

積極性・チャレンジ精神

マネジメント能力

技術力

ストレス耐性・頑健性

交渉力・説得力

海外拠点を通じたITサービス提供の海外向け

サービスの提供実績

実績あり(N=37) 実績なし(N=235)

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グローバルIT企業で求められるスキル・人材 IT企業

IT企業のグローバル展開パターン別に グローバル人材に求められる能力

92.9

57.1

57.1

57.1

42.9

35.7

74.8

48.1

34.5

31.4

52.3

34.5

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

語学力

積極性・チャレンジ精神

ストレス耐性・頑健性

現地の商慣習に対する知識

交渉力・説得力

技術力

SaaSやASP などの海外向けサービスの提供実績

実績あり(N=14) 実績なし(N=258)

85.7

71.4

57.1

57.1

57.1

57.1

75.5

47.9

34.0

24.5

35.1

32.1

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

語学力

積極性・チャレンジ精神

技術力

リーダーシップ

ストレス耐性・頑健性

現地の商慣習に対する知識

PaaS、 IaaSなどのインフラサービス海外向けサービスの提供

実績

実績あり(N=7) 実績なし(N=265)

66.7

50.0

46.7

43.3

40.0

36.7

76.9

39.7

48.8

34.7

33.9

32.2

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

語学力

技術力

マネジメント能力

積極性・チャレンジ精神

交渉力・説得力

ストレス耐性・頑健性

パッケージソフトウェア等の販売等海外向けサービスの提供

実績

実績あり(N=30) 実績なし(N=242)

86.4

54.5

22.7

50.0

36.4

50.0

74.8

32.8

25.6

40.0

53.2

48.4

0.0 25.0 50.0 75.0 100.0

語学力

技術力

リーダーシップ

マネジメント能力

交渉力・説得力

積極性・チャレンジ精神

ネットワーク経由でのリモート保守サービス等の海外向け

サービスの提供実績

実績あり(N=22) 実績なし(N=250)

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求められる人材像はビジネスモデルで異なる

求められるIT人材の要件は、企業やビジネスモデルで異なることを整理して模式化したイメージ図を以下に示す。

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学ばない若手の現状

「業務時間外に自主的に勉強を行っている技術知識等」の内容(種類)について尋ねた結果、いずれの技術者も「業務に直接関連する技

術・知識等」を自主的に勉強していると回答した割合が最も高く、業務遂行に必要となる技術・知識を優先に自己研鑽に取り組んでいる

状況がわかる。

業務時間外に自主的に勉強を行っている 技術知識等(技術者別)

IT人材

業務時間外に自主的に勉強を行っている技術知識等

43.9%

33.4%

29.8%

29.4%

27.7%

46.1%

40.0%

34.8%

21.1%

47.3%

33.8%

29.5%

30.7%

26.0%

43.7%

42.0%

38.3%

27.7%

14.0%

28.5%

0% 25% 50% 75% 100%

業務に直接関連する技術・知識等

業務の背景やその基礎となる技術・知識等

業務に将来的に関連する可能性がある技術・知識等

業務とは直接関連しないが、自分が興味を持っている技術・知識等

業務時間外に自主的に勉強することはあまりない

ベンダーIT技術者(N=1,000) ユーザーIT技術者(N=1,000)組込み技術者(N=600) WEB技術者(N=300)

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学ばない若手の現状

年代別で分析すると、いずれの技術者にお

いても「業務時間以外に自主的に勉強する

ことはあまりない」と回答が20代の割合がや

や高くなっており、年代が高いIT人材がより

自己研鑽に励んでいる傾向がある。

業務時間外に自主的に勉強を行っている 技術知識等(技術者別*年代別)

IT人材

業務時間外に自主的に勉強を行っている技術知識等

42.1%

41.1%

31.1%

24.2%

23.2%

45.6%

41.8%

32.1%

26.5%

21.3%

49.5%

37.5%

37.1%

28.3%

20.1%

45.8%

40.0%

38.3%

34.6%

20.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

業務に直接関連する技術・知識等

業務の背景やその基礎となる技術・知識等

業務に将来的に関連する可能性がある技術・知識等

業務とは直接関連しないが、自分が興味を持っている技術・知識等

業務時間外に自主的に勉強することはあまりない

20代(N=190) 30代(N=287) 40代(N=283) 50代(N=240)

ユーザーIT技術者業務時間外に自主的に勉強を行っている技術知識等

38.1%

28.6%

23.3%

24.3%

32.8%

40.3%

32.3%

26.4%

25.0%

28.5%

49.1%

30.7%

32.4%

30.7%

29.3%

46.6%

41.9%

36.0%

37.3%

20.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

業務に直接関連する技術・知識等

業務の背景やその基礎となる技術・知識等

業務に将来的に関連する可能性がある技術・知識等

業務とは直接関連しないが、自分が興味を持っている技術・知識等

業務時間外に自主的に勉強することはあまりない

20代(N=189) 30代(N=288) 40代(N=287) 50代(N=236)

ベンダーIT技術者

業務時間外に自主的に勉強を行っている技術知識等

45.9%

25.5%

19.4%

31.6%

32.7%

46.2%

33.3%

26.9%

27.5%

25.7%

47.7%

38.1%

38.1%

29.5%

29.0%

49.0%

34.8%

29.0%

34.8%

18.7%

0% 20% 40% 60%

業務に直接関連する技術・知識等

業務の背景やその基礎となる技術・知識等

業務に将来的に関連する可能性がある技術・知識等

業務とは直接関連しないが、自分が興味を持っている技術・知識等

業務時間外に自主的に勉強することはあまりない

20代(N=98) 30代(N=171) 40代(N=176) 50代(N=155)

組込み技術者 業務時間外に自主的に勉強を行っている技術知識等

33.8%

39.4%

43.7%

22.5%

22.5%

46.8%

48.1%

28.6%

16.9%

13.0%

48.1%

42.9%

36.4%

28.6%

10.4%

45.3%

37.3%

45.3%

42.7%

10.7%

0% 20% 40% 60%

業務に直接関連する技術・知識等

業務の背景やその基礎となる技術・知識等

業務に将来的に関連する可能性がある技術・知識等

業務とは直接関連しないが、自分が興味を持っている技術・知識等

業務時間外に自主的に勉強することはあまりない

20代(N=71) 30代(N=77) 40代(N=77) 50代(N=75)

WEB技術者

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企業の学ばせる力が弱い

IT企業に対して、2011年度の年間総人件費に対する教育研修費の割合を尋ねた結果、1割近くの企業が教育研修費の割合を「0%」と回

答している。また、4分の1近くの企業が「0.1%~1%未満」と回答しており、これらの回答を合わせると3割に達している。

また、2011年度の1年間に、IT人材に教育・研修に参加した時間を企業に調査を見るとIT企業は年間1~9時間の割合が最も高く22%、

ユーザー企業は10~19時間が23.6%、1~9時間が20.7%である。

IT人材育成投資比率の現状

IT企業

IT人材の教育・研修に参加した時間 (一人あたり平均/年)

※「人材育成投資」とは、回答企業が新人研修以外で人材育成に要した費用(教育研修費)のこと。本設問では、この教育研修費の年間総人件費に対する割合を尋ねている。なお、教育研修費は教育研修等の運営に関する経費とし、内部の人件費は含まないことを原則としている。

9.2% 23.6% 6.9%2.3%

1.2% 53.2%

0% 25% 50% 75% 100%

N=564

0% 0.1~1%未満 1~2%未満 2~3%未満

3~4%未満 4~5%未満 5~10%未満 10~15%未満

15~20%未満 20%以上 無回答

11.9% 8.5% 6.7% 26.6%7.3% 22.0% 12.8% 4.3%

0% 25% 50% 75% 100%

N=564

0時間 1~9時間 10~19時間 20~29時間

30~49時間 50~99時間 100時間以上 無回答

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企業の学ばせる力が弱い

ユーザー企業に対して、2011年度の年間総人件費に対する教育研修費の割合を尋ねた結果、全体としては「0%」(教育研修費を支出して

いない企業)が21%である。また、「0.1~1%未満」と回答した企業は16.6%であった。

2011年度の1年間に、IT人材が教育・研修に参加した時間を企業に調査した結果、「10~19時間」とする割合が23.6%と最も高いが、「0時

間」という回答も1割程度存在する。仮に月の業務従事時間を150時間とし、年間の業務従事時間を12ヶ月分の1,800時間と考えると、「10

~19時間」は、その0.5~1.1%に相当することとなる。

IT部門におけるIT人材育成投資比率の現状

IT部門に所属するIT人材の教育・研修 参加時間(一人あたり平均/年)

ユーザー企業

IT部門における教育研修費の総人件費に対する割合

21.0% 16.6%4.7%

0.6%

0.9% 55.1%

0% 25% 50% 75% 100%

N=343

0% 0.1~1%未満 1~2%未満 2~3%未満

3~4%未満 4~5%未満 5~10%未満 10~15%未満

15~20%未満 20%以上 無回答

IT部門に所属する個人の教育・研修参加時間(一人あたり平均/年)

15.2% 6.4% 17.8%13.4% 20.7% 23.6%

0% 25% 50% 75% 100%

N=343

0時間 1~9時間 10~19時間 20~29時間

30~49時間 50~99時間 100時間以上 無回答

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産業界(IT企業)が教育機関に重視して欲しい教育と 教育機関が近年重視している教育の項目が近づいてきた

IT企業に対して「産業界が教育機関に重視して欲しい教育」に尋ねた結果と、教育機関に対して「近年重視している教育」を尋ねた結果

を比較したものを示した。この結果をみると、「文章力・文書作成能力」と「チームワーク・協調性」の項目の順位が異なる点を除き、上位5

位までの項目が産業界(IT企業)と教育機関で一致する結果となっている。この結果からは、産業界の要望に対する教育機関側の理解

が、ここ数年で大きく進んでいることがうかがえる。

産業界(IT企業)が教育機関に重視して欲しい教育と教育機関が近年重視している教育の比較 (左:IT企業/右:教育機関)

教育機関

N=564

61.2%

42.6%

30.7%

25.5%

22.2%

12.1%

11.7%

11.7%

9.8%

9.0%

8.2%

6.9%

5.1%

0.7%

2.1%

6.4%

0% 25% 50% 75% 100%

コミュニケーション能力

問題解決能力

文章力・文書作成能力

チームワーク・協調性

プログラミング技術

要求分析

プロジェクトマネジメント

ソフトウェア開発プロセス

将来の仕事やキャリアに対する理解促進

システム設計

情報セキュリティ

語学力

ソフトウェアテスト

大規模データ解析

その他

無回答

N=239

59.4%

29.3%

24.7%

20.1%

19.2%

15.1%

13.4%

11.3%

9.2%

8.8%

8.8%

3.3%

1.7%

1.7%

2.1%

9.2%

0% 25% 50% 75% 100%

コミュニケーション能力

問題解決能力

チームワーク・協調性

文章力・文書作成能力

プログラミング技術

語学力

情報セキュリティ

将来の仕事やキャリアに対する理解促進

ソフトウェア開発プロセス

システム設計

プロジェクトマネジメント

要求分析

ソフトウェアテスト

大規模データ解析

その他

無回答

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将来に対する意識と自己研鑽

「次にどんな技術やスキルを学ぶべきか分かっている」人材は、「新しい技術やスキルの習得のために自主的に取り組んでいる」という相

関関係がかわる。

企業にとっては、事業戦略やビジネスモデルを具体化することが企業の「生き残り」とともにIT人材の育成につながることを示していると

言える。

次にどんな技術やスキルを学ぶべきか分かっている *新しい技術やスキルの習得のための勉強に自主的に取り組んでいる

IT人材

57.5%

5.0%

1.8%

1.1%

35.8%

69.4%

24.6%

6.3%

2.8%

23.6%

64.9%

18.2%

3.9%

2.0%

8.7%

74.4%

0.0% 25.0% 50.0% 75.0% 100.0%

よくあてはまる(N=254)

どちらかと言えばあてはまる(N=1421)

どちらかと言えばあてはまらない(N=1049)

まったくあてはまらない(N=176)

よくあてはまる どちらかと言えばあてはまる どちらかと言えばあてはまらない まったくあてはまらない

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多様化するIT人材の要件

IT人材の活躍分野は、グローバルやWEB企業などに拡がっており、これに伴ってIT人材に求められる要件も多様化している。

一方、企業が「生き残る」には、多様化する環境の中で強みを活かした事業戦略やビジネスモデルの明確化が必要である。

そうすることで、IT人材の要件が明確になり自ら学ぶIT人材の育成にもつながる。

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IT人材白書2013メッセージ

強みを活かし多様化の波に乗れ ~グローバルIT人材、WEB人材に求められるスキルとは~

今年度の調査結果からは、IT企業やユーザー企業のIT部門を取り巻く環境の変化が明らかになった。それに伴って、必要とされる

人材の質にも変化が生じている。企業が生き残り、躍進をしていくためには、適正なIT人材の確保や育成が鍵となる。また、IT人材

個人も、環境変化を意識し、自己研さんを行うことが必要である。企業とIT人材個人、教育機関に求められる取り組みとは何かを

まとめ、以下に本年のメッセージとして挙げる。

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IT人材白書2013メッセージ

IT企業 新たな兆しは見えてきた。しかし、従業員規模の大きい企業を除き多くのIT企業が次の一歩を踏み出しかねている。

グローバルでの事業展開や、クラウドサービスなどの強化よりも依然として受託開発を主力として位置付けている。

それで生き残れるのか。そして、多様化に対応できる人材を育てているのか。IT企業に求められる「技術力」プラス

α の強みを打ち出すことが不可欠である。

自社の「強みや特徴」を明確に

ユーザー企業は自社のIT技術者に関して質・量とも不足感を感じている。IT企業からの人材流動など一部に解消を

目指す動きもあるが、一方で、教育研修費「ゼロ」とした企業が2割を占める。グローバル展開、クラウド、ビッグデー

タ、モバイルなどITの変化の中で「攻めのIT」を実現できる人材の育成や確保が急務ではないか。

ITの変化に対応する人材の質・量の不足解消が急務に

情報系 教育機関

産学連携の取り組みで産学の意識は合ってきたが、激しく変化するIT環境の中で、IT企業のこれからに対応する人

材育成が喫緊の課題である。学生自身に、自ら学び自ら成長することの必要性を気付かせ、努力を促す教育環境

と体制の確立が鍵である。

自ら学ぶ人材の育成を

ユーザー企業

IT人材個人 自己投資こそが自分の未来を創る

クラウド、グローバル展開、WEBビジネスなどIT環境は激変し、それに伴ってIT人材に求められる資質も変化してい

る。個人が変化し成長しないと時代の流れに取り残される。自分の未来を拓くために、自ら磨き成長せよ。