横浜市インフルエンザ流行情報 - yokohama...2018/07/24  · 平成 29 年12月27日...

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健健安 第 1736 号 平 成 29 年 12 月 27 日 市内医療機関の皆様へ 横浜市保健所長 豊澤 隆弘 インフルエンザの市内流行注意報発令に伴う注意喚起について(依頼) 日頃から本市の感染症対策に御理解、御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。 本市では、第 51 週(12 月 18 日~24 日)の定点医療機関当たりの患者報告数が 14.38(暫定値)となり、流行注意報発令基準(10.00)を超えたため、12 月 27 日に 市内にインフルエンザの流行注意報を発令しました。 区別の流行状況では、13 区で定点医療機関あたりの患者報告数が流行注意報発 令基準を超えています。 市内でインフルエンザによる学級閉鎖や学年閉鎖を行った学校等は 80 校に上り、 高齢者施設や保育園での集団発生は 10 件、医療機関での院内感染事例は4件報告 されています。 本格的な流行期に入る前に、施設への持ち込み防止策、発症者の早期把握及び感 染拡大防止策の強化が重要です。 御多忙中のところ誠に恐縮ですが、各医療機関における対策を徹底するよう「別 添」の対応について、院内に御周知くださいますようお願いいたします。 <添付資料> 1 別添「施設への持ち込み防止策と感染拡大防止策を強化しましょう!」 2 横浜市インフルエンザ流行情報 6号 横浜市健康福祉局健康安全課 健康危機管理担当 電話:045-671-2463

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Page 1: 横浜市インフルエンザ流行情報 - Yokohama...2018/07/24  · 平成 29 年12月27日 12月27日に横浜市はインフルエンザ流行注意報を発令しました!

健健安 第 1736 号

平成 29 年 12 月 27 日

市内医療機関の皆様へ

横浜市保健所長

豊 澤 隆 弘

インフルエンザの市内流行注意報発令に伴う注意喚起について(依頼)

日頃から本市の感染症対策に御理解、御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

本市では、第 51 週(12 月 18 日~24 日)の定点医療機関当たりの患者報告数が

14.38(暫定値)となり、流行注意報発令基準(10.00)を超えたため、12 月 27 日に

市内にインフルエンザの流行注意報を発令しました。

区別の流行状況では、13 区で定点医療機関あたりの患者報告数が流行注意報発

令基準を超えています。

市内でインフルエンザによる学級閉鎖や学年閉鎖を行った学校等は 80 校に上り、

高齢者施設や保育園での集団発生は 10 件、医療機関での院内感染事例は4件報告

されています。

本格的な流行期に入る前に、施設への持ち込み防止策、発症者の早期把握及び感

染拡大防止策の強化が重要です。

御多忙中のところ誠に恐縮ですが、各医療機関における対策を徹底するよう「別

添」の対応について、院内に御周知くださいますようお願いいたします。

<添付資料>

1 別添「施設への持ち込み防止策と感染拡大防止策を強化しましょう!」

2 横浜市インフルエンザ流行情報 6号

横浜市健康福祉局健康安全課

健康危機管理担当

電話:045-671-2463

Page 2: 横浜市インフルエンザ流行情報 - Yokohama...2018/07/24  · 平成 29 年12月27日 12月27日に横浜市はインフルエンザ流行注意報を発令しました!

平成 29 年 12 月 27 日

12 月 27 日に横浜市はインフルエンザ流行注意報を発令しました! 施設への持ち込み防止策 と 感染拡大防止策を 強化 しましょう!

別 添

1 持ち込み防止対策の強化

(1)職員の健康管理の徹底(集団発生の多くは職員等による持ち込みが発端)

出勤前の検温の徹底(発熱者は勤務させずに受診させる。)

発熱などの体調不良時は出勤前に必ず管理者へ報告するよう指導

無症状の職員も含めて全員のマスクの着用を徹底

1ケア1手洗い・手指消毒、使い捨て手袋の使用の徹底

市内では学級閉鎖が急増し、高齢者施設や保育所での集団発生、医療機関での院内感染例が

相次いで報告されています。こどもと高齢者では入院例も出ています。

予防接種を受けていても発症を完全に防ぐことはできないため、予防策を徹底しましょう。

発症者を早期に把握する仕組みをつくり、周囲に広げない対策を行いましょう。

(2)面会に関する注意事項

マスクの着用、手洗い及びアルコールによる手指消毒の積極的勧奨

地域の流行状況に応じた面会制限の実施

2 発症者の早期把握 及び 感染拡大防止

検温回数を増やすことを検討(発熱者の早期把握)

入所者の手洗い、咳が出るときのマスク着用の徹底

発熱等の有症状者は、早めに個室隔離等の感染拡大防止策を実施

発熱者はインフルエンザを疑い早めに受診させる。

(1)入所者や通所者等の健康管理の徹底

(2)集団発生の早期把握と迅速な対応

患者発生に備え、施設内での有症状者の情報共有及び報告手順、緊急時連絡

体制を確認

インフルエンザ陽性者が発生した段階で、入所者等及び職員に対し、添付文

書に基づき適正な日数の抗インフルエンザ薬の予防投与を検討

患者が複数名発生した場合には、直ちに個室等への隔離、面会禁止、新規受

入中止、イベントの中止、スタッフ及び入所者の動線固定(他のユニット、

フロアへの原則移動禁止)

3 流行情報の確認 (今後の流行警報発令にご注意ください。)

横浜市衛生研究所では、毎週木曜日に「横浜市インフルエンザ流行情報」を発出し

ます。区ごとの発生状況を公表していますので対策にお役立てください。

横浜市衛生研究所HP(市内の最新の感染症発生状況)

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/

横浜市健康福祉局健康安全課 電話:045-671-2463

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《トピックス》 インフルエンザ流行注意報が発令されました。

2017/2018 シーズン 2017 年 12 月 27 日

【概況】

2017年第 51週(12月 18日~24日)の定点※1あたりの患者報告数は、横浜

市全体で第 50 週の 8.44※2から更に増加して、14.38(暫定値)となり、流行注意

報が発令されました(発令基準値:10.00)。

年齢別では、第 51週で 10歳未満の報告が全体の約 6割、15歳未満の報告

が全体の約 8 割となっており、小児の報告が多くを占めています。

今シーズンの学級閉鎖等の発生は、第 51 週に 18 件の報告があり(保育所・

幼稚園 1 件、小学校 16 件、中学校 1 件)、報告数は累計 80 件となりました(保

育所・幼稚園 5 件、小学校 70 件、中学校 3 件、高等学校 1 件、その他 1 件)。

また、新たに病院や高齢者施設での集団発生も報告されています。持ち込み防

止対策を徹底しましょう。

第 51 週の迅速診断キットの結果は A 型 69.4%、B 型 30.6%と、A 型が多く

検出されています。

今後、インフルエンザの本格的な流行が予想されるため、正しい手洗い※3等

の予防や早期受診などの対策※4が重要です。 ※1 定点とは、定期的にインフルエンザ患者発生状況を報告していただいている医療機関(市内 153 か

所)のことで、そこから報告された患者数の平均値が定点あたりの患者報告数です。 ※2 追加報告があったため、以前お知らせした情報から報告数が更新されています。 ※3 横浜市保健所ホームページ(「正しい手洗い方法」および、掲示用ポスター「石けんで『手』を洗お

う」をトップページに掲載しておりますので、是非ご活用ください) ※4 市民向けインフルエンザ予防チラシ(横浜市)

1 市内流行状況:市全体の定点あたりの患者報告数は、流行開始となった第 46 週の 1.01 から

増え続け、第 51週で 14.38(暫定値)となり、流行注意報(基準値:10.00)が発令されました。昨

シーズンも第 51 週(平成 28 年 12 月 19 日~25 日)で注意報が発令されています。

横浜市インフルエンザ流行情報 6 号 横浜市衛生研究所 / 横浜市健康福祉局健康安全課

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9月 12月 1月 3月 6月

2012/13

2013/14

2014/15

2015/16

2016/17

2017/18

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2 地図で表した直近 3 週間の区別流行状況(塗り分けの数字は定点あたり報告数)

3 年齢層別集計:第 51 週の患者年齢構成は、10 歳未満が全体の 58.9%、10 歳以上 15 歳未

満が全体の 19.7%を占めており、15 歳未満が全体の 78.6%を占めています。また、60 歳以上

は全体の 2.3%となっています。

市内全体で定点あたり 10.00 を超えたため、流行注意報が発令されました。昨

シーズンも第 51週(平成 28年 12月 19日~25日)で注意報が発令されています。

市全体で定点あたり 30.00 を超えると、流行警報が発令されます。昨シーズン

は第 3週(平成 29年 1月 16日~22日)で発令されています。

≪市全体≫

第 49週 5.21

≪市全体≫

第 50週 8.44※2

≪市全体≫

第 51週 14.38(暫定値)

注意報発令

66.5%

60.0%

68.5%

62.3%

58.9%

18.2%

18.6%

14.1%

17.1%

19.7%

0.3%

1.3%

1.4%

2.3%

3.5%

0.9%

4.3%

1.7%

1.7%1.9%

6.9%

6.8%

4.9%

5.5%

5.1%

4.4%

4.7%

5.8%

5.7%

6.3%

0.6%

3.0%

1.8%

2.9%2.3%

1.6%

0.6%

1.1%1.5%

1.0%

0.6%

0.6%

0.8%

1.1%

1.3%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

第47週

第48週

第49週

第50週

第51週

年齢層別患者割合

10歳未満 10~14歳 15~19歳 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上

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4 市内学級閉鎖等状況:今シーズンは第 51週までに累計 80件が報告され、報告された患者数

は延べ 1,116 人となっています。特に第 47 週以降は急激に増加しています。報告された施設

の割合は、保育所・幼稚園6.3%、小学校87.5%、中学校3.8%、高等学校1.3%、その他1.3%

となっています。第 51 週は 18 件の報告があり(保育所・幼稚園 1 件、小学校 16 件、中学校 1

件)、報告された患者数は 247 人でした。

5 入院サーベイランス:市内基幹定点医療機関※5におけるインフルエンザ入院患者は、第 51

週までに累計 29 人の報告があり、うち、15 歳未満が 8 人、60 歳以上が 18 人となっており、

小児と高齢者の報告が多くなっています。第 51 週は 8 人の報告がありました。

入院時の診療内容が把握されている事例で、ICU入室、人工呼吸器の使用、頭部CT検査、

脳波検査等が実施された重症肺炎や脳炎が疑われる入院患者は、第 51 週では 1 人の報告

がありました。 ※5 基幹定点:患者を 300 人以上収容する病院(小児科医療と内科医療を提供しているもの)の中か

ら、地域ごとに指定された医療機関のことで、市内には 4 つの基幹定点があります。

保育所・

幼稚園

5件, 6.3%

小学校

70件, 87.5%

中学校

3件, 3.8%

高等学校

1件, 1.3%

その他

1件,1.3%

学級閉鎖等の施設の状況

(今シーズン)

0

50

100

150

200

250

300

350

0

5

10

15

20

25

第37

第38

第39

第40

第41

第42

第43

第44

第45

第46

第47

第48

第49

第50

第51

学級閉鎖等の施設数と患者数の推移

保育所・幼稚園

小学校

中学校

高等学校

その他

患者数

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

4.50

第36週 第37週 第38週 第39週 第40週 第41週 第42週 第43週 第44週 第45週 第46週 第47週 第48週 第49週 第50週 第51週 第52週

(人) 基幹定点あたりの入院患者報告数の推移

2017/18

2016/17

0

2

4

6

8

10

10歳未満 10~14歳 15~19歳 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 80歳以上

(延べ人数) 今シーズンの入院状況(年齢別)

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【お問い合わせ先】 横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課 TEL 045(370)9279

横浜市健康福祉局健康安全課 TEL 045(671)2442

6 迅速キット結果:第 51 週の迅速キットの結果は、A 型 69.4%、B 型 30.6%で、A 型が多く検出

されています。今シーズン累計では、A型 73.8%、B型 26.1%、A・B型ともに陽性 0.2%となって

います。

7 市内病原体検出状況:市内では病原体定点※6からAH1pdm(24株)、AH3(11株)、B(山形系

統)(21 株)が分離・検出されており、直近では、主に AH1pdm と B(山形系統)が分離・検出さ

れている状況です。なお、B ビクトリア系統は市内にて分離・検出されていません。

全国でも、主に AH1pdm と B(山形系統)が分離・検出されています※7。 ※6 病原体定点:採取した検体を衛生研究所に送付する医療機関で、市内に 17 か所あります。うち、イ

ンフルエンザについては 12 か所にて採取されています。 ※7 週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数(国立感染症研究所、12 月 22 日現在) 市内病原体定点からのインフルエンザウイルス分離・検出状況

(2017年 12月 27日現在)

※参考リンク

近隣自治体の流行状況 全国の流行状況

○神奈川県 ○川崎市 ○東京都 ○国立感染症研究所

13人(52.0%)

25人(67.6%)

12人(40.0%)

32人(62.7%)

110人(86.6%)

243人(86.8%)

317人(79.3%)

550人(80.9%)

777人(73.6%)

1233人(69.4 %)

543件(30.6%)

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

横浜市の患者定点医療機関における

迅速診断用キットによる型別の報告数(人)

A陽性 B陽性 A・B陽性

0123456789

10111213

36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52

分離・検出数

AH1pdm:24

AH3型:11

B型(山形系統):21

B型(Victoria系統):0

B型(解析中):4

2017年 10月 11月 12月 週数