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30 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 Q&A Shigehiko Ogawa 小川医院院長 Q&A 1 Q&A A Part 1 Q& A

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30 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

Q&A●Shigehiko Ogawa

小川医院院長

Q&A

1

Q&A

A

Part1

Q&A

月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 31

図1

PEGの手技はイントロデューサー法,プル法,プッシュ法の3つに分類されます(p.19~22参照).イントロデューサー法の代表的な方法は,イントロデューサーで胃に直接バルン型PEGカテーテルを挿入する方法で,別名,門田-上野法ともいい,日本で開発されたものです.この方法では,内部バンパーがバルンであるため,瘻孔が形成される前にバルン水が抜けると胃と腹壁が解離してしまいますので,胃壁固定具を併用することが推奨されています.

自己抜去,脱落,逸脱,自然抜去などを含め,すべては事故であるという観点から事故抜去と表現します.

2

A

32 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

外部バンパー

腹壁

胃壁

内部バンパー

PEGカテーテル

(バルン)

胃壁

3

図2

図3

胃壁を腹壁に吊り上げて固定する バンパーを1~1.5cmゆるめに

A

月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 33

写真1

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・半消化態経腸栄養剤

・消化態経腸栄養剤

①自然食品を原料とした流動食

②人工の経腸栄養剤

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月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 35

写真2

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A

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36 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

①体位の工夫

②投与速度の調節

③胃の減圧

④消化管運動機能改善薬の使用

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注入栄養剤および薬剤(関西経皮内視鏡的胃瘻造設術研究会編:薬剤投与の注意点 PEG実践マニュアル――造設手技から在宅まで).p.48~49,フジメディカル出版,2001.

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月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 37

⑤栄養剤の粘度増強

⑥経胃瘻的空腸栄養チューブの採用

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38 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

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月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 39

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40 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

ここでは,①在宅管理のコツ,②スキンケア,③栄養剤,④カテーテル交換,

⑤洗浄,⑥保険請求と経済面,⑦参考図書とホームページの各項目に分けて

解説していきます.

Q&APart2

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A

1

月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8 41

内部バンパーがバルンであるものをバルン型,それ

以外のものをバンパー型といいます.そして,外部

バンパーから末梢側が着脱式になっているものをボ

タン型といいます(写真3).しかし,内部バンパー

の形状は外から見ただけではわかりません.ただ,

バルン型かどうかを簡単に見分ける方法があります.

尿路系バルンカテーテルでおなじみの,注射用蒸留

水を出し入れするコネクターがついていればバルン

型だといっていいと思います(写真4).

注射用蒸留水を出し入れするコネクターがついている.コネクターに15cc(mL)と書いてあるのは,バルン水の量

ガストロボタン ボンスキーN.B.R.カテーテル

バードガストロチューブ

(ウィザードタイプ)

バードガストロミーチューブ

バードジェニーシステム

(N.B.R.タイプ)

バードPEGキットバードPEGセット(スネア付き)

バードジェニーシステム(PEGタイプ)

バードファストトラックPEGキット

左3点はバンパー型,右2点はバルン型

42 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

写真5

この症例では事故抜去後,約5時間で瘻孔が閉鎖した

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写真6

写真7

真8

写真9

外部バンパーの位置を示す目盛りが2.5cmときつく,皮膚に食い込んでいる.圧迫壊死によって筋膜が12時方向にわずかに見えている

目盛りを5cmまでゆるめておく

PEGカテーテルを6時方向にばかり押し倒していたため,12時方向に強い発赤・浮腫と露呈した筋膜を認める

PEGカテーテルが腹腔に対して垂直に立つよう固定を工夫

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ボタン型カテーテルには必ず純正の接続チューブを使用する

写真10

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写真11

18A

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46 月刊ナーシング Vol.22 No.9 2002.8

PEGのスキンケアは,胃粘膜部も含めた胃瘻部全体

の問題としてとらえることが大切です.外部バンパ

ーがきつくて皮膚に傷害が生じたとしたら,同じこ

とが内部バンパーと胃粘膜の間で生じているはずだ

と考えます.そして,皮膚よりも胃粘膜のほうが弱

いのですから,外から見える皮膚より胃粘膜を傷つ

けないことを優先するべきです.

写真12は,p.43の写真6と同じ症例ですが,バンパ

ーがきつくしめつけ過ぎているにもかかわらず,外

部バンパーと皮膚の間にYガーゼをはさみ込んでいる

悪い例です.狭い空間をますます狭くしています.

この状態では,内部バンパーは胃粘膜に食い込んで

いることが予想され,今後,胃潰瘍形成による出血

やバンパー埋没症候群(ベリード・バンパー症候群;

写真13)を引き起こしてしまう危険性があります.本

例は,写真7(p.43)のように外部バンパーをゆるめ

るだけでよかったのですが,内部バンパーと外部バ

ンパーの距離(シャフト長)を変えられないボタン型

の場合は,皮膚を犠牲にしてでも,胃粘膜を救う必

要があります(「ボタン型カテーテル管理のコツ」の項

p.44も参照).

写真6と同じ症例.バンパーをきつくしめつけ過ぎているにもかかわらず,外部バンパーと皮膚の間にYガーゼをはさみ込み,いっそうきつくしてしまっている

内部バンパーが胃粘膜に食い込み,胃粘膜に覆われてしまった状態.胃粘膜下腫瘍のような様相を呈している.このような状態になると,もうこの胃瘻を使用することはできない

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内部バンパーをオブチュレーターで引き伸ばし,瘻孔から体外的に挿入

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写真

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1 →使用している栄養剤が消化

態経腸栄養剤(エレンタール,エレンタールP,エ

ンテルード,ツインラインの4剤のいずれか)の場

2 →使用している栄養剤が薬価

収載されている半消化態経腸栄養剤(ラコールやエ

ンシュア・リキッドなど)

3 →使用している栄養剤が薬価

収載されていない半消化態経腸栄養剤や食品の流動

4 →寝たきり老人在宅総

合診療料を算定していない場合

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5 →寝たきり老人在宅総

合診療料を算定している場合

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引用・参考文献

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