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Yammer で社員どうしが気軽にやりとりすることで、会社全体の 一体感が高まり知識共有も活発化 Office 365 ProPlus の導入で Office の展開もスムーズに ソーシャル ゲームの提供を開始する以前の 2009 年に一桁だった社員数が、2013 年には数百名規 模に成長した株式会社gloops。ここでは急速な勢いで増大する社員どうしのコミュニケーション 基盤として、Yammer が活用されています。これによって組織の壁を超えた気軽なやりとりが可 能になり、会社全体の一体感を強化すると共に、技術的知識やノウハウの共有も活発化している のです。その一方で Microsoft Office 365 ProPlus も採用され、 Microsoft Office の展開も円滑化。 以前は 3 日かかっていた Office の展開をクラウドからすぐに行うことが可能になり、展開にかか る労力と時間を大幅に削減、新機能もすぐに利用できるため、データ分析などの便利な機能をタ イムリーに使えるようになりました。 導入背景とねらい ビジネスの成長に伴い組織も急拡大 直接的に顔を合わせたやりとりが困難に ビジネスが軌道に乗り、組織が急成長を遂げていくのは、企業にとって理想的な成功物語だとい えます。しかし社員の急増は、社内にきれつを生む危険性もはらんでいます。小さな組織であれ ば全社員がフェイス トゥ フェイスで協業することが可能ですが、組織が大きくなればそれも困難 になります。企業組織が急成長しても社員どうしのコミュニケーションを円滑にし、企業組織とし ての一体感を維持し続けるには、どうすればいいのでしょうか。 この課題を Yammer の活用で解決しているのが、株式会社gloops ( 以下、gloops) です。 同社は、「みんなの手に、新しい遊びを。」をコーポレート スローガンに掲げ、ソーシャル ゲームを はじめとするさまざまなサービスを、インターネット経由で提供し続けているモバイル エンター テインメント企業。これまでの累計ユーザー数は約 3,000 万人に上っています。ソーシャル ゲーム の提供を開始する前年の 2009 年にはわずか 数名だった社員数も、現在は数百人規模に。ビジネ スの快進撃に合わせ、組織も急速に成長してきたのです。 「毎月のように新しい人が入社し、多い時にはその数が 20 30 人になることもありました 」と語 るのは、株式会社gloops マーケティング本部 広報部の伊藤 俊輔 氏。会社の規模が大きくなる につれて、顔を合わせない社員も増えてきたと言います。これだけの人数を 1 フロアに収容する ことは難しく、現在のオフィスは 3 フロアに分散しています。そのため部門の壁を超えて協業する ことも、物理的に困難になっていたと説明します。 このような物理的なコミュニケーション ギャッ プを解消するため、以前の gloops ではオープ ソースのチャット ツールが利用されていまし た。しかし、株式会社gloops ソーシャルゲーム 事業本部 システム統括部 インフラグループでマ ネジャーを務める大和屋 貴仁 氏は、「チャットだ けでは十分に円滑なコミュニケーションを実現 するのは困難でした 」と振り返ります。またこの ツールはサーバー負荷が増大するとプロセスが ゾンビ化してしまうという問題も抱えており、こ ソリューション概要 ○プロファイル 株式会社gloops は、ソーシャル ゲームをはじめ とするさまざまなサービスを提供している、モバ イル エンターテインメント企業です。「みんなの 手に、新しい遊びを。」をコーポレート スローガ ンに、数多くのソーシャル ゲームを開発。「スカ イロック」「大乱戦!!三国志バトル」「大連携!! オーディンバトル」などの代表作を持ち、これま での累計ユーザー数は約 3,000 万人に達していま す。ソーシャル ゲームの提供を開始する以前には 一桁だった社員数も、2013 年には数百名に増え、 企業組織としても急成長を遂げています。 ○導入ソフトウェアとサービス Yammer Microsoft ® Office 365 ProPlus ○メリット 社内のコミュニケーション基盤として Yammer を活用することで、社員どうしが気軽にやりと りでき、組織の壁を超えた "人と人とのつなが " も容易になった。 技術的な知識やノウハウの交換も活発に行われ ており、特定の部署内だけでは解決しない問題 も、短期間で解決できるようになった。 Office 365 ProPlus によって、以前は 3 日か かっていた Office の展開をクラウドからすぐに 行うことが可能になり、展開にかかる労力と時 間を大幅に削減できた。新機能もすぐに利用で きるため、データ分析などの便利な機能をタイ ムリーに使えるようになった。 ○ユーザー コメント 「社員どうしはもちろんですが、社長と社員の交 流を深めるツールとしても活用されています。社 長自身が最も Yammer を楽しんで使っているの ではないでしょうか」 株式会社gloops マーケティング本部 広報部 伊藤 俊輔 株式会社 gloops 株式会社 gloops

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Yammer で社員どうしが気軽にやりとりすることで、会社全体の 一体感が高まり知識共有も活発化Office 365 ProPlus の導入で Office の展開もスムーズに

ソーシャル ゲームの提供を開始する以前の 2009 年に一桁だった社員数が、2013 年には数百名規模に成長した株式会社gloops。ここでは急速な勢いで増大する社員どうしのコミュニケーション基盤として、Yammer が活用されています。これによって組織の壁を超えた気軽なやりとりが可能になり、会社全体の一体感を強化すると共に、技術的知識やノウハウの共有も活発化しているのです。その一方で Microsoft Office 365 ProPlus も採用され、Microsoft Office の展開も円滑化。以前は 3 日かかっていた Office の展開をクラウドからすぐに行うことが可能になり、展開にかかる労力と時間を大幅に削減、新機能もすぐに利用できるため、データ分析などの便利な機能をタイムリーに使えるようになりました。

導入背景とねらいビジネスの成長に伴い組織も急拡大 直接的に顔を合わせたやりとりが困難に

ビジネスが軌道に乗り、組織が急成長を遂げていくのは、企業にとって理想的な成功物語だといえます。しかし社員の急増は、社内にきれつを生む危険性もはらんでいます。小さな組織であれば全社員がフェイス トゥ フェイスで協業することが可能ですが、組織が大きくなればそれも困難になります。企業組織が急成長しても社員どうしのコミュニケーションを円滑にし、企業組織としての一体感を維持し続けるには、どうすればいいのでしょうか。

この課題を Yammer の活用で解決しているのが、株式会社gloops (以下、gloops) です。

同社は、「みんなの手に、新しい遊びを。」をコーポレート スローガンに掲げ、ソーシャル ゲームをはじめとするさまざまなサービスを、インターネット経由で提供し続けているモバイル エンターテインメント企業。これまでの累計ユーザー数は約 3,000 万人に上っています。ソーシャル ゲームの提供を開始する前年の 2009 年にはわずか 数名だった社員数も、現在は数百人規模に。ビジネスの快進撃に合わせ、組織も急速に成長してきたのです。

「毎月のように新しい人が入社し、多い時にはその数が 20 ~ 30 人になることもありました」と語るのは、株式会社gloops マーケティング本部 広報部の伊藤 俊輔 氏。会社の規模が大きくなるにつれて、顔を合わせない社員も増えてきたと言います。これだけの人数を 1 フロアに収容することは難しく、現在のオフィスは 3 フロアに分散しています。そのため部門の壁を超えて協業することも、物理的に困難になっていたと説明します。

このような物理的なコミュニケーション ギャップを解消するため、以前の gloops ではオープン ソースのチャット ツールが利用されていました。しかし、株式会社gloops ソーシャルゲーム事業本部 システム統括部 インフラグループでマネジャーを務める大和屋 貴仁 氏は、「チャットだけでは十分に円滑なコミュニケーションを実現するのは困難でした」と振り返ります。またこのツールはサーバー負荷が増大するとプロセスがゾンビ化してしまうという問題も抱えており、こ

ソリューション概要

○プロファイル株式会社gloops は、ソーシャル ゲームをはじめとするさまざまなサービスを提供している、モバイル エンターテインメント企業です。「みんなの手に、新しい遊びを。」をコーポレート スローガンに、数多くのソーシャル ゲームを開発。「スカイロック」「大乱戦!!三国志バトル」「大連携!!オーディンバトル」などの代表作を持ち、これまでの累計ユーザー数は約 3,000 万人に達しています。ソーシャル ゲームの提供を開始する以前には一桁だった社員数も、2013 年には数百名に増え、企業組織としても急成長を遂げています。

○導入ソフトウェアとサービス・ Yammer・ Microsoft® Office 365 ProPlus

○メリット・ 社内のコミュニケーション基盤として Yammer を活用することで、社員どうしが気軽にやりとりでき、組織の壁を超えた "人と人とのつながり" も容易になった。

・ 技術的な知識やノウハウの交換も活発に行われており、特定の部署内だけでは解決しない問題も、短期間で解決できるようになった。

・ Office 365 ProPlus によって、以前は 3 日かかっていた Office の展開をクラウドからすぐに行うことが可能になり、展開にかかる労力と時間を大幅に削減できた。新機能もすぐに利用できるため、データ分析などの便利な機能をタイムリーに使えるようになった。

○ユーザー コメント「社員どうしはもちろんですが、社長と社員の交流を深めるツールとしても活用されています。社長自身が最も Yammer を楽しんで使っているのではないでしょうか」株式会社gloopsマーケティング本部広報部伊藤 俊輔 氏

株式会社 gloops

株式会社 gloops

株式会社 gloops

のような症状が数日に 1 回の頻度で現れるため、決して使いやすいものだとは言えなかったとも語ります。

このような背景もあり、社内のコミュニケーションはメールへの依存度が高い状況でした。メーリング リストも多数運用されていましたが、メールには 2 つの問題があると伊藤 氏は指摘します。1 つはメールの数が膨大になると、必要な情報がメールボックスの中に埋もれてしまいやすいこと。もう 1 つは「宛先」に記載された相手にしか情報を伝えることができず、コミュニケーションを広げることが難しいということです。

この問題を根本から解決するにはどうすべきなのか。この問いへの答えとして gloops が選択したのが、 Yammer の導入だったのです。

導入の経緯無償版 Yammer を使っていた有志が社長に直談判 業務に不可欠なツールとしてトップ ダウンで展開

gloops による Yammer 活用の歴史は、2011 年 10 月にまで遡ります。このころ、一部の有志によって、無償版 Yammer のトライアルが行われていたのです。しかし無償版ではアカウント管理機能に制約があり、セキュリティ上の問題があると判断。2012 年 2 月ごろに継続利用を断念したと大和屋 氏は語ります。それから半年後の 2012 年 8 月、無償版

Yammer を経験していた社員が中心となり、Yammer の正式導入を社長に直談判。2012 年 10 月に有償版 Yammer の採用を正式に決定することになります。

「有償版 Yammer の導入は、社長自らが率先する "トップ ダウン型" で進められました」と大和屋 氏。まず社内で利用している Microsoft®

Active Directory® と連携させる形で全社員にアカウントを配布し、既存のチャット ツールからの強制的な切り替えを実施したと説明します。2012 年 12 月末にはチャット ツールの運用を終了。業務に不可欠なツールとして、Yammer の活用が広がっていきました。

その後約 1 年半が経過した 2014 年 7 月現在、Yammer 上に作成されたグループ数は 500 を突破。月間のメッセージ数は約 4 万、「いいね」

の数も 5,000 を超えています。アップロードされるファイル数も月間で

900 件以上。契約アカウント数は 700、実ユーザー数は 600 名強なので、活発に利用されているといえるでしょう。

Yammer 上に作成されたグループのうち、業務目的のものは 50 ~ 60

程度。その中には、制作しているゲーム コンテンツごとに立ち上げられるプロジェクト ルーム、職種別グループ、各種社内委員会、タスク フォース用のグループ、情報共有用のグループが含まれます。情報共有グループとしては、技術サイトの URL 共有や、「HTML/CSS/JS 勉強会」「Unity

勉強会」「HTML5 勉強会」「Cocos2d-x 勉強会」などの各種勉強会、画像や動画の共有グループなどがあります。

これらの業務目的のグループに、勝るとも劣らない活気を見せているのが、趣味やプライベートなやりとりを行うグループです。

「社内にはある程度の人数を集めるとスポーツ系のサークルに補助金が出るという制度があり、この制度を活用したグループが Yammer 上に数多く作られています」と伊藤 氏。またそれら以外にも、スマートフォンで撮影されたスローモーション映像を投稿および共有する「スローモーション部」、3D プリンターの活用方法を模索する「3D プリンター部」、ゲームの攻略法を研究する「ゲーム攻略部」などがあると説明します。また食べ物系のグループも多く、「パンケーキ部」「肉部」「日本酒部」など等が多くの参加者を集めています。同年代の社員が集うグループや、同期入社の社員どうしが交流するためのグループも、複数立ち上げられています。

「"池田さんと食する会 " というグループもあります」と楽しそうに話すのは、株式会社gloops 管理本部 経営企画部 総務グループの峠 玲奈 氏です。「池田さん」というのは gloops 社長の池田 秀行 氏のこと。このグループは社長自らが 2013 年 9 月に立ち上げたもので、趣旨は社長と一緒に食事をする社員を募ることだと説明します。「この他にも社長に関連するグループとしては、社員が社長をお姫様抱っこした写真を投稿する「お姫様抱っこ部」があります」と言うのは伊藤 氏です。「社員どうしはもちろんですが、社長と社員の交流を深めるツールとしても活用されています。社長自身が最も Yammer を楽しんで使っているのではないでしょうか」。

株式会社gloopsソーシャルゲーム事業本部システム統括部インフラグループマネジャー大和屋 貴仁 氏

株式会社gloopsマーケティング本部広報部伊藤 俊輔 氏

株式会社gloops管理本部経営企画部総務グループ峠 玲奈 氏

株式会社gloopsシステム統括部品質管理グループ國定 拓実 氏

株式会社 gloops

gloops では Yammer による社内コミュニケーションの活性化と並行して、業務に欠かせないオフィス製品の変革も、段階的に進められてきました。

「以前は Microsoft Office と OpenOffice を併用しており、Microsoft

Office は主にパッケージ ライセンスで使用していました」と大和屋

氏。しかし OpenOffice は機能が十分ではないため、2012 年 7 月に

Microsoft Office への集約を行ったと言います。この段階で Enterprise

Subscription Agreement (ESA) を締結。ライセンス管理もボリューム

ライセンス センターによる集中管理へと移行します。

その後さらに、オフィス製品のコスト効率と管理性の向上に向けた検討を実施。2013 年 5 月にマイクロソフトから Office 365 ProPlus の提案を受け、これへの移行を決定します。「最近は社員が複数のデバイスを所有していることも多く、ユーザー単位のライセンスである Office 365

ProPlus に移行したことで、ライセンス料がさらに安くなりました。またボリューム ライセンス センターではできなかったユーザーごとの導入状況の管理も可能になっています」 (大和屋 氏 )。

導入効果気軽にやりとりでき知識の共有も円滑化 組織の壁を超えて人と人をつなぐ基盤に

Yammer の活用は、gloops における "人と人とのつながり" のあり方を、大きく変えています。「業務に関係する人どうしはもちろんですが、そうでない人とのやりとりも活発化しています」と伊藤 氏。一度も顔を合わせたことのない人とも、Yammer なら簡単につながることができると言います。

社内組織の壁を超えた連携も容易になっています。「たとえば私が仕事で使うことの多い品質管理グループは、テストやカスタマー サポート、品質保証など、複数の部署のさまざまな職種の社員が参加しています」と語るのは、株式会社gloops システム統括部 品質管理グループの國定

拓実 氏です。ここに投稿することで、品質管理に関係する複数の部署の担当者に、ダイレクトにメッセージを送ることができるのです。「メールのやり取りではワン テンポ遅れてしまう感じがありましたが、Yammer

なら即座に情報を共有できます。また他部署の担当者に業務連絡や業務依頼を送る場合、以前はラインの上司を介して行う必要がありました

「お姫様抱っこ部」の投稿例。社員どうしはもちろんのこと、社長と社員の交流も活発化しています。

総務グループが運営する「落し物一覧」のグループ。これによって落し物のほとんどが、持ち主の元に戻るようになりました。

ゲーム画面のアップロードと、それに対するコメント。このようなやりとりによって、より洗練された画面を作り出せるようになっています。

ノート機能の活用例。技術的知識や各種ノウハウの蓄積に役立てられています。

株式会社 gloops

導入についてのお問い合わせ本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2014 年 8 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く )※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。*Microsoft、Active Directory、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー

が、今では担当者に直接伝えることができます」。

「プライベートに近い感覚で、気軽にやりとりできるのも Yammer の特徴です」と指摘するのは峠 氏です。たとえば総務の仕事の中には、社内の自動販売機にどの商品を入れるかを決めたり、オフィス ビル内の空調を集中管理するといったものも含まれますが、これらに対する細かい要望も、Yammer 上で数多く寄せられるようになっていると言います。峠

氏自身も「総務お知らせ板」という全社向けのグループで、顔文字などを使いながら数多くのメッセージを積極的に発信しています。Yammer

は業務現場と総務との距離を縮める役割も果たしているのです。

「この他にも総務では、社内で見つかった落し物をお知らせする「落し物一覧」というグループも運営しています。以前はメールを全社員に対して一斉送信していたのですが、何度もリマインドをかけるとメール数が増えてしまうというジレンマを抱えていました。でも Yammer ならいつでもアクセスできる場所に情報を置いておけます。落し物の持ち主が見つかる確率も格段に高くなり、現在ではほとんどの落し物が持ち主の元に戻るようになりました」 (峠 氏 )。

Yammer はナレッジやノウハウを共有する場としても、重要な役割を果たしています。

「たとえば、JavaScript の勉強会でルーレットのプログラムを作成した時には、コードのここの部分をこう変えた方がいい、このような記述方法もある、といったコメントが、多数寄せられました」と大和屋 氏。またゲーム画面のブラッシュアップの際にも、Yammer に画面を投稿し、社内の幅広い人々から意見をもらえるようになったと言います。「技術的な課題を自分のチームだけで解決できない時も、Yammer に投稿して助けを求めれば、他の部署の人が回答を寄せてくれます。このようなやりとりは、相手が固定的なチャット ツールやメールでは、決してできないことです」。

「Yammer のフォロー機能を使っていると思いがけない技術情報が流れてくることがあり、これをきっかけに相手に会いに行き、そこで技術的な問題が解決することも少なくありません」と言うのは國定 氏です。その人のノウハウをさらに拡大するため、新たにグループを立ち上げることもあると語ります。その 1 つとして挙げられたのが「テストウェアをみんなで作る会」です。ここではテストウェア構築のノウハウを共有するだけではなく、Yammer の投票機能を活用することで、ツール選択やその

実装方法に関する意思決定も行われています。また Yammer のノート機能を活用したナレッジの蓄積も進められています。

「直接顔を合わせて話をすると、どうしても自分の仕事に関係する話ばかりになりがちですが、Yammer なら話題も広がりやすいようです」と伊藤 氏。投稿内容を辿っていけば、その人がどの分野に詳しいのかもある程度見えてくると言います。「書き込み内容だけではなく、表現のトーンからもパーソナリティが浮き彫りになります。他の社員をより深く理解するツールとしても、効果があると感じています」。

今後の展望Office 365 ProPlus で Office 展開の時間・労力も削減 Yammer と共に gloops にとって空気のような存在に

このように Yammer は、急拡大した組織の一体感を高める上で、大きな効果を発揮しています。それではなぜ、これだけ活発に利用されるようになったのでしょうか。その最大の理由を大和屋 氏は、「チャット ツールからの切り替えは強制的に行いましたが、その後の使い方については余計な押し付けをせず、好きに使ってもらったからだと思います」と説明します。

新入社員が入社した時も Yammer があることで、短時間で会社に溶け込めるようになりました。これに加え Office 365 ProPlus への移行も、新入社員の受け入れをスムーズにしていると伊藤 氏は指摘します。

「以前は新入社員が使う PC に Office を入れるために、数が限られたインストール用の CD-ROM を回して、順次導入してもらう必要がありました。ノート PC の場合には CD-ROM ドライブを内蔵していないケースもあり、この場合には CD-ROM ドライブも貸与しなければなりません。そのため Office の展開に時間がかかり、一度に 30 人が入社した時には

3 日かかったこともあります。しかし今では Office 365 上からすぐに

Office をダウンロードして使い始められます。アップデートが自動的に行われるのも、ユーザーにとって便利です」 (伊藤 氏 )。

Yammer も Office 365 ProPlus も、gloops にとって欠かすことのできない空気のような存在だと大和屋 氏。これらが目の前にあることは、もはやあたり前になっていると語ります。今後の課題は Yammer 上に流れる膨大な情報や知識を、効果的にストックし再利用できるナレッジ ベースを構築すること。これに向けた検討も、既に始まっています。

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