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A I レーダ・ブレーキ・サポート (RBS) 藷欝舎 通称名 車両型式 | エンジン型式 適用時期 出典資料 ワゴン R DBA -MH34S I R06A 2013.7 サービス・マニュアル ワゴン R 新型車解説書追補 No.2 40 -72M20 ワゴン R 整備編 42 -72M20 1 概要 ・レーダ・ブレーキ・サポート (RBS) きないと判断した場合に,ブレーキを作動させ衝突時の被害を軽減する 。オート・ブレーキ・コントロー ラより ESP ⑧コントローラへ自動ブレーキ作動要求が送信され,自動ブレーキ制御及びストップ・ランプ・ リレー制御が行われる 。 -誤発進抑制機能:停車状態又は徐行時(約 lOkm/h 以下)で前方に障害物がある場合に,誤操作などにより セレクト・レバーを“ D" レンジ,“ L" レンジ (NA 仕様)又は“ M" レンジ(ターボ仕様)でアクセル・ペダル を強く踏み込んだ際, ECM がスロットル・バルブ開度を制限し発進を緩やかにすることで衝突時の被害 を軽減する 。 u q

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Page 1: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

ス、 キ 株 式 ム一A

I レーダ・ブレーキ・サポート (RBS)藷欝舎

通称名 車両型式 | エンジン型式 適 用 時 期 出典資料

ワゴンR DBA -MH34S I R06A型 2013.7 ~

サービス・マニュアル

ワゴンR新型車解説書追補No.2 40 -72M20

ワゴンR整備編 42 -72M20

1 概要

・レーダ・ブレーキ・サポート (RBS):低速走行時(約 5km/h~約 30km/h) に前方車両との衝突を回避で

きないと判断した場合に,ブレーキを作動させ衝突時の被害を軽減する。オート・ブレーキ・コントロー

ラより ESP⑧コントローラへ自動ブレーキ作動要求が送信され,自動ブレーキ制御及びストップ・ランプ・

リレー制御が行われる。

-誤発進抑制機能:停車状態又は徐行時(約 lOkm/h以下)で前方に障害物がある場合に,誤操作などにより

セレクト・レバーを“D"レンジ,“L"レンジ(NA仕様)又は“M"レンジ(ターボ仕様)でアクセル・ペダル

を強く踏み込んだ際, ECMがスロットル・バルブ開度を制限し発進を緩やかにすることで衝突時の被害

を軽減する。

ハu

qム

Page 2: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-E轟轟ヨ・

2 構造・機能

1 ) 構成部品の配置(図 1-1, 2, 3)

ブレーキ・システム RBS RBS. OFF

警告灯(燈) 作動表示灯(燈)表示灯(燈)

図 1-1 構成部品の配置

11ょっ“

Page 3: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

入力装置

ECM

-ストップ-ランプ・スイッチ情報

.アクセル開度情報

・誤発進抑制情報

BCM

. RBS・OFFスイッチ情報

.外気温センサ情報

|I RBS. OFFスイッチ 11

ESP@コントローラ

.車輪速度情報

・車両停止情報

・ヨー・レート情報

.加速度情報

・マスタ・シリンダ・フ。レッシャ情報

. ESP@・OFFスイッチ情報

|ステアリング角センサ

CVTコントローラ

.シフト・ポジション情報

ENG. A-STOPコントローラ

・アイドリング・ストッフ。中情報

-z重量彊・

制御/機能

オート・ブレーキ・コントローラ

| レーザ・レーダ |

|自動ブレーキ制御機能|

| 誤発進抑制機能 |

|セルフ・ダイアグノーシス機能|

|フェイルセーフ機能|

| CAN通信機能

出力装置

コンビネーション・メータ

.警告灯点灯要求

(ブレーキ・システム)

・表示灯点灯要求(RBS)

ブザー吹鳴要求

※1 :誤発進抑制機能のみ

※2:自動ブレーキ制御機能のみ

・砂 :CAN通信

図1-2 レーダ・ブレーキ・サポート/誤発進抑制機能ブロック

オート・ブレーキ・コントローラ

“ST. SIG/IGl・SIG2"IGリレー

ヒューズ 補助電源モジュール

(リチウム・イオン・バッテリ)ヘ

各コントローラヘ“IGl・SIG"ヒューズヘ

図Iー3 システム回路図

2) 構成部品の構造・機能

( 1 ) オート・ブレーキ・コントローラ(図 1-4)

フロント・ウインド・シールド・ガラス上部に装備され,

レーザ・レーダと制御部により構成されている。

レーザ・レーダは,赤外線光を照射する発光部,前方車

両又は障害物に反射した赤外線光を感知する受光部で構

成されている。受光部で感知した情報を基に,制御部は

障害物の有無及び,衝突回避の可否を判断する。

- 22 -

図 1-4 オート・フレーキ ・コントローラ

Page 4: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

(2) ECM (図 1-5)

ストップ・ランプ・スイッチ情報,アクセル開度情報,

誤発進抑制情報などを CAN通信によりオート・ブレー

キ・コントローラに送信する。オート・ブレーキ・コン

トローラは,ストップ・ランプ・スイッチ情幸良とアクセ

ル開度情報をレーダ・ブレーキ・サポートの制御作動条

件として使用する。

また.ECMはオート・ブレーキ・コントローラよりレー

ダ・レーザ情報を受信し誤発進抑制機能の制御作動条

件として使用する。

(3) RBS・OFFスイッチ(図 1-6)

レーダ・ブレーキ・サポート及び誤発進抑制機能の制御

を停止するモーメンタリ・スイッチで,約2秒間長押し

することでON/OFFの切り替えができる。

オート・ブレーキ・コントローラは BCMから RBS.

OFFスイッチ情報を受信するとレーダ・ブレーキ・サ

ポート及び誤発進抑制機能の制御を停止する。なお,

RBS.OFFスイッチにより レーダ・ブレーキ・サポー

ト及び誤発進抑制機能を停止状態(RBS.OFF表示灯点

灯)にしても,次のイグニション ON時には,停止状態

が解除(RBS. OFF表示灯消灯)される。

(4) ESP⑮・OFFスイッチ(図 1-7)

オート・ブレーキ・コントローラはESP⑧コントローラ

から ESP⑧・OFFスイッチ情報を受信すると. RBS.

OFF表示灯を点灯させると共に,レーダ・ブレーキ・

サポート及び誤発進抑制機能の制御を停止する。

(5) ステアリング角センサ(図 1-8)

ステアリング・コラムに装備されており,ステアリング

の操舵角を算出し CAN通信によりオート・ブレーキ・

コントローラ(レーダ・ブレーキ・サポート)及びECM(誤

発進抑制機能)に送信する。

オート・ブレーキ・コントローラ及びECMは,ステア

リングの操舵角情報をレーダ・ブレーキ・サポート及び

誤発進抑制機能の制御作動条件として使用する。

丹、

υつ山

ECM

図 Iー5 ECM

¥出

RBS.OFFスイッチ

図 1-6 RBS・OFFスイッチ

-RN肝

ESP@・OFFスイ ッチ

図 1-7 ESP⑮・OFFスイッチ

ステアリング角センサ

図 1-8 ステアリング角センサ

Page 5: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

(6) コンビネーション・メータ(図 1-9)

オート・ブレーキ・コントローラからの CAN通信情報

(警告灯点灯要求(ブレーキ・システム),表示灯点灯要

求(RBS),ブザー吹鳴要求)によりブレーキ・システム

警告灯, RBS作動表示灯, RBS・OFF表示灯及びブザー

を駆動する。

-ブレーキ・システム警告灯(澄):レーダ・ブレーキ・サ

ポートの異常を検出した場合及びレーダ・ブレーキ・サ

ポートを一時停止(DTC: C1640を検出)している場合

に点灯する。

. RBS作動表示灯(桂):レーダ・ブレーキ・サポート及

び誤発進抑制機能作動中に点滅する。

. RBS' OFF表示灯(澄): RBS . OFFスイッチ及びESP'OFFスイッチによってレーダ・ブレーキ・サポー

ト及び誤発進抑制機能の制御を禁止している場合及び故障時など制御が作動しない場合に点灯する。

・ブザー:レーダ・ブレーキ・サポート及び誤発進抑制機能作動中に断続吹鳴する。

-z轟轟ヨ・

(7) BCM及びJ/B(図 1-10)

RBS・OFFスイッチ情報外気温センサ情報などを

CAN通信によりオート・ブレーキ・コントローラに送

信する。

オート・ブレーキ・コントローラは 外気温センサ情報

をフロント・ウインド・シール・ガラスが結氷している

可能性を判断するために使用する。

(8) ESP⑬コントローラ(図 1-11)

車輪速度情報,車両停止情報, ヨー・レート情報,加速

度情報,マスタ・シリンダ・プレッシャ情報, ESP⑧.

OFFスイッチ情報などを CAN通信によりオート・ブ

レーキ・コントローラ及びECMに送信する。また,オー

ト・ブレーキ・コントローラからの自動ブレーキ作動要

求によりブレーキ油圧及びストップ・ランプ・リレーの

制御を行う。

オート・ブレーキ・コントローラ及びECMは,車輪速

度情報, ヨー・レート情報,加速度情報,マスタ・シリ

ンダ・プレッシャ情幸~, ESP⑧・OFFスイッチ情幸Rなど

をレーダ・ブレーキ・サポート及び誤発進抑制機能の制

御条件,及び制御作動後の解除条件として使用する。

Aせっ“

ブレーキ・システム RBS

警告灯 作動表示灯

コンビネーション・メータ

図 1-9 コンビネーション・メータ

図 1-10 BCM

図 1-11 ESP⑮コントローラ

Page 6: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-理軍置・

(9) CVTコントローラ(図 Iー12)

シフト・ポジション情報を CAN通信によりオート・ブ

レーキ・コントローラ及びECMに送信する。

オート・ブレーキ・コントローラ及びECMは,シフト・

ポジション情報をレーダ・ブレーキ・サポート及び誤発

進抑制機能の制御作動条件として使用する。

(10) ENG・A-STOPコントローラ (図 Iー13)

アイドリング・ストップ中情報を CAN通信によりオー

ト・ブレーキ・コントローラ及びECMに送信する。

オート・ブレーキ・コントローラ及びECMは,アイド

リング・ストップ中情幸Rをアイドリング・スト ップ中で

もレーダ・ブレーキ・サポート及び誤発進抑制機能の制

御を作動させるために使用する。

図I-12 CVTコントローラ

図I-13 ENG・A-STOPコントローラ

3) 制御一覧

(1) レータ・ブレーキ・サポート (RBS)

(イ)作動(図 1-14)

レーザ・レーダ検知範囲に前方車両があり衝突を回避できないと判断すると オート・ブレーキ・コントロー

ラはコンビネーション・メータに表示灯点灯要求及びブザー吹鳴要求, ESP⑧コントローラに自動ブレーキ

作動要求を送信する。

コンビネーション・メータは RBS作動表示灯を点滅,ブザーを断続吹鳴してドライバに自動でブレーキが

掛けられていることを通知する。ESP⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各

ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

ONしてストップ・ランプを点灯させ後続車に減速中であることを知らせる。

①安全車間距離→前方車両減速(車間距離短縮)

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Page 7: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-・函~~司・

②車間距離短縮(衝突を回避できないと判断)

③停車(衝突時の被害軽減,衝突回避)→自動ブレーキ解除

図 1-14 レータ・ブレーキ・サポート

(ロ) 制御可能条件

オート・ブレーキ・コントローラは 以下の条件が成立した場合に 自動ブレーキ制御を実行する。自動ブ

レーキ制御中に以下の条件から外れた場合は解除される。

-前方車両との位置が規定距離以内(相対速度に応じて異なる)

.車速が約5km/hから約30km/h

・セレクト・レバーが“D"レンジ, “L"レンジ(NA仕様), “M"レンジ(ターボ仕様)又は“N"レンジ

.レーダ・ブレーキ・サポート (RBS)のシステムが正常

・レーダ・ブレーキ・サポート (RBS)のシステムがON状態(RBS.OFF表示灯が消灯)

. ESP⑧のシステムがON状態、(ESP⑧.OFF表示灯が消灯)

・アクセル・ペダル踏み込み量が規定値以下

・ステアリング操舵角が規定値以内

-自動ブレーキ制御終了から約 10秒後

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-̂量ヨ・(2) 誤発進抑制機能

(イ)作動(図 Iー 15)

前方約4m以内のレーザ・レーダ検知範囲に障害物があり 自車両が停車状態又は徐行時(約 lOkm/h以下)

から誤操作などにより“D"レンジ,“L"レンジ(NA仕様)又は“M"レンジ(ターボ仕様)でアクセル・ペダル

を強く踏み込んだ際, ECMはスロットル・バルブ開度を制限し誤発進時の急発進/急加速を抑制する。

オート・ブレーキ・コントローラはコンビネーション・メータに表示灯点灯要求信号及びブザー吹鳴要求信

号を送信し, RBS作動表示灯を点滅,ブザーを断続吹鳴させてドライバに警告する。

スロットル・バルブ開度の制限は最大で5秒間行われ,その後は徐々にアクセル・ペダル踏み込み量に応じ

て戻される。

①停車→誤操作(セレクト・レバー例:“p"→“D",アクセル・ペダル:解放→強い踏み込み)

セレク卜・レバー

勾。②スロットル・バルブ開度制限(最大5秒間)

(口) 制御可能条件

RBS作動表示灯:点滅ブザー:断続吹鳴

~目,a酔

圏直・4・田#目、

〉加

図 1-15 誤発進抑制機能

d

ECMは,以下の条件が成立するとスロットル・バルブ、開度を制限し誤発進時の急発進/急加速を抑制する 0

.車両前方が約4m以内の障害物(車や壁など)を検知中

-車速が約 lOkm/h以下

・セレクト・レバーが“D"レンジ, “L"レンジ(NA仕様)又は“M"レンジ(ターボ仕様)

.レーダ・ブレーキ・サポート (RBS)のシステムが正常

・レーダ・ブレーキ・サポート (RBS)のシステムがON状態(RBS.OFF表示灯が消灯)

. ESP⑧のシステムがON状態(ESP⑧.OFF表示灯が消灯)

-登り勾配が約 5%未満

・アクセル・ペダル踏み込み量が規定値以上

.ステアリング操舵角が規定値以内

27

Page 9: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-~ョ・

'CAN通信受信異常(RBS)及びスロープ・センサ関連のDTC(P1708, P1827, P1828)が未検出

(3) コンビネーション・メータ表示

ブレーキ・ システム RBS RBS'OFF

車両の状態警告灯 作動表示灯 表示灯

ブザー

⑪) 司・』ゆ... .耳.OFF

故障時 点灯 点灯

一時停止 点灯 点灯

レーダ・ブレーキ・サポート /点灯 吹鳴※

誤発進抑制機能 OFF

ESP⑧ OFF 点灯 吹鳴※

自動ブレーキ制御中 点滅 継続吹鳴

エン ジン出力制御中 点滅 継続吹鳴

※RBS'OFFスイ ッチ, ESP⑧・OFFスイ ッチの操作により RBS・OFF表示灯が点灯又は消灯した瞬間に吹鳴(単音 :“ピッ")

する。

3 点検・整備のポイント

1) 整備時の注意事項

(1) レーダ・ブレーキ・サポート装備車両取り扱いの注意事項

レーザ・レーダが思わぬ物に反応して予期せずブレーキが作動する恐れがあるため,次の場合は RBS'

OFFスイッチ又はESP⑧・OFFスイッチの長押しにより RBS'OFF表示灯を点灯させ,レーダ・ブレーキ・

サポートの機能を停止させる。

-オート・ブレーキ・コントローラを交換後, レーザ・レーダの点検が完了していない車両を移動する場合

.スピードメータ・テスタ及びフリー・ローラを使用して車両の点検を行う場合

(2) オート・ブレーキ・コントローラ脱着及び交換時の注意事項

-イグニション ON状態の場合はレーザ・レーダから常に赤外線光が照射されているため レーザ・レーダか

らlOOmm以内の範囲で拡大鏡などを使用してレーザ・レーダをのぞき込まない。

-オート・ブレーキ・コントローラを取り付ける際は取り付け部の損傷,変形などがないことを確認する。

・オート・ブレーキ・コントローラは分解しない(レンズ部含む)。もし,分解した場合はオート・ブレーキ・

コントローラを交換する。

-オート・ブレーキ・コントローラに衝撃が加わった場合,正常な機能が失われる恐れがあるため,落下させ

ないよう注意する。もし,衝撃を与えた場合はオート・ブレーキ・コントローラを交換する。

・レーザ・レーダのレンズが汚れてしまうと本来の性能を損なう恐れがあるため, レンズ面には触れない。

(3) レーダ・ブレーキ・サポート点検時の注意事項

・タイヤ,サスペンションなど,車両姿勢に影響を与える部品が正規部品であることを確認する。

・レーザ・レーダのレンズに汚れがなく レーザ・レーダ付近のフロント・ウインド・シールド・ガラスは次

の状態であることを確認する。

ーステッカ,フィルムなどの貼り付け, 着色がない

-傷,汚れがない

-フロント・ワイパ,フロント・ウインド・シールド・ガラスは正規部品が使用され,拭き取り状態は良好

で拭き取り範囲は正常である

。。円

4

Page 10: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-彊軍司}

2) 点検方法

( 1 ) 簡易リフレクタ準備(図 I-16)

一辺が50:t5cmのプラスチック板,厚紙などに市販の反射シートを貼り付けて,簡易リフレクタを作成する。

図 1-16 簡易リフレクタ

(2) 車両準備

①車両前方7m以上を確保できる平坦な場所に車両を停車する。

② タイヤ空気圧を規定値に調整する。

③車室内の荷物をすべて下ろし空車状態にする。

④ レーザ・レーダ付近のフロント・ウインド・シールド・ガラスを清掃し水滴などの付着がないことを確認

する。

⑤ レーザ・レーダ付近のフロント・ウインド・シールド・ガラスに傷がないことを確認する。傷がある場合は

フロント・ウインド・シールド・ガラスを交換する。

(3) 簡易リフレクタ設置位置準備(図 Iー17,18)

①車両前端及び車両後端の中央からおもりを垂らし,地面にマーキングする。

フード・ロック・メンバ中央穴

図1-17 簡易リフレクタ設置位置準備①

②マーキングした前後2点を結ぶ直線上で車両前端から 6.0m前方に簡易リフレクタ設置位置をマーキングす

る。

サ 置 車両前Vf7士一=寸車 両後端

?っJtu二L二iI図Iー 18 簡易リフレクタ設置位置準備②

ハ叶dっ“

Page 11: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-E盃重量・

(4) 検査距離点検(図 1-19,20,21,22)

①イグニションがOFFの状態でSuzuki'SDTをDLCに接続する。

図 1-19 検査距離点検①

②イグニションを ONにして, Suzuki' SDTの“データリスト"を選択する。

③前方に何もない状態でパラメ一夕“対象物検出状態"が

④簡易リフレク夕を次の位置に設置して,パラメータ“検査距離"が基準値内であるか点検する。

-車両前端から前方6.0mで簡易リフレクタ中心が車両中央線上

-地面から簡易リフレクタ中心までの高さl.Om

レーザ・レーダ検査距離:6.5~7.4m

6.0m 車両前端

図 1-20 検査距離点検②

⑤簡易リフレクタを次の位置に移動して,パラメ一夕“対象物検出状態"が

①手}I順11順|慎買④の位置カか瓦ら運転席側へl.Om

⑥手}II貢④の位置から助手席側へl.Om

レクタ

フレクタ中心

1.0ml • ,.七円一r"~"

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フレクタ中心

図 I一21 検査距離点検③

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Page 12: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-IUJ温ヨ・

⑥不具合がある場合はレーザ・レーダ(オート・ブレーキ・コントローラ)本体及びオート・ブレーキ・コント

ローラ・ホルダに損傷がないか点キ食する。

・レーザ・レーダ(オート・ブレーキ・コントローラ)本体のツメ部及び突起部などに不具合がある場合はオー

ト・ブレーキ・コントローラを交換する。

-オート・ブレーキ・コントローラ・ホルダのツメ勘合部及び突起差込部などに不具合がある場合はフロント・

ウインド・シールド・ガラスを交換する。

・フロント・ウインド・シールド・ガラスの取り付けに不具合のある場合は フロント・ウインド・シールド・

ガラスを取り付け直す。

図 1-22 検査距離点検④

3) セルフ・ダイアグノーシスによる故障診断

オート・ブレーキ・コントローラは,各入出力信号をモニタしており,異常を検出すると次の制御を行う 。

( 1 ) セルフ・ダイアグノーシス (自己診断)機能

異常を検出すると,異常内容(DTC)を記憶する。なお,記憶された異常内容は消去作業を行うまで保存さ

れる。

※DTC : C1601及びDTC: C1640は過去故障を記憶しない。

(2) ウォーニング機能

オート・ブレーキ・コントローラは,異常を検出したとき又は各機能の一時停止中にブレーキ・システム警

告灯(澄)及びRBS・OFF表示灯(澄)を点灯させ, ドライバに異常又は一時停止中であることを知らせる。

ブレーキ・システム警告灯

コンビネーション・メータ

図 1-23 ウォーニング機能

(3) フェイルセーフ制御

オート・ブレーキ・コントローラは異常を検出するとレーダ・ブレーキ・サポート及び誤発進抑制機能の制

御を禁止する。

tEA

qペリ

Page 13: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-z轟轟ヨ・

4) ダイアグ・コード表示,識別及び消去方法

ダイアグノーシス・コードの表示,識別及び,消去は故障診断器Suzuki. SDTにより行う。

5) ダイアグ・コード一覧表

ダイアグ診断項目 診断内容

ブレーキ・

-コード システム警告灯

C1600 オー ト・ブレーキ・コン トロー

オー ト・ブレーキ・コン トローラ内部異常を検出した。 点灯ラ内部異常

C160l コンビネーション・メータ照合 コンビネーション・メータとの登録情報の照合において不一致

点灯不一致 を検出した。

C1620 CAN通信ECMデータ異常オー ト・ブレーキ・コン トローラがECMの送信する CAN通信

点灯データに異常を検出した。

C1621 CAN通信TCMデータ異常オート・ブレーキ・コン トロー ラがCVTコン トロー ラの送信

点灯する CAN通信データに異常を検出 した。

C1623 CAN通信ABS/ESP③データ異 オー ト・ ブレーキ・コン トロ ーラがESP@コントローラの送信

点灯常 する車輪速度情報に異常を検出した。

C1630 CAN通信ABS/ESP⑧制御デー オート・ブレーキ・コントローラがESP⑧コントローラの送信

点灯タ異常 するブレーキ制御関連情報に異常を検出した。

C1632 誤発進抑制機能異常オー ト・ ブレーキ・コントローラがECMから誤発進抑制機能

点灯故障情報を受信した。

C1638 レーダ・ブレーキ・サポー ト BCM &]IBから RBS'OFFスイッチがON状態の情報を一定

点灯(RBS) OFFスイッチ系統異常 時間継続して受信した。

CAN通信レーダ・ブレーキ・ESP⑧コントローラがオート・ブレーキ・コントローラの送信

C1639 サポート制御データ異常する CAN通信データに異常を検出した。

点灯

(ABS/ESP@検出)

オー ト・ブレーキ・コン トローラが次のいずれかを検出した。

-レーザ・ レーダ前面に汚れ

-オート・ブレーキ・コントローラ内部高j毘

レーダ・ブレーキ・サポート制-オート・ブレーキ・コン トロ ーラ電源電圧作動範囲(10.0~

C1640 御一時停止

15.5V)外が2秒間継続 点灯

. ESP⑧コントローラから自動ブレーキ制御機能一時停止信号

を受信

'ECMから誤発進抑制機能一時停止信号を受信

. BCM &]IBから外気温センサ故障情報を受信

U0073 CAN通信パスオフ異常 CAN通信情報を送受信できない。 点灯

UOlOO CAN通信受信異常(ECM) ECMからのCAN通信情報が受信できない。 点灯

UOlOl CAN通信受信異常(AT/CVT) CVTコン トローラからのCAN通信情報が受信できない。 点灯

U0l21 CAN通信受信異常

ESP@コントローラからのCAN通信情報が受信できない。 点灯(ABS/ESP@)

U0l26 CAN通信受信異常(SAS) ステアリング角センサからのCAN通信情報が受信できない。 点灯

U0140 CAN通信受信異常(BCM) BCM &]IBからのCAN通信情報が受信できない。 点灯

U0155 CAN通信受信異常

コンビネーション・メータからのCAN通信情報が受信できない。 点灯(COMBメータ)

U1082 CAN通信受信異常 ENG. A-STOPコントローラからの CAN通信情報が受信で

点灯(ENG' A -STOP) きない。

つ山町べ

υ

Page 14: ス、 株 ム一 A - bufsiz.jpkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H26/gat/H26-suzuki.pdfESP ⑧コントローラはハイドロリック・ユニット内のポンプ・モータと各 ソレノイド・バルブを駆動して各車輪の油圧を増圧して制動をかけると共に,ストップ・ランプ・リレーを

-z轟轟置・

6) フェイルセーフ制御一覧

ダイアグ・コード フェイルセーフ制御 フェイルセーフ制御解除条件

C1600

C1601

C1620

C1621

C1623 イグニション OFF→ ON後,正常判定したとき

C1630

C1632

C1638

C1639

次のすべての条件を満たすとき,フェイルセーフを解除する。

-レーザ・レーダ前面の汚れが解消したときレーダ・ブレーキ・サポート -オート・ブレーキ・コントローラ内部温度が正常範囲に戻ったとき

C1640 制御を禁止する。 -オート・ブレーキ・コントローラ電源電圧が正常範囲に戻ったとき

. ESP@コントローラが自動ブレーキ制御機能一時停止を解除したとき

'ECMが誤発進抑制機能一時停止を解除したとき

. BCM&]/Bが外気温センサを正常判定したとき

U0073

U0100

U0101

U0121 イグニ ション OFF→ ON後正常判定したとき

U0126

U0140

U0155

U1082

円台U

つ、u