ea21環境経営システム 環境経営レポート · 2020. 12. 23. ·...
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株式会社 山梨県環境科学検査センター
EA21 環境経営システム 環境経営レポート No.15:2019 年度
(2019 年 4月~2020 年 3月)
2020 年 8月 11日
認証番号 0001290
EA21 環境経営システム 環境経営レポート
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株式会社 山梨県環境科学検査センター
目次
1. 組織の概要 3
2. 対象範囲、レポートの対象期間及び発行日 4
3. 環境経営方針 5
4. 環境経営目標 6
5. 環境経営計画 7
6. 環境経営目標の実績 8
7. 環境経営計画の取組結果とその評価、次年度の取組内容 8
8. 環境関連法規等の遵守状況の確認及び評価の結果並びに違反、訴訟の有無 20
9. 環境関連の社会協力 21
10. 代表者による全体評価と見直しの結果 22
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株式会社 山梨県環境科学検査センター
1.組織の概要
事業者名 株式会社 山梨県環境科学検査センター
代表者名 代表取締役社長 小澤 一昭
現在地及び連絡先
〒400-0111 山梨県甲斐市竜王新町 2277-12 TEL 055-278-1600 FAX 055-278-1601 URL http://www.yrce.co.jp MAIL [email protected]
環境保全関係の担当者 環境管理責任者 村松 光和
事業所の規模
資本金 2,000 万円
従業員数 39 名(2020年 4月 1日現在)
敷地面積 3469 ㎡
建築面積 908 ㎡
延べ床面積 1411 ㎡
事業年度 4 月~翌年 3月
売上高 2019 年度 362 百万円
当社は、1977年に「社団法人山梨県薬剤師会 環境衛生検査センター」として設立され、環境水検査や飲料水検査を中心に事業を行ってきました。
その後、2002年に社団法人山梨県薬剤師会より分離・独立して「株式会社 山梨県環境科学検査センター」を設立し、今に至っております。現在では ISO/IEC17025、水道GLPの認証取得などによる品質管理体制を構築し、各種の水質・大気・土壌調査、環境保全調査、放射能測定等の社会のニーズに応える業務の拡大にも積極的に取り組み、幅広い分野で持続可能な循環型社会の発展に貢献しています。
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エコアクション 21社内体制
2.対象範囲、レポートの対象期間及び発行日 ① 各種分析・測定業務(環境計量証明、飲料水検査、簡易専用水道検査、廃棄物分析、残留農薬分析、作業環境測定、室内空気環境測定、臭気測定等公定分析)並びに関連する調査・評価・提案業務
② 環境関連法令調査とそれに対応するコンサルテーション業務並びに環境教育のコンサルテーション業務
③ 品質及び環境マネジメントのコンサルテーション業務、福祉サービス第三者評価機関業務
レポート対象期間:2019年 4月 1日~2020年 3月 31日
レポート発行日:2020年 8月 11日
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3.環境経営方針
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4.環境経営目標 2019 年度(2019 年 4月~2020年 3月)の環境経営目標として、以下の 9項目を設定しました。
目標 当年度 中長期
2019 年度 目標値
2020 年度 目標値
2021 年度 目標値
1.廃棄物の削減と再資源化 廃棄物のリサイクル率増加により環境への負荷を軽減する
過去 3 年の平均リサイクル率を維持監視する。
過去 3 年の平均リサイクル率を維持監視する。
過過去 3 年の平均リサイクル率を維持監視する。
2.水資源投入量の削減 節水により水道水使用量を削減し、環境への負荷を維持する
過去 3 年の 1 検体あたり平均使用量を維持監視する。
過去 3 年の 1 検体あたり平均使用量を維持監視する。
過去 3 年の 1 検体あたり平均使用量を維持監視する。
3.二酸化炭素排出量削減 (省エネルギー) 電力の排出係数は 0.000486(t-CO2/kWh)
省エネ関連機器の積極的導入及び節電の徹底により環境への負荷を軽減する
過去 3 年の平均二酸化炭素排出量を維持監視する。
過去 3 年の平均二酸化炭素排出量を維持監視する。
過去 3 年の平均二酸化炭素排出量を維持監視する。
4.化学物質の管理 化学物質の適正な保管料を設定し、削減する
適正保管量を維持監視する。
適正保管量を維持監視する。
適正保管量を維持監視する。
5.環境ビジネス・技術開発 環境に関するコンサルティング業務を通じて環境保全に貢献する
コンサルタント、 アドバイス業務 20 件/月
コンサルタント、 アドバイス業務 20 件/月
コンサルタント、 アドバイス業務 20 件/月
6.環境関連の社会協力の推進 環境関連の社会協力への積極的参加を推進する
社会協力 3件/年 社会協力 3件/年 社会協力 3件/年
7.分析工程の効率化 自動化を目的とした新規分析機器の導入を検討する。
効率化を勘案した分析機器の導入について検討する。
効率化を勘案した分析機器の導入について検討する。
効率化を勘案した分析機器の導入について検討する。
8.環境関連技術の確立 燃料電池に用いる触媒試験体制の確立。
触媒試験の 2 件の受注、試験の実施。
触媒試験の 2 件の受注、試験の実施。
触媒試験の 2 件の受注、試験の実施。
9.収益状況の改善 環境負荷に関する業務の売上拡大及び経費支出の削減。
2019 年度経常利益15,000 千円。
経常利益 20,000 千円。
経常利益 25,000 千円。
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5.環境経営計画
1.廃棄物の削減と再資源化
①リサイクルボックスの活用
②分別の表示
③がれき類の分別徹底
④検体廃棄時の計量
⑤リサイクル品目の増加
2.水資源投入量の削減
①「節水コマ」の使用
②「節水」の表示
③トイレに「水流し音発生器」の使用
④「流水を用いる装置」の転換
⑤道具、容器の洗浄水の削減
3.二酸化炭素排出量削減
①日射の有効利用
②省エネの可視化の推進
③節電の実行
④LED電灯導入の検討
4.化学物質の管理 ①使用頻度等から適性保管量を設定、見直し
②適性保管量の維持、削減
5.環境ビジネス・技術開発 ①営業活動及びお客様からの問合せを「お客様引合い情報」に記載する。
②「お客様引合い情報」を受注につなげる。
6. 環境関連の社会協力の推進 ①赤坂台総合公園周辺の地域清掃の実施
②山梨日日新聞「環境の日」協賛
③公益財団法人山梨県緑化推進機構「緑の募金」への募金協力
7.分析行程の効率化 ①情報収集。
②機器導入について検討。 8.環境関連技術の確立 ①触媒試験の受注及び実施。
9.収益状況の改善
①受注状況の把握。
②売上状況の見える化。
③売上内容の分類。
④環境側面の経費削減
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6.環境経営目標の実績 活動期間:2019年 4月 1日~2020年 3月 31日
7.環境経営計画の取組結果とその評価、次年度の取組内容
環境経営目標 1:廃棄物の削減と再資源化 目標値:リサイクル率を 39.1%以上にする。
当社における廃棄物は主に以下のものがあります。
① お客様に提出する見積書・報告書等の文書を作成する際に発生するミスプリント、ミスコピー、廃棄書類・封筒などの紙ゴミ
② 検査業務に使用した器具・器材の廃棄物
③ 検査に伴って発生する酸・アルカリ廃液や有機溶剤廃液
④ 日常生活に伴う可燃ゴミ(「燃えるゴミ」として排出する一般廃棄物)
⑤ 廃棄する検体(検査の対象となる試料。土壌や食材等。)の計量
目標値 実績値
1.廃棄物の削減と再資源化 リサイクル率39.1% (過去3年平均) 39.2%
2.水資源投入量の削減 1検体あたり0.169m3 (過去3年 1検体あたり平均水道使用量) 1検体あたり0.152m3
3.二酸化炭素排出量削減 電力の排出係数は 0.000486(t-CO2/kWh)
年間二酸化炭素排出量179(t-CO2) (過去3年平均) 161(t-CO2)
4.化学物質の管理 試薬保管量 アルコール類 50L 第 1石油類 120L
アルコール類 50L以下 第 1石油類 120L以下
5.環境ビジネス・技術開発 お客様への提案・コンサルタント件数 年間240件 年間 267件
6.環境関連の社会協力の推進 社会協力3件/年 社会協力4件/年
7.分析行程の効率化 効率化を勘案した分析機器の導入について検討 検討実施
8.環境関連技術の確立 触媒試験の2件の受注、試験の実施 2件の受注、試験の実施
9.収益状況の改善 売上4億 1500万円。 3億 6200万円
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活動の結果・評価
活動の結果を下表と図に示します。
リサイクル率(%)
2016 年度 45.0%
2017 年度 39.8%
2018 年度 32.5%
目標値(過去 3 年平均) 39.1%
2019 年度 39.2%
活動の結果、目標であるリサイクル率 39.1%を 0.1%ですが達成することができました。
リサイクル率を引き下げる大きな要因となるガレキの廃棄が減少したことが要因のひとつと考えられます。通常、年 5~6回の廃棄を行っていますが、今年度は 4回と回数が少なかったことが影響したと考えられます。しかしながら昨年度から有価物として廃棄していた滅菌瓶等(ポリ容器)が、中国の廃プラスチック輸入禁止を受け、回収業者より有価物として受け取ってもらえなくなっている状況は続いており、目標値達成には厳しい状況となっています。
来年度も引き続き、廃棄物分別の更なる徹底を実施し、活動を進めます。
0
10
20
30
40
50
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
%
リサイクル率 目標値
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株式会社 山梨県環境科学検査センター
環境経営目標 2:総排水量の削減(=水資源投入量の削減)
目標値:1検体あたり 0.165 ㎥(過去 3年 1検体あたり平均水道使用量)
当社では、水の供給は水道水のみとなっております。また、排水については浄化槽排水と手洗いや器具の洗浄排水となっており、水資源投入量と総排水量はイコールとなります。
当社における水の利用は主に以下のものがあります。
① 検査器具、容器の洗浄
② 流水を利用する検査装置(水流アスピレータ、冷却水)
③ トイレ、洗濯・湯沸し、屋外の散水など
活動の結果・評価
活動の結果を下表と図に示します。
1 検体あたりの水使用量(㎥) 全体の水使用量(㎥)
2016 年度 0.182 3,578
2017 年度 0.177 2,824
2018 年度 0.149 2,390
目標値(過去 3 年平均) 0.169 ̶
2019 年度 0.152 2,401
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環境経営目標 3:二酸化炭素排出量削減(省エネルギー)
目標値:年間二酸化炭素排出量 222(t-CO2)(過去 3年平均)
排出係数:0.000486(t-CO2/kwh)環境省 報道発表資料 平成 28年度の電気事業者ごとの実排出係数・調整後排出係数等の公表について(お知らせ)
当社の業務は例年、夏期が繁忙期となり、電気使用量、最大電力ともにピークを記録します。平常時の電気使用量とともに、特に繁忙期の電力使用量を抑制することにより、年間の二酸化炭素排出量を押し下げることができると考えています。
活動の結果・評価
活動の結果を下表と図に示します。
二酸化炭素排出量(t-CO2)
2016 年度 231 2017 年度 210 2018 年度 205 目標値(過去 3 年平均) 215
2019 年度 194
活動の結果、目標値 215(t-CO2)を達成することができました。
170
180
190
200
210
220
230
240
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
t-CO
2
二酸化炭素排出量 目標値
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弊社の二酸化炭素排出量は 70%以上が電気使用量によるものです。そこで目標値となる過去 3年平均と今年度の電気使用量を比較しました。
弊社の電気使用量の多くはエアコンの使用と分析機器の使用が大半を占めます。
2019 年度の夏は長梅雨であったため、8月までの電気使用量が下がり、梅雨明けから猛暑が続いたため 9月の電気使用量は過去 3年平均の電気使用量より増加しています。しかしながら、過去 3年平均の電気使用量を超えたのは 9月と 10月、12月の 3カ月で、その他の月は概ね電気使用量は減少しています。
また今年度 4月から電気供給会社を変更しました。経費削減を目的にしたもので、結果は以下のとおりです。
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
45000
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
kwh
過去3年平均 2019年度
0
10
20
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40
50
60
70
80
90
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
万円
2018年度 2019年度
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8 月の 18万円の削減を最大に年間で 113万円の電気使用料削減に繋がりました。経営マネジメントにも経費削減面で大きく貢献できたと考えます。
緑のカーテン
環境経営目標 4:化学物質の管理
目標値:「消防法による危険物」の保管量を維持監視する。
当社は検査業務を行うにあたり、有機溶剤や酸・アルカリなどの試薬を多く使用しています。使用する試薬の量は、規格に基づき公に定められて(以下「公定法」)います。また、検査のご依頼が多くなると検査する数(以下「検体」)も増加しますので、化学物質の全使用量が増加します。
そのため、当社としての化学物質の管理に関する目標は、化学物質を単純に削減や代替品に変えることは難しく、試薬などの量を適正に使用するという観点で、目標を設定しています。
有機溶剤などの適正量の使用を呼びかけるとともに、検査で使用する薬品の在庫を適正に管理するという視点に変え、消防法における危険物の保管量に対し、徐々に削減することを目標としました。
これまでの活動で、適性保管量を把握し、繁忙期を上限に保管量に差があるものの、届出数量であるアルコール類 50L、第 1石油類 120L を適性保管量とし、維持監視することを目標に活動しました。
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活動の結果・評価
活動の結果を下表に示します。
アルコール類 第 1 石油類
届出数量及び目標値 50.0L 120.0L
2019 年度(平均) 29.8L 68.0L
アルコール類、第 1石油類ともに保管量が目標値を超えることはありませんでした。来年度以降も試薬の保管内容を見直し、使用頻度少ない試薬を抽出し、保管の必要がなければ廃棄等の処理を行い、保管量の削減を行います。
環境経営目標 5:環境ビジネス・技術開発
目標値:全社で 20件/月のお客様の環境に有益な取り組みを提案する。
当社では、検査以外の業務として検査に付帯する分析結果に対するアドバイス、コメント、また、環境アセスメントのコンサルテーション業務、ISO14001 の認証取得支援業務、エコアクション 21(EA21)の認証取得支援業務を実施し、当社の業務が環境の配慮に繋がっています。また、弊社Webページに設置した問い合わせメールで寄せられた環境に関する相談等に対応しています。
お客様からのお問い合わせへのご提案として最低でも 1日 1件を行う事を目標として取り組みました。
活動の結果・評価
活動の結果を以下に示します。
お客様への提案・コンサルテーション件数 年間 267件
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となり、目標である 20件/月を 2カ月だけ達成することができませんでしたが、年間件数は目標を達成いたしました。
来年度につきましても、お客様の要望に応えられるような、コンサルテーション、提案等を行って行きたいと考えています。
環境経営目標 6:環境関連の社会協力の推進
目標値:社会協力 3件/年
弊社ではこれまでも毎年、環境関連の社会協力として、以下の行事等に参加してまいりましたが、これらの活動を環境経営目標に組み込み、永続的に取り組んでいくこととしました。全ての活動を例年どおり行い、目標を達成致しました。さらに 2016年度から北杜市の環境保全協力金に賛同し、寄付を行っており、その結果、目標値である社会協力 3件/年を達成し、社会協力 4件/年に参加しました。来年度以降も現状の取組に加え、新たな活動を検討して行きたいと思います。
① 当社及び、赤坂台総合公園周辺の地域清掃の実施(2ヶ月に 1回)。
② 山梨日日新聞「環境の日」協賛。
③ (財)山梨県緑化推進機構「緑の募金」への募金の協力。
④ 北杜市環境保全協力金
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25
30
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4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
件 コンサルテーション件数目標値
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環境経営目標 7:分析行程の効率化
目標値:効率化を勘案した分析機器の導入について検討する。
検討した分析機器: 液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS/MS)
当社は分析の効率化を進める中で、2019年 8月に液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS/MS)を更新しました。この機器は以前から導入しており、ハロ酢酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(LAS)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)等の分析をしており、機器の老朽化から更新を行いました。また飲料水のフェノール類の分析がこの機器を使用した公定法が導入されたため、以前のガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用いた分析から変更を検討しており、来年度は効率化を測定していく予定です。
環境経営目標 8:環境関連技術の確立 目標値:触媒試験の 2件の受注、試験の実施。
一昨年度からの当社の新たな取り組みとして、燃料電池分野で用いられる触媒の性能評価の技術確立を進めています。燃料電池は反応後に水しか発生しないクリーンな発電方法として注目されてきました。近年の技術開発により一般向け製品の普及やインフラ整備など国家単位で活動が活発な分野です。当分野で事業を行うことは社会のエネルギー問題の解決に繋がる業務と捉え、取り組みを開始しました。
習得した燃料電池分野の触媒性能の解析技術を基礎にし、これら解析技術を活用した解析業務を2件受託しました。
活動の結果、評価
習得技術
写真1 LC/MS/MS
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1.触媒の TG-DTAを用いた熱重量分析
→触媒試料を高温で熱した時の重量変化の測定と、基準物質との温度差を測定することで触媒試料の転移や反応の熱変化をとらえる。当件では触媒の炭素析出量を解析するために活用し、触媒開発に貢献できる。
2.加圧条件下でのCOメタン化反応触媒の評価技術
→これまでは常圧下での評価技術を行ってきたが、高圧に対応できる解析装置の操作方法や解析方法を習得した。反応条件を拡張でき触媒開発の促進に貢献できる。
触媒性能解析業務の受託
1.COメタン化反応触媒 評価技術
→上記習得技術を用いて、常圧下と加圧下でのCOメタン化触媒の解析評価を実施した。納期内に納品を完了した。
2.使用済みの触媒における炭素析出量評価業務の受託
→上記習得技術を用いて、使用後の触媒に析出した炭素量を測定した。納期内に納品を完了した。
上記より今年度の目標値である 2件の触媒試験を受注し納品することができました。発注先は昨年度の学術関連だけでなく民間企業からの受注もあり、顧客拡大を進めることができました。来年度以降は本評価技術を基盤として燃料電池分野の他の分析ニーズの探索を行い、環境技術の向上とエネルギー問題の解決に貢献していきます。
エネファームの構造(引用:燃料電池.net) 触媒の使用箇所(引用:山梨大学 資料)
内部詳細
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環境経営目標 9:収益状況の改善
目標値:経常利益 15,000 千円
当社の業務はこれまで述べてきたとおり、飲料水、排水、河川等の水質検査や、土壌、大気等の環境計量等と、環境に直結する業務を行っております。これらの業務の売上を伸ばし、経常利益を生み出し、安定して経営することで、あらゆる環境側面に良い影響をもたらすとの考えに沿って、この目標に取り組みました。
活動の結果・評価
毎月開催される、リーダー会議、営業連絡会議で受注、売上の報告、今後の対応を検討しましたが、入札物件の低価格化、大型物件自体の減少等により、売上が伸ばすことはできませんでした。しかしながら、「環境経営目標 3」で報告したとおり、電気供給会社の変更により、経費削減を実現したことで貢献できました。
来年度についても、売上目標の達成、予算内での経費執行を徹底し、経常利益の目標額到達を目指します。
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8.環境関連法規の遵守状況の確認及び評価の結果並びに違反、訴訟の有無
当社が遵守する環境関連法規を以下の表に示します。
法規と規制内容 適用 義務 遵守評価
水質汚濁防止法
・特定施設 (試験研究施設・洗浄施設に該当)
①特定施設設置時及び変更時届出 ①今年度は該当なし
・特定事業所の排水基準 (pHのみ該当) ・有害物質 (基準28項目)
①排水の測定 対象項目 ・pH+自主測定2項目 (月1回実施) ・有害28項目(年1回実施)
①水質検査は規定通り実施、排水基準に適合
・特定事業場の設置者 ① 有害物質漏えい時の応急措置対策届出
①今年度は該当なし
廃棄物の処理及び 清掃に関する法律
・事業系一般廃棄物 ・産業廃棄物 ・特別管理産業廃棄物(廃酸・廃アルカリ、廃油) ・特別管理産業廃棄物帳簿の記載 ・産業廃棄物管理票交付者の報告書
① 廃棄物の保管管理 ② 特別管理産業廃棄物管理責任者の選任
③ 適正な業者に委託して適正処理(委託契約)
④ マニフェストの運用 ⑤ 帳簿の作成、記入(1年毎に閉鎖、5年間保管)
⑥ 報告書の提出(毎年 6/30まで)
①適正に管理 ②選任済み ③契約済み ④適正に運用 ⑤適切に記入 ⑥報告済み
浄化槽法
単独浄化槽 ① 保守点検(1回/3ヶ月) ② 清掃(1回/年) ③ 記録の保管 ④ 定期検査(1回/年)
①~④規定通り実施
フロン排出抑制法
パッケージエアコン ① 簡易点検(1回/3ヶ月) ② 対象機3台について、専門業者による点検を実施(1回/3年)
① 、②規定通り実施
当社に関連する法律は水質汚濁防止法、廃棄物処理及び清掃に関する法律、浄化槽法、フロン排出抑制法です。この 4つの法律について遵守状況を確認したところ遵守されているとの評価を得ています。
また、違反、訴訟等はありませんでした。
なお、関係当局よりの違反等の指摘は、過去3年間ありません。
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9.環境関連の社会協力 環境関連の社会協力として、以下の行事等に参加しました。今後とも同様の社会協力に参加をします。
① 当社及び、赤坂台総合公園周辺の地域清掃の実施(2ヶ月に 1回)。
② 山梨日日新聞「環境の日」協賛。
③ (財)山梨県緑化推進機構「緑の募金」への募金の協力。
④ 北杜市環境保全協力金への寄付。
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10.代表者による全体評価と見直しの結果 2019 年度の代表者による全体の評価と見直しの結果、以下の点を指摘し、見直しを指示しました。
環境方針について
① 新たに作成した「環境経営方針」を発効させる。
目標・活動計画について
① 目標未達の収益状況の改善の原因追求が見えない。環境目標を達成して会社の収益が上がる目標設定を行うこと。
② 全社員の EA21活動が行える目標を設定し、会社内を活性化させること。
③ 若い世代の意見を吸い上げるためにプロジェクト(ワーキンググループ)を有効活用すること。
④ 新型コロナウイルスが流行している社会活動に当社がどのような貢献が行えるか今年度内に討議して行動すること。
環境経営システムについて
① ワーキンググループ活動の再編を行う。2019年度の動きが見えない。2020年度に確実に編成して動かすこと。
2020 年 5月 25日
株式会社 山梨県環境科学検査センター
代表取締役社長 小澤 一昭
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環境経営レポート No.14
株式会社山梨県環境科学検査センター
〒400-0111 山梨県甲斐市竜王新町 2277-12
TEL 055-278-1600 FAX 055-278-1601