NITE NITE における微生物資源センターにおける微生物資源センター

の業務についての業務について

NITENITEバイオテクノロジー本部バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門生物遺伝資源部門

鈴木健一朗鈴木健一朗（（suzukisuzuki--kenken--ichiro@nite.go.jpichiro@nite.go.jp））

2010年4月21日

資料３

21/04/201021/04/2010 22

安心を未来につなぐナイトです。

独立行政法人製品評価技術基盤機構

21/04/201021/04/2010 33

バイオテクノロジー本部の組織バイオテクノロジー本部の組織

(2010)(2010)

次長

生物遺伝資源情報部門NGAC

生物遺伝資源部門NBRC

生物遺伝資源開発部門NBDC

資源情報解析課 遺伝資源保存課 資源開発課

計画課 情報システム管理課

特許微生物寄託センターNPMD

東北支所（バイオ技術課）

バイオ安全業務室

本部長

東京 かずさ

仙台

21/04/201021/04/2010 44

OECDOECDにおけるにおけるBRCBRCに関する議論に関する議論

第１期 1999 - 2001生物資源センター（BRC) -

生命科学とバイオテクノロジーの未来を支えるために

1. 1. 生物資源センターの必要性生物資源センターの必要性2. 2. 生物多様性とゲノミクスにより増大する課題生物多様性とゲノミクスにより増大する課題3. 3. 長期的安定のための資金援助長期的安定のための資金援助4. 4. 質と専門性の確保質と専門性の確保5. 5. アクセスに影響を及ぼす制約アクセスに影響を及ぼす制約6. 6. 生物資源センターの地球規模のネットワーク化に向けて生物資源センターの地球規模のネットワーク化に向けて7. OECD7. OECD加盟非加盟各国への実行の呼びかけ加盟非加盟各国への実行の呼びかけ

第２期第２期2001 2001 –– 20062006 BRCBRCのためのベストプラクティスガイドラインとグローバルネットワークのためのベストプラクティスガイドラインとグローバルネットワーク

1. 1. 緒言緒言2. BRC2. BRCの概念の概念3. BRC3. BRCのガイドラインの作成と実施のガイドラインの作成と実施((すべてのすべてのBRCBRC、微生物、ヒト材料、微生物、ヒト材料))4. 4. 情報の連携と交換のためのガイドライン情報の連携と交換のためのガイドライン5. 5. グローバルグローバル

BRCBRCネットワークの構築ネットワークの構築6. BRC6. BRCのためのバイオセキュリティのためのバイオセキュリティ7. 7. 能力構築能力構築

21/04/201021/04/2010 55

BRCBRCに求められる微生物資源に求められる微生物資源 もともと提供者と利用者が異なるコミュニティもともと提供者と利用者が異なるコミュニティ1.1. 利用者自身での分離が困難利用者自身での分離が困難

検査指定株、基準株（法令で指定）検査指定株、基準株（法令で指定）

分離源が海外（生物多様性）分離源が海外（生物多様性）

論文発表などで用いられた株論文発表などで用いられた株

2.2. 利用者の必要な情報がすでにある利用者の必要な情報がすでにある分類情報（分類情報（16S 16S rRNArRNA遺伝子塩基配列情報遺伝子塩基配列情報, etc, etc））選別するための情報がある（分離源選別するための情報がある（分離源, etc, etc））物質生産、活性物質生産、活性

3.3. 利用環境の整備された資源である利用環境の整備された資源である検索のためのデータベースが整備されている検索のためのデータベースが整備されている

利用条件、権利等が明確利用条件、権利等が明確 (MTA, (MTA, 利益分配利益分配))法律・規制における位置づけが明確法律・規制における位置づけが明確 (CBD, (CBD, 安全、検疫安全、検疫))

21/04/201021/04/2010 66

ＮＩＴＥＮＩＴＥ--ＢＲＣとしての基本的な機能：ＢＲＣとしての基本的な機能：

産業有用微生物の保存と供給産業有用微生物の保存と供給

1. 1. 参照株参照株((レファレンス株レファレンス株))日本薬局方、日本薬局方、ISO/JISISO/JISなどに指定された試験標準菌株などに指定された試験標準菌株指定株を用いることによるデータのバリデーション指定株を用いることによるデータのバリデーション

2. 2. 分類学的基準株（タイプ株）分類学的基準株（タイプ株）命名規約に基づく「種」を代表する株命名規約に基づく「種」を代表する株

微生物の正確な同定による、知財、安全性の確保微生物の正確な同定による、知財、安全性の確保

3. 3. 研究・開発の材料研究・開発の材料多様な微生物の効率的な利用多様な微生物の効率的な利用

論文に用いられた微生物株の活用論文に用いられた微生物株の活用

21/04/201021/04/2010 77

NBRCNBRCに登録されている微生物資源とその数に登録されている微生物資源とその数

糸状菌

放線菌

細菌

酵母

バクテリオファージアーキア（古細菌）

藻類微生物微生物■■

糸状菌糸状菌

10,10410,104 (41%)(41%)■■

酵母酵母

4,0244,024 (16%)(16%)■■

細菌細菌

7,8117,811 (31%)(31%)■■

放線菌放線菌

2,4272,427 (10%)(10%)■■

アーキア（古細菌）アーキア（古細菌）

196196 (0.8%)(0.8%)■■

藻類藻類

572572 (2%)(2%)■■

バクテリオファージバクテリオファージ

7575 (0.3%)(0.3%)小計小計

25,20925,209

ヒト関連クローンヒト関連クローン■■

FL FL cDNAcDNA clones clones 30,30030,300■■

SV SV cDNAcDNA clones clones 25,09925,099■■

Gateway Entry clones Gateway Entry clones 33,27533,275小計小計

88,67488,674

合計合計

113,883113,88320102010年年33月末現在月末現在

微生物の分類と産業上の有用性微生物の分類と産業上の有用性

糸状菌（カビ）糸状菌（カビ）

抗生物質、酵素、木材腐朽抗生物質、酵素、木材腐朽酵母酵母

酒・味噌醸造、パン酒・味噌醸造、パン細菌（バクテリア）細菌（バクテリア）

食品、アミノ酸、洗剤酵素食品、アミノ酸、洗剤酵素放線菌放線菌

抗生物質、酵素抗生物質、酵素アーキア（古細菌）アーキア（古細菌）

メタン発酵、耐熱酵素メタン発酵、耐熱酵素藻類藻類

バイオ燃料、二酸化炭素低減バイオ燃料、二酸化炭素低減バクテリオファージバクテリオファージ

ウイルス代替モデルウイルス代替モデル

25,209

21/04/201021/04/2010 88

多様な生物遺伝資源の提供多様な生物遺伝資源の提供

公的機関公的機関

教育機関教育機関民間企業民間企業

高校教育用高校教育用

指定株指定株

微生物株微生物株** 4,2004,200 8,4008,400 1,0501,050

ゲノムゲノムDNADNA 10,50010,500 21,00021,000 --

微生物ショットガンク微生物ショットガンク

ローンローン4,8304,830 9,6609,660 --

ヒトヒトcDNAcDNAクローンクローン 15,75015,750 31,50031,500 --

送料、消費税込み送料、消費税込み**大量購入に対する割引制度の導入（民間企業向け、大量購入に対する割引制度の導入（民間企業向け、1010株以上は株以上は10%10%引き）引き）

分譲実績分譲実績(2009(2009年）年）

：：

2,7962,796件、件、88198819株株（微生物株、（微生物株、DNADNAクローン合計）クローン合計）

21/04/201021/04/2010 99

2002 – 2006 年度。国内

6%8%

12%

8%

29%

37%

試験・検定（局方試験、品質管理）

研究開発

その他

同定・比較参照

発酵生産

スクリーニング

NBRCNBRC菌株の使用目的菌株の使用目的

21/04/201021/04/2010 1010

菌株分譲数ベスト１０菌株分譲数ベスト１０

（（20082008年度）年度）

NBRC No.NBRC No.Strain NameStrain Name

分譲数分譲数主な使用目的主な使用目的

11 39723972Escherichia coliEscherichia coli

231231日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株

22 1327513275Pseudomonas aeruginosaPseudomonas aeruginosa

１１8585日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株

33 １１3276 3276 Staphylococcus aureusStaphylococcus aureus subspsubsp. . aureusaureus

１１4545日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株

44 12731273２２Staphylococcus aureusStaphylococcus aureus subsp.subsp.

aureusaureus１１4343

日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株

55 3134 3134 Bacillus subtilisBacillus subtilis subsp.subsp.

subtilis subtilis １１3636

日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株

66 1594 1594 Candida albicansCandida albicans

１１2929抗菌活性試験標準株抗菌活性試験標準株

77 94559455Aspergillus niger Aspergillus niger

116116抗菌活性試験標準株抗菌活性試験標準株

88 33013301Escherichia coliEscherichia coli

8484組換えＤＮＡ実験用宿主組換えＤＮＡ実験用宿主

99 100797100797Salmonella enterica Salmonella enterica subsp.subsp.

entericaenterica7878

日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株日本薬局方－微生物限度試験（特定微生物試験）、抗菌活性試験標準株

1010 1591115911Methlobacterium extorquensMethlobacterium extorquens

6868日本薬局方－製薬用水の無菌試験日本薬局方－製薬用水の無菌試験

ベスト10合計1315株

ベスト20合計1712株

ベスト30合計1969株

↑安定供給

（検定菌・標準菌）

微生物分譲総数7798株

品揃えの重要性（研究用）

↓

1株分譲2087株

21/04/201021/04/2010 1111

微生物遺伝資源の寄託微生物遺伝資源の寄託

1.1. 一般寄託（無料・公開）一般寄託（無料・公開）研究成果の公開と第三者による活用（研究成果の公開と第三者による活用（NBRCNBRCによる同定の確認）による同定の確認）新種の基準としての寄託（証明書の発行）新種の基準としての寄託（証明書の発行）

2.2. 制限付き寄託（有料・公開）制限付き寄託（有料・公開）分譲先からの（研究に限るなどの）利用制限の担保分譲先からの（研究に限るなどの）利用制限の担保

分譲先を知ることによる成果の橋渡しと知財権侵害の監視分譲先を知ることによる成果の橋渡しと知財権侵害の監視

資源国による資源管理資源国による資源管理

3.3. 安全寄託（有料・非公開）安全寄託（有料・非公開）保存のリスク分散保存のリスク分散

寄託の時点での保有の証明寄託の時点での保有の証明

4.4. 特許寄託（有料、特許微生物寄託センター）特許寄託（有料、特許微生物寄託センター）微生物株を用いた特許出願のための寄託微生物株を用いた特許出願のための寄託

満了（取り下げ）後の活用満了（取り下げ）後の活用

21/04/201021/04/2010 1212

微生物の保存と品質管理微生物の保存と品質管理

（液体窒素

21/04/201021/04/2010 1313

材料の品質に対する要求材料の品質に対する要求

生残率生残率純度純度同一性同一性公開と提供の体制公開と提供の体制安定的供給安定的供給 ((長期保存長期保存))分類および応用に関する情報分類および応用に関する情報

ISO9001:2008ISO9001:2008認証を受けた品質マネジメントシステム認証を受けた品質マネジメントシステム (QMS)(QMS)の構築の構築

保存の手順と品質管理システムの標準化保存の手順と品質管理システムの標準化各作業と材料の記録各作業と材料の記録顧客満足度調査顧客満足度調査

21/04/201021/04/2010 14

21/04/201021/04/2010 1515

海外生物資源へのアクセスと利用海外生物資源へのアクセスと利用 ＣＢＤ条約下のＣＢＤ条約下のBRCBRCに期待される役割に期待される役割

1.1. 効率的な新規微生物の発見と資源の充実効率的な新規微生物の発見と資源の充実2.2. 海外の微生物資源の合法かつ迅速な提供海外の微生物資源の合法かつ迅速な提供3.3. 将来の利益配分を明確にした資源管理将来の利益配分を明確にした資源管理4.4. 国際的中核機関としての活動国際的中核機関としての活動5.5. 資源国の資源探索のための技術移転資源国の資源探索のための技術移転6.6. 国際国際BRCBRCネットワークの拠点となる現地ネットワークの拠点となる現地

BRCBRC設立の支援設立の支援7.7. 微生物の国際移転や生物安全レベルの微生物の国際移転や生物安全レベルの

国際標準の普及国際標準の普及

21/04/201021/04/201018/02/201018/02/2010 1616

原産国

日本

Distribution

* BRC間のMOUに基づ

いて実施

BRC (=NBRC)利用者

原産国のBRC

分離者＝寄託者

寄託

移転

BRCを通した微生物資源の原産国からの国際移転と利用条件の明確化

原産国への年次報告

報告利用条件については自国内のBRCとの間で確認

21/04/201021/04/2010 1717

1. 微生物学研究を促進するための国際共同研究の枠組み作り

2. 各国固有の特色を持った微生物資源の開発3. 学術および産業において利用されるためのメカニズムの構築

4. BRC ネットワークの構築

5. 微生物資源の移転および利益分配のための国際標準の作成

6. 標準的技術の改良および共有（特に保存法と分類・同定法）

微生物資源の保全と持続可能な利用のための微生物資源の保全と持続可能な利用のためのアジアコンソーシアムアジアコンソーシアム

(ACM) (2004 (ACM) (2004 ––))

Asian Consortium for the Conservation and Sustainable Use of MicAsian Consortium for the Conservation and Sustainable Use of Microbial Resourcesrobial Resources

LIPI

MARDI Univ. Philippines

NBRC/NITEInst. MicrobiologyChinese Academy of Sciences

KRIBB-BRC

Inst. BiologyMongolian Academy of Sciences

Vietnam National Univ.

Ministry of Environment

BIOTEC

Research Instituteof Science

Pathein Univ.

21/04/201021/04/2010 1818

資源活用のための情報の提供資源活用のための情報の提供

1.1. オンライン検索システムの開発、公開オンライン検索システムの開発、公開提供可能株、学名などを最新情報で提供提供可能株、学名などを最新情報で提供保有全菌株の保有全菌株のrRNArRNA遺伝子の解析データの公開遺伝子の解析データの公開利用者の分類・同定の支援利用者の分類・同定の支援メールマガジンによる各種情報提供とのリンクメールマガジンによる各種情報提供とのリンク

2.2. 冊子体カタログの出版冊子体カタログの出版多様な情報提供による利便性多様な情報提供による利便性

3.3. 他の公開データベースとのリンク他の公開データベースとのリンク学名データベース、塩基配列データベース、文献学名データベース、塩基配列データベース、文献情報とリンクすることによる、情報と材料の結合情報とリンクすることによる、情報と材料の結合NITENITEバイオ本部で解析したゲノム情報との連携バイオ本部で解析したゲノム情報との連携

21/04/201021/04/201018/02/201018/02/2010 1919

DNA 塩基配列のホモロジーサーチ＞＞

菌株選定と確認が可能に

NBRC菌株カタログ情報

（http://www.bio.nite.go.jp/dogan/Top）菌株とゲノム情報のリンク

21/04/201021/04/2010 2121

これからのこれからのNBRC (1)NBRC (1) 目的に合った品質管理とそのための技術開発目的に合った品質管理とそのための技術開発

1.1. 微生物の分類・同定と管理技術の支援微生物の分類・同定と管理技術の支援1.1. rRNArRNA遺伝子塩基配列に続く有用な遺伝子情報の整備遺伝子塩基配列に続く有用な遺伝子情報の整備2.2. NBRCNBRC株の法令や各種規制における指定の整備株の法令や各種規制における指定の整備3.3. 指定株の目的に合った性能と品質管理指定株の目的に合った性能と品質管理

2.2. 微生物の法令適合への保証微生物の法令適合への保証1.1. バイオセーフティレベルバイオセーフティレベル

(BSL) (BSL) の証明の証明

2.2. 食経験のある微生物であることの証明食経験のある微生物であることの証明3.3. 微生物同士の（非）同一性の証明微生物同士の（非）同一性の証明

21/04/201021/04/2010 2222

これからのこれからのNBRC (2) NBRC (2) 研究開発支援のための材料と情報の提供と研究開発支援のための材料と情報の提供と

インフラの整備インフラの整備

3.3. 材料を選定・利用するための情報付与とデータ材料を選定・利用するための情報付与とデータ ベースの開発ベースの開発

1.1. データベースの効率的更新に向けた取り組みデータベースの効率的更新に向けた取り組み2.2. ゲノム情報と結びつく表現性状の充実ゲノム情報と結びつく表現性状の充実

4.4. 保存・提供体制の整備保存・提供体制の整備1.1. LL乾燥適用微生物の拡大乾燥適用微生物の拡大2.2. 海外資源を含む菌株利用の手続の明確化と簡便化海外資源を含む菌株利用の手続の明確化と簡便化

21/04/201021/04/2010 2323

日本の発酵産業のシンボル「コウジ菌」日本の発酵産業のシンボル「コウジ菌」 純粋培養を維持する高度な伝統技術によって守られてきた純粋培養を維持する高度な伝統技術によって守られてきた

麹作り（其二麹醸）日本山海名産図絵より（有）光琳、若山秀夫氏提供「伝統ある麹の新しい世界」JSCC, 2004

純粋培養されたAspergillus oryzae の分生子を日本酒醸造元に販売する種麹屋は

平安時代にはすでにあったと いわれています。

NBRCは、現代バイオテクノロ ジーの種麹屋を目指します。

21/04/201021/04/2010 2424

コウジ菌の維持コウジ菌の維持

M. A. Klich「伝統ある麹の新しい世界」JSCC, 2004

コウジ菌の近縁なカビ

には発ガン性カビ毒 「アフラトキシン」を生 産するものがある。

その中でコウジ菌が維

持されてきたのは麹屋 の品質管理に依るとこ ろが大きい。

黄コウジ菌 醤油コウジ菌

カビ毒生産菌