1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;mca)領域皮質全体の...

15
1)症例報告 2) Staged angioplasty を施行したが過灌流症候群を呈した頚部内 頚動脈狭窄症の1例 3)新美淳 Jun Niimi 、田坂研太 Kenta Tasaka 、根本文夫 Fumio Nemoto 、森脇拓也 Takuya Moriwaki 、畑山和己 Kazumi Hatayama 内藤博道 Hiromichi Naito 4)船橋市立医療センター 脳神経外科 5) 273-8588 千葉県船橋市金杉 1-21-1 Department of Neurosurgery, Funabashi Municipal Medical Center 1-21-1,Kanasugi,Funabashi,Chiba,273-8588,Japan 6) staged angioplasty 、頚部内頚動脈狭窄、過灌流症候群 7)本論文を , 日本脳神経血管内治療学会 機関誌「 JNET Journal of Neuroendovascular Therapy 」に投稿するにあたり , 筆頭演者 , 共著 者によって , 国内外の他雑誌に掲載ないし投稿されていないことを 誓約致します。

Upload: others

Post on 07-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

1 ) 症 例 報 告

2 ) S t a g e d a n g i o p l a s t y を 施 行 し た が 過 灌 流 症 候 群 を 呈 し た 頚 部 内

頚 動 脈 狭 窄 症 の 1 例

3 ) 新 美 淳 J u n N i i m i、 田 坂 研 太 K e n t a Ta s a k a、 根 本 文 夫 F u m i o

N e m o t o、森 脇 拓 也 Ta k u y a M o r i w a k i、畑 山 和 己 K a z u m i H a t a y a m a、

内 藤 博 道 H i r o m i c h i N a i t o

4 ) 船 橋 市 立 医 療 セ ン タ ー 脳 神 経 外 科

5 ) 2 7 3 - 8 5 8 8 千 葉 県 船 橋 市 金 杉 1 - 2 1 - 1

D e p a r t m e n t o f N e u r o s u r g e r y, F u n a b a s h i M u n i c i p a l M e d i c a l

C e n t e r

1 - 2 1 - 1 , K a n a s u g i , F u n a b a s h i , C h i b a , 2 7 3 - 8 5 8 8 , J a p a n

6 ) s t a g e d a n g i o p l a s t y、 頚 部 内 頚 動 脈 狭 窄 、 過 灌 流 症 候 群

7 )本 論 文 を ,日 本 脳 神 経 血 管 内 治 療 学 会 機 関 誌「 J N E T J o u r n a l o f

N e u r o e n d o v a s c u l a r T h e r a p y」 に 投 稿 す る に あ た り ,筆 頭 演 者 ,共 著

者 に よ っ て , 国 内 外 の 他 雑 誌 に 掲 載 な い し 投 稿 さ れ て い な い こ と を

誓 約 致 し ま す 。

Page 2: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

S t a g e d a n g i o p l a s t y を 施 行 し た が 過 灌 流 症 候 群 を 呈 し た 頚 部 内 頚 動

脈 狭 窄 症 の 1 例

和 文 要 旨

【 目 的 】頚 部 内 頚 動 脈 狭 窄 症 に 対 し s t a g e d a n g i o p l a s t y を 施 行 し た

が 、 過 灌 流 症 候 群 を 呈 し た 1 例 を 報 告 す る 。【 症 例 】 8 4 歳 男 性 、 脳

梗 塞 発 症 の 左 頚 部 内 頚 動 脈 狭 窄 症( 偽 閉 塞 )。緊 急 血 管 拡 張 術 施 行 し 、

9 日 後 に 頚 動 脈 ス テ ン ト 留 置 術 施 行 。 術 後 や や 不 穏 で あ り 、 4 日 目

に 右 麻 痺 、 失 語 の 増 悪 が 出 現 、 痙 攣 発 作 を 認 め た 。 M R I で 新 た な 脳

梗 塞 は 認 め ず 、S P E C T で 左 頭 頂 葉 の 脳 血 流 量 増 加 を 認 め 、過 灌 流 症

候 群 と 診 断 し た 。 抗 痙 攣 薬 投 与 、 厳 格 な 血 圧 管 理 を 行 い 、 出 血 性 合

併 症 は 呈 さ ず 、 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 院 転 院 と な っ た 。【 結 論 】

s t a g e d a n g i o p l a s t y を 9 日 間 の i n t e r v a l で 施 行 し 過 灌 流 症 候 群 を 呈

し た 。現 時 点 で は i n t e r v a l に 明 確 な 基 準 は な く 、脳 血 流 評 価 を 行 い 、

症 例 毎 に 慎 重 に 検 討 す る 事 が 肝 要 で あ る 。

諸 言

頚 部 頚 動 脈 狭 窄 症 に 対 す る 外 科 的 治 療 と し て は 、 主 に 頚 動 脈 内 膜 剥

離 術 ( c a r o t i d e n d o a r t e r e c t o m y ; C E A) が 施 行 さ れ て き た が 、 頚 動

脈 ス テ ン ト 留 置 術 ( c a r o t i d a r t e r y s t e n t i n g ; C A S) も 確 立 し た 治 療

と し て 増 加 し て き て い る 。

C A S は 、局 所 麻 酔 下 に て 比 較 的 短 時 間 で 施 行 可 能 で あ り 、非 侵 襲 的

な 治 療 と 考 え ら れ る 。 し か し 、 周 術 期 の 虚 血 性 合 併 症 、 穿 刺 部 合 併

Page 3: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

症 、 術 後 の 過 灌 流 症 候 群 ( h y p e r p e r f u s i o n s y n d r o m e ; H P S) 等 の 合

併 症 が 存 在 す る 。特 に 、C A S で は 術 前 よ り 抗 血 小 板 薬 2 剤 以 上 を 内

服 し て い る 事 が 殆 ど で あ り 、 術 後 の H P S に は 注 意 を 要 す る 。

H P S の 発 症 率 は 0 . 2~ 1 8% と 報 告 さ れ て お り 1 )、 頭 痛 、 意 識 障 害 、

片 麻 痺 な ど の 巣 症 状 、痙 攣 な ど を 起 こ し 得 る 2 )。さ ら に 0 . 6 %は 頭 蓋

内 出 血 を 起 こ し 、 予 後 不 良 で あ る 事 が 報 告 さ れ て い る 3 )。

O g a s a w a r a ら は 、 C E A 術 後 の 厳 格 な 血 圧 管 理 が H P S に 伴 う 頭 蓋 内

出 血 予 防 に 有 用 で あ っ た が 、C A S 術 後 で は そ の 有 用 性 が 示 さ れ な か

っ た 事 を 報 告 し て い る 3 )。 C A S 術 後 の 厳 格 な 血 圧 管 理 が H P S お よ

び 頭 蓋 内 出 血 を 減 少 さ せ る と の 報 告 も 見 ら れ る が 4 )、 一 定 の 見 解 は

得 ら れ て い な い 。 近 年 で は 、 Yo s h i m u r a ら が C A S 後 の 過 灌 流 の 予

防 と し て s t a g e d a n g i o p l a s t y( S A P) の 有 用 性 を 報 告 5 )し て 以 来 、

S A P は 注 目 を 浴 び て 多 く の 施 設 で 実 践 さ れ て き て い る 。

今 回 我 々 は 、症 候 性 の 左 頚 部 内 頚 動 脈 狭 窄 症( 偽 閉 塞 )に 対 し s t a g e d

a n g i o p l a s t y を 施 行 し た が 、 H P S を 呈 し た 1 例 を 経 験 し た の で 報 告

す る 。

症 例 呈 示

患 者 : 8 4 歳 、 男 性

既 往 歴 : 高 血 圧 症

現 病 歴 : 某 年 4 月 に 構 音 障 害 、 失 語 、 右 同 名 半 盲 に て 発 症 し 、 M R I

に て 左 前 頭 -頭 頂 葉 の 散 在 性 脳 梗 塞 、左 頚 部 内 頚 動 脈 高 度 狭 窄 を 認 め 、

他 院 に て 入 院 内 科 的 加 療 さ れ 、 自 宅 退 院 と な っ た 。 そ の 後 、 頚 動 脈

狭 窄 症 に 対 す る 精 査 お よ び 加 療 目 的 に て 、 5 月 に 当 院 外 来 紹 介 受 診

Page 4: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

と な っ た 。

当 院 受 診 時 神 経 学 的 所 見 : G C S E 4 V 4 M 6、 軽 度 の 右 麻 痺 、 失 語 、 右

同 名 半 盲 を 認 め た 。

頚 動 脈 エ コ ー : 左 内 頚 動 脈 ( i n t e r n a l c a r o t i d a r t e r y ; I C A) の 収 縮

期 最 高 流 速 は 5 2 2 . 6 c m / s と 著 明 に 上 昇

M R I: 左 分 水 嶺 領 域 に 散 在 性 脳 梗 塞 。 左 頚 部 I C A 高 度 狭 窄 、 左 頭 蓋

内 I C A の i n t e n s i t y 低 下 あ り 、左 前 大 脳 動 脈 ( A 1)お よ び 左 後 大 脳

動 脈 ( P 1) は 低 形 成 ( F i g . 1 A , B , C )。

経 過 : 左 頚 部 I C A は 症 候 性 の 高 度 狭 窄 病 変 で あ り C A S を す す め た

が 、 本 人 の 内 科 的 治 療 希 望 が 強 く 、 シ ロ ス タ ゾ ー ル 、 ク ロ ピ ド グ レ

ル 、 ア ト ル バ ス タ チ ン 等 内 服 に て 外 来 フ ォ ロ ー ア ッ プ と な っ た 。 定

期 的 な 頚 動 脈 エ コ ー お よ び M R I で は 明 ら か な 狭 窄 進 行 は 認 め ず に

経 過 し て い た 。 翌 年 の 1 0 月 頃 よ り 、 構 音 障 害 、 失 語 症 状 、 歩 行 障

害 の 悪 化 を 認 め て い た が 、自 宅 で 経 過 を 見 て い た 。11 月 の 定 期 受 診

時 の M R I に て 、 左 頭 頂 葉 に 新 規 の 脳 梗 塞 を 認 め ( F i g . 2 A )、 M R A で

は 左 I C A は 偽 閉 塞 が 疑 わ れ た た め 、 緊 急 入 院 と し た 。

翌 日 に 脳 血 管 造 影 を 施 行 し 、左 頚 部 I C A は 偽 閉 塞 で あ り ( F i g . 2 B , C )、

一 期 的 な C A S は H P S の 危 険 性 が 高 い と 考 え 、 S A P の 方 針 と し た 。

緊 急 に て 経 皮 的 血 管 拡 張 術 ( p e r c u t a n e o u s t r a n s l u m i n a l

a n g i o p l a s t y ; P TA )の み 施 行 し た 。 局 所 麻 酔 下 に 9 F r O P T I M O( 東 海

メ デ ィ カ ル プ ロ ダ ク ツ , 愛 知 ) を 左 総 頚 動 脈 ( c o m m o n c a r o t i d

a r t e r y ; C C A ) に 誘 導 し 、 C a r o t i d G u a r d w i r e P S ( M e d t r o n i c ,

M i n n e a p o l i s , M N , U S A ) を 左 外 頚 動 脈 ( e x t e r n a l c a r o t i d

a r t e r y ; E C A)へ 誘 導 。C C A お よ び E C A の 血 流 を 遮 断 し 、J a c k a l 2 . 0

Page 5: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

× 2 0 m m ( カ ネ カ メ デ ィ ッ ク ス , 大 阪 ) に て 拡 張 ( 8 a t m , 2 . 0 m m , 3 0

秒 ) す る も r e c o i l を 認 め た 。 S t e r l i n g 3 . 0 × 2 0 m m ( S t r y k e r,

K a l a m a z o o , M I , U S A)に て 拡 張( 6 a t m , 2 . 9 9 m m , 3 0 秒 )す る も 十 分

な 拡 張 は 得 ら れ ず 、 さ ら に S t e r l i n g 3 . 0 × 2 0 m m に て 拡 張

( 1 0 a t m , 3 . 2 5 m m , 6 0 秒 ) し た 。 1 5 分 待 機 後 の 造 影 に て も r e c o i l は

認 め ず 、 左 I C A の 血 流 は 著 明 に 改 善 し た ( F i g . 2 D )。 術 後 は 失 語 症 状

は 改 善 傾 向 を 示 し 、 経 過 良 好 で あ っ た 。

P TA 後 8 日 目 に 施 行 し た 1 2 3 I - i o d o a m p h e t a m i n e ( I M P )

s i n g l e - p h o t o n e m i s s i o n c o m p u t e d t o m o g r a p h y( S P E C T) で は 左 中

大 脳 動 脈 ( m i d d l e c e r e b r a l a r t e r y ; M C A) 領 域 皮 質 全 体 の 安 静 時 脳

血 流 量( c e r e b r a l b l o o d f l o w ; C B F)は 対 側 比 0 . 8 1 で あ っ た ( F i g . 3 A )。

高 齢 で あ り 廃 用 症 候 群 も 危 惧 さ れ た た め 、 P TA 後 9 日 目 に C A S を

施 行 し た 。 局 所 麻 酔 下 に 9 F r O P T I M O を 左 C C A へ 誘 導 、 C a r o t i d

G u a r d w i r e P S を l e s i o n c r o s s し 左 I C A へ 誘 導 。C C A お よ び I C A の

血 流 を 遮 断 し 、S t e r l i n g 3 . 0× 2 0 m m で 前 拡 張( 6 a t m , 2 . 9 9 m m , 3 0 秒 )

し 、C a r o t i d Wa l l s t e n t 1 0× 3 1 m m( S t r y k e r, K a l a m a z o o , M I , U S A)

を 留 置 、 S t e r l i n g 4 . 0× 3 0 m m に て 後 拡 張 ( 6 a t m , 3 . 9 9 m m , 3 0 秒 ) を

行 い 、 左 I C A の 血 流 は さ ら に 改 善 を 認 め た ( F i g . 2 E , F )。 術 後 は や や

不 穏 状 態 で あ っ た が 、 巣 症 状 の 増 悪 は 認 め な か っ た 。 厳 格 な 血 圧 管

理 を 行 い 、 収 縮 期 血 圧 は 11 0~ 1 3 0 m m H g 程 度 で 経 過 し て い た 。

C A S 後 4 日 目 に 右 麻 痺 、 失 語 症 状 の 増 悪 、 痙 攣 発 作 を 認 め た 。 M R I

で は 左 大 脳 半 球 に 新 た な 脳 梗 塞 は 認 め ず 、 左 頭 頂 葉 皮 質 に 痙 攣 後 の

変 化 と 考 え ら れ る D W I 高 信 号 を 認 め た ( F i g . 2 G )。過 灌 流 症 候 群 と 診

断 し 、 抗 痙 攣 薬 投 与 、 さ ら に 厳 格 な 血 圧 管 理 を 行 っ た 。 1 2 3 I - I M P

Page 6: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

S P E C T で は 左 M C A 領 域 皮 質 全 体 の 安 静 時 C B F 増 加( 対 側 比 1 . 1 4)

を 認 め て い た ( F i g . 3 B )。

そ の 後 は 痙 攣 発 作 、 出 血 性 合 併 症 も 呈 さ ず 、 C A S 後 1 3 日 目 の

1 2 3 I - I M P S P E C T で は 安 静 時 C B F の 左 右 差 は 減 少 し た ( F i g . 3 C )。

右 麻 痺 、失 語 症 状 は 改 善 傾 向 に は あ っ た が 、体 力 低 下 も 著 明 で あ り 、

リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 院 転 院 と な っ た 。

考 察

C A S 後 の H P S は 1 . 1 %に 発 症 し 、さ ら に 約 0 . 7 %は 頭 蓋 内 出 血 を 来 し 、

予 後 不 良 で あ る と 報 告 さ れ て い る 3 , 6 ) 。

H P S の 危 険 因 子 に 関 し て は 多 様 な 報 告 が 存 在 す る が 、術 前 の 安 静 時

C B F 低 下 お よ び 脳 血 管 反 応 性( c e r e b r a l v a s o r e a c t i v i t y ; C V R)低 下

が 重 要 と さ れ て い る 7 , 8 , 9 , 1 0 , 1 1 ) 。 さ ら に は 、 O s h i d a ら は 安 静 時 C B F

の み の 評 価 よ り も C V R の 評 価 の 方 か 優 れ て い る 事 を 報 告 し て い る

1 2 ) 。安 静 時 C B F 低 下 例 の 中 に は 、脳 代 謝 が 低 下 し て い る た め に C B F

が 低 下 し て い る m a t c h e d h y p o m e t a b o l i s m の 例 が 存 在 し 1 3 ) 、逆 に 安

静 時 C B F は 保 た れ て い て も 、 脳 血 管 拡 張 状 態 に あ る 例 も 存 在 す る

1 4 )た め で あ る 。

H P S の 危 険 性 が 高 い と 予 想 さ れ る 例 で の C A S 術 後 の 管 理 に お い て 、

ま ず は H P S を 予 防 す る 事 が 極 め て 重 要 で あ る 事 は 述 べ る ま で も な

い が 、H P S を 呈 し て も 、頭 蓋 内 出 血 へ の 進 展 を 予 防 す る 事 も 重 要 で

あ る 。

C E A に お い て は 、術 後 の 過 灌 流 予 防 に 術 前 の エ ダ ラ ボ ン 投 与 が 有 効

で あ っ た と の 報 告 や 1 0 )、術 後 の 過 灌 流 に 伴 う 頭 蓋 内 出 血 予 防 に 厳 格

Page 7: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

な 血 圧 管 理 が 有 効 で あ っ た と 報 告 さ れ て い る 3 ) 。

C A S に お い て も 、 術 後 の 厳 格 な 血 圧 管 理 が H P S お よ び 頭 蓋 内 出 血

を 減 少 さ せ る と の 報 告 も 見 ら れ る が 4 )、現 時 点 で は H P S の 予 防 方 法

は 定 ま っ て い な い 。 近 年 で は 、 H P S 高 危 険 例 に 対 し 、 ま ず P TA の

み 施 行 し 、 i n t e r v a l を お い て か ら C A S を 施 行 す る S A P が 報 告 さ れ

5 ) 、 期 待 さ れ て い る 。

本 症 例 で は 、緊 急 治 療 で あ り P TA 術 前 の 脳 血 流 評 価 は 施 行 出 来 て い

な い が 、左 I C A は 偽 閉 塞 で あ り 、通 常 の 一 期 的 な C A S で は H P S の

危 険 性 が 高 い 予 想 さ れ た た め 、S A P を 選 択 し た 。P TA 術 後 は 問 題 な

く 経 過 し て い た が 、 患 者 が 高 齢 で あ り 術 後 の 廃 用 症 候 群 が 強 く 危 惧

さ れ た た め 、 早 期 の C A S を 予 定 し た 。 P TA 後 8 日 目 の 1 2 3 I - I M P

S P E C T で は 、 左 M C A 領 域 皮 質 全 体 の 安 静 時 C B F は 対 側 比 0 . 8 1 で

あ り 、 C A S 後 の 過 灌 流 の 危 険 性 が 高 い と さ れ る 術 前 安 静 時 M C A 領

域 C B F の 対 側 比 0 . 7 5 7 )お よ び S A P の 適 応 と さ れ る 0 . 8 0 5 ) を 上 回 っ

て い た た め 、 P TA 後 9 日 目 に C A S を 施 行 し た が 、 C A S 後 4 日 目 に

H P S を 呈 し て し ま っ た 。S A P を 施 行 し て い な け れ ば 、頭 蓋 内 出 血 等

の さ ら な る 重 篤 な 合 併 症 を 呈 し て い た 可 能 性 が 高 く 、S A P の 有 用 性

が 示 さ れ た 一 方 で 、 P TA と C A S と の i n t e r v a l が 9 日 間 と 短 期 間 で

あ り 、 十 分 な 安 静 時 C B F お よ び C V R の 回 復 が 得 ら れ て い な か っ た

た め に H P S を 呈 し た と 考 え ら れ た 。 他 の 原 因 と し て 、 P TA に よ る

拡 張 が 十 分 で な か っ た た め に C B F お よ び C V R の 回 復 が 得 ら れ な か

っ た 可 能 性 も 考 え ら れ る 。P TA 術 中 に 血 管 内 エ コ ー に て 拡 張 径 の 確

認 は 施 行 し て い な い が 、a n g i o g r a p h i c a l に は I C A の 血 流 は 著 明 に 改

善 し 、 循 環 遅 延 も 認 め て い な か っ た た め 、 否 定 的 で あ る 。

Page 8: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

P TA と C A S と の i n t e r v a l に 関 し て は 、2 0 0 9 年 に Yo s h i m u r a ら は 4

週 間 で 報 告 し 5 )、2 0 1 5 年 に は U c h i d a ら が 2 週 間 1 5 )、S a k a m o t o ら

が 3~ 6 週 間 1 6 )の i n t e r v a l で 良 好 な 治 療 成 績 を 報 告 し て い る 。し か

し 、一 定 の 見 解 は 得 ら れ て お ら ず 、現 時 点 で は 2 週 間 以 上 の i n t e r v a l

を あ け る 事 が 妥 当 と 考 え ら れ る 。

ま た 、 本 症 例 の 様 に 、 高 齢 者 や 側 副 血 行 が 乏 し い 症 例 で は 、 P TA 後

の 安 静 時 C B F お よ び C V R の 回 復 に 通 常 よ り も 時 間 を 要 す る 事 が 予

想 さ れ 、 P TA 後 に も 脳 血 流 評 価 を 施 行 し た 上 で 、 i n t e r v a l を 決 定 し

て い く 事 が 望 ま し い と 考 え ら れ る 。 O s h i d a ら は 、 C E A 術 前 の

1 2 3 I - I M P S P E C T に お け る M C A 領 域 皮 質 全 体 の 安 静 時 C B F 低 下 お

よ び C V R 低 下 は 、い ず れ も 術 後 過 灌 流 の 予 測 因 子 で あ っ た が 、C V R

評 価 で は 感 度 お よ び 陰 性 的 中 率 共 に 1 0 0 %で あ る の に 対 し 、 安 静 時

C B F の み の 評 価 で は 、感 度 は 8 4 . 3 %で 陰 性 的 中 率 は 9 7 . 3 %で あ っ た

と 報 告 し て い る 1 2 ) 。 す な わ ち 、 安 静 時 C B F の み の 評 価 で は 過 灌 流

を 予 測 し 得 な い 可 能 性 が あ り 、 C V R 評 価 も 行 う 事 が 理 想 的 で あ る 。

本 症 例 に お い て も 、安 静 時 C B F の み の 評 価 で C A S を 施 行 し H P S を

発 症 し て し ま っ た が 、P TA 後 に C V R も 評 価 し た 上 で 適 切 な i n t e r v a l

を あ け て か ら C A S を 施 行 し て い れ ば 、 H P S を 予 防 し 得 た か も し れ

な い 。し か し 、 C V R 評 価 を 行 う に あ た っ て は 、ア セ タ ゾ ラ ミ ド の 副

作 用 の 問 題 も 考 慮 し な け れ ば な ら ず 、安 静 時 C B F の み の 評 価 で も 十

分 に 許 容 さ れ る 検 査 精 度 で は あ り 、C V R 評 価 を 行 う か 否 か は 議 論 の

余 地 が あ る 。 ま た 、 本 症 例 で は P TA 後 の M C A 領 域 皮 質 全 体 の 安 静

時 C B F の 対 側 比 を 評 価 し 0 . 8 1 で あ っ た が 、 M C A a n t e r i o r b r a n c h

お よ び p o s t e r i o r b r a n c h 領 域 に 分 け て 評 価 す る と 、a n t e r i o r b r a n c h

Page 9: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

領 域 は 対 側 比 0 . 8 5、p o s t e r i o r b r a n c h 領 域 は 対 側 比 0 . 7 7 で あ っ た 。

C A S 後 の H P S 発 症 時 の M C A a n t e r i o r b r a n c h 領 域 の 安 静 時 C B F 対

側 比 は 0 . 9 3、p o s t e r i o r b r a n c h 領 域 対 側 比 は 1 . 2 8 で あ っ た ( F i g . 3 D )。

以 上 よ り 、 過 灌 流 が 認 め ら れ た p o s t e r i o r b r a n c h 領 域 は C A S 前 の

安 静 時 C B F 対 側 比 が よ り 低 値 で あ り 、領 域 を よ り 詳 細 に 分 け て 評 価

す る 事 で 、安 静 時 C B F の み で の 検 査 精 度 は さ ら に 向 上 し 得 る 可 能 性

が 考 え ら れ た 。

結 語

症 候 性 の 頚 部 内 頚 動 脈 偽 閉 塞 に 対 し 、 s t a g e d a n g i o p l a s t y を 施 行 し

た が 過 灌 流 症 候 群 を 呈 し た 1 例 を 経 験 し た 。 P TA と C A S と の

i n t e r v a l が 9 日 間 と 短 期 間 で あ り C B F お よ び C V R の 回 復 が 不 十 分

で あ っ た 事 が 要 因 と 考 え ら れ た 。

s t a g e d a n g i o p l a s t y に お い て 、 P TA と C A S と の i n t e r v a l に 明 確 な

基 準 は な く 、適 切 な i n t e r v a l は 症 例 毎 に 異 な る と 考 え ら れ る 。そ の

た め 、 P TA 後 に も 適 切 な 脳 血 流 評 価 を 施 行 し 、 症 例 毎 に 慎 重 に 検 討

し て い く こ と が 肝 要 で あ る 。

利 益 相 反 開 示

本 論 文 に 関 し て 、 開 示 す べ き 利 益 相 反 状 態 は 存 在 し な い 。

Page 10: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

文 献

1 ) v a n M o o k W N , R e n n e n b e r g R J , S c h u r i n k G W, e t a l . : C e r e b r a l

h y p e r p e r f u s i o n s y n d r o m e . L a n c e t N e u r o l 2 0 0 5 ; 4: 8 7 7 - 8 8 8 .

2 ) R e i g e l M M , H o l l i e r L H , S u n d t T M J r, e t a l . : C e r e b r a l

h y p e r p e r f u s i o n s y n d r o m e : a c a u s e o f n e u r o l o g i c d y s f u n c t i o n a f t e r

c a r o t i d e n d a r t e r e c t o m y. J Va s c s u r g 1 9 8 7 ; 5 : 6 2 8 - 6 3 4 .

3 ) O g a s a w a r a K , S a k a i N , K u r o i w a T, e t a l . : I n t r a c r a n i a l

h e m o r r h a g e a s s o c i a t e d w i t h c e r e b r a l h y p e r p e r f u s i o n s y n d r o m e

f o l l o w i n g c a r o t i d e n d a r t e r e c t o m y a n d c a r o t i d a r t e r y

s t e n t i n g : r e t r o s p e c t i v e r e v i e w o f 4 4 9 4 p a t i e n t s . J N e u r o s u r g

2 0 0 7 ; 1 0 7 : 11 3 0 - 11 3 6 .

4 ) A b o u - C h e b l A , R e g i n e l l i J , B a j z e r C T, e t a l . : I n t e n s i v e

Tr e a t m e n t o f H y p e r t e n s i o n D e c r e a s e s t h e R i s k o f H y p e r p e r f u s i o n

a n d I n t r a c e r e b r a l H e m o r r h a g e F o l l o w i n g C a r o t i d A r t e r y

S t e n t i n g . C a t h e a n d C a r d i o v a s c I n t 2 0 0 7 ; 6 9 : 6 9 0 - 6 9 6 .

5 ) Yo s h i m u r a S , K i t a j i m a H , E n o m o t o Y, e t a l . : S t a g e d a n g i o p l a s t y

f o r c a r o t i d a r t e r y s t e n o s i s t o p r e v e n t p o s t o p e r a t i v e

h y p e r p e r f u s i o n . N e u r o s u r g e r y 2 0 0 9 ; 6 4 : o n s 1 2 2 - o n s 1 2 9 .

6 ) A b o u - C h e b l A , Ya d a v J S , R e g i n e l l i J P, e t a l . : I n t r a c r a n i a l

H e m o r r h a g e a n d H y p e r p e r f u s i o n S y n d r o m e F o l l o w i n g C a r o t i d

A r t e r y S t e n t i n g . J A m C o l l C a r d i o l 2 0 0 4 ; 4 3 : 1 5 9 6 - 1 6 0 1 .

7 ) K a k u Y, Yo s h i m u r a S , K o k u z a w a J . : F a c t o r s P r e d i c t i v e o f

C e r e b r a l H y p e r p e r f u s i o n a f t e r C a r o t i d A n g i o p l a s t y a n d S t e n t

P l a c e m e n t . A m J N e u r o r a d i o l 2 0 0 4 ; 2 5 : 1 4 0 3 - 1 4 0 8 .

Page 11: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

8 ) H o s o d a K , K a w a g u c h i T, S h i b a t a Y, e t a l . : C a r e b r a l

v a s o r e a c t i v i t y a n d i n t e r n a l c a r o t i d a r t e r y f l o w h e l p t o i d e n t i f y

p a t i e n t s a t r i s k f o r h y p e r p e r f u s i o n a f t e r c a r o t i d e n d a r t e r e c t o m y.

S t r o k e 2 0 0 1 ; 3 2 : 1 5 6 7 - 1 5 7 3 .

9 ) H o s o d a K , K a w a g u c h i T, I s h i i K , e t a l . : C o m p a r i s o n o f

c o n v e n t i o n a l r e g i o n o f i n t e r e s t a n d s t a t i s t i c a l m a p p i n g m e t h o d

i n b r a i n s i n g l e - p h o t o n e m i s s i o n c o m p u t e d t o m o g r a p h y f o r

p r e d i c t i o n o f h y p e r p e r f u s i o n a f t e r c a r o t i d e n d a r t e r e c t o m y.

N e u r o s u g e r y 2 0 0 5 ; 5 7 : 3 2 - 4 1 .

1 0 ) O g a s a w a r a K , I n o u e T, K o b a y a s h i M , e t a l . : P r e t r e a t m e n t w i t h

t h e f r e e r a d i c a l s c a v e n g e r e d a r a v o n e p r e v e n t s c e r e b r a l

h y p e r p e r f u s i o n a f t e r c a r o t i d e n d a r t e r e c t o m y. N e u r o s u r g e r y

2 0 0 4 ; 5 5 : 1 0 6 0 - 1 0 6 7 .

11 ) F u k u m o t o S , K u m o n Y, Wa t a n a b e H , e t a l . : I d e n t i f i c a t i o n o f

p r e o p e r a t i v e r i s k f a c t o r s f o r c e r e b r a l h y p e r p e r f u s i o n s y n d r o m e

a f t e r c a r o t i d s t e n t i n g a n d c a r o t i d e n d a r t e r e c t o m y. J N E T

2 0 0 8 ; 2 : 1 6 - 2 2 .

1 2 )

O s h i d a S , O g a s a w a r a K , S a u r a H e t a l . : D o e s p r e o p e r a t i v e

m e a s u r e m e n t o f c e r e b r a l b l o o d f l o w w i t h a c e t a z o l a m i d e

c h a l l e n g e i n a d d i t i o n t o p r e o p e r a t i v e m e a s u r e m e n t o f c e r e b r a l

b l o o d f l o w a t t h e r e s t i n g s t a t e i n c r e a s e t h e p r e d i c t i v e a c c u r a c y

o f d e v e l o p m e n t o f c e r e b r a l h y p e r p e r f u s i o n a f t e r c a r o t i d

e n d a r t e r e c t o m y? R e s u l t s f r o m 5 0 0 c a s e s w i t h b r a i n p e r f u s i o n

Page 12: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

s i n g l e - p h o t o n e m i s s i o n c o m p u t e d t o m o g r a p h y s t u d y. N e u r o l M e d

C h i r ( To k y o ) 2 0 1 5 ; 5 5 : 1 4 1 - 1 4 8 .

1 3 ) K u r o d a S , S h i g a T, H o u k i n K , e t a l . : C e r e b r a l o x y g e n

m e t a b o l i s m a n d n e u r o n a l i n t e g r i t y i n p a t i e n t s w i t h i m p a i r e d

v a s o r e a c t i v i t y a t t r i b u t a b l e t o o c c l u s i v e c a r o t i d a r t e r y d i s e a s e .

S t r o k e 2 0 0 6 ; 3 7 : 3 9 3 - 3 9 8 .

1 4 ) Ya m a u c h i H , N i s h i i R , H i g a s h i T, e t a l . : S i l e n t c o r t i c a l

n e u r o n a l d a m a g e i n a t h e r o s c l e r o t i c d i s e a s e o f t h e m a j o r c e r e b r a l

a r t e r i e s . J C e r e b B l o o d F l o w M e t a b 2 0 11 ; 3 1 : 9 5 3 - 9 6 1 .

1 5 ) U c h i d a K , Yo s h i m u r a S , S h i r a k a w a M , e t a l . : E x p e r i e n c e o f

s t a g e d a n g i o p l a s t y t o a v o i d h y p e r p e r f u s i o n s y n d r o m e f o r c a r o t i d

a r t e r y s t e n o s i s . N e u r o l M e d C h i r ( To k y o ) 2 0 1 5 ; 5 5 : 8 2 4 - 8 2 9 .

1 6 ) S a k a m o t o M , U n o T, N a k a j i m a S , e t a l . : C a r o t i d a r t e r y

s t e n t i n g f o r p s e u d o - o c c l u s i o n o f t h e i n t e r n a l c a r o t i d a r t e r y. S u r g

C e r e b S t r o k e 2 0 1 5 ; 4 3 : 1 0 3 - 1 0 9 .

Page 13: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

F i g . 1

A : T 2 W I s h o w s c e r e b r a l i n f a r c t i o n i n t h e l e f t w a t e r s h e d z o n e .

B : M R A s h o w s d e c l i n e o f i n t e n s i t y o f t h e i n t r a c r a n i a l l e f t I C A .

C : M R A s h o w s s e v e r e s t e n o s i s o f t h e l e f t I C A .

F i g . 2

A : D W I s h o w s a n e w h y p e r - i n t e n s i t y i n t h e l e f t p a r i e t a l l o b e .

B , C : L e f t c a r o t i d a n g i o g r a p h y s h o w s p s e u d o - o c c l u s i o n o f t h e l e f t

I C A .

D : A f t e r P TA l e f t c a r o t i d a n g i o g r a p h y s h o w s p a r t i a l d i l a t i o n o f

t h e l e s i o n a n d i m p r o v e m e n t o f t h e l e f t I C A f l o w.

E , F : A f t e r C A S t h e l e s i o n w a s d i l a t e d b y s t e n t i n g s u f f i c i e n t l y a n d

t h e l e f t I C A f l o w w a s i m p r o v e d .

G : D W I s h o w s h y p e r - i n t e n s i t y i n t h e l e f t p a r i e t a l c o r t e x .

F i g . 3 C h a n g e s o f r e s t C B F o n 1 2 3 I - I M P S P E C T

A : C B F i n t h e l e f t M C A t e r r i t o r y d e c r e a s e s o n 8 d a y s a f t e r P TA .

B : C B F i n t h e l e f t M C A t e r r i t o r y i n c r e a s e s o n 5 d a y s a f t e r C A S .

C : C r o s s w i s e d i f f e r e n c e o f C B F d e c r e a s e s o n 1 3 d a y s a f t e r C A S .

D : C h a n g e s o f r e s t C B F r a t i o ( a f f e c t e d s i d e / u n a f f e c t e d s i d e ) i n

t h e t o t a l M C A t e r r i t o r y ( s o l i d l i n e ) , M C A a n t e r i o r b r a n c h

t e r r i t o r y ( d o t t e d l i n e ) a n d M C A p o s t e r i o r b r a n c h t e r r i t o r y ( b r o k e n

l i n e ) .

Page 14: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

F i g . 1

A . B . C .

F i g . 2

A . B . C .

D . E . F. G .

Page 15: 1)症例報告2017/12/22  · 大脳動脈( middle cerebral artery;MCA)領域皮質全体の 安静時脳 血流量(cerebral blood flow;CBF )は対側比 0.81 であった(Fig

F i g . 3

A . B . C .

D .