第4章 方向性ごとの取組の具体策 - sapporo · 継続【短期】 ...

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15 第4章 方向性ごとの取組の具体策 第 4 章では、「目指すべき将来の姿」を掲げたうえで、方向性ごとの取組の具体 策について、事例などを交えて示します。 ■目指すべき将来の姿 ■実現に向けた取組項目 (2)市民・行政の役割に対する認識や理解の差を埋めるための広報 (3)除排雪の見える化による苦情要望対策 方向性1 雪対策に関する広報の充実 (1)ルールに関する積極的・効果的な広報 ○除排雪作業の妨げとなっていた悪質な迷惑駐車や道路への雪出しが大幅に減ったことで、 作業の効率が改善され、余裕をもって作業を終えることができています。また、均等な除 雪が可能となり、置かれた雪の処理に対する市民の悩みが解消されています。 ○除雪で置かれた雪の処理やつるつる路面への砂まきなどが広く浸透し、それらの行動が市 民や企業のライフスタイルとして定着しています。 ○すべての除雪車に GPS 端末※8 が設置され、作業の進捗をリアルタイムで把握できるよう になり、効率的な作業の実施に加え、作業情報がパソコンやスマートフォンに発信され、 市民の安心を支えています。 ※8【GPS 端末】衛星を利用して位置情報を測定するシステムを搭載したスマートフォンやタブレットなどの機器。 結構 降ったな~ よいしょ! 【ある日の住宅街】 もう少しで、除雪 車が来るわね

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Page 1: 第4章 方向性ごとの取組の具体策 - Sapporo · 継続【短期】  拡散性や手軽さ、双方向性など、SNS※11の特徴を活かして、市民が知りたい「作業情報」

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第4章 方向性ごとの取組の具体策

第 4 章では、「目指すべき将来の姿」を掲げたうえで、方向性ごとの取組の具体

策について、事例などを交えて示します。

■目指すべき将来の姿

■実現に向けた取組項目

(2)市民・行政の役割に対する認識や理解の差を埋めるための広報

(3)除排雪の見える化による苦情要望対策

方向性1 雪対策に関する広報の充実

(1)ルールに関する積極的・効果的な広報

○除排雪作業の妨げとなっていた悪質な迷惑駐車や道路への雪出しが大幅に減ったことで、

作業の効率が改善され、余裕をもって作業を終えることができています。また、均等な除

雪が可能となり、置かれた雪の処理に対する市民の悩みが解消されています。

○除雪で置かれた雪の処理やつるつる路面への砂まきなどが広く浸透し、それらの行動が市

民や企業のライフスタイルとして定着しています。

○すべての除雪車に GPS 端末※8 が設置され、作業の進捗をリアルタイムで把握できるよう

になり、効率的な作業の実施に加え、作業情報がパソコンやスマートフォンに発信され、

市民の安心を支えています。

※8【GPS 端末】衛星を利用して位置情報を測定するシステムを搭載したスマートフォンやタブレットなどの機器。

結構

降ったな~よいしょ!

【ある日の住宅街】

もう少しで、除雪

車が来るわね

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○道路への雪出しの解決につながる取組や制度を、冬のくらしガイドやホームページなど

を活用して広く周知し、道路への「雪出しゼロ」を目指すことが必要です。拡充【短

期】 <掲載内容のイメージ>

○悪質な違反者に対しては、警察と連携を図り実効性のある対応が必要です。拡充【中長

期】

<取組の解説>

これまでの

取組

地域・警察・札幌市の

合同パトロール 悪質な違反

者への対応

警察と連携したチラシ

の投函や家庭訪問

雪置きのポイント

(雪を減らす)

融雪施設設置資金

融資あっせん制度

(雪を融かす)

公園を活用した雪置き場

(雪を置く)

地域・警察・札幌市の合同パトロール

行動の変化を促す広報

(1)ルールに関する積極的・効果的な広報

悪質な違反者への対応

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○「冬のくらしガイド」※9は、現在の掲載内容を精査するとともに、内容の充実を図る

ことが必要です。拡充【短期】

<掲載内容のイメージ>

・これまで掲載してきた「行政が伝えたい情報」に加え、「ルールを守るための工夫」や

「市民に役立つ情報」、「市民とのコンセンサスを得るうえで必要となる基本的な除雪

の考え方」などを掲載することが必要です。

○新聞やテレビなど市民の注目度が高いマスメディアを積極的に活用し、新たな取組など

マスメディアが取り上げたくなる情報を、効果的なタイミングで発信することが必要で

す。拡充【短期】

○「冬のルール・マナー」を含む雪対策の取組などをポスターにまとめ、コンビニやスー

パーなど、日常的に目に触れる店舗に掲示することが必要です。新規【短期】 <過去の取組>

・イオン札幌桑園ショッピングセンターでは、店内に「砂まき協力ポスター」を掲示し

ました。

現在の内容

○冬のルール・マナー

〇市民と行政の役割

○除排雪の仕組みや基準

○よくある質問や誤解されがちなこと

〇除雪センター区域図

〇雪堆積場の開設情報

〇ロードヒーティングの停止情報

など

今後追加する内容

○ルールを守るための工夫

・雪かきのコツ

・地域の雪置き場としての公園の活用

〇市民に役立つ情報

・助成、支援情報

・冬みちの歩き方の工夫

〇基本的な除雪の考え方

・除雪の出動判断

・冬期の幅員確保幅

冬のくらしガイドなど既存広報媒体の有効活用

※9【冬のくらしガイド】毎年、広報さっぽろ 12 月号に綴込み、札幌市の雪対策、水道凍結防止の方法などを紹介している冊子。

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○除排雪に関する疑問や要望に対して、地域と行政で意見交換の場を設け、除排雪への理

解を深めることが必要です。継続【短期】

○普段間近で見ることのできない除排雪作業の技や苦労などを体感型のイベントを通じて

知ってもらい、理解と協力につなげることが必要です。継続【短期】 <過去の取組>

・札幌市では、平成 27 年 1 月に雪国での暮らしに必要不可欠な除排雪作業に対してご理

解ご協力をいただくため、地域を対象とした運搬排雪見学会を開催しました。

地域懇談会 出前講座

ロータリでの排雪作業 排雪作業の見学

雪堆積場に搬入する

ダンプトラック

雪堆積場の見学

(2)市民・行政の役割に対する認識や理解の差を埋めるための広報

対話型広報の充実

伝わる広報活動

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○将来的な除雪オペレーターの担い手不足など、札幌市の雪対策を取り巻く厳しい環境を

戦略的に発信し、除排雪作業への理解と協力を促すことが必要です。新規【短期】

○動きと音で伝えたいメッセージをダイレクトに発信する「動画」を活用するなど、イン

パクトのある広報を行い、市民の関心を深めることが必要です。新規【短期】 <取組のイメージ>

・函館市では、見せ方(入口)を変えた取組として、「イカール星人が函館の街を侵略す

る」といったユニークな PR 動画を制作し、YouTube※10に投稿(視聴回数 53.3 万回)

して街の PR につなげています。

〇間口の雪処理を支援するため、新雪除雪(かき分け除雪)の情報を、テレビ(データ放

送)及びインターネットで発信し、雪対策への理解や協力につなげることが必要です。

継続【短期】 <取組のイメージ>

○拡散性や手軽さ、双方向性など、SNS※11の特徴を活かして、市民が知りたい「作業情報」

や「イベント情報」などを発信し、雪対策への理解と協力を促すことが必要です。新規

【中長期】

【函館市観光 PR 動画(YouTube)】

イカール星人が函館の街を破壊!!

©Nekonote-Do/SW ©Nekonote-Do/SW ©Nekonote-Do/SW

テレビ(データ放送)での 除雪情報の発信

※10【YouTube】インターネット上で動画を配信・閲覧できる代表的な無料サイト。

※11【SNS】インターネット上でのメッセージのやりとりなどを通じて、人と人との交流を広げていくサービス。

SNS を活用した情報発信

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○雪に関する体験授業を市内の小学校を対象に行うことに加え、雪に親しむ活動を幼稚園

や中学校などにも広げることが必要です。拡充【短期】 <取組の解説>

・将来のまちづくりを担う子どもたちが札幌の雪対策や冬の暮らしに関心を持ち、除雪

に対する意識が浸透するよう、雪に関する出前授業や体験学習を行っています。

○市立小学校の全教諭を対象に、雪に関する話題提供として、ニューズレター(雪学習

NEWS)を定期的に発行・配布することが必要です。継続【短期】 <取組の解説>

・平成 27 年 3 月から、これまで「雪と闘う」「冬休みの自由研究」「冬を生き抜く」な

ど、さまざまなテーマで発行しています。

未来につなぐ子どもたちへの教育

No.4(平成 28 年 12 月発行)

テーマ「冬休みの自由研究」

No.3(平成 28 年 11 月発行)

テーマ「冬を生き抜く」

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○除雪車に GPS 端末を設置して、大雪時の新雪除雪や暖気の際の路面整正などの作業情報

をパソコンやスマートフォンで発信することが必要です。新規【中長期】 <注意点>

・新たなクレームや要望につながる可能性も考

えられるため、実施に当たっては、作業情報

を発信することによる影響を把握するなど、

取組効果の検証も必要です。

○除排雪作業に従事する機械や作業員が、札幌市の作業であることが一目で分かる改善や

工夫を行うことが必要です。拡充【短期】 <取組のイメージ>

○除雪オペレーターの苦労している場面や緊張感(時間との戦い)を保ちながらの作業状

況などを収録した PR 動画「ともに支え合おう。さっぽろの雪対策」による周知を広く

行うことが必要です。継続【短期】 <取組のイメージ>

○土木センターや除雪センターに寄せられた苦情・要望を取りまとめ、今後の取組に活か

すことが必要です。継続【短期】

デジタルサイネージ※12(チ・カ・ホ北 2 条広場) YouTube

(3)除排雪の見える化による苦情要望対策

ICT を活用した情報発信

雪対策への理解促進を促す広報

除雪車の作業情報

※12【デジタルサイネージ】映像表示装置とデジタル技術を用いた広告媒体。

寄せられた情報(苦情・要望)の活用

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■目指すべき将来の姿

■実現に向けた取組項目

(2)地域との協働・除雪ボランティアの担い手確保

(3)若年層への積極的な教育・体験学習(雪と触れ合う文化の創造)

(1)生活道路の除排雪における取組の推進

○生活道路の除雪は、市民と行政の役割分担により、地域に密着した取組が多くの地域で実

施されています。

○生活道路の排雪は、除雪パートナーシップ制度などにより、地域合意に基づいた除雪レベ

ルで実施されています。

○高齢化が進行し除雪のサポートを受けたい人が増える中で、これまで町内会が中心であっ

たボランティア活動に新たな担い手も加わったことで、活動の場に広がりを見せていま

す。

○小学校での雪に関する体験授業や雪との触れ合いなどを通じて、子どもたちは社会性のあ

る大人へと成長しています。

方向性2 市民力を結集した取組の推進

これでもう

大丈夫ですよ

いつも雪かき

ありがとう!

道幅も少し

広げますね

今日もお父さんと

一緒に頑張るぞ!

【ある日の住宅街】

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○「冬のくらしガイド」を活用して市民と行政の役割を示し、認識の定着につなげること

が必要です。継続【短期】

(1)生活道路の除排雪における取組の推進

冬のくらしガイドを活用した役割の明確化

<雪置き場(公園)>

・地域:雪の搬入、春の清掃

・行政:公園利用の調整

<生活道路の排雪(除雪パートナーシップ制度など)>

・地 域:費用の負担、合意形成

・行 政:費用の負担、作業の調整

・事業者:作業の実施

<生活道路の除雪>

・市民:間口の雪処理

・行政:かき分け除雪

<除雪ボランティア>

・地域:高齢者宅や消火栓周りの除雪

・行政:除雪用具や小型除雪機の貸出

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○費用負担の関係などから、今後、除雪パートナーシップ制度を継続して利用することが

困難な地域に対する「支援」及び「検討」を行うことが必要です。

<取組の解説>

[支援] 拡充【短期】

・地域が除雪パートナーシップ制度に関する会合を行う場合は、必要に応じて行政が

地域の会合に参加し、合意形成につながる情報提供や他地域の取組などを紹介しま

す。

・地域が除雪パートナーシップ制度に対する理解や協力を促すチラシを配布する場合

は、行政がチラシを作成するなど、理解や協力を得る取組を支援します。

[検討] 新規【中長期】

・実証実験などを行いながら、地域にとって望ましい生活道路の排雪レベルと費用負

担を検討します。

○地域の合意が得られず、除雪パートナーシップ制度を利用できない地域に対しては、交

差点排雪※13を効果的なタイミングで行うなど、生活道路の環境改善に向けた取組を行

うことが必要です。拡充【短期】

○日中作業が中心の除雪パートナーシップ制度を、地域特性などによっては夜間作業で実

施することが必要です。継続【短期】

<取組の解説>

・交通量の少ない夜間に作業を行うことにより作業効率の向上が見込まれますが、騒音

などの課題が考えられることから、実施にあたっては、地域の理解と協力が必要です。

生活道路における交差点排雪

生活道路の排雪

※13【交差点排雪】交差点の見通し改善などを目的として、交差点部に堆積された雪を取り除く作業。

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○大雪時などに安定的に福祉除雪事業※14の担い手を確保するため、発信力の高いマスメ

ディアや瞬時に多くの利用者に発信できる SNS などを活用することが必要です。拡充

【中長期】 <取組のイメージ>

・災害 IT 支援ネットワーク※15では、関東・東北豪雨災害(H27.9)の際、被災後 3日目か

ら公式サイトと Facebook※16でボランティアを募集したところ、1ヶ月で被災家屋の片

付けや清掃に従事するボランティア 3,000 人を動員することができました。

○高齢社会の進展を見据え、ボランティアに参加したい学校や企業など多様な担い手と、

ボランティアを必要とする人の情報を把握したうえで、福祉除雪事業の対象とならない

活動を行う除雪ボランティアの取組を強化することが必要です。継続【短期】 〈取組の解説〉

・社会福祉協議会では、「除雪ボランティアに参加したい企業・団体」と「除雪ボランテ

ィアを受けたい人」のコーディネートを行っています。

○地域や学校に対する除雪用具や小型除雪機の貸出を増やし、地域で除雪を行う体制の支

援を強化することが必要です。拡充【短期】

<取組の解説>

[支援策]

・スコップ、スノーダンプ、そりなどの貸出:地域、学校

・家庭用小型除雪機(10 馬力程度)の貸出:地域

[主な活動]

対象者 自力で除雪が困難な高齢者世帯など

活 動 窓枠や灯油タンク周りの除雪、敷地内の雪の移動など

高齢者などの個人宅の

間口除雪

消火栓やゴミステーション

周辺の除雪

(2)地域との協働・除雪ボランティアの担い手確保

マスメディアや SNS などによる情報発信

除雪ボランティア活動の取組強化

※14【福祉除雪事業】70 歳以上の方や重度の身体障がいのある方などが、外出時に支障となる道路に面した間口と通路部分の雪を地域の協

力員が除雪する事業。

※15【災害 IT 支援ネットワーク】災害時に被災地からの情報発信支援や現地に滞在して IT 支援を行っている団体(所在地:東京都調布市)。

※16【Facebook】インターネット上に自分の経歴を載せ、記事を投稿したり、他の会員が投稿した記事にコメントしたりすることで、人と

の交流を広げる SNS の一つ。

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○高齢者宅やごみステーション周りの除雪など、地域や学校が取り組むボランティア活動

に対するインセンティブ※17を導入し、活動の継続や拡大につなげることが必要です。

新規【短期】

<取組のイメージ>

・運動系の部活動で使用する道具の贈呈(サッカーボールや野球ボールなど)

・活動状況の PR(冬のくらしガイドや札幌市ホームページなど)

※17【インセンティブ】人の意欲を引き出すために、外部から与える刺激。

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○そり遊びや雪像づくり、除雪のお手伝いなどを通じて、子どもたちが雪と触れ合う取組

を推進することが必要です。継続【短期】 <取組のイメージ>

[札幌市青少年科学館]

・平成 27 年 1 月には、札幌市青少年科学館において、子どもたちに雪と除雪について知

ってもらうため、除雪映像の上映や除雪車のペーパークラフト作りを行いました。

[新さっぽろ冬まつり]

・平成 28 年 2 月には、新さっぽろ冬まつりにおいて、子どもたちに雪に親しむ楽しさを

伝えるため、ゆきだるマン※18(雪像)づくりを行いました。

○雪に関する体験授業を市内の小学校を対象に行うことに加え、雪に親しむ活動を幼稚

園や中学校などにも広げることが必要です。拡充【短期】

○市立小学校の全教諭を対象に、雪に関する話題提供として、ニューズレター(雪学習

NEWS)を定期的に発行・配布することが必要です。継続【短期】

未来につなぐ子どもたちへの教育 (再掲 20 ㌻)

(3)若年層への積極的な教育・体験学習(雪と触れ合う文化の創造)

雪と触れ合う文化の創造

※18【ゆきだるマン】札幌市の雪対策をわかりやすく広報・啓発するため、平成 21 年度に誕生したキャラクター。

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■目指すべき将来の姿

■実現に向けた取組項目

※19【スクールゾーン実行委員会】PTA、小学校教諭、各町内会、交通安全に関わる団体、関係する行政機関などがメンバーとなり、子供の

交通事故防止を最重点に交通安全上の交通安全教育、環境整備、街頭指導などに関する諸施策を推進す

ることを目的として設立されている組織。

(2)通学路の安全確保

(3)冬期の安心・安全への意識向上

方向性3 安心・安全な冬のみちづくりの推進

(1)歩く人に優しい冬のみちづくり

○市民・企業・行政の協働による砂まき活動が浸透し、都心部や人通りの多い地下鉄駅周辺

などでは、シーズンを通して歩きやすい路面状況が確保されています。

○冬期の通学路は、スクールゾーン実行委員会※19、児童、除雪事業者の 3 者で道路状況の

共有が図られており、事前に対処することで生徒は安心して安全に通学しています。

○転倒に備えた服装や靴で通勤・通学する市民が市内のいたるところで見受けられるように

なり、「雪」にも「つるつる路面」にも負けない札幌らしい冬のファッションとして定着

しています。

○初冬期の大雪など、特異な気象に対して迅速な除排雪作業により早期に交通障害が復旧さ

れ、市民生活への影響は最小限となっています。

(4)大雪への迅速な対応

こっちの道は

狭いから広い道を

通ってね!

【ある日の通勤・通学時】

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○より取り組みやすい環境づくりを行い、市民や企業による砂まき活動を推進することが

必要です。拡充【短期】

<取組のイメージ>

観 点 内 容

利便性 砂箱の位置情報がパソコンやスマートフォンで確認できる

意識付け 出前講座やイベントなどにおいて砂まき体験ができる

○行政は機械や人力で行っている砂まき路線の延長を増やすことが必要です。拡充【中長

期】

○砂まき協力企業の店舗にステッカー(砂まき協力)を貼ってもらい、来店者への PR につ

なげることが必要です。新規【短期】

<取組のイメージ>

・福岡市では「もったいない!食べ残しをなくそう福岡運動」の趣旨

に賛同し、食べ残しなどの削減に取り組む飲食店などを「福岡エ

コ運動協力店」として登録し、登録した協力店にはステッカーを

配布しています。

○研究機関などのノウハウや技術を組み入れながら、新たな機械による凍結路面対策を検

討することが必要です。新規【中長期】

<取組のイメージ>

・寒地土木研究所では、機械による雪氷路面処理技術の開発を行っています。

ステッカー

(1)歩く人に優しい冬のみちづくり

砂まき活動の推進

技術的な取組の強化

処理装置の破砕部

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○小学生を対象に行っている雪体験授業やスクールゾーン実行委員会などの中で、日頃感

じている通学路の課題などを記載する「危険マップ」を作成し、小学校や児童館などに

掲示することが必要です。継続【短期】

○スクールゾーン実行委員会と連携し、従来の通学路排雪に加え、交差点排雪の強化によ

り、見通し改善や歩行空間の確保を行うことが必要です。拡充【短期】

冬のスクールゾーン危険マップ

(2)通学路の安全確保

危険マップを活用した情報共有

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○冬みちでの転倒防止活動を、ウィンターライフ推進協議会※20など他の団体と連携して実

施することが必要です。継続【短期】

○転倒や落雪など、冬のリスクに対して身を守るための留意点をとりまとめ、広報媒体を

活用して周知することが必要です。新規【短期】

<広報内容のイメージ>

・冬みちを歩くとき(屋根から落雪しそうな家に近づかない、除雪車やダンプトラック

に近寄らない、滑らない靴を履く、転倒に備えてなるべく手に荷物を持たない)

・雪かきするとき(準備運動を行う)

・屋根の雪下ろしをするとき(準備運動を行う、命綱を必ず付ける、独りでは作業を行

わない)

・冬みちを運転するとき(時間に余裕を持つ、十分に車間をとる)

・外で遊ぶとき(道路に向かってそり遊びをしない)

ホームページで「冬みちを安全・快適に

歩く」ための情報を発信

観光客向けの転倒防止パンフレットを作成

し、観光案内所などで配布

(3)冬期の安心・安全への意識向上

他の団体と連携した転倒防止活動

冬のリスクに対するマネジメント

※20【ウィンターライフ推進協議会】有識者、民間企業、研究機関、行政機関などが雪みちでの転倒事故防止活動などを含めた、冬を活動

的に過ごすような環境づくりを通して地域社会へ貢献することを目的に、雪みちの転倒防止活動など

に関する情報発信や普及啓発を行う団体。

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○バス路線を中心とした除排雪作業の重点化を行うことが必要です。拡充【短期】

○大雪時に他の道路より優先して除排雪を行う路線をあらかじめ定め、早期にバス路線や

ライフラインなどを確保できる体制を整えることが必要です。継続【短期】

○初冬期の大雪時の交通障害を早期に復旧するため、臨機な除排雪作業が行える仕組みづ

くりが必要です。新規【短期】

<取組のイメージ>

項目 検討内容

除排雪作業 ・札幌市が保有する除雪機械の貸与時期を早める

・土木工事などを一時中断し、必要な機材・人材を可能な限り動

員する

雪対策施設 ・雪堆積場の開設時期を早める

・運搬距離の短い融雪施設の開設時期を早める

○局地的な大雪時の交通障害を早期に復旧するため、担当地区を越えて除雪機械やダンプ

トラックを応援する体制を維持することが必要です。継続【短期】

<取組のイメージ>

・小雪で排雪作業が予定より早く進んでいる A 地区の排雪班(除雪機械やダンプトラッ

ク)の一部を、大雪で排雪作業が遅れている B 地区に応援で派遣します。

A 地区(小雪) B 地区(大雪)

(4)大雪への迅速な対応

暮らしを支えるバス路線の確保

大雪時の臨機な対応

応援

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○海外の事例なども参考にしたうえで、突発的な大雪など、自然の力に対する生活行動(通

勤・通学など)について検討することが必要です。新規【中長期】

<取組のイメージ>

・アメリカでは、州ごとに違いはあるものの、事前にルールを定めたうえで、悪天候時

(冬期の降雪や凍結など)に「始業時間の繰り下げ」や「一部の機能を除いた臨時休業」

などの対応を行っています。

【ワシントン D.C.の場合】

ルール 判断基準

官公庁 ・気象予報などに基づいて事前に休業

などを決定してアナウンスする。

・8~18cm 程度の予想降雪量

で休業した事例あり

公立学校 ・通常、朝 4~5時に遅れや休みを決定

し、ツイッターやウェブサイト、テ

レビなどでアナウンスする。

・気温、体感温度、雪氷の程

度、道路の状況、公共交通

の運行状況など

企業 ・企業ごとに方針を定める。

・休業などの場合は、電話やメールの

ほか、地域のメディア(テレビ・ラ

ジオ)も利用してアナウンスする。

・官公庁の休業の判断を準

用している事例あり

○上記の検討結果を踏まえ、大雪や急激な気象の変化などに際し取るべき行動を、市民に

限らず、外国人も含む観光客を想定した内容とし、広報さっぽろやホームページ、SNS

などで周知することが必要です。新規【中長期】

大雪時における取るべき行動の明確化

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■目指すべき将来の姿

■実現に向けた取組項目

(2)除雪オペレーターの定着・育成支援

(3)将来を見据えた人材の確保・支援

方向性4 除排雪体制の確保

(1)安定的な契約制度の構築

○契約制度などを見直したことで、除雪に携わる企業の経営体力が安定化し、除雪機械への

投資や新たな人材確保に向けた動きが加速しています。

○ICT の活用により提出書類の簡素化や除雪オペレーターの交代が容易となり、労働時間の

短縮や定期的な休日の確保が進むなど、労働環境の改善が図られ雇用が増えています。

○新たに雇用された若手除雪オペレーターは、冬期に限らず除雪の運転技術やノウハウを習

得できるようになり、早期に運転手として冬みちを守っています。

【ある日の除雪作業】

ありがとうございます。

雪が降る前から練習していたので

運転は任せてください!

1 年目とは思えないほど

運転が上手だな~。 ナビが誘導してくれるので

安心だよ!

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35

○道路維持除雪業務における契約制度のあり方について、国や他の自治体の動向も把握し

たうえで、課題やその可能性について検討することが必要です。継続【中長期】 <現在の契約状況>

札幌市 北海道開発局(札幌開発建設部管内)

業務(工事)

内容

道路維持、道路除雪

雪堆積場

道路維持、道路除雪、雪堆積場

契約年数 1 年 1 年 2 年

契約額

(1 業務当り)

4.7~9.5 億円 1.4~3.0 億円 2.0~5.0 億円

入札方式 一般競争入札※21

(事後審査型)

拡大一般競争入札

(総合評価落札方式)

拡大一般競争入札

(総合評価落札方式)

業務数 23 18 5

入札参加企業 共同企業体 単体企業 単体企業

入札参加状況

(業務単位)

2 企業体

以上

1 企業体 2 社以上 1 社 2 社以上 1 社

0 23 0 18 0 5

石狩市 江別市 北広島市

業務内容 道路維持、道路除雪

雪堆積場

道路除雪、雪堆積場 道路除雪、雪堆積場

契約年数 3 年 1 年 1 年

契約額

(1 業務当り)

8.5 億円 7.0 億円 4.3 億円

入札方式 随意契約※22 一般競争入札 ⇒

随意契約

随意契約

業務数 1 1 1

入札参加企業 協同組合 協同組合 協同組合

入札参加状況

(業務単位)

1 社 2 社以上 1 社 1 社

23 0 1 1

(1)安定的な契約制度の構築

経営の安定化につながる契約制度

※21【一般競争入札】企業をあらかじめ絞り込むのではなく、参加資格を満たす不特定多数の企業が参加できる入札方法。

※22【随意契約】競争入札などによらず、発注者が任意で決定した企業と契約を締結する契約方法。

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○ICT※23 を活用して除雪オペレーターの労働環境の改善につながる取組を行うことが必要

です。新規【中長期】

<取組のイメージ>

[ナビゲーション※24の導入]

[GPS 端末の導入]

○長時間労働の改善や週休 2 日制の導入など、労働環境の改善につながる方策を検討する

ことが必要です。新規【中長期】

○運送事業者や各種団体と連携し情報共有を図るなど、排雪に必要なダンプトラックの確

保に向けた取組を行うことが必要です。拡充【短期】

(2)除雪オペレーターの定着・育成支援

■期待される効果

・交代が容易となり、長時間労働の是正や

定期的な休暇の取得

・除雪車の効率的な運用 など

ICT の活用を含めた労働環境の改善

■期待される効果

・作業日報や支払い用書類の自動作成

・提出書類の簡素化による従事者の労働

時間の短縮 など

※23【ICT】学校で教科書の代わりにタブレット端末を使用することや、携帯端末を活用して高齢者や障がい者世帯の見守り・安否確認を

※11【ICT】支援するなど、さまざまな分野で求められるサービスを実現するための情報通信技術。

※24【ナビゲーション】出発地点から目的地までの経路などを誘導する装置。

ダンプトラックの確保に向けた情報共有

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○冬に限らず利用可能な会場と機械を確保して、継続的に技術向上につながる実技研修を

行うことが必要です。新規【短期】 <取組のイメージ> ・国土交通省東北地方整備局青森国道事務所では、本格的な降雪前に除雪グレーダの運

転技術の向上を図るため、除雪オペレーターを対象に河川敷で雪に見立てた砂を道路

脇に寄せる作業訓練を行っています。

○アイカメラ※25 を活用して除雪作業時の熟練除雪オペレーターの目や視線の動きを記録

し、頭の中に内在化している知識や経験を見える化することで、技術の向上や統一化を

図ることが必要です。新規【中長期】

○除雪作業の苦労や除雪従事者への感謝の声をテーマにした PR や啓発などを行い、除雪従

事者に限らず、広く市民にも周知することで、仕事へのやりがいや魅力の向上につなげ

ることが必要です。新規【短期】 <取組のイメージ> [周知方法]

・除雪業務受託者講習会の会場

・雪対策のイベント

・札幌市ホームページ

・マスメディアによる情報発信 など

[内容]

・雪対策モニター※26を通じて収集する除雪作業へ

の感謝や労いの声

・永年勤続表彰を受賞した除雪オペレーターの経験

談や作業の様子

※25【アイカメラ】赤外線などにより対象者の目の動きを記録する装置。

※26【雪対策モニター】雪対策に関する意見や感想を調査するために依頼する市民。

除雪従事者の士気向上

除雪機械技術講習会でパネルを展示

(日本建設機械施工協会北海道支部)

写真変更予定

育成支援の充実

「凍結防止剤散布車」操作時の

オペレーターの視点 アイカメラ

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○行政がコーディネートを行い、建設業に的を絞った合同企業説明会を開催することが必

要です。新規【中長期】

<取組のイメージ>

・対象 :新卒者、既卒者

・雇用形態:通年、季節

○国や北海道が実施する人材確保に向けた支援事業を取りまとめ、ホームページで周知す

ることが必要です。新規【短期】

<広報のイメージ>

・厚生労働省では、「建設労働者緊急育成支援事業」として、建設現場で機械を運転する

ための資格取得や就職先の紹介を無料で行っています。

(3)将来を見据えた人材の確保・支援

人材確保への支援

北海道建設業協会(平成 28 年度) 建設業振興基金(平成 27 年度)

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○ICT を活用して除雪オペレーターの労働環境の改善につながる取組を行うことが必要で

す。新規【中長期】

○長時間労働の改善や週休2日制の導入など、労働環境の改善につながる方策を検討する

ことが必要です。新規【中長期】

○冬に限らず利用可能な会場と機械を確保して、継続的に技術向上につながる実技研修を

行うことが必要です。新規【短期】

○アイカメラを活用して、除雪作業時の熟練除雪オペレーターの目や視線の動きを記録し

て、頭の中に内在化している知識や経験を見える化することで、技術の向上や統一化を

図ることが必要です。新規(中長期)

○除雪作業の苦労や除雪従事者への感謝の声をテーマにした PR や啓発などを行い、除雪従

事者に限らず、広く市民にも周知することで、仕事へのやりがいや魅力の向上につなげ

ることが必要です。新規【短期】

ICT の活用を含めた労働環境の改善 (再掲 36 ㌻)

育成支援の充実 (再掲 37 ㌻)

除雪従事者の士気向上 (再掲 37 ㌻)

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■目指すべき将来の姿

■目指す姿の実現に向けた取組項目

(2)除排雪の効率化・省力化

方向性5 除排雪作業の効率化・省力化の推進

(1)メリハリのある冬期道路の管理

○除雪センター及び除雪車に ICT を本格的に導入したことで効率化が図られ、除雪オペレ

ーターの確保が難しい中でも必要な体制が整っています。

○新たな安全装置が開発されたことで、例えば幹線道路の除雪で使用する除雪車は 1 人乗

りが主流となるなど、省力化されています。

○市街地に新たな雪処理施設を整備したことで、運搬距離の短縮が図られ、効率的な排雪が

行われています。

○公共用地や空き宅地を活用した地域内雪処理が進み、郊外の雪堆積場への搬入負荷は低減

されています。

【ある日の除雪作業】

2 人乗りから 1 人乗りに

なったけど、安全対策は

万全だね!

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○気象が道路状態や交通に与える影響と除排雪が与える効果を分析し、市民のコンセンサ

スを得たうえで、メリハリをつけた除排雪を検討することが必要です。新規【中長期】

<取組のイメージ>

・これまで一律の基準で実施していた幹線道路の排雪作業を、分析結果を踏まえ「交通

量の多少」「都心部など人や車が集中するエリア」「地域交流拠点※27」などに応じ

て、作業方法に差をつけます。

○道路状況に関する交通量や走行速度などのビッグデータ※28を基に、除排雪作業の優先

度を把握するシステムを導入することが必要です。新規【中長期】 <取組のイメージ>

・タクシーやバスなどから取得する走行速度や有効幅の情報を基に、道路状況に応じて

作業方法に差をつけます。

[情報取得から作業までの流れ]

(1)メリハリのある冬期道路の管理

地域特性などを考慮した除排雪

※27【地域交流拠点】地下鉄・JR 駅の周辺で地域の生活を支える主要な拠点としての役割を担う地域のほか、区役所を中心に生活利便機

能が集積するなど、区の拠点としての役割を担う地域。

※28【ビッグデータ】市販されているパソコンでは処理することが困難なほどの大量で複雑なデータの集合体。

道路状況の取得 情報の集約

<タクシー>

<バス>

タクシープローブ

レーザーレンジ

スキャナ

【取得できる情報】

・道路の走行速度

・道路の有効幅

情報をメール

で受信

※道路状況があらか

じめ定める条件を

下回った場合、登

録者はその情報を

メールで受信

<パソコン>

<タブレット>

情報を基に

作業の実施

拡幅除雪

運搬排雪

<サーバー>

走行速度

有効幅

(2)除排雪の効率化・省力化

ICT の活用を含めた除排雪作業の効率化・省力化

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○雪堆積場までの運搬距離は区により偏りがあることから、適正な配置に向けた検討を行

うことが必要です。新規【短期】

○運搬距離の低減やダンプトラック台数の抑制につながる市街地に、新たな雪処理施設を

整備することが必要です。拡充【中長期】

○除雪現場の省力化による生産性・安全性の向上に関する取組を産学官で連携して実施す

ることが必要です。新規【中長期】 <取組の解説>

・平成 29 年 3 月 28 日に北海道開発局が主体で設置した「第 1 回プラットフォーム」が

開催され、持続可能な道路除雪に向けた取組の必要性について、議論が行われました。

[暴風雪による通行止めの早期交通開放]

・ロータリ除雪車の自動運転化により、視程障害時に見合わせていた除雪作業の実

施を目指します。

ダンプトラックによる

直接投入を行う雪処理施設

出典:北海道開発局

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[冬期通行止め区間の春山除雪]

・除雪機械の省力化、自動化により除雪の効率化を図ります。

○公共用地や空き宅地を活用して、新雪除雪や路面整正作業において置き場に困り交差点

などに寄せていた雪を搬入することが必要です。拡充【中長期】

○流雪溝は沿線住民が投雪作業を行う施設であるが、上手く利用している地域のノウハウ

の共有や札幌市との協力により投雪作業を行うなど、更なる有効活用を図ることが必要

です。新規【短期】

空き地の有効活用

地域内雪処理の推進

出典:北海道開発局

流雪溝への投雪