肺 (呼吸部)：吸気中のO2と血液中のCO2のガス交換（外呼吸）を営む肺胞系 気道：外気を肺に導く通路 　　　 鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支 　　　

＜注＞ 実際は、肺の内部にも気管支の 枝が存在しているので、 厳密に言えば鼻腔から肺内 の細気管支までが気道と いうことになる。

内呼吸： 末梢の細胞の近くでの CO2とO2のガス交換

＜注＞

鼻腔から喉頭まで

気管から下

上気道

下気道

鼻腔 咽頭 喉頭

気管

気管支

細気管支

*上気道、下気道の定義は一定していない

*

*

：匂いを嗅ぐために特殊化した鼻腔の上部

：鼻腔の大部分を占める

基底細胞

＜注＞ 海綿叢の充血は周期的に片側ずつ起こり、 鼻腔を閉塞して、 鼻腔粘膜を乾燥から回復させるといわれる

＜注＞

サル、HE

喉頭の前頭断面を背側から見た図　　

誤嚥防止

＜喉頭鏡で見た声帯＞

発声の時は声門を閉じる。肺からの呼気圧によって間隙から空気が出てくる時 に、声帯のヒダをふるわすことで音がでる。 声門の閉じ具合や声帯ヒダの緊張度を微妙に変えることで音声を調節。

(声帯ヒダや喉頭蓋など)

サル、HE

線毛運動で異物を 咽頭へ運ぶ

（粘液分泌）

（未分化細胞）

粘膜固有層

気管、サル、HE

線毛

刷子

杯

右 左 葉 葉

右上葉

右中葉

右下葉

右上葉

右中葉

右下葉

左上葉

左下葉

上葉、中葉 下葉

肺胸膜 ・漿膜：中皮（＋極めて薄い固有層）

・漿膜下組織：線維性結合組織（弾性繊維に富む）

(肺胸膜)

肺活量： 最大限の吸息位から最大限の呼息を行った時に呼出される空気量

※生理学を参照

人体の正常構造と機能 I 呼吸器

3. 血中の二酸化炭素レベルを調節することによる 　 酸塩基平衡への関与 ※生理学を参照、プリントでは省略

<気管支の分岐> ・気管支は肺門から肺の中に入り、2分岐を繰り返して 　次第に細くなり、肺胞へと至る

肺門

<気管支の分岐> ・気管支は全体として樹状を呈し、気管支樹を形成する

<気管支の分岐>

・気管

・終末細気管支 ・呼吸細気管支 ・肺胞管 ・肺胞嚢

肺 肺葉 肺区域

肺小葉

・主気管支

・葉気管支

・区域気管支

・細気管支

・(区域)気管支枝：区域気管支が分岐を繰り返したもの

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

(主)気管支 ((primary) bronchus)

誤嚥異物は 右

葉気管支 (lobar bronchus) 右肺が3本、左肺が2本

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

右上葉

左上葉

右下葉 左下葉

右中葉

　　　　　

区域気管支 (segmental bronchus)

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

右上葉

左上葉

右下葉 左下葉

右中葉

　　　　　

・葉気管支は各葉で2～4本の区域気管支に分かれる。

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

気管支：前面

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

・それぞれの肺小葉には細気管支が分布する。

葉気管支、区域気管支、(区域)気管支枝

肺内気管支と気管の相違点

・C字型の軟骨が分断されていて不整形 　（細い気管支になるにつれて断片化、消失）

・平滑筋が管壁を取り巻くように上皮と軟骨の間に存在

細気管支 (bronchiole) と終末細気管支

細気管支

＊気管支軟骨が無いので、気管支喘息による 　ラセン筋の収縮により気管支が 　閉塞しやすくなる

終末細気管支 (terminal bronchiole) について ・気道の最後の部分

・直径約0.5 mm以下

・上皮は線毛立方上皮

細気管支の上皮 ：多列～線毛円柱上皮

＊

＊

＊プリントの表を参照

細気管支と終末細気管支の上皮の形態

・細気管支と終末細気管支の上皮形態の分類は、 　教科書、参考書によって多少異なっている。

<Di Fiore 人体組織学図譜>

細気管支：多列線毛円柱上皮

終末細気管支：線毛円柱上皮

<カラーポケット組織学（リサ・リー著）>

細気管支：多列～線毛円柱上皮

終末細気管支：線毛立方上皮

例

次第に少なくなる

ところどころに見られる

：次第に線毛を欠くようになる 単層(線毛)上皮

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

　

　

肺胞管

肺胞嚢

＊肺胞管の平滑筋は 　肺胞では消えている

平滑筋 平滑筋

肺胞管

肺胞嚢

気管 　↓ 主気管支 　↓ 葉気管支 　↓ 区域気管支 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

肺胞

*主気管支、肺胞管、肺胞嚢は除いてある **肺胞はプリントでは除いてある。

**

(線毛)

・呼吸細気管支、肺胞管 (、肺胞嚢) の壁から 　膨れ出した半球状の袋（直径約200μm）

・肺胞の総表面積：140 m2

(alveolus)

肺胞

(alveolus)

型肺胞上皮細胞 非常に薄い扁平細胞で

型肺胞上皮細胞

層板小体

層板小体 泡抹状

繊維

(blood-air barrier)

・肺胞中のO2と血液中のCO2は、血液ー空気関門を拡散によって 　移動し、ガス交換がおこる。

(alveolar macrophage)

細胞質 顆粒 塵埃細胞

（塵埃細胞）

Ross組織学

Ross組織学

・肺動、静脈 （機能血管） 　：肺循環系に属し、ガス交換に関与 　＊肺動脈は、呼吸細気管支の先で毛細血管 　　となって、肺胞壁を取り囲む

・気管支動、静脈 （栄養血管） 　：体循環系に属し、肺に酸素と栄養を供給 　＊気管支動脈は、気管支壁で毛細血管となる

肺の発生：外分泌腺の発生過程に似ている

原始肺胞

胎生16～25週 胎生24～36週 胎生36週～小児期

I型肺胞上皮とII型肺胞上皮 （表面活性物質を産生）が出現

・内胚葉（消化管と同じ）

・胎児の肺は複合管状胞状腺様

今日の実習

○鼻粘膜（呼吸部）、サル、HE ○喉頭、サル、HE ○喉頭、ヒト、RF ○気管、サル、HE ○肺、サル、HE ＊組織を特徴付けるスケッチを描くこと （全ての標本において、40倍の対物レンズは必ず使用）

サル、HE

(混合腺) 基底膜

粘膜固有層

サル、HE

重層扁平上皮 (硝子軟骨)

(骨格筋)

多列線毛上皮

喉頭 サル、HE ＊喉頭腺（混合腺）は対物レンズを変更、拡大して確認すること

喉頭腺

喉頭 ヒト、RF

声帯ヒダの粘膜固有層に 弾性繊維が多いことを確認！ HEと比較すること

気管、サル、HE

膜性壁を構成する 横走平滑筋(気管筋)も確認 ＊横走平滑筋の断片や、縦走平滑筋しか観察されないこともある。 　また、平滑筋がほとんど観察されない標本もある。

外膜

気管軟骨 (硝子軟骨)

気管、サル、HE

粘膜固有層

多列線毛上皮

肺、サル、HE ・肺内気管支から肺胞までの組織の変化を確認する

＜参考＞

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

気管支軟骨

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

＊この標本では、 　気管支腺はかなり 　少ない。

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

線毛円柱上皮

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

線毛立方上皮

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

肺、サル、HE

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞嚢

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

呼吸細気管支

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

肺胞管

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

肺、サル、HE

肺、サル、HE

区域気管支(枝) 　↓ 細気管支 　↓ 終末細気管支 　↓ 呼吸細気管支 　↓ 肺胞管 　↓ 肺胞

I型肺胞上皮細胞