2000 oct no.142000 oct no.14 contents [ 目次 ] 2 16 18 20 22 多多摩の景景気気...

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多摩のマイバンク たましん 多摩中央信用金庫 2000 OCT NO.14 ONTENTS 目次 2 16 18 20 22 多摩の景気 中小企業景況速報 多摩の源流 戦後の立川飛行場 元気のある企業紹介 ワロム産業株式会社 株式会社食品の店おおた 株式会社ソルプラス 経済指標 人口のうごき 求人・求職 のうごき 住宅着工 のうごき 倒産のうごき くるまのうごき 電力のうごき、八王子 の気 象 24 25 26 27 28 29 多摩の新しい名所としてデビューしたアウトレットパーク “ラ・フェット多摩”(南大沢)

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Page 1: 2000 OCT NO.142000 OCT NO.14 CONTENTS [ 目次 ] 2 16 18 20 22 多多摩の景景気気 人口中小企業景況速報 多摩の源流 戦後の立川飛行場 元元気気のああるる企業紹介

多摩のマイバンク

た ま し ん 多摩中央信用金庫

2000 OCT NO.14

CONTENTS [ 目次 ]

2

16

18

20

22

多多摩摩のの景景気気 中小企業景況速報

多多摩摩のの源源流流 戦後の立川飛行場

元元気気ののああるる企企業業紹紹介介 ワロム産業株式会社

株式会社食品の店おおた

株式会社ソルプラス

経経 済済 指指 標標 人口のうごき

求人・求職のうごき

住宅着工のうごき

倒産のうごき

くるまのうごき

電力のうごき、八王子の気象

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多摩の新しい名所としてデビューしたアウトレットパーク “ラ・フェット多摩”(南大沢)

Page 2: 2000 OCT NO.142000 OCT NO.14 CONTENTS [ 目次 ] 2 16 18 20 22 多多摩の景景気気 人口中小企業景況速報 多摩の源流 戦後の立川飛行場 元元気気のああるる企業紹介

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多摩の景気 中小企業景況速報 Vol. 102

2000.7~9月期

      日 銀 短 観 と の 比 較

 [たましん非製造業の業況判断DIは、製造業以外の5業種(卸売、小売、サービス、建設、不動産業)の業況判断DIを、平成8年  10月事業所統計調査による多摩地域の5業種の事業所数の割合で加重平均して求めています。]

製 造 業

-60

-40

-20

0

20

40

60

1990.9 1992.9 1994.9 1996.9 1998.9 2000.9

たましん・製造業業況DI

短観・中小製造業業況DI

非製造業

-60

-40

-20

0

20

40

60

1990.9 1992.9 1994.9 1996.9 1998.9 2000.9

たましん・非製造業業況DI

短観・中小非製造業業況DI

ご    案    内

 『多摩の景気』は主に、多摩中央信用金庫お取引先企業経営者のみなさまに、最新の地元の景気についての情報を提供することを目的にしています。 この景気動向調査はつぎのような特色をもっています。

 ① 製造業、卸売業、小売業、サービス業、建設業、不動産業の6業種について景気の動きを調査しています。 ② ご協力いただいている調査先はおよそ740社に及び、地域としては、多摩の大部分をカバーしています。 ③ 3ヵ月ごとに最新の動きをまとめています。  ④ また、各回特別のテーマを設け「特別調査」を加えています。今回のテーマは「高齢化社会と高齢者の雇  用について」です。

 是非ご一覧の上、経営上の参考にしていただきたいと存じます。

      D I に つ い て

  DI( Diffusion Index ) とは、景気の動いている方向を判

 断するために用いられる指標で、「増加(又は上昇・楽など)」と

 回答した企業割合から、「減少(又は下降・苦しいなど)」と回答

 した企業割合を差し引いて求めます。

 例えば売上額について「増加」と回答した企業が全体の30%、

 「減少」と回答した企業が全体の20%だとすれば、DIは10

 %となります。これは、「増加」と回答した企業の数が「減少」

 回答企業数を上回り、その差は全回答企業数の10%だったとい

 うことです。このような状態を、売上額の動きは「増加」の方向

 に傾いているという意味で「増加傾向」と表現しています。

 なお、季節調整済DIとは、各期ごとに季節的な変動を繰り返

 すDIを、過去5期分のデータを用いた計算によって、季節的な

 変動を除去したDIのことです。本文中では、各業種とも図-1

 の表題部に付記しています。

  今 回 の 調 査 に つ い て

1.調査時期 平成12年9月上旬(毎四半期末実施)2.調査内容 平成12年4月~6月と比較した平成12年7

月~9月の実績と 平成12年7月~9月と比較した平成12年10月~12月の見通し

3.調査方法 調査員による聞き取り調査4.調査対象企業数 当金庫の取引先742社

5.回答企業数 721社6.回 答 率 97%

7.回答企業内訳 下の表のとおり

従業員規模別 計 製造業 卸売業 小売業 サービ ス業 建設業 不動産業

1 ~  4人 295 30 28 113 64 22 38

5 ~  9人 181 38 30 33 27 41 12

10 ~ 19人 120 48 15 6 22 24 5

20 ~ 29人 47 27 7 2 8 3  -

30 ~ 39人 22 13 2 1 3 2 1

40 ~ 49人 15 4  3 2 4 2 -

50 ~ 99人 29 14 4 1 7 2 1

100人 ~ 12 11 - -   - - 1

 計 721 185 89 158 135 96 58

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特 別 調 査

高齢化社会と高齢者の雇用について

3

問1については、業種ごとに見

ても、全体で見ても「年金負担の

増大・給付の減少」が一番多い。

第2位は、全体では、「医療費の

増大」となっており、いずれも個

人として切実な問題であろう。第

3位は「日本経済の活力の喪失」

「若年労働力の不足」であるが、

これらは社会的な観点からみて、

重大な問題であろう。

問2については、高齢者向けの

商品・サービスを提供ないし検討

しているとする回答は、全体では、

2割にも満たない。「将来的な課

題である」「同業者の動向を見て

検討する」の両回答を合わせると、

全体では、4割ほどになり、まだ

これからという感じである。

問3は、全体で「定年制度はな

い」という回答が半数を超えたが、

製 造 業の29%から小売業の8

5%まで、業種によってバラツキが

ある。定年制度が有る場合、56

歳~60歳というのが一番多い。

定年延長については、検討中と予

定なしがほぼ同数となった。

問4は、製造業以外は高齢者の

新規採用・再雇用は考えていない

という回答が一番多く、その次が、

雇用する場合は本人の能力による

とする回答である。雇用を考えて

いないとする回答割合が、新規採

用より再雇用の方が小さいのは、

再雇用の場合は本人の能力がわか

っているからかも知れない。

問5では、高齢者を雇用する場

合、全体では、「能力」「賃金」

「人格」がこの順で重視されるこ

とが示されているが、不動産業で

は、「人脈」や「地域をよく知っ

ていること」が重視されている。

(注)単位は%。 問1、5は複数回答。

 高齢化社会への問題点全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業

財政再建のための増税 25 25 28 19 23 28 31医療費の増大 42 45 40 46 39 38 36年金負担の増大・給付の減少 50 57 52 46 47 49 48地域社会の衰退 19 9 19 24 22 21 24相続・事業承継問題の増加 12 10 15 14 7 17 16日本経済の活力の喪失 30 37 35 20 27 33 36介護負担の増大 27 23 30 34 25 26 28若年労働力の不足 30 38 27 24 29 29 29その他 - 1 - - 2 - -

特に問題とは思わない 4 3 2 2 6 5 3

 高齢者を意識した商品・サービス  全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業

既に商品・サービスを提供している 8 1 9 13 2 17 19商品・サービスの導入を検討している 9 5 3 13 10 7 16将来的な課題である 26 27 30 23 28 25 26同業者の動向を見て検討する 15 10 14 15 22 14 17その他 6 9 5 4 7 9 -高齢化の影響は受けない 36 48 39 32 31 29 22

 定年制度および定年の延長  全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業

◆ 定年制度 55歳以下 1 2 1 - 3 - - 56歳~60歳 24 40 37 6 19 18 26 61歳以上 10 17 13 3 5 13 10 能力・人柄で決定 12 12 7 6 19 15 10 定年制度はない 53 29 42 85 54 54 54

◆ 定年の延長 既に延長した 4 9 8 1 1 2 2 延長する予定 2 2 1 2 1 3 3 検討中 18 24 19 4 20 20 21 延長する予定はない 21 32 27 7 20 17 21

 高齢者の新規採用および高齢者の再雇用の意向  全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業

◆ 高齢者の新規採用 積極的に採用していく 2 2 2 - 2 4 5 本人の能力による 30 52 27 13 19 33 23 本人の人柄による 4 4 7 6 2 2 5 採用することは考えていない 64 42 64 81 76 60 67

◆ 高齢者の再雇用 積極的に再雇用していく 3 7 2 1 2 2 2 本人の能力による 40 61 43 21 28 46 35

 本人の人柄による 6 6 5 8 7 3 9 再雇用することは考えていない 44 21 45 65 50 42 47

 高齢者を新規採用・再雇用する場合の観点  全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業

仕事をこなす能力が十分ある 57 75 67 42 45 55 51低賃金で雇える 25 35 33 17 22 24 11高齢者向け事業の計画・実行に適している 2 2 1 1 2 3 -地域のことを良く知っている 7 3 2 12 2 7 26人脈を活かせる 14 13 16 9 9 17 29人格が備わっている 18 23 23 10 17 18 15資格を持っている 11 12 9 6 9 16 15

企業イメージが良くなる 1 1 - 1 2 - -その他 2 2 3 1 2 3 -新規採用・再雇用する予定はない 34 17 26 47 44 36 42

問5

問1

問2

問3

問4

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製 造 業 今期の業況判断DI 4

4

売上額は増加傾向を強め、収益は増益傾向に転じた 前期に弱い増加傾向に転じた売上額は、今期、その度合いを強めた。前年同期比でも、増勢をやや

強めた。10~12月は、横ばいで推移すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2>

収益もかなり改善され、今期は増益傾向に転じた。前年同期比では、増益傾向の度を強めた。10

~12月は、増勢がやや鈍化すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2>

原材料価格はわずかなプラス幅を持続し、販売価格の下降傾向は弱まった。10~12月には、原

材料価格は、ほぼ今期並みで推移し、販売価格は、下降傾向を若干弱める見通しである。 <表-1・図-1> 人手は不足感がやや強まり、残業時間は、増加傾向をやや強めた。10~12月には、人手の不足

感も、残業時間の増加傾向もほぼ今期並みで推移するという見通しである。 <図-3> 資金繰りは、窮屈感がやや弱まった。10~12月は、ほぼ横ばいで推移すると見込まれている。 <図-3> 設備投資実施企業は、前期より若干多い 26%だった。10~12月も、25%の企業が予定して

いる。借入は、やや増えて 50%が実施した。10~12月は、40%が予定している。<図-4>

-60

-40

-20

0

20

1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

売上・収益判断DI(前年同期比) <図-2>

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

原材料価格

販売価格

主要項目の判断DI(前期比) 季調済

来期見通し

<図-1>

主要項目の判断DI(増加・上昇-減少・下降) <表-1>

1999.9 1999.12 2000.3 2000.6 2000.9 2000.12(見通し)

売上額 -19 -11 -14 4 15 15

収益 -25 -18 -18 -5 12 6

原材料価格 -4 -3 -2 1 3 4

販売価格 -19 -23 -25 -21 -11 -8

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製 造 業

5

経営上の問題点では、「売上の停滞・減少」と「利幅の縮小」がともに第1位となったが、前者はポイントをやや減らし、後者はポイントをやや増やした。

重点経営施策では、再び第1位と第2位が入れ替わったが、ポイント差はわずかである。第3位以下は前期と変わらない。 <図-5・図-6>

中分類以下の業種別の業況判断DI(季節調整済)

雇用・資金繰り判断DI

-80

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

人手DI(過剰-不足)

残業時間DI(増加-減少)

資金繰りDI(楽-苦)

<図-3>

来期見通し

借入実施企業割合設備投資の動向

0

20

40

60

80

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

借入実施企業割合

設備投資実施企業割合白→計画黒→実績

来期見通し

<図-4>

64

62

55

57

55

54

58

52

59

53

20

23

27

25

27

19

17

23

17

23

9

12

9

14

12

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経費を節減する販路を広げる 新製品・技術を開発

人材を確保する

情報力を強化する

当面の重点経営施策

(複数回答)

<図-6>

62

57

50

39

34

32

28

32

29

34

31

36

30

28

29

25

22

27

30

28

11

12

12

11

15

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経営上の問題点売上の停滞・減少 利幅の縮小 同業者間の競争の激化 納入先の値下要請

合理化の不足

(複数回答)

<図-5>

<表-2>食料品 繊維工業 金属製品 金属プレス 一般機器 電気 輸送用 精密 プラスチック 他 合計

他繊維品 他金属品 (含.金型) 機器 機器 機器 製品調査先数 11  4  11  23  16  50  14  30  8  18  185 前期 -12  18  -6  -8  -3  -60  17  -8 

今期 8  30  4  -5  3  -34  31  4 

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卸 売 業 今期の業況判断DI -17

6

売上額は減少傾向を弱め、収益の減益傾向は前期並み 売上額の減少傾向は、その度合いを弱めた。前年同期比でも、改善が進み、マイナス幅が消失した。

10~12月は、増加傾向に転化すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2>

収益は、前期並みの減益傾向を持続した。前年同期比では、少し悪化した。10~12月は、改善 すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2>

仕入価格・販売価格共に、下降超幅が若干広がった。10~12月には、仕入価格も、販売価格も

下降超幅がやや縮小すると予想されている。 <表-1・図-1> 人手は、不足傾向が少し強まり、残業時間の弱い増加傾向は消失した。10~12月は、人手の不

足傾向はその度を若干強め、残業時間は弱い増加傾向が見込まれている。 <図-3> 資金繰りは、ほぼ前期並みの窮屈感が持続した。10~12月は、窮屈感が緩和すると見込まれて

いる。 <図-3> 設備投資実施企業割合は、前期とほぼ同じ18%であった。10~12月は、17%の企業で予定

されている。また、借入を実施した企業割合は、前期並みの 57%であった。10~12月は、今期より少ない45%の企業が借入を予定している。 <図-4>

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

仕入価格

販売価格

主要項目の判断DI(前期比) 季調済

来期見通し

<図-1>

主要項目の判断DI(増加・上昇-減少・下降) <表-1>

1999.9 1999.12 2000.3 2000.6 2000.9 2000.12(見通し)

売上額 -12 -6 -8 -11 -3 7

収益 -21 -10 -13 -20 -19 -11

仕入価格 -10 -3 -6 -3 -6 1

販売価格 -23 -14 -13 -16 -18 -11

-40

-20

0

20

40

1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

売上・収益判断DI(前年同期比)<図-2>

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卸 売 業

7

経営上の問題点では、第1位と第 2 位、それに第4位と第5位がそれぞれ入れ替り、第 3 位は前期と同じである。

重点経営施策では、上位 5 つとも、順位は前期と変わらない。 <図-5・図-6>

中分類以下の業種別の業況判断DI(季節調整済)

雇用・資金繰り判断DI

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

人手DI(過剰-不足)

残業時間DI(増加-減少)

資金繰りDI(楽-苦)

<図-3>来期見通し

借入実施企業割合設備投資の動向

0

20

40

60

80

100

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

借入実施企業割合

設備投資実施企業割合白→計画黒→実績

来期見通し

<図-4>

67

61

63

67

67

53

57

54

60

52

26

27

26

25

30

13

13

17

14

15

12

12

14

10

12

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経費を節減する販路を広げる 情報力を強化する

品揃えを充実する

流通経路の見直し

当面の重点経営施策

(複数回答)

<図-6>

56

47

47

47

48

45

45

50

50

43

28

21

23

32

27

18

9

14

13

15

17

11

13

19

14

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経営上の問題点売上の停滞・減少 利幅の縮小同業者間の競争の激化

納入先の値下要請

小口注文・多頻度配送

(複数回答)

<図-5>

<表-2>衣服・身 (飲) 電子部 機械 金属材料 建築 その他 合計の回り品 食料品 品関係 器具 鉱物・燃料 材料

調査先数 4   10   7   14   6   27   16   89  前期 -21   -8   -28   -23  

今期 4   -31   -39   -17  

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小 売 業 今期の業況判断DI -29

8

売上額の不振の度は前期並み、収益は悪化傾向を若干強めた 売上額は、前期並みの減少傾向が持続した。また前年同期比でも、前期並みの不振の度が続いた。 10~12月は、かなり改善すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2>

収益は、減益傾向を若干強めた。しかし、前年同期比では少し改善が見られた。10~12月は、

売上額同様、かなりの改善が見込まれている。 <表-1・図-1・図-2> 仕入価格は、引続き下降傾向の度を若干弱め、販売価格は、ほぼ横ばいで推移した。10~12月

は、仕入価格はさらに下降傾向を弱めて上昇傾向に転じ、販売価格も下降傾向の度を少し弱めると予想されている。 <表-1・図-1>

残業時間は、前期の弱い増加傾向から、僅かな減少傾向に転じた。人手は、不足傾向が解消した。

10~12月は、残業時間はやや増加が、人手は若干の減少がそれぞれ見込まれている。<図-3> 資金繰りは、窮屈感が少し弱まった。10~12月は、横ばいが予想されている。 <図-3> 設備投資実施企業割合は、前期とほぼ同じ12%であった。10~12月の計画割合は、今期より

やや少ない 8%である。 借入実施企業割合は、前期よりやや少ない22%となった。10~12月の計画割合は、今期実施

割合とほぼ同じ21%となっている。 <図-4>

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

仕入価格

販売価格

主要項目の判断DI(前期比) 季調済

来期見通し

<図-1>

-60

-40

-20

0

1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

<図-2>売上・収益判断DI(前年同期比)

主要項目の判断DI(増加・上昇-減少・下降) <表-1>

1999.9 1999.12 2000.3 2000.6 2000.9 2000.12(見通し)

売上額 -30 -35 -25 -25 -25 -11

収益 -34 -36 -28 -26 -29 -14

仕入価格 -4 -11 -9 -6 -3 2

販売価格 -14 -18 -14 -15 -16 -10

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小 売 業

9

経営上の問題点では、第1位から第 5 位まで順位に変化がなかった。 重点経営施策では、前期の第4位と第5位が僅差で入れ替わり、第1位から第3位までにも順位に

入れ替りがあったが、ここでもポイント差は僅かなものである。 <図-5・図-6>

中分類以下の業種別の業況判断DI(季節調整済)

雇用・資金繰り判断DI

-60

-40

-20

0

20

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

人手DI(過剰-不足)

残業時間DI(増加-減少)

資金繰りDI(楽-苦)

<図-3>

来期見通し

借入実施企業割合設備投資の動向

0

20

40

60

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

借入実施企業割合

設備投資実施企業割合白→計画黒→実績

来期見通し

<図-4>

55

61

49

53

48

41

41

38

38

43

36

33

29

34

30

18

21

26

22

23

26

25

28

20

23

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経営上の問題点売上の停滞・減少 利幅の縮小同業者間の競争の激化大型店との競争の激化

商店街の集客力低下

(複数回

<図-5>

34

38

39

39

39

39

30

33

46

35

47

45

43

43

34

24

23

19

14

21

19

21

22

18

20

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経費を節減する売れ筋商品を取り扱う品揃えを改善する

宣伝・広告を強化する

商店街事業を活性化 当面の重点経営施策

(複数回答)

<図-6>

<表-2>衣服 文具玩具 ガソリン

呉服 (飲) 飲食店 コンビニ 自動車 自転車 家具・建 家電・家 医薬品 スポーツ品 木材・ スタンド・ 他 合計

身回品 食料品 エンスストアー 具・什器 庭用機械 化粧品 楽器CD 建材 燃料

調査先数 17 46 6 10 6 3 5 9 13 12 6 7 18 158 前期 -41 -40 -20 -31 -34 -34

今期 -22 -28 -48 3 -42 -29

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サ ― ビ ス 業 今期の業況判断DI -20

10

売上額は前期並みの不振の度を持続、収益は悪化の度を若干強めた

売上額は、前期並みの減少傾向が続いた。前年同期比では、かなり改善した。10~12月は、か

なり改善し、マイナス幅がほぼ消失すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2> 収益は、減益傾向が若干強まった。前年同期比では、悪化幅がやや縮小した。10~12月は、売

上同様、かなりの改善が見込まれている。 <表-1・図-1・図-2> 材料価格は、弱い下降傾向が微弱な上昇傾向に転じた。料金価格は、ほぼ前期並みの下降傾向が持

続した。10~12月は、材料・料金両価格ともほぼ横ばいが見込まれている。<表-1・図-1> 人手は、前期並みの不足傾向が続いた。残業時間は、前期同様、判断DIゼロの状態を持続した。 10~12月は、人手は不足傾向を少し強め、残業時間はほぼ横ばいが見込まれている。<図-3> 資金繰りは、前期並みの窮屈感が持続した。10~12月は、窮屈感が少し緩和すると見込まれて

いる。 <図-3> 設備投資を実施した企業割合は、前期より若干少ない18%であった。10~12月も、今期実績

とほぼ同じ17%の企業で予定されている。借入実施企業割合は前期より多い29%であった。10~12月に借入を予定しているのは、今期実績より少ない22%の企業である。 <図-4>

主要項目の判断DI(増加・上昇-減少・下降) <表-1>

1999.9 1999.12 2000.3 2000.6 2000.9 2000.12(見通し)

売上額 -16 -9 -24 -18 -17 -1

収益 -21 -17 -20 -19 -22 -8

材料価格 0 3 1 -3 1 1

料金価格 -13 -4 -11 -11 -9 -7

-60

-40

-20

0

20

1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

売上・収益判断DI(前年同期比)<図-2>

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

材料価格

料金価格

主要項目の判断DI(前期比) 季調済

来期見通し

<図-1〉

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サ ― ビ ス 業

11

経営上の問題点は、第1位から第3位及び第5位は前期と変わらず、第4位は前期の「取引先の減 少」に替わって「料金の値下げ要請」となった。

重点経営施策は、第1位と第2位は前期と同じ、第3位と第4位が入れ替り、第5位は「人材を確 保する」に替わって「教育訓練を強化する」となった。 <図-5・図-6>

中分類以下の業種別の業況判断DI(季節調整済)

雇用・資金繰り判断DI

-60

-40

-20

0

20

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

人手DI(過剰-不足)

残業時間DI(増加-減少)

資金繰りDI(楽-苦)

<図-3>

来期見通し

借入実施企業割合設備投資の動向

0

20

40

60

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

借入実施企業割合設備投資実施企業割合

白→計画黒→実績

<図-4>来期見通し

50

50

50

46

51

51

48

44

43

47

27

27

23

26

27

23

17

28

28

24

12

11

9

11

14

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経費を節減する販路を広げる

宣伝・広告を強化する

技術力を強化する

教育訓練を強化する

当面の重点経営施策

(複数回答)

<図-6>

51

50

48

48

51

54

51

49

39

37

26

24

25

26

19

11

12

14

9

13

9

10

7

11

10

0 20 40 60 80 100 120 140 160

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経営上の問題点売上の停滞・減少 利幅の縮小同業者間の競争の激化

人件費の増加

料金の値下げ要請

(複数回答)

<図-5>

<表-2>情報サービ 広告業 建物 洗濯業 理容業 美容業 娯楽業 自動車 その他 合計ス・調査業 サービス業 整備業

調査先数 9  17  18  12  17  10  6  20  26  135 前期 -25  3  -33  -40  -23  -37    -20 

今期 -27  -1  -57  -42  -21  -36    -20 

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建 設 業 今期の業況判断DI -15

12

施工高の減少傾向は若干強まったが、収益は改善した 工事施工高は、減少傾向が若干強まった。10~12月も、減少傾向をやや強めると見込まれてい

る。ほぼ横ばいで推移した売上額は、来期は、悪化が見込まれている。<表-1・図-1・図-2> 収益は、減益傾向が改善した。しかし前年同期比では、収益の悪化傾向は、前期並みで推移した。

10~12月は、売上額同様、悪化すると予想されている。 <表-1・図-1・図-2> 材料価格は、下降傾向の度をやや強めた。請負価格の下降傾向の度合いも、若干強まった。10~

12月は、材料価格も請負価格も、ほぼ今期並みの下降傾向を持続すると見込まれている。 <表-1・図-1> 残業時間は、弱い減少傾向に転じた。人手は、不足傾向を強めた。10~12月は、残業時間はま

た微弱な増加傾向に戻り、人手は不足傾向を少し強める見通しである。 <図-3> 資金繰りは、窮屈感がやや強まった。10~12月は、少し緩和すると見込まれている。 <図-3> 設備投資を実施した企業割合は、前期と同じ 12%で、10~12月には 9%が予定している。 借入実施企業割合は50%であり、10~12月は 53%の企業で予定されている。 <図-4>

主要項目の判断DI(増加・上昇-減少・下降) <表-1>

1999.9 1999.12 2000.3 2000.6 2000.9 2000.12(見通し)

施工高 -26 -23 -12 -7 -10 -14

収益 -34 -27 -27 -22 -13 -25

材料価格 -12 -4 -1 -2 -9 -8

請負価格 -26 -28 -25 -22 -25 -23

-60

-40

-20

0

20

40

60

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

施工高

収益

材料価格

請負価格

主要項目の判断DI(前期比) 季調済

来期見通し

<図-1>

-80

-60

-40

-20

0

20

1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

売上・収益判断DI(前年同期比)<図-2>

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建 設 業

13

経営上の問題点では、前期第2位の「利幅の縮小」が今期第1位となり、前期第3位の「同業者間の競争の激化」が第2位、前期第1位の「売上の停滞・減少」が第3位となった。第4位は相変わらず「代金回収の悪化」であるが、資金繰りの厳しさと考え合わせると気になるところである。

重点経営施策では、第1位から第5位まで順位に変化は無かった。 <図-5・図-6>

中分類以下の業種別の業況判断DI(季節調整済)

雇用・資金繰り判断DI

-80

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

人手DI(過剰-不足)

残業時間DI(増加-減少)

資金繰りDI(楽-苦)

<図-3>

来期見通し

借入実施企業割合設備投資の動向

0

20

40

60

80

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

借入実施企業割合

設備投資実施企業割合白→計画黒→実績

来期見通し

<図-4>

55

57

51

60

63

64

65

58

54

59

37

32

36

32

26

17

18

20

19

17

3

5

8

7

8

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経費を節減する販路を広げる 情報力を強化する 技術力を高める 当面の重点経営施策

(複数回答)

<図-6>新しい工法の導入

43

42

55

47

57

48

50

51

42

53

57

62

51

51

52

16

15

20

19

17

17

13

14

13

13

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経営上の問題点売上の停滞・減少利幅の縮小 同業者間の競争の激化

代金回収の悪化

大企業との競争激化

(複数回答)

<図-5>

<表-2>

総合工事業 職別工事業 設備工事業 合計

調査先数 58      26      12      96     

前期 -24      -25      4      -21     

今期 -15      -28      13      -15     

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不 動 産 業 今期の業況判断DI -9

14

売上額の不振の度はかなり弱まり、収益の悪化傾向も改善した

売上額の減少傾向は、その度合をかなり弱めた。前年同期比で見ても、減少傾向を弱めた。10~ 12月は、減少超幅がやや拡大すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2> 収益も、減益傾向を弱めた。前年同期比では、ほぼ前期並みの減益傾向が持続した。10~12月

は、減益超幅が少し縮小すると見込まれている。 <表-1・図-1・図-2> 仕入・販売両価格とも、ほぼ前期並みの下降超幅が持続した。10~12月は、仕入価格も、販売

価格も下降超幅を縮小すると見込まれている。 <表-1・図-1>

残業時間は、減少傾向を少し弱め、過剰感が有った人手は、弱い不足感に転じた。10~12月 は、残業時間は減少超幅が消失し、人手は横ばいが予想されている。 <図-3> 資金繰りの窮屈感は、ほぼ前期並みであった。10~12月は、窮屈感がやや緩和すると見込まれ

ている。 <図-3>

借入実施企業割合は、前期とほぼ同じ43%、10~12月は、55%の企業が借入を予定してい る。在庫の不足感は前期並みで推移。10~12月には、不足感が強まる見込みである。<図-4>

-80

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

仕入価格

販売価格

主要項目の判断DI(前期比) 季調済

来期見通し

<図-1>

-60

-40

-20

0

20

40

1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

売上額

収益

売上・収益判断DI(前年同期比)<図-2>

主要項目の判断DI(増加・上昇-減少・下降) <表-1>

1999.9 1999.12 2000.3 2000.6 2000.9 2000.12(見通し)

売上額 -8 -11 -10 -18 0 -5

収益 -13 -12 -13 -20 -11 -7

仕入価格 -18 -18 -9 -15 -16 -6

販売価格 -23 -27 -28 -22 -21 -11

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不 動 産 業

15

経営上の問題点では、前期の第1位から第5位まで、順位の変化はない。第1位の「商品物件の不

足」は、今期、さらにポイントが増えた。 重点経営施策では、第3位と第4位が入れ替ったが、上位3項目を見ると、販売強化の方針が一層

鮮明になった。 <図-5・図-6>

中分類以下の業種別の業況判断DI(季節調整済)

雇用・資金繰り判断DI

-80

-60

-40

-20

0

20

40

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

人手DI(過剰-不足)

残業時間DI(増加-減少)

資金繰りDI(楽-苦)

来期見通し

<図-3>

借入実施企業割合在庫の動向

-40

-20

0

20

40

60

80

1990.9 1991.9 1992.9 1993.9 1994.9 1995.9 1996.9 1997.9 1998.9 1999.9 2000.9

%借入実施企業割合

在庫の動向

来期見通し

<図-4>

60

61

61

67

67

38

36

33

47

43

40

41

33

26

31

35

41

35

32

24

7

10

11

16

12

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経費を節減する販路を広げる情報力を強化する 宣伝・広告を強化する 当面の重点経営施策

(複数回答)

<図-6>提携先を見つける

45

42

46

53

60

41

41

40

53

45

43

42

42

39

41

47

34

40

28

33

10

24

12

9

7

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

1999. 9

1999.12

2000. 3

2000. 6

2000. 9

経営上の問題点売上の停滞・減少 利幅の縮小 同業者間の競争の激化

大企業との競争激化

商品物件の不足

(複数回答)

<図-5>

<表-2>

建売・土地売買業 代理・仲介業 その他 合計

調査先数 27      23      8      58     

前期 -19      -10      -14     

今期 -15      -4      -9     

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多 摩 の 源 流

16

戦後の立川飛行場

昭和20年9月3日に横浜に上陸した騎兵第

一師団所属の騎兵第12連隊のジョンソン大尉

の率いる約200名が府立第二中学校(現立川高

校)を宿舎として立川飛行場に到着したのが戦後

の始まりでした。大尉一行は立川から所沢へそし

て入間基地まで進駐軍の第一陣として戦時中の

危険物除去と周辺住民の民心の安定を使命とし

ていました。

ジョンソン大尉の一行は、立川には3日間居た

のみで移動しています。しかし3日間で立川高校

の部隊は800名に増員され青梅線西立川駅北

口にあった陸軍航空廠を拠点として陸軍航空技

術研究所、陸軍航空工廠や立川飛行機株式会社を

接収しました。後に、現ルーデンスウェディング

ビレッジ(結婚式場)付近に近代的な米軍陸軍病

院(ホスピタル)が作られました。この病院は後

に市民にも開放され、設備の整った病院として利

用されました。立川基地はアメリカ第5空軍司令

部の略称でジャマと呼ばれ、後にフィンカムと呼

ばれました。

戦前の通貨は1ドル2円であり、終戦直後こそ1

ドル2円70銭でありましたが昭和22年3月には

1ドルが50円、翌年7月には270円、そして1

ドルが360円になったのは昭和24年4月であり

ます。この360円が昭和46年8月まで続いたの

です。(編集部注:終戦後の日本経済は戦時中の空襲等に

よる工場や生産機械の破壊、膨大な数の外地からの復員軍

人や引揚者の受入などにより極端な物不足に陥り、戦時か

ら続いていた日銀券の大量発行もあり史上最悪と呼ばれ

るインフレとなりました。そのため為替レートも極端な円

安となったのです)

昭和20年10月ごろから現在の伊勢丹付近

を中心に、闇市が出来はじめ、物不足を背景に何

でも売っている闇市が繁盛したものです。そこに

は米軍人が日本円ほしさに放出したウィスキー

やタバコをはじめ当時の日本人が手に入れにく

いものがたくさんありました。

当時の市中でのドルと円の換算相場は1ドル4

00円でした。チップ好のアメリカ人は25センド

貨1枚を買い物の都度よく置いていったので、商店

をしていた私たちには福の神でありました。

(編集部注:昭和23年頃の小学校教員の初任給は2

千円、早稲田大学の年間授業料は2千8百円でした)

闇市の代表的な商品はタバコでした。ラッキー

ストライク、ラクダの絵のキャメル、ケントとい

った銘柄でした。「モク拾い」というタバコの吸

殻を拾う商売の人まで居た時代でこのことを知

っている人がすべてこの世から消えてしまった

ので無いのかと思われる様に日本は様変わりを

してしまったのです。

タバコと共に多く出回ったののがウィスキー

でした。ジョニ赤とジョニ黒の2種類が最も多く

赤と黒で普通酒と特級だったのか赤は3千円、黒

は7~8千円もしたものです。

昭和39年頃の立川基地

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米軍が進駐と共に一番先に泣いたのが滑走路

(600m)の短さでした。南北2千 m の滑走路

の建設がはじまり多摩川の砂利が掘られ、日野橋

が流される寸前まで掘られ、府中用水の取水が出

来なくなり動力によって府中用水からの田は栽培

が出来たのです。

米軍統治時代の立川基地は多くの航空機が飛来し

ました。当初もっとも多く飛来したのがダグラスD

C3型で米軍ではC-47と呼んでおりソ連軍によ

るベルリン封鎖に活躍した機でした。昭和26年6

月25日朝鮮戦争が始まると「地球の主」と云われ

たグローブマスターが常時20機位は立川におりま

した。 米軍はチャーター機も多く使いリトル航空

とかフライングタイガー・スリック航空などの飛行

機が常に飛んできました。3枚の方向蛇のロッキー

ドコンステレーションや「空とぶホテル」と呼んだ

ボーイングC-97など懐かしい飛行機がいっぱい

来たのは昭和30年代でした。

米軍は体験搭乗もよくしてくれました。ハーキュ

リーズ輸送機は今でも横田に行くと見られるようで

すが、初飛行が昭和29年8月という驚異的な寿命

をもった現役機でもあり富士山一周などのサービス

も多く必ず搭乗証明書をくれたものです。

当時の進駐軍は巨大な組織であったので、日本人

の進駐軍労働者は東京都全体で6万人を超えており、

立川だけでも昭和27年には2万人弱おりました。

東京都渉外労務管理事務所は千代田区・渋谷区と立

川にあり労務管理を行っていました。

米軍立川基地の約32年間に事故はいろいろあり

ました。大きな事件としては昭和27年7月の朝日

新聞に「燃える井戸水、立川富士見町にて」の見出

しで井戸水のガソリン汚染を伝えています。ちょう

どこの頃緑川に投棄されたガソリンによって映画館

が全焼する事件も起こり、井戸水の汚染問題は大き

な社会問題となりました。「立川水道史」によると、

昭和27年10月には市内3分の1の井戸水が汚染

され、給水車が毎日各町内を給水して歩きました。

立川市水道記念碑(立川市柴崎浄水場内)によれば、

汚染区域230ヘクタールで市内の80%の井戸が

汚染されたとも書いてあります。この原因はいまだ

に不明ですが、汚染源として立川基地が疑われたの

です。

昭和39年1月には西立川駅から暴走してきた専

用ガソリンタンク車が、ホームに停車中の青梅線電

車に衝突、現第一デパート付近一帯の商店街に燃え

移り大火となったのです。そのほかにも出入り自由

であった飛行場に入った青年が射殺されたりといっ

た不幸な事件もありました。

昭和44年10月米軍立川基地将校クラブで日米

連絡協議会の席上、突如、立川基地での飛行停止発

表があり、基地返還に動き出し、昭和52年11月

30日に、基地返還式がありました。とても簡単な

もので、来賓挨拶も岸中立川市長ただ一人でした。

32年間立川基地に掲げられていた星条旗は「司令

官その旗を下さい」と筆者が貰い受け今でも家宝と

しています。

昭和57年3月1日自衛隊は西部地区に移動し、

翌58年3月国営昭和記念公園が一部開園し、順次

フアーレ立川などの開発があり、現在モノレールの

とおっているところは、飛行第5連隊当時の格納庫

のあったところです。ちなみの南北道路に平行して

2千mの米軍滑走路があったのです。

(著者紹介)

三田

鶴吉

(主な著書)

立川飛行場史、立川駅百年

立川飛行場物語、立木信仰論

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元気のある

「業態化」という言葉がある。「営業の対象を絞り、サービス とコストにおいて競争相手に決定的な差をつけることを目標 として、徹底的な効率化を図ること」(小倉昌男経営学―日経BP 社より)である。ダムに堆積した砂利・砂を建設用骨材として販売する。という全国で最大規模の民間ダム開発企業でありながら業態化を進めて新分野に進出している企業を取材した。

ワロム産業株式会社

当社の創業は、昭和 40 年代月刊誌に掲載され

た「日本のダムの埋没論」が発端であった。論文

の要旨は「さまざまな用途で建設されるダムであ

るが、完成後に上流から流入する土砂が堆積し、

浚渫など適切なメンテナンスを行わないといずれ

埋没してしまう。新しいダムの開発よりも既存の

ダム再開発が重要だ。」というものであった。当時

は高度成長の真っ最中、建設用砂利・砂の需要はか

なり見込まれていたが、主供給源であった河川か

らの砂利採取は、公害問題や環境問題の高まりと

共に次第に規制されてきた時期でもあった。砂利・

砂資源の新たな供給先としてダムの堆積砂利が注

目されたのであった。その論文を読んだ大手商社

などの要請により昭和47年現社長の義父にあた

る井手秀雄氏が、佐久間ダムなどで砂利・砂採取の

事業化に向けての調査研究をはじめることになり

ワロム産業㈱を設立したのが当社設立の経緯であ

った。

事業化に当たって、全国各地のダムを調べた結

果、アルミメーカー日本軽金属㈱が自社の精錬所

向けの発電用に所有するダム(山梨県の雨畑ダム)

が、規模的にも砂利の年間流入量50万 m3 と手

頃であり、地理的にも需要地である甲府や静岡な

どの地方都市に60km以内と条件にも恵まれて

おり、さらには地域住民からもダムを開発してほ

しいという要請もあり話が具体化していった。

昭和50年日本軽金属㈱と合弁で開発子会社ニ

ッケイ工業㈱を設立、2年間かけて砂利排出用の

トンネルや道路を建設、昭和52年より本格操業

を開始したのであった。

砂利・砂の販売をはじめてほぼ10年経った昭

和60年、合弁先である日本軽金属㈱の要請で建

設用サッシの販売を開始した。すでにたくさんの

競合相手がいて価格競争の厳しい市場に参入する

には、他社と同じ方法は取れなかった。そこで考

案したのが「ワロム方式」である。

「サッシの無店舗販売だよ」と社長は言うが、

必ず必要と思われていた配送センターや配送用ト

ラックを持たず、商品の配送業務はメーカーの協

力を得てすべてメーカーに委ねた。営業マンは月

曜日から金曜日までフルに販売に当たらせるため

に、本社への出社を必要がない限り週一回にした。

さらに販売地に近いところに社宅を借りて直行・

直帰させた。文字どおり在宅勤務である。さらに

営業マンを煩わしていた見積書や契約書の作成を

本社の女性にできるようにシステム化を徹底させ

た。販売だけに特化したサッシ部門の誕生である。

「ワロム方式」は、業界の常識を破るものとして

注目を集めた。今ではこの方式を更に進化させ営

業マン4名体制で営業地域を山梨県・静岡県・長野

県をはじめ一都六県まで広げ、顧客向けには当日

志村社長

論文からはじまった会社設立

「ワロム方式」を考案

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元気のある

2時までに受けた注文は、翌日には配達出来るま

でにサービスの質も高めている。

3年程前から建設業にも進出した。サッシの販

売のために取得していた建設業の認可を活用した

ものである。ここでもワロム方式を貫いている。

英語の出来る社員を養成し、本社に近い横田基地

内の建設受注に狙いをつけたのである。国内の官

公庁は、指名入札制度の厚い壁に阻まれて、新規

参入はなかなか難しいが、米国基準の横田基地で

は技術力と財務力があれば、大手ゼネコンとも対

等に受注競争が出来るのである。

当社の予算管理は徹底している。毎月月末には、

コンピュータシステムから部門ごとの売上・費用・

収益にいたるまで担当者毎に集計される。そのデ

ータをもとに、翌月はじめには社長自ら安全パト

ロールと称して各部門を回り、直接担当者と翌月

の売上・経費について交渉するのである。

予算管理というと期首に決めた年間予算や月別

予算以内で抑えると思われがちであるが、当社の

場合は違う、すでに決めている費用の予算を削減

できないか担当者と交渉するのである。例えば、

骨材部門は、装置産業であるので毎月修繕費が発

生する。「修繕費の予算500万円を450万円

に減らすにはどうするか?」といった総論の議論

でなく、毎月1分1秒当たりの経費を算出して、

具体的な交渉を機械一台ごとに社長とするのであ

る。現場サイドでは、壊れた部品以外は極力定期

交換しないで使えるまで使い一秒でも稼動時間を

延ばすという工夫をして要請に答えているそうで

ある。サッシ部門や建設部門でも毎月社長と担当

者のこうした交渉が繰り返されるのである。こう

した交渉を通じて社長自身も現場感覚を忘れない

という。

厳しい予算管理を行っている当社であるが「無

駄な経費は出さないが、その分働いている社員に

は十分報いている」というのが社長の方針である。

具体的には、各部門ごとに目標対実績の基準を設

け、部門ごとの利益が上がればあがるほど担当者

への成果配分も増える仕組みになっている。実績

も毎月公表されており、期末が近づくと部門ごと

に「今期の成果配分がいくらになる」といった話

も聞こえてくるそうである。

「仕事は朝から晩まで100%の力を発揮しな

いと終わらない、というのではいけない。戦略を

考える意味でも多少の余裕は必要だ。」という考

えでシステム化を徹底し、無駄な仕事は極力機械

に置き換えて、完全週休2日制も実現している。

余裕を持たせた勤務体系のもと自己啓発に熱心

に取組んでいる。新分野に進出しているが必要な

各種の国家試験の資格者は、ほとんど内部社員で

まかなっているという。

当社の定年制は70歳である。65歳までは

定期昇給もする。「経験豊富で、働きたいという社

員を会社としても大切にしたいから」と社長は言

っていた。

今後の活躍を期待したい (佐々木)

はたらいた人に報いる制度

従業員の気持ちを大切に

● 会社概要 ワロム産業株式会社

代表取締役 志村 一郎 本 社 昭島市郷地町 3-1-12 創 業 昭和47年6月 資本金 7千万円 従業員 37人 電 話 042‐545‐6311

ダムで活躍する

ロコトラック(フィンランド製)

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学校を卒業してから数ヶ月間、母校の校長先生

から経理のことや算盤などを、地元に残った仲間

とともに手ほどきを受けた太田社長は、その後、

長野県の小諸に働きに出た。満州から引揚げてき

た人の八百屋で働いたのであるが、そこは、よそ

より「ちょっと安く売る」ということを心がけて

おり、北佐久郡の八百屋の中では一番売れるお店

であった。社長が商売の基本として重要視してい

るこの「ちょっと安く売る」というのは、この時

から始まったのである。働き始めた当初は近所に

青果市場もなく、それができるまでの1年間くら

いは、今のように手ごろな自動車もなく、リヤカ

ーで農家を回って仕入をやった。いちば

市場ができてか

らはそこに通ったが、坂の多い小諸の町を、リヤ

カーを引いて商品を運ぶのはたいへんだった。

何年かやるうちに、「あ、八百屋ではダメだな」

と思うようになっていった。まわりは皆農家だか

ら、…… 。そして、八百屋をやるなら東京へ行

かなければダメだと思うようになった。

東京へ出て、まず高田馬場から西武線沿線で店

を探したが、「借りる」という発想は無く、「買っ

てやる」という頭でいたから、見つかるはずも無

い。そこで、義姉が野菜と食品を扱っている目黒

のお店を紹介してくれて、そこで2年ほど働いた。

ある時、新聞広告で、日野の多摩平で出店者を募

集していることを知り、何の事前調査もせず、と

にかく店があるのだから行ってみることにした。

り、2年ほど学習塾をやっ

太田社長

そこは八百屋、魚屋などそれぞれ個別のお店が

あって、お客さんは買ったものに対してそれぞれ

のお店に支払をする、いわゆる寄り合いマーケッ

トであり、その中の3坪の店舗で乾物屋を始めた。

こうして昭和37年に独立したのである。当時は、

近くに仕入をするいちば

市場が無かったので、電車に乗

って築地まで行った。朝一番の4時ちょっと過ぎ

の電車で出かけ、普通の人には持ち上がらないほ

どの重い荷物を、かついだうえに両手で持って帰

るという仕事を毎日やった。開店後1年半くらい

して深大寺にいちば

市場ができたが、それまでは築地に

通ったのである。

その後、立川で店舗の中の1部を借りてお店を

やろうとしたところ、大家さんから「全部借りる

という人が来ているけど、どうしますか」と言わ

れ、「それでは全部借ります」ということになった。

全部を借りて店をやるということは、結局はスー

パー形式でやることを意味し、こうしてスーパー

ストアの世界に入ることになった。この立川錦町

お客様に少しトクしたという感じを持っていただくため

入 一般のお店、大手のお店より「ちょっと安く売る」を商

売の基本にしている。趣味は仕事と言い切るほどの働き者の社長により、寄合いマーケットの狭い店から

スタートし、現在8店舗を擁するまでになった食品スーパーストアである。

株式会社 食品の店おおた

元気のある

寄り合いマーケット

小諸から東京へ

スーパーストアの世界に

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作業風景

店の開店は昭和53年11月であるが、その頃は

もうスーパーの時代だということは、よく承知し

ていた。そして昭和60年頃、現在の専務が社員

として入ってきた。土地も買ってあったし、その

頃からスーパーの本格的な店を始めた。専務は、

ある佃煮の問屋に長く勤め、酒屋で勉強したりし

たあと同社に入社した人で、立地のことにも通じ

ている。お得意さんを回っていて、どこにどのよ

うな店があるか、どの店が売れているか、等々よ

く知っており、長い経験もあって、売れそうな場

所がわかる。それで新しいお店の場所を見つける

のは、専務の仕事なのである。立地が売上に及ぼ

す影響が90%といわれ、競争も激しいこの業界

にあって、こうした人を擁していることは明らか

に同社の強みの一つである。

その後、規模を広げ店舗も増やしたが、事業を

始めた当初から、仕入には一貫して気を使ってい

る。つまり、同社では、仕入は責任者が必ずいちば

市場に

行くということを実行している。なぜ行かなけれ

ばならないのか?生鮮食品というのは、日によっ

て、いろいろなものが有ったり無かったり、安い

ものが有ったりする。しかし、そういうことは行

かない限りわからない。いいものを仕入れようと

思ったら、そこに出かけて行って目を光らせてい

ないとだめなのである。安易な仕入をやって、問

屋さんから「あ、○○さんならこれを出しておけ

ばいい。あそこは値段だけ安くしとけばいいから」

と言われるようになったらお仕舞いである。実際、

大手のスーパーで問屋さんにそのように扱われて

いるところがあり、そういう現場を目にしている

だけに仕入には気が抜けないのである。

この業界では、店をどこに出すかは大きな問題

である。たとえば、郊外など大店舗ができる余地

のあるようなところに出店すると、だいたいその

店の採算が合うようになり、軌道に乗ってきたと

思う頃、近くに大きな店舗を作られてしまうこと

が多い。このように郊外は危険性が高い、という

認識で郊外への出店は避けてきた。経験豊富な専

務の尽力で、駅のそばだとか住宅地の中、大手や

他の店が出て来ないようなところに店を出してき

たが、こうしたことが結果的に良かった。しかし

最近は、自社の既存店舗の売上が落ちるから出店

する、ところが店の無いエリアなど無いから有る

ところへ出す、そうすると相手のお店の売上が減

る、そこで相手も出店する……、ということの繰

り返しになっている。こうした厳しい状況を承知

のうえで、「いい場所があれば出店したい」という

のが太田社長の希望である。いい場所にいいお店

というのは消費者の希望でもある。今後の活躍を

期待したい。

<取材:佐々木/堀田>

● 会社概要

株式会社 食品の店おおた

代表取締役社長 太田 直治

本 社 日野市大坂上1-32-5

創 業 昭和37年4月

店 舗 8店舗

資本金 1000万円

従業員 110人

パート・アルバイト300人

TEL 042-585-5550

FAX 042-585-5556

元気のある

店舗と場所

仕入のこと

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現会長吉田茂氏が(有)平井作業所を創業したの

は、昭和41年9月であった。当時は、高度成長

の真っ只中、なかでも「金型業界は特別な営業活

動をしなくても注文が取れる時代」(社長談)であ

った。昭和44年には(有)平井精密樹脂工業所に

社名を変更した。

主要取引先であったA社が昭和45年から生

産をはじめた「電卓」やその後に発売した「デジ

タル時計」といった半導体を使った全く新しい商

品が、爆発的に売れ、A社の成型品の過半数を供

給していた当社の生産量は飛躍的に増加した。こ

の飛躍的な生産増は、当社に新たな技術蓄積をも

たらした。電卓のボタンなどに使われた2色成型

の技術である。

そんな中で当社の将来を決定する大きな事件

が起きた。昭和60年9月のプラザ合意をきっか

けとする急激な為替の変動(円高不況)である。

およそ1年間に円相場が1ドル240円前後から

150円台前半まで上昇するという急激な円高は、

輸出比率の高い日本経済を直撃した。A 社からの

受注も減少、同社に対する売上依存度の高かった

当社の収益を圧迫した。

このとき新規受注先開拓の有力なツールとな

ったのが電卓で培った2色成型の技術である。

「当時九州には2色成型が出来る金型業者が、ほ

とんどなかった」(社長談)こともあり、関西系の

大手電機メーカーの電話機の受注に成功し、その

後はパソコン・プリンター・FAX などの情報機器

メーカーやカメラ・時計などの精密機器などの国

内主要メーカーに受注先を広げることがてきた。

当社の仕事の特徴は、他社と差別化をはかり、

ユーザーとの密接な関係を構築する上で有利な垂

直的な事業展開を図るため、操業当初から金型の

内作化に取組んでいる。

近年では、金型・成型に加え加工後の筐体に印

刷、塗装、アッセンブリー迄まとめて発注するセ

ットメーカーもある。言い換えると金型から始っ

て組立てにいたる筐体製造全体を一つのユニット

として発注する様になってきたのである。

最近受注した例でも、当初筐体の一部のボタン

だけを受注した先で、次第に良さを判ってもらい、

徐々に受注範囲が広がり、最終的には筐体全部の

金型から成型・印刷・組立てまでを一括して月産数

十万台という大量の受注に結びついたこともある

という。「昔は成型メーカーであったが、今は総合

メーカーだ」と社長は笑っていた。

金型製造と成型加工という事業分野に特化して技術を

磨き、次々に有力企業を開拓し、時代を画するような商

品を世に送り出し、それに満足することなく、現在はI/T技術の導入に積極的に取り組みより、さらに

上を目指している。積極的な企業を取材した。

株式会社 ソルプラス

元気のある

会社を救った2色成型の技術

受注環境の変化

吉田社長

金型製作 成 型 組 立

(川上) (川下)

出 荷 ※当社の仕事の流れ

(概念図)

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今当社を含む金型業界が取組んでいる大きな

課題がある。それはI/T化の進展とそれに伴う技

術の高度化である。

具体的には、パソコンの技術の高度化と低価格

化により、従来は中小企業ではなかなか取組めな

かった立体的な金型加工(3次元加工)がパソコ

ンのシミュレーションやバーチャルリアリティー

などの機能を使うことにより可能となり、金型設

計そのものが複雑化してきたり、取引先の設計図

面自体が3次元化してきていて、自社のコンピュ

ータシステムを高度化しないと見積も出来なくな

ったり、取引先との日々のやりとりにCAD/C

AM用データが直接送られるケースが日常化する

など、さまざまな場面で、その対応が大きな問題

になっているのである。

3 次元のCAD/CAMを設置する直接の設置

費用も大変であるが、その設備を操作する従業員

の教育訓練費用も何人もの従業員を数ヶ月派遣し

なければならないケースもあり、その間の研修費

用だけでも数百万円という単位でかかるケースも

あるという。しかしながら、曲面を多用した3次

元の設計はデザイナーの意向を忠実に反映するば

かりでなく、パソコン上で完成品の検証や解析あ

るいは図面展開が可能になるため「コンピュータ

を使って複雑化している環境についていける先と

そうでない先と2極化しつつある。今は厳しくて

も、この投資は続けていかなければならない」(社

長談)という。

当社は、今年4月に店頭公開企業である株式会

社アークと資本提携を行った。アーク社は試作品

製作の国内最大の会社で金型に関しては日本及び

海外でフルライン業務(企画・デザイン・設計・試

作・金型成型までの一貫生産)を行っている。前述

のCAD/CAMを中心とするデータ処理部門を

強化しようとする当社の意向と一致し、国内外を

通じて技術力の向上とコスト競争力の強化を図る

強者連合を目指したものである。

また本年8月には、社名を従来の㈱平井精密か

ら㈱ソルプラスに社名変更している。社名の由来

は「ソルとは、スペイン語で太陽と言う意味を持

ち、発祥の地が日の出町なのと、ソリューション

(問題解決)をプラスにさせるという2つの意味

を持たせた」(会社発行文書より)そうである。

「今後はISO9000 を早急に取得し、その後

は店頭公開を目指す」(社長談)という会社の今後

に期待したい。 <取材:佐々木/堀田>

● 会社概要

株式会社 ソルプラス

代表取締役社長 吉田 實

本 社 西多摩郡日の出町平井22-9

創 業 昭和41年6月

資本金 29,500万円

従業員 274人

関連会社 九州平井精密

HIRAI SEIMITU THAILAND(タイ)

SOL-PLAS INC(メキシコ)

TEL 042-597-0133

FAX 042-597-3950

ホームページ

http://www.sol-plus.co.jp

高度化するI/T化と金型製造

さらに上をめざして

I/T化の進む

CAD・CAM工程

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人口のうごき 多摩の8月1日現在の推定人口(表-1)は、前月比97

2人増加し388万8,575人となった。

市町村毎の動きをみると、前月比で増加したのは町田市

(386人)、国分寺市(293人)、あきる野市(159

人)、昭島市(153人)、立川市(114人)、三鷹市(1

01人)の順に6市が100人以上増加したのをはじめ1

8市町村で増加した。逆に減少したのは、武蔵野市(▲1

16人)、日野市(▲88人)、府中市(▲82人)、福生市

(▲63人)の4市をはじめとして13市町村であった。

前年同月比増減を見ると、多摩計は28,519人(0.

74%)増であった。市町村毎では、増加率順に稲城市2.

42%、国分寺市1.65%、町田市1.61%の順に1.

0%を超える高い伸びを示した市は6市に達した。この6

市合計の人口増加数は19,075人であり、全体の増加数

(28,519人)の66.9%と過半数を占めている。

逆に減少したのは、檜原村▲1.78%、奥多摩町▲1.

77%の2町村が1.0%を超えたほか7市町村で減少を

記録した。

多摩の人口は、将来どうなっていくのか、平成9年12

月に東京都統計協会が発行した「東京の将来人口」から多

摩の人口の推移を抜粋

したのが表-2である。

この表を見ると、多

摩の人口は平成22年

までは増加を続け、ピ

ークには392万人ま

で増加、その後減少に転じ、平成27年には390万人と現在よりも13万人増加する。

人口の構成を見ると、少子化の影響をまともに受ける0~14歳の年少人口は年々減少し、現在よりも

20%近く減少し全体の構成比も10%そこそこに減少する。また生産年齢人口(15~64歳)は現在

より30万人以上減少し、250万人を割り込むと予想されている。それに比べて高齢化が危惧されてい

る老年人口(65歳以上)は倍増し、100万人近くに達すると予想されている。こうした高齢化を受け

て平成7年(国勢調査)の多摩の老人人口の割合は11.3ポイントと都道府県で比較すると千葉県と同

じで、埼玉県(10.1)に次ぐ全国でも2番目の低さである。しかしながら平成27年に24.7ポイ

ントと倍増すると見込まれている。こういった高齢者の安心して働ける職場と環境作りがこれからの大き

な課題であると思われる。 (佐々木)

参考資料:東京都統計局「東京都の人口」、「都道府県別将来推計人口」、「東京の将来人口」

人 口 前月比人  増減 人 増減 人 増減率 %

八王子市 533,415 -14 6,126 1.16立川市 164,229 114 1,704 1.05武蔵野市 135,406 -116 662 0.49三鷹市 170,432 101 1,586 0.94青梅市 140,910 -58 17 0.01府中市 225,613 -82 1,557 0.69昭島市 106,445 153 124 0.12調布市 204,657 22 2,022 1.00町田市 376,465 386 5,969 1.61小金井市 111,201 -37 -41 -0.04小平市 178,475 -39 843 0.47日野市 167,716 -88 463 0.28東村山市 141,831 53 1,546 1.10国分寺市 109,649 293 1,778 1.65国立市 71,859 46 378 0.53田無市 78,027 31 202 0.26保谷市 102,405 19 485 0.48福生市 61,635 -63 0 0.00狛江市 75,658 13 223 0.30東大和市 77,197 97 704 0.92清瀬市 67,257 6 -12 -0.02東久留米市 112,526 -47 -179 -0.16武蔵村山市 65,971 -49 -14 -0.02多摩市 145,686 15 7 0.00稲城市 69,245 86 1,634 2.42羽村市 56,286 -50 180 0.32あきる野市 77,601 159 731 0.95瑞穂町 33,160 33 141 0.43日の出町 16,703 14 -120 -0.71檜原村 3,315 -8 -60 -1.78奥多摩町 7,600 -18 -137 -1.77多摩計 3,888,575 972 28,519 0.74

市町村別推計人口(8月1日)前年比

実数(人) 構成比(%) 実数(人) 構成比(%) 増減(人)人口  3,773,914 100.0 3,905,932 100.0 132,018

0~14歳 538,864 14.1 444,879 11.2 -93,98515~64歳 2,797,212 72.9 2,481,621 62.5 -315,59165歳以上 431,556 11.3 979,432 24.7 547,876

(75歳以上) 163,135 4.3 449,937 11.3 286,802

平成7(1995)年 平成27(2015)年多摩の将来人口と年齢3区分人口の推移

表-1

表-2

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25

求人・求職のうごき

8月の多摩の有効求人倍率は、0.3

6倍と前月比0.04ポイント改善した。

月別の傾向は、昨年5~6月にかけての

0.23倍をボトムに顕著な改善傾向が

続いている。前年同月比で比較すると、

昨年10月から11ヶ月連続で前年実績

を上回っている。東京都全体でも前月比

0.03ポイント、前年同月比0.22

ポイントと多摩の改善傾向よりも更に雇

用情勢は改善している。

表-2は、多摩にある6つのハローワ

ークの有効求人倍率を示したものである。

各ハローワークとも本年6月以降は急速

に雇用環境が緩和されているのがわかる。

雇用環境が改善している理由を各ハロー

ワークに問い合わせたところ、業種別に

求人増を牽引しているのは、I/T革命

と福祉であるという答えであった。I/

T関連は製造業とサービス業に分かれて

おり、製造業では電子部品や半導体とい

った電気機械器具製造業、サービス業で

はSE(システムエンジニア)やプログ

ラマーといった情報サービス業の求人が増加し、福祉関連では介護保険法施行にともない病院や老人ホー

ムなどの福祉施設から求人増が業種別の特徴であった。求人を常用とパートに分けると、常用が減って、

パートが増えており、雇用を常用からパートへ切替の動きも見られるそうである。

地域ごとでは、立川ハローワーク管内では、区画整理を伴う再開発事業が最終段階を迎え、大型のビル

が相次いで完成、複数の警備会社が進出し求人が増加、再開発ビルに進出した情報関連サービス業でSE

やプログラマーを募集、I/T以外の在来型の製造業でも求人が増加している。八王子管内では大企業の

製品設計から作業現場までアウトソーシングで仕事を請負う企業が急成長し、I/T関連の工場からの求

人と合わせて常用雇用で電気機械器具製造業で8月の求人は前年比70%、情報サービス業で同167%

の大幅に増加した。また三鷹では製造工場がほとんど郊外に移転し、本社機能が残っている関係でI/T

化による雇用増の動きはあまりという地区まで地域的に差が見られた。多摩の工業製品出荷額の51%は

電気機械器具製造業(平成9年度工業統計)であるのでI/T化の進展が多摩の雇用に好影響をもたらす

ことは間違いないようだ。 (佐々木)

多摩のデータは、立川・八王子・青梅・府中・三鷹・町田の各ハローワーク(公共職業安定所)の資料による。

多摩 前年同月 東京都 前年同月 全国 前年同月倍 比ポイント 倍 比ポイント 倍 比ポイント

1999/ 9 0.28 -0.01 0.48 0.01 0.48 0.001999/10 0.29 0.00 0.49 0.03 0.48 0.011999/11 0.29 0.00 0.49 0.03 0.49 0.021999/12 0.29 0.00 0.50 0.04 0.50 0.032000/ 1 0.29 0.00 0.52 0.05 0.52 0.042000/ 2 0.31 0.01 0.53 0.06 0.52 0.042000/ 3 0.33 0.02 0.56 0.08 0.53 0.052000/ 4 0.29 0.04 0.60 0.13 0.56 0.092000/ 5 0.29 0.06 0.62 0.16 0.56 0.102000/ 6 0.31 0.07 0.65 0.19 0.59 0.122000/ 7 0.32 0.08 0.67 0.19 0.60 0.132000/ 8 0.36 0.10 0.70 0.22 0.62 0.15

有効求人倍率(パート含む)

ハローワーク別有効求人倍率

0.15

0.20

0.25

0.30

0.35

0.40

0.45

0.50

99/9

99/1

0

99/1

1

99/1

2

00/1

00/2

00/3

00/4

00/5

00/6

00/7

00/8

有効求人倍率

八王子 立川 青梅

三鷹 町田 府中

表1

表2

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26

住宅着工のうごき 表 1 は、1999年 8 月~20

00年 8月間の多摩27市の新

築住宅着工件数(棒グラフ)と

同前年比増加率(折れ線グラフ)

で表したものである。

8 月の住宅着工件数は対前

年比▲18.4%と大幅減であっ

た。内訳を見ると持ち家 873

戸(前年同月比▲3.1%)、貸家

1,557 戸(同▲32.0%)、給

与住宅4戸(同▲66.7%)、分譲住宅 1,391 戸(同▲6.2%)と各種別で前年同期を下回っており、中

でも貸家の減少は戸数で▲734 戸と最大の減少要因であった。

表2は、多摩の 8 月分住宅

着工件数を市別に表したもので

ある。表1で見たように、前年

同月比▲18.4%と大幅減であ

った多摩の住宅着工件数である

が、市別でみると地域格差が出

ている。

27市のうち15市で前年

実績を割り込んでいるが、中で

も最大の人口を抱える八王子市

(前年比▲32.5%)と2番目に

大きい町田市(同▲7.7%)の

2市の貸家の着工件数が大幅に

減少したことが市合計の着工件

数が減少し、結果的に多摩全体

の着工件数を引き下げているよ

うだ。

全体の住宅着工件数が前年比減少している中で、増加を記録したのは、多摩市(前年比 388.1%増)、

田無市(同 310.8%)の2市をはじめ12市である。増加要因を見ると貸家の着工件数が多摩市(前年

比 1,610.0%増)、田無市(同 520.0%増)と貸家の着工件数の増減が各市の増加率に大きな影響を与

えていることがわかる。 (佐々木)

資料:(財)建設物価調査会「月間住宅着工統計」

件数(戸)

増加率(%)

件数(戸)

増加率(%)

件数(戸)

増加率(%)

件数(戸)

増加率(%)

件数(戸)

増加率(%)

八王子市 473 -32.5 106 -8.6 270 -46.7 2 - 95 21.8立川市 81 -56.2 29 -32.6 25 -35.9 0 - 27 -73.8武蔵野市 220 15.2 34 -8.1 54 -57.8 0 - 132 407.7三鷹市 134 34.0 29 38.1 35 337.5 0 - 70 -1.4青梅市 82 -33.3 45 28.6 14 -36.4 0 - 23 -65.2府中市 456 81.7 44 -8.3 184 75.2 0 - 228 140.0昭島市 75 70.5 22 15.8 25 56.3 0 - 28 211.1調布市 187 -28.9 37 23.3 90 -33.3 0 - 60 -38.8町田市 500 -7.7 149 -10.2 51 -82.4 1 - 299 247.7小金井市 123 28.1 21 -34.4 39 -17.0 0 - 63 530.0小平市 209 -58.9 46 64.3 115 -75.6 0 - 48 380.0日野市 109 -36.3 49 6.5 41 -60.2 0 - 19 -13.6東村山市 99 90.4 34 41.7 44 340.0 0 - 21 16.7国分寺市 64 -69.8 25 -16.7 22 -87.3 0 - 17 88.9国立市 42 -44.0 13 -13.3 11 -69.4 0 - 18 -25.0田無市 152 310.8 18 80.0 124 520.0 0 - 10 42.9保谷市 83 -60.1 19 46.2 4 -50.0 0 - 60 -67.7福生市 26 -72.9 14 -36.4 6 50.0 0 - 6 -91.4狛江市 48 0.0 11 -38.9 30 0.0 0 - 7 -東大和市 69 -48.5 10 -47.4 19 -62.0 0 - 40 -38.5清瀬市 37 27.6 8 -42.9 6 0.0 0 - 23 155.6東久留米市 37 -51.3 9 -50.0 3 -87.5 0 - 25 -26.5武蔵村山市 85 -2.3 14 -57.6 41 41.4 0 - 30 20.0多摩市 205 388.1 18 157.1 171 1610.0 0 - 16 -36.0稲城市 121 -61.9 12 -25.0 104 1200.0 1 - 4 -98.6羽村市 32 39.1 16 6.7 9 - 0 - 7 -12.5あきる野市 76 2.7 41 57.7 20 53.8 0 - 15 -57.1

市部合計 3,825 -18.4 873 -3.1 1,557 -32.0 4 -66.7 1,391 -6.2 (注)「増加率」は対前年同月比

市合計     市別利用別新規住宅着工件数     2000年8月分

持 家 貸 家 給与住宅 分譲住宅表2

住宅着工件数の推移と増加率

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

1999/8 9 10 11 12 2000/1 2 3 4 5 6 7 8

住宅着工件数(戸)

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

50

60前年比増加率(%)

持家 貸家 給与住宅 分譲住宅 前年比増加率

表1

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27

倒産のうごき

株式会社帝国データバンク東京西支店に

よると、8月の多摩の倒産件数(負債総額 1

千万円以上)は33件で、1ヶ月ぶりに危機

ラインといわれている30件を上回った。前

月比では7件増、前年同月比では逆に▲1件

の減少であった。

業種別では建設業(15件)、小売業・サ

ービス業(各5件)、製造業・不動産業(各3

件)と建設業の倒産件数が突出していた。

負債総額は7月に㈱八王子そごうと㈱多摩そごうという大型倒産(負債総額がそれぞれ500億円を超え

るという多摩における戦後最大の倒産)があった関係で前月比の負債額は大幅に減少した。倒産原因をみ

ると、販売不振21件、設備投資の失敗3件、その他22件と不況型倒産(販売不振)が全体の80.8%

を占めた。

表-2は、多摩における過去3年間

(暦年)の負債総額1千万円以上の月

別倒産件数を表したものである。最近

3ヵ年の月別倒産件数を見ていくと、

最近倒産件数の多かった98年は、1

0月に中小企業金融安定化融資法(安

定化融資)が施行されたことにより、

11月以降の倒産は減少した。99年

は安定化融資の影響で年度の前半(1

~4月)までは30件未満の動きであ

ったが、5月と8月には30件を超え、

その後減少し、安定化法の元金返済の据置期間(1年間)が終了した12月に急増したが年間の動きは比

較的安定した動きであった。本年に入っては99年の動きとは明らかに変わり、毎月危機ラインと呼ばれ

る30件前後で推移している。数字上の動きだけをみると倒産件数の多かった98年の動きに良く似てい

る。増加の要因は、本誌の景況調査に見るように、製造業に多少明るさが見えてきたものの、それ以外の

業種では依然として業況判断指数もマイナスが続く厳しい景況と本誌13号で紹介した新しい倒産法制で

ある「民事再生法」(経営者が経営権を失わずに再建を図ることが出来るのを特色としている)が4月に施

行され、いままでよりも早い段階で経営者が再生法による再建を申請するケースも出ているのがおもな理

由と思われる。今年度は98年の「安定化法」のような法制度は望めないため、年間合計での倒産件数の

増加が危惧される。設備投資を中心とする製造業の業況改善が、個人消費に早く結びついて、一刻も早い

景気回復を望むものである。

(佐々木)

資料提供:㈱帝国データバンク 東京西支店

月別倒産件数

0

10

20

30

40

50

1月 3月 5月 7月 9月 11月

件数

1999年度

1998年度

2000年度

表-2

当月 前月比 前年比 負債総額  前月比 前年比 建 設 業 15 6 2 2,300 1,800 750製 造 業 3 -3 0 265 -4,735 -795卸 売 業 2 0 -8 2,600 2,510 2,190小 売 業 5 1 3 120 -105,530 70運輸通信業 0 -1 -1 0 -10 -10サービス業 5 3 1 280 260 -670不 動 産 業 3 1 2 60 40 -40そ の 他 0 0 0 0 0 0合    計 33 7 -1 5,625 -105,665 1,495

表-1   8月の倒産 金額 (百万円)件 数 

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28

くるまのうごき 8月の多摩の自動車保有台数は初めて

170万台(うち乗用車は67%の11

3万台、軽自動車は25万台、トラック

は14万台)を超えた。前月比460台、

前年比では12千台(0.7%)の増加で

あった(表-1)。

車種別では、軽乗用車が維持管理コス

トの安さや自動車メーカーの積極的な新

型車の導入で、車種別増加台数の83%

を占めほどであった。台数の多い乗用車

は、小型乗用車の保有台数は減少してい

るものの、普通乗用車の好調に支えられ

前年比では増加を示している。トラックについては景気の低迷を反映して、小型・普通ともに前年比減少が

続いている。 資料:自動車保有車両一覧表(関東運輸局東京陸運支局)

多摩のテレビ台数 昨年パソコンの販売台

数がカラーテレビの台数

を始めて上回った。I/

T時代の到来を象徴する

出来事として報道されて

いる。

表2は、東京都統計年

鑑から平成 11 年3月の

NHKの契約台数と平成

6年3月の契約台数の増

減を増加率(%)として

表示し、世帯あたりの台

数(台)は、契約台数を平成11年1月の各市町村毎の世帯数で序したものである。現在テレビの普及

率は一人一台といわれるが、この表から見ると普及率の高い奥多摩町と檜原村で個人ではなく、世帯あ

たりの台数が0.8台を超えているのが目立つくらいで、区部に近づくにつれて台数は低くなり、最も

低い三鷹市では0.5台にとどまっている。多摩平均の普及率でも0.694台と1.0台を大幅に下

回っている。 (佐々木)

資料:東京都統計年鑑(平成10年版)、東京の人口(東京都統計協会)

表-1

地区名契約台数

(H11年3月)増加率 (%)

世帯当台数(台)

地区名契約台数

(H11年3月)増加率 (%)

世帯当台数(台)

八王子市 146,369 11.5 0.722 保谷市 28,608 9.5 0.670立川市 47,523 7.9 0.700 福生市 17,830 4.9 0.703武蔵野市 39,696 5.3 0.622 狛江市 22,460 4.5 0.658三鷹市 44,891 7.1 0.591 東大和市 20,394 11.6 0.716青梅市 37,348 12.7 0.719 清瀬市 18,764 8.8 0.695府中市 63,706 11.6 0.677 東久留米市 31,657 8.6 0.711昭島市 30,673 3.0 0.719 武蔵村山市 17,475 2.5 0.723調布市 59,236 11.7 0.656 多摩市 40,693 5.3 0.717町田市 102,948 7.6 0.739 稲城市 18,320 10.0 0.719小金井市 31,894 6.3 0.660 羽村市 15,398 6.7 0.724小平市 50,296 14.9 0.700 あきる野市 20,092 6.4 0.748日野市 51,064 7.0 0.745 瑞穂町 8,911 6.3 0.783東村山市 38,265 7.8 0.676 日の出町 4,231 8.5 0.734国分寺市 30,761 10.3 0.663 檜原村 1,037 1.8 0.817国立市 20,988 12.3 0.628 奥多摩町 2,657 -0.5 0.861田無市 21,967 10.6 0.683 多摩 計 1,086,152 8.8 0.694

多摩のTV契約台数

保有車両数 前月比 前年同月比 前年同月比     台 台 台 増加率 %

乗用車計 1,136,749 -704 3,572 0.3

乗用車(小型車) 725,439 -1,947 -20,324 -2.7乗用車(普通車) 411,310 1,243 23,896 6.2トラック計 147,264 -162 -6,420 -4.2トラック(普通車) 43,725 -32 -504 -1.1トラック(小型車) 103,539 -130 -5,916 -5.4バス 4,632 11 28 0.6

その他 40,155 136 1,578 4.1軽自動車 250,158 556 10,497 4.4二輪車(125cc超) 121,085 623 3,102 2.6保有車両数合計 1,700,043 460 12,357 0.7多摩ナンバー 1,146,078 180 6,119 0.5八王子ナンバー 553,965 280 6,238 1.1

多摩の自動車保有車両数(2000年8月末現在)

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29

電力のうごき

下のグラフは、多摩の毎月の大口電力使用量を四半期ごとに合算し、その値の前年同期比増加率をたま

しんの製造業・非製造業の業況判断DIと比べたものである。今年4~6月期の大口電力使用量は、906

百万KWHで、前年同期比2.1%増であった(グラフ左軸)。また8月のそれは 352 百万KWH、前年

同月比では4.5%増であった。他方、7~9月期のたましんの製造業判断DIは4%とプラスに転じ、

非製造業のそれは-21%と若干の改善が見られた(グラフ右軸)。非製造業のマイナス幅はまだ大きいも

のの、全体の趨勢を見ると、製造業主導の回復が始まったように見える。 <堀田>

資料 東京電力株式会社多摩支店ご提供の資料による。

八王子の気象 過去3年間の平均気温の平年差(=当月平均気温-平年値)についてその変動を追ってみると、ゼロか

らの乖離幅は狭いものの、ほとんどプラスの領域で推移している。実際ここ3年、平年差がマイナスにな

った月数は3にすぎない。平年に比べて、僅かながら温暖な日が続いているようである。他方、降水量の

平年比(=月中降水量÷平年値×100)をみると、100%の上にも下にも偏ってはいない。<堀田>

資料 八王子市天気相談所観測「八王子市気象月報」による。 (注)「平年値」は 1958年~1987年の 30年間の平均値

大口電力使用量と多摩の景気

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

199309 199409 199509 199609 199709 199809 199909 200009

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

10%

(左軸)多摩大口電力(前年同期比)たましん製造業業況判断DI(右軸)たましん非製造業業況判断DI(右軸)

平均気温と平年差

-5

0

5

10

15

20

25

30

1997/8 1998/2 1998/8 1999/2 1999/8 2000/2 2000/8

平均気温

平年差

降水量と平年比

0

100

200

300

400

500

600

1997/8 1998/2 1998/8 1999/2 1999/8 2000/2 2000/8

mm

0

50

100

150

200

250

300

350%

平年比 降水量

Page 30: 2000 OCT NO.142000 OCT NO.14 CONTENTS [ 目次 ] 2 16 18 20 22 多多摩の景景気気 人口中小企業景況速報 多摩の源流 戦後の立川飛行場 元元気気のああるる企業紹介

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発行日 2000年10月20日

発 行 多 摩 中 央 信 用 金 庫 業 務 部 地 域 経 済 研 究 所

2000年10月号

編集後記

日銀短観の業況判断DIを見ると、中小企業の製造業では電気機械・一般機

械などIT関連業種の好調な業種がいくつかある一方、非製造業では通信以外

は依然マイナスの状態が続いています。多摩の景況も同様の傾向が見られ、製

造業の業況判断DIは今期プラスに転じましたが、非製造業ではマイナス基調

が続いており、特に小売業のマイナス幅は大きく、消費の停滞が感じられます。

今回で4回目になる「多摩の源流」は、「戦後の立川飛行場」です。終戦後、

復興を目指すさまざまな動きの中で、飛行場という非日常的な話を縦糸に、闇

市や進駐軍あるいは円とドルの換算相場といった、当時の立川では日常的だっ

たと思われる話を横糸にした興味深い読み物です。

本文記載の内容について、ご意見やお気づきのことがありましたら、下記の

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